恋愛かくれんぼ

恋愛かくれんぼ・デートノート2011⑥

投稿日:2021年7月8日 更新日:

【2011 August】

●K君──お薦め

『神の棄てた裸体-イスラームの夜を歩く』石井光太 新潮文庫。

☆☆

松平盟子、だったと思う。

『オピウム』という歌集がある。

一読あり、と思う。

☆☆

佐々木譲『勇士は還らず』

こんな時期に、めぐりあうのか。

返信不要。

…………………………

●K君──Tちゃん

ボーイフレンドが成立している時は、素っ気ない。

ハッピーではある。

☆☆

ひと月、婆さんと格闘。

介護認定申請。

ヘルパー要請。

デイホームサービス。

おまけに、40年分の不要品、「ゴミ」だ。

分別。

☆☆

干からびたわがふるさとの穴蔵、垂れ下がったツインピークスはしゃぶったことはあったか。

それを、「洗う」。

☆☆

ひと月、「調理」した飯は喰わせたが。

完食する。

しかし、味覚は退化している。

☆☆

婆さんの観察記録は、そのまま私小説だが、好きじゃない。

☆☆

ジャズ祭もあるか。

でも、船に乗りたいかなあ。

ちょっくら、小笠原あたりまで散歩してみる。

…………………………

●T子──これから母上はどうされるの。

独りにして大丈夫なの?

…………………………

●K君──どうも。

基本的には、老人介護施設に委ねる。

ヘルパーとデイサービス、週1で妹が対応。

まだ、認定がでない。

申請から1月かかる。

香港フラワーの薔薇を、青く塗り、ブルーローズとし、ぶりょうを癒しています。

…………………………

●T子──母上は今すぐ施設に入るのではなく、可能な限り自宅で生活するということですね。

だったら良かった。

あなたも、もうしばらく実家にいるんでしょ?

ゆっくりしていけばいいじゃん。

☆☆

ライター仕事の単行本、脱稿した。

明日、念願の開高健記念館へ行ってみようと思う。

一緒に行く? 茅ヶ崎だよ。

…………………………

●K君──うん。

明日も暑いぜ。

まずは、いっつはっぴ!

…………………………

●T子──上大岡駅改札で待ち合わせしよう。

11時でどう?

…………………………

●K君──まあ、別段の問題はない。

井土ヶ谷だっけ?

横浜に出て、東海道線の方が楽じゃねぇか。

こっちはまだ実家。

茅ヶ崎なら逗子に出る。

開高健じゃないオプションなら、 上大岡も。

朝は3時に起きているので、連絡はいつでも。

因みに、ボボダカケンと呼ばれておりました。

…………………………

●T子──それでは茅ヶ崎で待ち合わせ?

何時にする?

記念館は10時からやっている。

…………………………

●K君──エニシング ウィル ドウ!

11時、茅ヶ崎駅で

…………………………

●T子──アンダスタンド。

【デートノート④ 2011.8.26〜8.30 3泊5日・75時間デート】

(T子記す)

2011.8.26

11時、茅ヶ崎駅で待ち合わせ。

すでにKは来ていた。

改札を出た私の正面にいた。

顔を見合わせ微笑んだ。

「美人だね」の一言が嬉しい。

でも私はノーリアクション。

☆☆

駅構内に開高健記念館の看板あり。

Kは早く来ていろいろ調べてあった。

「オーパ定食がある」なんて言う。

ほんと?

結局は嘘。

☆☆

駅前で大型タクシーに乗り込む。

さっそく母上の話がはじまる。

私はKのほうを振り向いて、顔を見せながら親身に聞く。

老母歩けなくなって買い物に出られなくなった、それで俺に連絡してきた、とK。

よかったじゃん、電話してくれて、餓死するところだったかも、と私。

すればよかったんだ、ああなったらもうだめ、生きてる値打ちがない。

(とかなんとかKはほざいてた)

四つん這いになって家の中を移動している、とKは母上をけなすけど、てめえこそハイハイしてた頃からずっと面倒みてもらったんだろ。

買い物、料理、洗濯、入浴、洗髪そのほか諸々、介護してひと月。

今後は親の家をどうするか、貯金はどう扱うかで、妹と腹の探り合い、女房が子供連れて様子を見に来た、相続のことが気になってというのが本心だろ、それでいて女房は何かとよけいなこと言うから怒って帰した、それっきり。月末になればまた連絡してくるだろ、生活費の入金どうなってるのと。

でも母上は孫に会えて喜んだでしょ。

一瞬な。

☆☆

喋っていたから私、道を覚えられない。駅から一本道だった?

いや一度曲がった。

☆☆

ここだ。

わ、いい感じ。

寿屋時代の仲間である柳原さんがこっちにいたから茅ヶ崎に移ったんだろ。

柳原さんは山手だよ。

知ってる。

そういえば、開高さんちと柳原さんち、おうちの屋根の形が似てる。

☆☆

開高健、どれだけスケベオヤジだったか知らないけど、あれだけ書ければ許される、ロマネコンティうますぎる、と私。

欲望が枯れたらだめなんだ、とK。

そうよ、だめよ。

☆☆

開高邸の「哲学の小径」から建物内に入る。

庭師のおじさん、インテリ風で素敵。

バーベキュー炉のあるテラス。

木陰。

ここで飲みたい、ワイン買ってくればよかった。とKは言う。

気に入ってくれたみたい。

☆☆

どうぞ中へ、とスタッフの女性に誘なわれて入館。

NHK番組「あのひとに会いたい」ビデオを観せてくれる。

私とKはソファに並んで鑑賞。

☆☆

そして館内を自由に見せてもらう。

スタッフが必要に応じて説明してくれる。

こちらからも質問して、いい雰囲気。

静かに、ゆったりとくつろぐ。

☆☆

私が書斎を見に行っている間に、Kは「出版人マグナ・カルタ九章」ポストカードを買っておいてくれた。

お守りにするつもりらしい。

☆☆

開高先生、手書きの原稿きれいだね、私だったらとっ散らかって目もあてられない。と言うと、Kは笑った。

Kは手書きを良しとする。

私はパソコンワープロでないとだめ、手で書くとメモ程度で終わっちゃう、パソコンでカナ入力にすれば語感が狂うことはない。

そこでまたKが笑。

☆☆

帰りがけ。

私もこういう邸宅建てたいな。

ほしいのは広くて料理がしやすいキッチン、酒飲めるテラス、書く場所、あとはそんなにいらないんだ、とK。

(ふたり一緒に、の夢が広がった瞬間)

