【2004 December】
●K君──懸案の石井監督の映画は昨日クランクアップしました。
やっと心置きなく<原稿>に専念できます。
なにしろSMの世界と教育論ですから。その落差は大きく。
<剃毛>シーンを撮っている傍らで、「きみたちの『やる気』はこうすれば喚起できる!」と書いているのですから。
いったいどんな「やる気」なのか。
当の本人の「やる気」は萎えるというものです。
明後日から、23日の締め切りまで、映画とは異なる<格闘>をしなければなりません。
まずは、落ち着いたという報告です。

●T子──報告ありがとう。
本気だして原稿仕上げて。
☆☆
昨日、○○書房の○○さんと話しましたよ。
「Kさん、大丈夫そうよ。いい人ご紹介いただいた。あの本は、うちの来年の期待がかかってる」と仰言ってた。
私にも、「そのうち、ぜひうちでも書いて」と。
そう言われるのもムリはない。
だって私、またまた、発売1ヶ月で10万部のヒットに恵まれちゃった。
これも30万部いくのは時間の問題。
もっとバケるかも。
☆☆
「もっと印税を要求しなさい」と助言してくれる人物もあり。
言ってみたら2倍にはねあがった。
☆☆
○○書房○○さんと組んで仕事をしたい気持ちはおおいにある。
ちょっと話をするだけで、「デキる女」とわかるもの。
何十人もの編集者に会ったけど、おしなべて男性より女性のほうが有望だった。
それに、女性向けに書くと確実に売れる。
だから来年は何か考えましょう、と答えたよ。
☆☆
でもその前に、先輩のことをヨロシク、と。
リライト仕事もちょーだい、と頼んでしまった。
「よし、わかった。うちは文庫が2ラインあるから、出版点数は多いの。任せて」と有難いお言葉。
これで2005年は、みんなにいい年になる。
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●K君──頑張る。
23日の締め切りまで<山篭り>宣言。
2000年の『ちんちろまい』以来の、わがフィルモグラフィーに載せられる<映画>となりました。
わが映画史には、この5年間という「<沈黙>の時代」が存することになりました。
位相すれば、現代日本史の「失われた10年」に相当するのでしょう。
非常に<哲学的な>時間が経過したことになります。
いずれ、そんなことも<書き残し>たいと、思っています。
23日まで「頑張る」ということです。
それ以降に、<報告>します。

●K君──本気を出して、やっているのですが。
あと半章で息切れ中。
もうやめた。
時間があればあったで、ただただ試行錯誤を延々と繰り返し、1日1節がせいぜい。
切羽詰って、1日1章を書きなぐると、吟味も計算も仕掛けもない。
しかし、ピュアにストレートであることも確かなんだが。
要はなんにも、文章であることを吟味しないのだ。
ただただ、浮かんだままに打つのです。
もう寝よう。
午前3時起床で昼までに半章。
それから明後日の昼までに1章。
試練の時です。
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●T子──<私は今朝、仕事完了>
1日3節が適量でしょう。
15〜20日で1冊書ける。
ペース配分もプロの心得。
時間がないなら集中力かき集めて、ハイクォリティ原稿にしてよ。
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●K君──メリークリスマス!
6章中の5章はあげた。
インドネシア物語の1章は、楽しんで書こうと思って、結局、間にあわなかった。
著者は、正月に読むという。
これからもう1回戦い(許容してくれればね)がありますね。
という状況です。
☆☆
明日から来年の「映画」のロケハンに、零下の岩手の山の中に行きます。
でも、今年「本」を作る作業ができたのは、さまざまに大いに勉強になりました。
「編集者」という人も見たしね(まるでエスキモーを見るようジャン)。
生き延びることができるならば、自分のことを書こうと思います。
From オールド サンタクロース