【2011 December】
2011.12.23
●K君──『看護助手は見た!』企画構成案
送信します。
私見私案ですが、案件は満たしていると思います。
貴方の「構想」とズレているのは承知している。
☆☆
「インフォームド・コンセント」なる言葉が登場した頃、最新医学用語の解説をテーマにした連続テレビ番組を企画したことがある。
高尚過ぎて民放向けでなく、日の目をみなかったが。
NHK的だった。
☆☆
悦○女史と揉んでください。
…………………………
●K君──即レス
あったらあっただけど、無いと「どうしたんでしょう?」と一様思う。
打合せ、飲んでる途中かな。
それとも。
☆☆
冬至、柚子を買いました。
…………………………
●T子──今、美容院から帰ったところ。
これから読む。
…………………………
●K君──びよういん?
びょういん?
似たようなもんか。
返信不要です。
…………………………
●T子──ざっと見た。
ほんとにこういう内容で書けるの?
書けるならいいけど。
やめといたほうがいいと思う箇所は削除し、追加してほしい項目を加筆してPCに返送する。
なお、職業柄いちいちリライトしてしまうので時間がかかる。
私が郵送したメモは届いた?
…………………………
(電話かかってきた)
Kは気分害している様子で、怒っている。
私が「書けるの?」とメールしたことでカチンときたらしい。
…………………………
(T子記す)
Kは言った。書けるのかと聞かれれば書けないよと答えるしかない、おまえの構想と違うのはわかっている、だがあれはそもそもネタがつまらない、本になっても、俺だったら買う気にならない、そんな企画が○○出版で成立すると思えない、あの会社は徹底的に男目線だから。
Kは徹夜のイライラもあるようだ。
私は誤解を解くべく話をした。
そのうえで、企画構成案の作成にあたって私と共同作業をしていることを認識してほしい、私は私の考えで手を加えたものを返送するので見てほしい、と伝えた。
Kが怒ってつっかかってくるので、私泣きそう。
そんなに怒らないでよ。
怒ってないよ。
最後はまあなんとか穏やかに会話を終了。
メールは誤解を生みやすいから気をつけて書け、とK。
わかった、ごめん。
…………………………
●T子──(企画書構成案に手を加えて送信)
私の記述が間違っていたら、修正してください。
企画構成案として変更したい箇所があれば、その作業もお願いします。
…………………………
2011.12.24
●K君──お早う。
丁寧に、本文を書くように、お言葉を頂きました。
経験が生きています。
スプレンディッド。
結構です。
○看護助手とするなら、医療行為が適切であることを強調しておく
○モーニングアフターピルは72時間以内
基本的に、企画構成案としては、どっちでもいい。
採用側が、どこに力点を置くかだ。
企画がGOなら(しのぎ成立するなら)、興味のないことも、埋めよう。
今の時点で、「書けるの、書けないの」はない。
調べ、フィクション創造想像もまじえ、升目を埋める行為として、ケースの全ては書けない。
メインは書けそうなもの展開できそうなものを採用した。
看護師には男性もいる。
「レシピエント・コーディネーター」登用。
話は署名代わり。
というオチは落ちていましたが。
☆☆
【執筆者プロフィール】
K○○○
映画プロデューサー、フリーライター。
1980年より映画業界に入り、映画(およびテレビドラマ)100本以上の製作に携わる。
近年の代表作は『デスノート』『デスノート The Last Name』『花と蛇2』。
単行本代筆の作品に、『反ブランド講座』(後藤芳徳著 インデックス・コミュニケーションズ)、『「できない大学生」たちが、なぜ、就職で引っ張りだこになったか』(カワン・スタント著 三笠書房)などがある。
☆☆
○○T子
ゴーストライター。
出版社より依頼を受け、著名人の原稿を代筆。
これまでに約50冊の単行本、文庫、新書を上梓。
累計90万部(3部作シリーズ)をはじめとして数々のベストセラーを実現。
…………………………
●T子──1月中旬過ぎに行われる企画会議に出してもらうには、まず○○さんに企画構成案を送信し、これで出せるかどうか判断を仰ぐ。
一部修正を求められるかもしれない。
だから、できれば年内に送信したい。
送信前に再度、内容を確認してください。
☆☆
>執筆者プロフィール
K○○○
映画プロデューサー、フリーライター。
1955年生、横須賀出身。
1980年より映画業界に入り、映画(およびテレビドラマ)100本以上の製作に携わる。
1990年『稲村ジェーン』よりプロデューサー。
石井隆監督とはデビュー作『赤い目眩』以来、最新作『ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う』まで、石井ワールドを支える。
近年の代表作は『デスノート』『デスノート The Last Name』『花と蛇2』『カイジ』『カイジ2』。中国ロケ多し。
上記を含め、タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア放浪。
乗り鉄。地理屋。
短歌詠(朝日歌壇幸綱撰あり)。←選?