マンションは玩具の家みたいだものね、こういう本物の邸宅と外国旅行があれば幸せ、贅沢言わない、と私。

K笑。

☆☆

海へ向かう。

菱沼海岸。

あまり歩かせると怒られるから、とK。

大丈夫、私ウォーキングしてるもん、このあたりに住むのもいいね、葉山、鎌倉より茅ヶ崎がいいかな。

☆☆

海から戻って開高邸の前を通るとき、庭師の紳士が手を振ってくれた。

素敵。

また来たい。

☆☆

歩いていると、Kのケータイに長女から連絡あり。

自動車教習所のローンを組むので先方から電話があったら保証人の確認に応じてほしいという依頼。

Kは妻の機嫌を気にして娘に聞いてる。

帰りたくても帰れないらしい。

☆☆

開高先生お気に入りの魚屋が飲み屋もはじめた、と教わったので向かったが、満席。

強い日差しにあぶられながら駅へ向かって進む。

道々、仕事の話をする。

校正リライト、季刊雑誌と○○社、これらがうまくいきだした、○○社に企画が通って熱海の先生にも喜ばれている、さすが大手出版社は対応がよくて取材テープ起こしの経費を私にまわしてくれる、そのお金をあてこんで3万円の椅子を買った。

ばかだよ、おまえ。

どうしてかな。

☆☆

熱海の先生にあんたを会わせたらきっとNG。

☆☆

Kの就活がうまくいかない理由も聞いた。

これだけキャリアがあると畏れ多くて、と敬遠され、どこも雇ってくれないのだと。

それはわかる。

でもなんとかしないと、このままじゃもう……

母上もいなくなったら、どうする。

奥さんと別れたらどうなる。

☆☆

居酒屋風の店に落ち着く。

ふたりともあまり食べられない。

でも飲む。

私は鰺カルパッチョとベトナムビール。

Kは例によって日本酒。

☆☆

ここで2時間ほど文学の話。

私が発見したことを告げる。

欧米の詩は原文を音読して味わわないと本当の良さがわからないらしい。

ランボーは母音と色彩が対応していた、だから聞くだけで色あざやかな氾濫があった、らしい。

音と音の結合で新たなイメージが喚起される、らしい。

日本語の場合は音ではなくて漢字にこめられた意味、イメージ、言霊。

意外な語と語の結合で新たなイメージがつくられる。

たとえば、残酷な恋、死美人、真夜中の太陽、輝ける闇、凍れる滝。

幻視、心象風景、象徴、万物照応、アクロバティックな比喩、総じてトランス・ロマネスク志向であるというのが私の売り、というか書く方向性。

ストーリーは二の次、精髄だけ描かれていればいい。

ぐっとくる言葉、散文のなかの詩、言葉に酔う、酔わせる、読む快楽、夢のような短篇小説、絶対語感。

以上を紙に書いて説明。

☆☆

「K流水人家」の原稿を渡される。

父上の死後、書いてすぐデータ送ってくれたけど、せっかくだからもらっておく。

母上に献上した一式を取り返してきたそうだから、私が大切に保管する。

☆☆

アメリカに渡った父方の伯母様ふたり、そのファミリーの写真をたくさん見せてもらう。

Kはかれらのことをちゃんと調べて日米関係を書きたいと言う。

ご存命の伯母様は、平沼高校卒、クリフサイドに勤務経験あり。

うちのおかんに似たタイプかな、おもしろそう。

亡くなった伯母様は、Kの父上に良く似た顔立ち。

☆☆

Kの子供たち、夫人の写真も見る。

おもしろくねえだろうけど、とKは言ってた。

七五三の写真が多い。

お子様たち、みな可愛いとは言えないけど、まあそれなりに。

奥さんはちょっと意外。

レースクィーンのブスタイプみたい、80年代の顔。

Kもどことなく違って見える。

ことに伊勢丹写真室で撮った七五三の家族写真のKなんか、私の知ってるK君じゃない。

特に感慨なし。

☆☆

俺やっぱり離婚する。

いいじゃん、このままで。一人になってやっていけるの?経済的に。

むずかしい。

だったら、このまま。

でも一人にならないと書けない。

人のせいにして。

K笑。

昔は家族がいても書いてたでしょ、頼まれたわけでもないのにずいぶん書いた。

あの頃は子供たちも小さかったし、ひと月ぐらいほっといてもらえた、今はだめ、落ち着かない、書けない。

そうね、一人で暮らすのが一番だね、特に女は家族の面倒みながら書くのはきつい、少なくとも自分の部屋がないとだめ、24時間自由にやらせてもらえるのが最高、だから私は一人がいい。

☆☆

再び歩いて駅へ向かう。

遠い。

いとこのウーちゃんから電話入る。

T子うちにいるの? とウーちゃんが聞く。

ううん茅ヶ崎、デート中。

K君と?

そう、開高健記念館に来たの。

今夜は花火があるんじゃないの、地元の人に聞いてみれば?楽しんで。

俺と一緒だと聞いて、ウーちゃん文句言わなかったか、今さらなぜ会うのかって、とKが心配する。

ウーちゃんがそんなこと言うわけがない。

☆☆

コンビニ前で路上に座る。

私のパンツが汚れないようにと、Kは自分のジャンパーを敷いてくれた。

☆☆

おまえ嫌かもしれないけどカラオケ行こう。

嫌じゃないよ、横浜ホンキートンクブルース歌ってあげる。

タクシーで駅前のカラオケボックスへ。

その途中の会話。

あたし、なんで誰にも結婚しようって言われなかったか、最近ようやくわかった。だってあたし、すぐいやになって離婚したいって言いそうじゃん、男はそれがわかるから、結婚を言いださない。

あの頃おまえと一緒になっていたら1年で別れてた。

そうかな、でも私は別の男と暮らして16年続いたよ。あんただって、もう20数年結婚が続いている。

☆☆

カラオケルームではいきなり私が横浜ホンキートンクブルース。

Kは憂歌団を2曲。

そして私、マスカレードを。

ここでKが私を抱きしめにきた。

まさかこんなふうに寄り添われてこの曲を歌うなんて思ってもみなかった。

でも私、去年のデートでだいぶ気が済んでしまったから、さほど動揺しない。

イミテーション・ゴールドを歌う。

Kは、下田逸郎のセクシイという曲を私に捧げてくれた。

これを歌ってやりたかった、これで封印して二度と歌わないのだとか。

私はアンサーソングとしてスイートメモリーズを歌う。

ここでKは泣く。

音楽の力で気持ちが昔に戻ったのか、センチメンタルになったのか、それとも単に年のせいか、涙腺ゆるんじゃって。

「なぜ泣いた」とあとで聞いたら、おまえのことずいぶんいじめて悪かったと思い、つらくなったのだそう。

あら、まあ!

