【2005 September】
●T子──ポシャる
○○氏にからむ映画企画の話は、どうせ進捗しません。
あれはダメです。
こちらから没にして、スッキリしましょう。
☆☆
私はゼロより謝罪の言葉を預かりました。
「Kさんまで騒ぎに巻き込み、大変な労力つかわせて、申し訳ありませんでした」と。
むろん私は、「最低限でいいからギャラを補償しろ」と言ってます。
少し時間をいただければ何とかします。

●K君──『信長と十字架』なる本読了。
信長を操っていた南欧「グローバリズム・カソリック」勢力の「極東政策」に関して、信長が独自に動き始めたため、つまり南欧勢力の意図に与しないという意志が明らかになったがために、南欧勢力が光秀を唆し、信長を葬った。
それをなす為には、日本国内に、大きな支持勢力ネットワークが築かれていた。
南欧勢力のテーマは中国大陸であった。
あとに就いた秀吉は、南欧勢力の意のままに、失敗したが慶長の役という「朝鮮侵略」をした。
やがて家康となり、徳川は南欧勢に対して「鎖国」する。
オランダ(北欧プロテスタント)と中国に対しては、門戸を開いていた。
南欧勢力の視点には、イベリア半島をイスラムから奪還したが、イスラムの勢力地への侵攻という視点があった。
件の企画のテーマに沿えば、信長の「本願寺・真宗弾圧」はカソリックよりプロテスタント的な日本的「宗教改革」に見える。
言うなれば、より「科学的な神学」か。
この本願寺門徒の一揆の流れが、伏流し、徳川末期の「ええじゃないか」、新撰組、維新を経て自由民権運動、秩父相模の困民党、ひいては大正デモクラシーにつながる。
そうした流れを透視しなければならないだろう。
☆☆
いずれにせよ、近代は信長から始まる。
「朝廷・天皇」「足利幕府」そして「信長」さらに「外圧」という四すくみ状況にあった。
実態は、どこにあったかというと、世界史的に考えなければならない。
日本史的には、「日本」は、頼朝まで遡り、頼朝で始まる、と考えている。
それ以前は、中華エピゴーネンである。
わが「東国」論である。
<権力>の有り様を吟味しなければならない。
☆☆
さらにそれ以前もある。
さらに後の現代史にも関わってゆく。
満州とか半島とか、そしてヨコスカということなのだと思う。
「映画を作る」ということは、「いまの状況」を如何に見定め、「未来」に対し、如何にメッセージを発するか、「残せるか」ということだと思う。
題材が同じであれ、「状況」が異なれば、料理の仕方味付けは大いに異なる。
パスタにもなれば餃子にもなり、ラビオリにもなり、饂飩にもなる。
ワンタンもあれば水団もある。
「すいとんか!」今の日本映画なんかほとんど水団みたいなもんだな。
☆☆
『大いなる休暇』というカナダケベックのフランス語映画を観た。
ウッデイ・アレンの『さよなら、さよならハリウッド』を観た。
映画の「力」も「批評」もあった。そして切なさも。

○○氏にからむ映画企画の話き、どうせ進捗しません。
↑というのは別段驚くに値せず。
魑魅魍魎は跋扈しているのです。
日本映画界を漂流する企画『安重根』の映画企画など、ものすごいものでした。
北も南も、あの組もこの組も入り乱れて、李朝の生き残りの王様(もう亡くなりましたが)をめぐって、そのくせ現場にはほとんど金は回らず、ひどい目にあいましたが、それなりに面白くはありました。
まるで嘘のような「活劇」でした。
いつかそんな話も、公にできることがあるでしょう。
誰かが、この「活劇」の交通整理をすれば、成りたつわけですが、水面下の政治交渉であり、いわゆるフィクサーは何人も登場しました。
思うに映画プロデユーサーもフィクサーの要素がなければ、結局「未来」を構築するという絵図が描けないのではないか。
国際会計士だけの敏腕エージェントには興味がないな。
だから『満映』に大いに関心がある。
『セカチュー』も『電車男』も『NANA』も興味がない。
もっと大きなスケール感、当たり前だ、インターネット時代なのだから。
その中の発想を良しとする。
その意味で『ノブナガ』はよかったよ。
ただ、ハリウッドに対しては、もう少し「戦略」がいるのだろうな。
エージェントもロビーも含めて。
☆☆
『ノブナガ』に関しては、あたためていく。
あと10年も経てば、見えてくるものもあるかもしれない。
50才になって見えてきた(理解できるようになった)昭和初期史も、そして日本史もある。
自分で「書けば」いいんでしょ。
個人的には、「日本で最初のクリスマス」の場面を見たいのだから。
☆☆
>むろん私は、最低限でいいからギャラを補償しろと言ってます。少し時間をいただければ何とかします。
↑お心遣い嬉しく思います。
☆☆
「ポシャッた」という認識はないよ。
ただ、ムキになれるテーマ(最近あまりない)は欲しいな。
もちろん裏づけはいるけれど。
たとえば、1年間でこの企画をハリウッドで何とかしろというなら、できなくはないと思うよ。
そういう自信はある。
でも1年間分の「コスト」は必要だ。
それは、中国であっても韓国であっても。
ツテはあっても、それに任せるわけにはいかない。
結局自ら確認して、委ねられるかどうか判断して「作る」しかない。
処処なかなか上手には進行してくれない。
一長一短。
一勝一敗。