(最近は、「雇われ日雇いプロデューサー」と自嘲)←削除するbyT子
単行本代筆の作品に、『反ブランド講座』(後藤芳徳著 インデックス・コミュニケーションズ)、『「できない大学生」たちが、なぜ、就職で引っ張りだこになったか』(カワン・スタント著 三笠書房)などがある。
↑これでよろしい?
…………………………
●K君──○○出版用企画書として、一企画案添付送信します。
これも提出して下さい。
(写真集『十八歳の肖像』)
…………………………
●T子──写真集『十八歳の肖像』企画書に、ほんの少しだけ手を加えた。
ご確認を。
撰は、撰のままでOK?
AKB交渉します、もOKね?
今から○○さんに、企画書2本送る。
OK?
…………………………
●K君──かまわない。
確認の必要あえてなし。
☆☆
シリーズ4として、
『女子アナウンサー 十八歳の肖像 民放編』『NHK編』『地方局編』を追加。
枯木も山のなんとやら。
行き付けの店、紹介。
人妻塾女視点、○○出版目線の写真集もあるが、「十八歳あなたは何を考えていましたか~大人から十八歳へのメッセージ」的集英社かつての青春出版社目線もありうる。
本音意図隠し「建前意図」は、取材しやすいだろう。
☆☆
AKB48の母親たち、ママとルビを振ってくれ。
撰、で正しい。
…………………………
●K君──すでに図書館。
ゆえ、見ていない。
が、このメールでわかった。
☆☆
>AKB交渉します、もOKね?
↑そのリスクわかるので、建前論も必要かと。
勿論、交渉するのだが、そこは簡単ではない。
太田プロの子もたくさんいる。
つまり、太田出版に手の内さらすことになる。
まずは、○○先輩が売れる企画と思うかどうか。
方法論はそのあとだ。
そこを明記するなら、取材費のバンスも記すべき。
だから、交渉の意志あり、でいいんじゃない?
むしろ編集者に相談すべき。
俺は、本来これで企画料アイデアフィーが、発生すると考えるけどね。
まず、送信。
☆☆
『アダルトビデオ審査員物語~ギリモザ人生』なんてのもある。
さっきの企画料云々は聞き流してね。
しかし、成立して交渉取材となれば、行動費が必要となることも事実。
☆☆
『デスノート』プロデューサーフィー契約していれば、こんなことにはなっていない。
日本の業界の悪いところ。
下請けプロダクションに落とし、そことの雇用関係だからだ。
アメリカだったら絶対ありえない。
名前だけプロデューサーなのだ。
☆☆
本日、バイト。
食欲は回復。
3食、何でも食える。
でも、足への負担はある。
若くない、と感じる。
脱出しないと。
明日は『武山』。
少しずつでも、積み重ねよう。
☆☆
『土屋名美と石井隆、そして俺』の物語は、石井さんが亡くなったら。
生きてるあいだは、身内としては書けない。
これもやがて『待合室』や『安重根』などと、『映画界漂流記(上)星空の製作進行編』『(下)闇夜のプロデューサー編』を構成する。
考えている時は楽しい。
メリークリスマス。朗
…………………………
2011.12.25
(交信なし)
…………………………
2011.12.26
●K君──『AV審査員体験記』添付
日活ロマンポルノもAV業界と交渉はある。
「ムテキ」レーベルとは女優を巡り、石井組と確執がある。
主演予定がムテキにいっちまって、延期の上中止。
小向美○子を巡ってももめた。
監督の池○敏春はその後伊勢志摩の海で入水自殺した。
☆☆
『花と蛇3』石井が書いた脚本だった。
暴力団のフロント企業で資金源。という視点もあるが。
…………………………
2011.12.27
●K君──12時から2時間休憩。
…………………………
●T子──男性著者アクションファンタジーのリライト、昨日から。