去年は千葉の寿司屋で、母上の父上に対する態度に怒って泣いていたけど、ああいうわけのわからない泣き方されると、こっちの思考回路はショートするのよね。

☆☆

八月の濡れた砂、スワンの涙、銀色のグラス、ジザベル、プカプカ、踊り子ルイーズ、南正人のヨコスカブルース、悲しくてやりきれない、平山美紀、ゆうべの秘密、宇崎、吉屋潤、黄昏のビギンそのほか諸々。

ふたりともいっぱい歌った。

私あいつよりうまくなった。

うまいと言われた。

私はノリもいい、照れずにノれる、演劇やってたし、夜遊びカラオケ修行を積んだおかげ。

すべてはこの日のためにあったのかと一瞬思う。

☆☆

私を帰したくないらしく、「おまえ時間いつまで大丈夫なの?」とKが聞く。

永遠に、というか土日はオッケー、今月は31日まであるから助かる、やらなきゃいけないこといっぱいあるけど月内に調整できる。

じゃ行こう。

(南奥伊豆の宿に電話)

予約とれたらしい。

早く行こうとKは言う。

☆☆

東海道線で南へ。

車中、何を話したか覚えていない。

でもともかく、化粧水と乳液、アスコルビン酸を持ってきてよかった。

☆☆

下田駅、昔ウーちゃんと別荘へ来た夏の思い出がよみがえる。

本当に惜しいことに、車中で何を話したか思い出せない。

覚えているのは、大連で出会ったボーイフレンドのこと、そのボーイフレンドがマレーシアで暮らそうと言っている件、でも私はもうやめちゃおうかなと思っている件。

☆☆

駅に着いてからの会話はわかる。

私になんだかんだ言っていい男は弟だけ、と私。

あと、俺、とK。

☆☆

コンビニで食事と酒を買う。

タクシーで走ること延々30分。

Kが実家を売ろうとしている件。

でも売ってしまったら、もう住むとこないし頼るものがないよ。

大丈夫、その頃は作家デビューしてるから。

誰が?

俺が。

なんだ、私をあてにしてるのかと思ってびっくりした。

K笑。

大沢温泉ホテル。

日本中あちこち行ったが、ここが俺の一番気に入ってる宿、アメリカの親戚を連れてきたときも喜ばれた、外人に受ける、おまえもきっと気に入る。

でもあたし外人じゃないけど。

K笑。

☆☆

宿は橘の家紋。

エントランス、廊下、バーの雰囲気が良い。

和モダンというのとは違う。

まあまあの感じ。

☆☆

部屋は広い。

掘りごたつ、囲炉裏付、ツインベッド、ほかに布団も敷かれている。

食事の時間を過ぎているので、持込みの寿司、生ハム、サラダ、シャンパンなど。

深夜まで掘りごたつで向かい合い、小説の話。

具体的な内容は忘れた。

でも充実感はある。

おまえ、ここへ来る途中に伊東を通ったことに気づいたか、いづみの故郷だろ。

☆☆

早稲田文学から川上未映子が出て芥川賞、次は慶應から芥川賞作家を出すに違いないと思って三田文学にした、ところが院生で朝吹家のお嬢様、あんな隠し玉を出してきやがった、しかも対極的な日雇い男とダブル受賞で話題を集めた。

日雇いの小説、あんなのつまんない。

そう、私がホテルの話を書けばもっとすごい。

ところで、川上未映子の『乳と卵』を買うのは中年男ばかりなんだってね、男って、結婚して娘がいても女のこと知らないのね。

目黒の社長が私に、いつか必ず芥川賞とってください、一時うちにいたと自慢します、と。だけど芥川賞とってもそれほど売れない、名もそれほど知られない、どこの出版社もコミックスとライトノベルが屋台骨を支えている、作家になってからもシビアな生活が続く。

文学はシビアだよ。

林真理子うまいよね、の話も出た。

臆せず感情を吐露するところがすごいと思う、でもあれは田舎者の強みだね、と私。

だんだんうまくなってきれいになった、とK。

私のほうがきれいだよ。

おまえはきれいすぎる。

Uちゃんがつきあっているおやじが言ってたよね、「いやあKさん、Tちゃんみたいなひとがいたら他に女なんかつくれませんね、こんないい女いないでしょ」って、よいしょしてくれた。

おまえ客観的に見ていい女だよ。

主観的にいい女だって言ってよ。

おまえはきれいすぎる。

あんた、あたしにゴマすってるでしょ、あたしが賞をとってからにしたほうがいいよ。

☆☆

私は部屋のお風呂を使ってすっぴんに。

リラックスした柔和な顔を写真に撮りたい、著者近影の用意をしにスタジオへ行こう、と言ってみた。

よせ、俺が撮ってやる、部屋でくつろいでいるときが一番いい顔。

昔の男が、早稲田の友達からニコンを借りてきて撮ってくれたことがあった、たしかに良く撮れていた、思えば私もあの頃が一番きれいだったのかも。

K笑。

☆☆

業務提携しよう、私が苦手な分野のオファーがきたら、あんたが書く。あんたが苦手な分野は私が手伝う。

☆☆

囲炉裏と掘りごたつがある、そんな部屋に住みたい、とK。

なにを贅沢な、6畳1間のアパートにいなさいよ、だけどいいよ、私が邸宅を建てたら庭の隅を貸してあげるから自分で庵でもつくりなよ。

おれが庭仕事やってやる、おまえは草むしりなんか一度もしたことないはず。

そう、ガーデニングもしたことない、仕事しないでそういうことやってたのはアチラだから。

アチラ、か。とK笑。

☆☆

おまえ、家事だめだろ。

そんなことない、有能だよ。

いや、できない。

☆☆

私ももう年下の男に夢中になるなんてことはなさそうだから、昔の男は大事にするよ。

もう恋なんかできねえだろ。

でもわかんないよ、作家になって住む世界が変われば、できる編集者とか同業の作家に惚れるかも。

編集者に惚れろ、むこうにも惚れてもらえ、だけど俺ほどおまえのことをわかってる編集者はいない、ほかのやつらは金のため、売るために仕事するけど、俺はおまえに残るものを書かせる。

☆☆

(昔のことだけど)ごめん陵辱しちゃって、半分な、あとの半分は知らねえけど、悪かったと思う、とK。

いいよ、一緒になって苦労かけなかったんだから。

おまえ、俺のこと書けよ、どんなにひどい男だったかって、セックスはおざなりで、自分勝手で、働かないで、苦労かけて、と。

それなら別の人だもん。

いいから、そいつのことも全部俺に仮託して書け。

そういうのは書きたくない。

☆☆

「ドブ板トランジット」では、あんたのこと1行も書かなかった、でもあんた自分が出てくると思ったでしょ?

いや。

あんたのことは別の話、恋だの愛だのばかりが女の小説じゃない、そういうの抜きにしたものを書きたかった、中国人の大風呂敷の話も本当にあった出来事で、実際に大学行くのはずっと後のことになるけど、小説では翌年に大学へ進んだ。

おまえが大学で勉強したこと、特にフランス語やったことに対してブレイズ。(とKは英語カンバセーションのときに語っていた)

☆☆

今夜は私、しなくてもいい、一緒にいられるだけでいい。

(そしたらKが私の横に来た。めずらしいこともあるもんだ)

それで少し、したかな。

☆☆

ふたり別々のベッドで、すぐに眠りにおちた。

☆☆

数時間後、私は気持ち悪くなって起きてしまった。

トイレでちょっと吐く。

☆☆

夜明け前にKも起き出し、再び掘りごたつで、主に小説の話。

いろいろ話したけど、思い出せない。

☆☆

日記つけよう、俺けっこう律儀なんだ。

と言いつつ、Kはまた話に夢中になってる。

日記つけなくていいの?

うん、つけるよ。

(その言い方が可愛かった)

(「一緒に行く? 茅ヶ崎だよ」「うん」。あれも可愛かった)

Kの日記を見せてもらった。

「T子と一緒」の記述あり。

だけどカラオケで何を歌ったか、そういうディテールを書いておかなきゃ日記つける意味ないじゃん。

☆☆

「ボーイフレンドが成立しているときは素っ気ない」って、うまい書き出しのメールだっただろ。

そうでもないけど、男の存在がやっぱり気になるみたいだから、素っ気ないというなら、そうなんじゃないの、と応えておいた。

☆☆

英語カンバセーション。

私うまく話せた。

Kは私といると楽しいって言ってくれた。

You mean, you are happy when you are with me.

YES. 

Because I am beautiful,no,pretty,cute,lovely,no.

All OK. 

I know, because I am wise.

YES.

That is great.That makes me happy.

☆☆

早朝、屋上の露天風呂で一緒に入浴。

朝日に輝く空と山を仰いで心に誓う、「書きます」と。

男性客がやってきたので、湯からあがって浴衣を着る。

大丈夫だよ、おまえニューハーフだから。

(Kがそんな悪い冗談をフロントでも言ったから頭きたけど)

☆☆

朝食膳が運ばれて。

おまえ朝だけはしっかり食えよ、食が細い、胸が一杯なのはわかるけど。

なによそれ。あんたも去年はしょっちゅう何か食べていたのに、すっかり食べなくなった、と心配する私。

☆☆

何の話をしていたときだったか、「私の辞書に結婚と子供はない」と声高らかに告げたら、「そういうきみが好き」とエールを送られた。

☆☆

パリの話もした。

私のカードでこれからパリへ行っちゃおうか、パスポートとってくる。

俺パスポート持ち歩いてるよ、次の待ち合わせはオルリー空港にしようか。

国際線ならシャルル・ドゴールだよ。

☆☆

京都の話。

1975.4.30サイゴン陥落、あんたにふられて京都に逃げて、京都の新聞でベトナム戦の終わりを知った、でも私の記憶では、見出しは北爆停止、ところが調べたら北爆はとうに停止されていて。

サイゴン陥落でいいんだ。

いいのかな、じゃなぜそんな記憶違いをしたんだろ。

河原町今出川の「梁山泊」にいたとき、国鉄のストで動けなくなって、「梁山泊」にたくさんいる男の人たちが面倒みてくれて、そこで私ったらインポの男としちゃったのよ、あきれるよね。

いいさ、多情多恨は(開高健が)マグナ・カルタでも薦めてた。

今回はパリも京都も行かないのか、だけどここにもう1泊しても飽きるから、今度私が書く小説のラブホテルへ行こう、取材をして、いろいろ思い出したい、このまえはドブ板で会ってドブ板が書けた、だから今度も。

☆☆

あんたと会うのはカンフル剤を打つようなもの、テンション上がる。

俺はおまえにとってベストの編集者。

秘書と運転手は弟に頼むよ、あんたはプロデューサー兼マネージャー、いや、あんたにこそマネージャーが必要か、対外交渉が苦手だから。

☆☆

朝、洗面所でメイクをしていたら、「おまえ泣くなよ」とKが言う。

泣くわけがない。

おねえさん、メイクしてるの?

そう。

メイクしちゃった?

したよ、と顔を見せる。

男たちは私のメイクが下手だとけなすが、うるせえ、私より美形じゃないやつにガタガタ言われたくない。

じゃ俺は文句言っていいんだな。

なによ、言ってみな。

まず、誰のためにメイクするのかという問題があるよな。

知るか、そんなこと、飲んだり食べたりするうちに化粧はげるんだから、最初は濃いめに口紅ぬっておくの。

チェックアウト。

宿の車で松崎港へ。

ごめんね(支払いさせちゃって)とK。

いいのよ、書ければ。

☆☆

稲村ジェーンのロケ中、長期にわたって親しんだ民芸茶房の名物女将、90歳。

あの女将はもう生きていないだろうと言いながら寄ってみたが、いたからびっくり。

年のわりに驚くほど若い、お元気そう。

あんた誰だっけ、俳優さん?と女将がKを見て言う。

Kは女将を抱きしめ、泣いていた。

泣き止まなかった。

そして、そのまましばらく外にいた。

☆☆

ここでもまた飲む。

朝からもう3合目、飲み過ぎなのよ。

そう女将に言いつけたら、「3合くらいで酔うなんて弱いよ」と叱られた。

これだからみな元気になる。

☆☆

私はコーヒーと、「初恋の味」という名のきびなご焼きもいただく。

Kは私のことを愛人と言うけど違う、恋人と言ってよ、じゃなけりゃ同級生、いや私は年下だった。

☆☆

ここは芸能人が多数来訪した店。

女将が写真アルバムを見せてくれた。

Kも実家から引き上げてきた自分の写真を取り出し、何枚か女将にプレゼント。

私も3枚もらった。

「ちょうだい」と頼んだの。

☆☆

名物おばあちゃんに「またおいで」と言われて、私は「今度はもっとばりっとしたのと来る」と、心にもない皮肉を言ってKに聞かせる。

☆☆

バス停まで歩く。

Kヨレヨレ。

昔とおんなじ。

ドブ板で酔ったKに、私が「どうすんのよ!!」と怒って店に残していったら、ダニーに連れていかれちゃった。

今は、パンを買って食べながら歩くK。

☆☆

あるお宅からピアノの調べが流れてきた。

アラベスク。

あの曲を弾いていたのは、たしか12歳の頃。

そう言ったら、「これでまたひとつ小説書けるだろ」とKが言う。

ううん、そういうもんじゃない。ただ、あの頃は平和だった。

じゃ俺と会って平和じゃなくなったのかよ。

あんたと会ったせいじゃなくて、その当時からすべての闘争がはじまった、男と女の闘い、自分との闘い、生活との闘い。これまでずっと自分の面倒は自分でみてきた、この歴史は強い。男はなぜそれができないんだろ。

☆☆

弟もいい年だし男だからシビア、それが言うの、「うちの姉はばかですし、なにやらかすかと心配ですけど、言ったことは実現しちゃうところがすごい」って。

弟さんは言うだろ、「Kさんが一番いいんじゃないか」って。

私は内心、「Kにとって一番いいのは私でしょ」と返す。

☆☆

バス停で。

アリナミンドリンクを飲む。

Kにも少し飲ませる。

素直にいうこと聞くから可愛い。

☆☆

ラブホテルでSMやりたい、とKが言う。

ばか。

おまえはどっち?