前にもやったけど、相変わらず手ごわい。
著者進歩なし。
☆☆
あなたの分の元原稿はまだ入ってこない。
編集さんも年末で忙しいみたい。
☆☆
待合室、安重根、その他も拝読。
感想は長文につき、いずれPCに送信。
☆☆
今日の企画書はまだ送らない。
○○さんの反応を見る。
長いつきあいができるように持っていく。
…………………………
●K君──
>男性著者アクションファンタジーのリライト、昨日から。前にもやったけど、相変わらず手ごわい。著者進歩なし。
↑苦手だよ、おいらも。
☆☆
仕事だったのね。
頻繁は鬱陶しいが、ノーレスポンスは、それはそれで……。
このレス不要。
よろしく頼まぁ。
…………………………
●T子──あなたはレスポンスなしがしょっちゅうじゃん。
わがままだなあ。
…………………………
●K君──寂しがり屋なんだ。孤独癖のくせに。
☆☆
『女子をこじらせて』雨宮まみ ポット出版1500円
女性AVライターの自分探しの放浪記。
新刊。
…………………………
●T子──探すような自分なんてどこかにあるのか。
ない。
他者との関係もしくは何かを為すことでしか見えてこない。
と養老たけしが書いていた。
基本的に賛成。
…………………………
●K君──自分がバカだということに気付いたんだ。
…………………………
●T子──人は刻一刻と変わっていく。
無常。
養老さんはそれが言いたいのだと思う。
…………………………
●K君──養老渓谷の滝に打たれ、人生とは酒のなかにあるを知る。

2011.12.27
●T子──コーヒーブレイク
今やってるアクションファンタジー、シリーズ前作は2万5千部売れて、まだ伸びそうとのこと。
あれで、なぜ?
私のリライトがよかったのかしら。
…………………………
●K君──17時起床。
今夜もバイト。
二十歳の息子、新潟のサッカーカレッジより、新潟銘菓を携え、夜行バスで帰省。すぐにランニングに出た。
身長は、はるかにオレを超える。
夕方、彼はパスポート申請に。
海外遠征があるのだ。
世間は明日から年末休暇か。
家人はいるのか。
30、31、2、3、4の夜がバイト。
…………………………
●K君──夜中のブレイク。
『少年とインコ』
幼稚園でインコが孵った。少年は家に連れ帰り飼った。いくつかの言葉を喋るようになった。インコは少年の名を呼び「おはよう」と続けた。少年のつけた名を喋り、それにも「おはよう」。夜でもそれだった。少年は、「おやすみ」を教えようとした。
ある日、インコの羽の付け根が腫れているのに気がついた。動物病院へ連れていく。「切断」するしかない。予後の展望はわからない。
手術。その後入院。
インコのぴーちゃんは、片翼の飛べない鳥になって帰ってきた。
それでも翔ぼうとする。が落ちる。
しかし、相変わらずのお喋りインコ。少年の成長を見守るように、少年に謳いつづけた。時に少年の肩に止まり、頬を啄む。「痛いよぴーちゃん」。
ぴーちゃんが鳥かごの中でぐったり首を落としていることが多くなった。
再び病院に行ったが、今度は入院することはなかった。
やがて、ブランコに立つことができなくなり、底面に横になった。
少年は見ていた。どうすることもできない。だから、見続けていた。
ぴーちゃんは少年に見守られながら、天国へ翔んでいった。
少年は姉と妹と、ぴーちゃんの亡骸を庭の椿の根元に葬った。
少年は中学2年になっていた。
…………………………
●K君──『少年とインコ』続き
それから1年後、引っ越すことになった。
少年は椿の根元を掘り返し、インコの骸をとりだした。
そして引っ越した先のマンションの生垣に、ぴーちゃんの骸を再度埋めた。
ぴーちゃんのお墓も引っ越しするんだ!