あんただから教えるけど、実はM、目隠しされてぶたれてると痛さが快感に変わる瞬間がある、自分というものを放棄する快感、あれは女の歴史上つねにつきまとってきた感覚だと思う、一切を男に委ねて自分の責任をなくすこと、私だって、ああこの人と一緒にいれば何もかもうまくやってくれるんだわと安心しきった時期がほんのちょびっとだけどあった、すぐ駄目になったけど、女はこれでようやく楽になれると期待して結婚する、それでうまくいけばいいけど、現実は二人分の苦労を背負うことが多い。

俺がぶってやろうか。

いいよ、ノーサンキュー。

☆☆

修善寺駅までバスで2時間近くかかる。

最初は海岸線、やがて山の中に入って、温泉町が続く。

あんた、バスの中で寝ていきな。

Kは最後列のシートで横になって寝っぱなしだった。

でも終点に着く頃にはきちんと起きた。

なぜあんなに時間をかけてまでバスに乗ったの?

川端康成の踊り子の舞台を見せてやろうと思ったんだよ、どうせわかんないだろとも思ったけど。

ゆうべ降りた駅は伊豆だよね、違う伊東か。

ばか下田だよ。

「横浜まで踊り子号で」とKは言うけど、私はもうキャッシュが足りない。

俺が持ってる。

私、6万も何に遣ったのか、わかんない。

俺も同じくらい遣った、そういう計算できてる、おまえはできない。

☆☆

踊り子号で。

私はやっぱり少し醒めているのか、去年の24時間デート3連発で気が済んじゃってるから、ふつうに話をするだけ。

作家になって弟を秘書兼運転手にする、と私。

俺が税金のことやってやる、とK。

そういうのも弟がやるからいい、あんたはディレクター兼プロデューサーかな。

☆☆

G○ポットの話。

Kったら、生意気にも、女をいかせられるんだって。

車の助手席で俺の顔見てるだけでいっちゃった女もいる、と。

脚本家になったという同僚の女性、短歌の女性、いろいろいるらしいからよくわからんけど、みんないきやすいのか、勘違いしやすいのか。

私はだめ、いけない、成熟してない。

おまえはG○ポットがなかった、コリコリしたものがなかった、もっと探してやるけど。

いいよ、G○ポットがあるとかないとか、すぐに結論出したくない、それよりも、そういう官能恋愛小説を書いてよ、ライトノベルの会社が私の原稿待っているから。

☆☆

俺おまえの代わりに書くことはできる、今までもそうだっただろ。

そう、○○党の企画書も織田信長のシノプシスも本当によくやってくれた、あんたは怠け者のヒモ体質じゃない、やるべきことがあれば即座にやる、その能力がある、「能力を活かしきれなくて惜しい」と私はいつも人に言っている。

☆☆

官能の話が続く。

私は姪に初潮の準備をしてやったことも話す。

☆☆

地理音痴というけど、私は自力で世界の街を歩いてきた、東京23区よりもパリ20区のほうがわかる、ユーレイルパスでヨーロッパを移動する旅は、出発の前日に泣いて、「トーマス・クックの時刻表の見方がわかんないよ」と当時の男にすがった、「なんでもっと早く言わなかった」と彼は言ったが、言われなくても気づけ、そんな往年の逸話を披露。

そして、「やっぱりあの人でよかったと思うよ」と言ったら、Kは「あいつのほうが俺より頭よかったっていうのか」と。

うん、情報収集力があった。

K無言。

☆☆

それからしばらく他の話をいろいろとして。

Kがキスしてきた。

おまえに素敵なキスをしてやりたい。

どういう風のふきまわしよ。

去年私が横浜港シーバスの中でしたように、今度はKが私の頭をかかえて自分の肩にもたれさせ甘えさせようとする。

何度もそうした。

甘くせつない気分になってほしいらしい。

でも私は気分がのらない。

おまえのこときれいにしてやりたくてしょうがない。

どうやって?

「賞をとったら着物を買ってやる」と昨晩は言っていたっけ。

毛皮のほうがいい、と私は応えた。

着物よりドレスのほうが似合うって皆に言われるもん。

シフォンジョーゼットのドレスを買ってやる、とK。

私はこの日、そんな感じのブラウスを着ていた。

ブラウスの下はTシャツ、そしてノーブラ。

Kは背中に手を入れてきて撫でた。

パンツにも手をかけてG○ポットを探そうとする。

やめてよ、こんなところで。

いいんだ、最初からそのつもりで一番後ろの席に座ったんだから。

内心きゃっ、うれしい。

でも私は暴走しない。

横浜に着く。

山下町まで船で行こうか?と私。

あれはもう乗ったからいい、とK。

じゃ根岸線で関内、いや石川町へ。

☆☆

Kは飲み過ぎで顔がつらそう。

だけど去年に較べると、寝顔はだいぶ穏やかになっている。

☆☆

石川町駅で精算するときにKは駅員に怒った、「大船経由ならむしろ払い戻しだろ」と。

でもそうはいかないので、Kは小銭を投げつけた。

私は駅員さんに謝った。

そういうのやめてって言ったでしょ、女の私をあんたがエスコートしなきゃいけないのに、私のほうが守ってる、あんたはきっと誰に対してもそうなんだね、女に甘えているんだ、マメじゃないのも、すべての女に対してそうなんだろうと思えば平気になる、だけどやっぱり、男の愛情が足りないよね。

☆☆

Kは少し歩くたびに腰が痛いといって休む。

私が支えて歩く。

Kは前を歩いている女の人のお尻やパンティラインを見ていちいち何か言い立てる阿呆だ。

昔はKがそんなことを言うだけで悲しかったけど、今はどうってことない。

むしろ、小さな子供や赤ちゃんを見るたびにあいつがちょっかい出すのを見るほうがつらい。

☆☆

私が20年前にバイトしていたラブホテル、今日は土曜日なので料金割高だった。

しかもチェックインできるのは午後10時からと遅い。

今は午後5時。

すぐにチェックインしたいが、フロントで確かめると、前倒しで延長料金を払うことになり、総額2万を超える。

「どうしようか?」と振り返ったら、Kではなくホテル従業員のおじさんが立っていた。

おじさんびっくりして口から茶を吹き出す。

私が美人だからか、かなり嬉しそう。

Kは、「ここ高いからやめよう」と言う。

おまえのアパート。

それはだめ、お招きできない関係じゃないけど、家を覚えられると突然訪ねてこられたり外で待っていられたりするから嫌、絶対にそんなことしないと約束されても信じられない。

そうだな、一線は引かなきゃな、とK。

☆☆

中華街のアスターホテルはもうないし、オリエンタルホテルも泊まれるかどうかわからない。

☆☆

Kはもう歩けない。

タクシーで桜木町ブリーズベイホテルへ。

土地鑑あるのは私、Kはよくわかってない。

だめじゃん、私は横浜の男が好き、と言ってやった。

それにしても、このまえ野毛のラブホテルから中華街まで歩いて朝粥食べたことを忘れているなんて、ひどい。

そうしつこく言ったらKはだんだん思い出してくれたけど、最初は「それ俺じゃない、いい男がいたかもしれないけど俺じゃない」なんて言ってやがった。

午後5時半、ブリーズベイホテルにチェックイン。

ツインベッド、みなとみらい側の部屋。

大きな窓の向こうに明るい景色。

横浜が好き。

パパとママが出会った街。

だから私の遺伝子が横浜を好きと言っている。

横須賀とどっちがいい、どっちが書ける?とKが聞く。

横浜。

そうか、とKはちょっと落胆した様子。

私の場合、横須賀は、「どうしてこんなに嫌いなんだろう」というのがテーマになってしまう、横浜は、「どうしてこんなに好きなんだろう」というテーマで書ける。

☆☆

踊り子号で口説かれたので、すぐにKのベッドに移った。

Kは私の肩に腕をまわして抱いてくれる。

缶入りのウイスキー水割りが2本しかないから、あんまり酔わずにできる。

私の赤いソックスを可愛いと言ってくれる。

私は下着もさっさと自分で脱ぐ。

しかし、お○ぱい吸うのもク○ニもほんの一瞬。

私は時間をかけて彼の身体をなめる。

フ○ラしようとするときの顔がいい、きれい、おまえフ○ラ好きなのか、とKが聞く。

人による、厳密にいうと、あんたしかだめ。

おまえ、これが最後だと思ってるだろ。

思ってない。

☆☆

人を好きになる気持ちは「ヨコハマ・メイズ」で書いた、あんたはあれを読んで自分のこと書かれていると思ったでしょ、でもあのとき私は別の男に恋してた、あいつインポのくせに、しかも日本語ネイティブじゃないのに、言葉のプロである私を夢中にさせた、詐欺師だよ。

たいした奴だ。

あんたが私をだましきれないから、ほんとの詐欺師みたいな男にだまされてみる必要があったのかも、だからあれはやっぱりあんたのことを書いているのかな、あたしはあんたじゃなきゃだめ、ほかの誰を好きになっても、あんたしかいない、信じられる? 信じてないでしょ。

俺おまえのことは信じてるよ。

☆☆

ウーちゃんに言われたのよ、「K君が好きという気持ちを書け」って、でも書けない、男友達はこう言う、「おまえがいくら好きと言っても、そんなに浮気ばかりしてたんじゃ、その彼だっておまえの気持ちを信じられないと思うよ」と。

これを聞いてKは、安心して私を信じられるようになったかな。

☆☆

去年のデートで私、長年の思いを正直に打ち明けた。

それがよかったのか、Kも素直に気持ちを言葉にしてくれるようになったと思う。

お互い、照れずに愛情表現ができるようになった。

まだ途上ではあるけれど。

☆☆

俺はおまえのこと書くよ、ラブレターみたいなもんだ。

でも私がビッグネームにならなければ書かないんでしょ。

そりゃ書く意味ねえもん、発表しても意味がない。

だけど書いてほしい、どんなふうに好きだったかを書いてよ。

☆☆

おふくろのしなびたツインピークス洗いながら、T子のお○ぱいは年とってもあのままなのか?とか、いろいろ考えちゃう、顔の整形は手直しが必要だろ。

おっぱいは手直し不要、メンテナンスしてもいいけど全身麻酔は身体に負担だから私はしていない、もっと大きくすることも、年とったおっぱいにすることもできるけどね。

そんなことができるのか。

☆☆

Tちゃん、陰○が変わったな、昔はうぶ毛みたいでくるんとカールしてた。

それは記憶の美化でしょ。

いや、たしかにそうだった、今もいいけど。

☆☆

白髪がないんだな。

あるよ。

見せて。

見せるだけでいいの? 楽だな、だけど貝みたいでしょ。

貝だよ、見せろって言われなかったか?

言われたよ、セクシーな踊りしてみせろとか、男はいろいろうるさかった。

☆☆

開高健は晩年、文芸春秋の若い女性編集者に夢中になって、山奥の温泉で彼女におし○こかけてもらって喜んでた、太古の感動、原初の喜び、命の循環、それを書いてる。

俺も見たい、おし○こするとこ見せて。

あれ?見せたことなかったっけと、とぼける私。

☆☆

俺痩せた、お尻の肉が落ちて恥ずかしい、こんなこと思ったことないのに。

大丈夫、あんたは肩幅が広いから貧相に見えない。

心労で痩せた。

女友達はみな離婚したとたんに太るよ、ストレスホルモンにやられなくなるからだね。

☆☆

短歌のおねえちゃんの家で気胸(肺気腫?)を起こした、ここで死んだらまずいと思って救急車を呼んでもらった、女房が子供たちと病院に駆けつけた、で、女房が啖呵をきって、女が負けたんだな、俺は寝たふりして知らん顔してた。

だらしないなあ。

とにかく、もう終わりにした。

彼女のほうはやめられなかったでしょ。

あのあと、俺が考えたタイトルをつけて短歌の本を出した、彼女もできれば書いていきたがってる。

そんなこんなで終わりになったというが、終わりにした本当の理由を知りたい、その彼女のこと、もうそれほど好きじゃなくなったのか?

女房のことは嫌いじゃないし、「おまえが一番いいよ」と言ったこともある、「誰と比べてるんだ」と怒られたが。

そりゃ怒るかも。

だけど「子供をつくったのはおまえとだよ」と、バブルの頃に子供ができた、それから3人もつくるなんて、おまえばかじゃないかと言ったこともあった、一緒になるまえ、あいつは枕かかえて泊まりに来た、俺は別に誰でもよかった。

そういう流れか。

そして今、世田谷のマンションでKはいつもリビングルームに陣取って、家族に煙たがれているとのこと。

居場所がない。

机もない。

ただ寝る部屋だけはある。

女房は息子の部屋に逃げた、とK。

私はKがリビングのソファで寝てるのかと思って心配したけど、そういうことならまあ良し。

☆☆

バブル崩壊のあおりを受けたのは、私よりもKのほうが時期はやや遅かったみたい。

日活という会社があったから、かつての部下の連中が出世して仕事を寄越した、とK。

あんたが日活を辞めたからいけないんじゃないの?

辞めても辞めなくても、日活がつぶれて厳しくなった。

☆☆

短歌のねえちゃんは文学の話ができる相手だった、反応がよかった、女房はまったくだめ、生活者だから、俺が少しでも稼ごうとしないのを嫌がる、仕事もしないで文学のことなんか考えているのが嫌なんだろう、俺を罵倒して、自分が傷ついている、黙っていればいいのに、言ってしまって傷ついて、そんな女房を哀れだなと思う。

☆☆

文学の話ができる相手か、その当時は私の存在を忘れていたんでしょ。

忘れてないよ。だけど俺は仏文科の女にもてる。

去年のデートでは私のほうがさかんに他の男の話をしたけど、今回はKのほうがよく語る。

女性遍歴を私に聞かせて、心のつかえを取り去りたいのかしら。

荻野安奈の話が出たとき、「あの先生はソルボンヌ留学の仏文学者だから、仏文科卒のねえちゃんとはレベルが違うよ」と私は言ってやった。

先生の選評を読むと、「自分に甘くて他人に厳しい」とも思うけど。

☆☆

サルトルとボーヴォワールの話もした。

小男のすごさ。

それはヒットラーも同じだ。

それはちょっと違う、小男がなぜすごいかというと、ものすごいインテリだったりして、そのインテリジェンスに女はしびれるんだよ。

☆☆

エルメス状態だからいつまでも好きでいられる、いつでも手に入ると思っちゃったら、もう追わなくなる、マメな男じゃないから女は追う、あんたのほかに好きになれたのはヨンジュンだけ、顔、特に口元、あんたよりもきれいなのは彼しかいない、やっぱり顔だよ、顔。

言葉もだよ、俺は大脳で感じさせる、いかせる。

このまえヨコスカで寝たときも、そんな能書きばかり言ってたね。

☆☆

人間は複雑な生き物である、あんたは私への思いがあると同時に奥さんへの情もある、その矛盾と複雑さは私も身に覚えがあるからよくわかる。

矛盾のうちに現象が成り立っている、とK。

そう、ほんとうにそう。

☆☆

横須賀の山の中で育ったのに、よくここまでいろいろわかるようになったと、自分でも感心する、おまえらは横須賀の都会育ちだから洗練されてた、とK。

いや、あんたのほうが美しくて洗練されてたよ、と私は心の中でつぶやく。

☆☆

あんたのカリが一番大きくてかっこよくて好きだったのに。

かっこいいよな、すっとしていて。昔はカリがもっと大きかったんだよ。お袋がすっかりしなびちゃったから、勃○してるもの見せてやろうかと思った。

あんたがハタチの頃ならともかく、今そんなもの見せたら、「おまえもずいぶんあれになっちゃって」と母上に嘆かれるよ。

おまえ冴えてる。

そうかな。

今ならどんなことも書けるだろ。

そりゃ、ライター稼業で腕あげたから、書こうと思えば何でも書けるような気がする。

☆☆

顔みてるだけでいっちゃう女、それはやっぱり特異体質というよりも思い込みの激しい女、私はあんたのそばで至福を感じることはあったけど、いかなかった。

そりゃそうだろう。

だけど、行きつけの美容院の先生に街で会って髪をさわられて、いきそうになったことがある。

ここでKは私の頭をはたいた。妬いてるのか?

言葉か。わたしがいきそうになるのは、あなたの口元、あなたが嘘をついているときの横顔。

おまえも仏文だよ、仏文、とK。

☆☆

Kも眉間の皺とほうれい線がだいぶ深くなったけど、男だから気にならない、いいなあ。

本人は、「T子と会うのにこのほうれい線はまずいだろ」と思ったそうだが。

☆☆

私が横になってると、Kは「ヴィーナス、オールドヴィーナス」と呼びかけた。

☆☆

あたしとあんた、元は一卵性双生児。

おまえと俺、似てるとこあるな。

だから今はお互い何を考えてるのかわからないときがあっても、死んで未生以前の状態に戻ればすべてがわかる、通じ合う。

因数分解したら最後におまえが残った、素数、割れない数、それでしかないもの。

☆☆

31人目のT子? 違うでしょ、あたしは1番目じゃん。

だけど中学のときにも、T子というのがいた、ちょっと好きだった、その子は横高に行った。

じゃきっと今でも素敵な女性だよ。31人のT子って、六番目の小夜子みたい。

おまえ冴えてる。

31人もいるわけないだろ。

じゃ何故そんなこと言ったのよ。

☆☆

追○高校卒の女の子たちはたいがいインテリだから魅力を感じる、つい最近同窓会の話があった、気になる女の子が1人いるから若○に調べてもらった、出席の予定になってなかったから俺は行くのをやめた、その子のおかあさんとジョイナスで寿司を食べた、「うちの娘は高く売るよ」と言われた、その言葉の意味がわかったのは35歳のとき、「つきあっていいよ」と言われてたんだ。

その子のおかあさんよりも、本人はどうだったの?

本人は……とK苦笑。

私の知らない過去があり、たしか短歌に詠んでいたな、まさか一緒になろうと思うほど、その子を好きだったんじゃないでしょうね、私と別れてまだそれほど年月が経っていなかったはず、なのにそういうことがあったのかしら、私はもっとひどい心変わり、というか身の振り方をしてしまったけど。

☆☆

おまえとは15と16で出会った、校舎の上から見ていた、可愛い子だなと。

「あんたは私に一目惚れだったのよ」と洗脳したから、Kはすっかり記憶が書き換えられたみたい。

私があんたに惚れたのは、応援団部活の集まりで駅前の喫茶店に行って、あんたの向かいの席に腰掛けてアスクリームを食べたとき、私が制服の袖にアイスクリームをこぼして、あんたに「こぼしたよ」と指摘されたとき。

見初むるは 入学式の帰り道 追浜商店街純喫茶「ハーバーライト」あたり。

あんたの短歌を読みなおしていたら、お互い同じタイミングで恋におちたようだと判明したのよ。

廊下側 前から三列目の 君を見やりて 源氏物語聞く

路地を曲がって 坂の上 君の部屋より パンティー揺れる

春風や あのパンティーの原色は 優等生の君が穿くのか

宿題より 君のパンティーを脱がせたい 思っているだけ サインコサインタンジェント

横須賀の 坂を上れば 夜な夜なに 鈴木いづみと語りし 少女のおりぬ

はじめての ゴールデン街 二階上れば 阿部薫 もう黒枠におりぬぞ

☆☆

エルメス状態でいたほうがいいよ、と私。

女はおとしたらそれまで、セッ○スも最初の3回だけ一生懸命やる、おまえをおとすときはがんばった、あんなに一生懸命になったことは今までにない。

よし!

当時の私はすぐにでもあんたのほうへ行きたかったのに、つきあっている男が行かせてくれなかった、私にフ○ラを仕込んだのもその男、私という女はそいつにとってオーダーメイドだから手放せなかったんだろう。

ああ、あの悪いやつか、う…なんていう名だったか。

(Kは、ライバルの名前をうっすらと覚えてたみたい)

☆☆

チュンサン、あなたが忘れてしまっても、私が全部覚えている。

☆☆

カンフル剤になる編集者がいるのは幸せ、と私。

おまえ早く林真理子と対談しろよ。

そしたら言う、「カンフル剤になってくれる編集者がいますか? 私にはいます」って。

☆☆

「T子ちゃんと一緒になると思ってた」と母上が言った件は、このまえも聞いた、今回も何度か聞いた。

ヨコスカの林の家からKが私を送ってくれるとき、オリーブグリーンのトレーナーに着替えてもらって、「これ着てと言ったの」、そんな私を見て母上は笑っていた。

そのことをKも覚えていた。

母上、私が本当に好きそうなので一緒になると思ったのか?

俺が本当に好きそうだから、そうなると思ったんだろ。

☆☆

Kはステーキが食べたいと言う。

でもルームサービスはなし。

Kは動きたがらないので、私が料理と酒とタバコを買いに行くことにする。

「私一人で行くからいいよ」と言うと、「そうか、こういうときは命令すればいいんだな」とK。

☆☆

萬里で料理を3品、そしてコンビニで日本酒、サワー、タバコ。

部屋に戻ったらKは熟睡していて、鍵を開けてくれなかった。

フロントに頼んでマスターキーで入った。

Kを起こして、少し食べさせた。

☆☆

ふたりとも仮眠。

酒はけっこう買ったので、起きてまた飲むことになる。

☆☆

朝方、Kが身体痛そうなので全身マッサージをしてあげる。

もうじき別れがくると思うと、なんでもしてあげたくなる。

それでまた交わったかな、どうだったっけ?

鏡を見たら、私は顔がやわらかく可愛くなって若返っていた。

こんなの20年ぶり。

Kの愛情をリコンファームできたからだ。

マッサージのあとはシャンプーもしてあげるということになり、一緒に入浴。

ふたり全裸で鏡の前に立つ、というか立たされる。

私はちょっとだけ見て、やめる。

おまえ視覚で感じるタイプじゃないんだな。

そうじゃない、見たいけど恥ずかしい。

☆☆

それにしても、あの夏の逗子と同じだ。

ふたり並んで鏡に映ると、女の私のほうがやっぱりきれいで可愛い。

それが不思議。

☆☆

たった一度の歯磨きで歯ブラシをすり減らしてしまうK。

力が強い、荒っぽい、よくそんなやり方で、きれいな歯を保てるね。

☆☆

Kは私にシャンプーされながら、「これは湯灌みたいじゃないか」と気づいた。

全身をスポンジで洗ってあげる。

そのあと、私も彼に向き合ってシャンプーする。

私の背にシャワーが降りかかる。

☆☆

バスタブの中でフ○ラ。

彼は立ち姿勢、私は正座して。

明るいバスルームで、私はシャンプー直後だから顔むきだし。

でも恥ずかしくない。

いいフ○ラだったのに、Kは突然やめた。

私のボディを泡で洗ってくれる約束だったのに、それも忘れて。

さっきのシャンプーを題材に短篇を書く気になったのだそう。

私がかつて男にシャンプーしてあげたのは別れが近いときだったけど、今回のは違う。

☆☆

入浴後、チェックアウトまで数時間あったはず。

その間、何をしていたのか。

飲んでしゃべっていたのだろう、きっと。

☆☆

ベッドでフ○ラしながら私のパ○ツが濡れた。

それを見ながら自分でしているK。

でも、いけない。

「前立腺肥大のせいなのか、おし○こがうまく出てくれない」とこぼす。

身体ガタガタじゃん。

☆☆

チェックアウトタイムの12時ぎりぎりまで部屋にいて、だんだん不機嫌になっていく私。

別れるのがつらい。

Kは延泊すると言う。

快適だよ、ここ。

Kがフロントに電話して、シングルルームに移ることになる。

部屋の清掃が終わるまでの2時間、外で食事することに決定。

あんた、もうそろそろ一人になりたい?それとももう少しつきあってほしい?

つきあってほしい。

野毛小路を歩く。

Kがお尻にさわってくる。

こうやってさわるのは俺の権利。

それを聞いて私はうれしい。

私は手をつないだ。

でもKは、手をつなぐよりも尻をさわりたいんだと。

☆☆

萬里にて。

別れるのがつらい。

つらいんだろ、おまえ。

青島ビールと紹興酒のほかは、ほとんど食べられない。

情事のあと、という感じがしないな、昔おまえがフェイクファーを着て横須賀で会ったときのほうが「情事のあと」という感じがした。

後朝の。

その言葉に反応できるのは俺だけだぞ。

☆☆

あの横須賀のとき、自分はもう結婚してたとKは言うけど、記憶違いでしょう。

☆☆

連合三田会で600万円の船旅を当てたい、車でもいい、売ればお金になる。

船旅は売らずに使おう。

3ヶ月一緒にいられるから?

そ、でもずっと一緒にいるから喧嘩になって、おまえが浮気する。

あんたこそ、デッキチェアで寝そべってる白人のデブのおばさんとやってたりして。

☆☆

女学院出のきれいなおかあさんがフリークスみたいになっちゃってつらい、とKは嘆く。

「おまえ本当に映画の仕事してるのか」と母に聞かれて、こいつ何考えてんだ、この30年を何だと思ってるんだ、映画の仕事なんかもう終わっちゃったよ、と腹立たしかったとKは言う。

子供や孫にあまり関心なくて閉じていた母、俺も冷たいようだけど愛情はある、おまえわかるだろ?

☆☆

結婚生活の軋轢もさぞつらかろう。

仕事がうまくいかないこと、稼げないことも、つらいだろう。

だから飲むしかない。

でもばか。

だから男はだめなのよ。

☆☆

Kは自分が関わった映画のリストをくれた。

私が根岸のマンションにいた頃に、「映画漂流」の原稿がファクスで届いたことがあったが、すぐ捨てた。

K横須賀時代の項に私のことは何も書いてないのに、「○○年妻と出会う」とあったから。

ばか、おまえのことは公式に書けないだろ。

でも私に送るときは小細工しなよ。

☆☆

まだまだ文学の話は続く。

映画の話も。

「東京にいる間にいっぱい観よう、映画史の最初から順に観よう」と当時の男にカリキュラムを組まれた話をした。

Kは映画の現場の話をしながら、また涙。

俺たちスタッフは徹夜続きでもがむしゃらに頑張ってきた、いい思いもした、自分だけこんなにいい思いをしちゃっていいのかと震えた、石井隆監督作品で大竹しのぶの壮絶な演技に感動して泣いた、しのぶさんに「抱きしめていいですか」と言った。

このとき聞いた「壮絶」という言葉が悪かった。

「壮絶な仕事だ」と男を感動させてみたい。

私は、阿部薫と鈴木いづみのほうに気持ちが流れかけた。

だったら書け、いづみは文学になっていない、おまえがやれ。

そこまで言われるとわかる、でもあれを書くには、と私は泣いた。

今のその涙許す、とKが私を見つめる。

ひどい顔になった、せっかくいい顔に若返ったのに。

つらい。

もう帰る。

先に店を出た。

井土ヶ谷のアパートに帰りつくまで、何度も路上にたたずんで休んだ。

疲れていた。

自分の部屋でフルーツを食べて生き返った。

8時間ほど眠った。

気持ちの整理をしたのち、Kにメールを書く。

関連記事→恋愛かくれんぼ・デートノート2011⑦

-恋愛かくれんぼ

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