…………………………
●T子──PCに長文メール送信しました。
感想文ね。(待合室、安重根、その他について)
…………………………
2011.12.28
●K君──お早う。
ワンカップまで、あと3時間。
…………………………
(T子記す)
この約2ヶ月間、私がメールを送らなかったのは6日間だけ。
Kから返信がなかった日はある。
そういう意味でまったく交信がなかった日は、少なくとも8日を数える。
Kからのメールでスタートしたのが20回弱。
私からスタートしたのは20回強。
私は少し控えようかな。
受信数よりも返信数のほうが多い。
電話はたいていKからで、5回ほど。
私も1回かけた。用事があって。
デートして一緒にいたのが6日間。
渋谷、下高井戸、鬼怒川、日光、宇都宮、橫浜野毛、横須賀、逗子、安針塚、そして井土ヶ谷の私のアパート。
去年の10月末から、またはじまったのだ。
この1年2か月は貴重な日々だった。
その間に私は小説を2本書いた。
改稿もした。
そしてKと私の世界は広がり、距離は縮まり。
8月末に開高健記念館へ一緒に行って以来ずっと、連絡密が続いている。
特にこの2か月は実に密。
それでもまだたったの2か月、いや4か月、1年2か月か。
親密な日々、甘い関係がこの先いつまでも続くようにする。

2011.12.28
●T子──桑田クリスマスファンタジーは以前にも送ってもらいました。
シナリオの読み方はよくわからない。
今回もまた、何を伝えようしているのか解読できなかった。
☆☆
三浦市町づくり市民懇談会の講演録は安心して読めた。
講演録ではなく、講演用原稿か。
用意周到。
巧みです。
☆☆
『待合室』撮影日誌、日韓合作映画『安重根』顛末記も非常によく書けていると思う。
ことに、顛末記はインパクトがある。
☆☆
『待合室』撮影日誌。
あの当時はもう、私とメール文通していたよね。
私の知らないところであんなふうに映画の仕事をしていたのか、のめっていたのか、と感慨深い。
ロケの合間に<原稿>と格闘しているのは、私が紹介した○○書房の仕事でしょ。
それを思うとおかしい。
☆☆
人生の横転、汚点か。
読んで知ってみれば、なんだ、その程度の事故だったのかと安心する。
ちょうどその年あたりかな、私もゼロに誘われて岩手遠野へ行った。
☆☆
台場のホテルに潜伏していた許永中身柄拘束騒動のときは、私も現場のすぐそばにいた。
東京の病院で闘病中だったが、ホテル取材に出ていた。
館内の様子がなんとなくいつもと違うのでおかしいと思っていたら、実はそういうわけだった、というのはあとで知ったこと。
☆☆
日韓合作映画『安重根』顛末記は、読んでいてつらくなった。
映画業界はいかにも難儀、魑魅魍魎。
その渦中に飛びこみ、翻弄されながらも山を張る、そのスリル、危機一髪の面白さ、充足感を味わい、忘れがたい至福の時もあり、だが金にならずに七転八倒、それでエネルギーを使い果たした、とまではいかなくとも、消耗してしまったのだろうか。
およそ1年間も、大変だったね、よく頑張ったねと言ってやりたい。
☆☆
と同時に、あなたという男が怖くもある。
夢中になれることがあれば何をおいても向かっていく強烈なエゴ、家族を犠牲にしても突っ走る、やりたくないことは絶対にやらない、妥協しない、良くも悪くも頑固、そんな諸々が恐ろしい。
政治経済地理歴史を読み解く力、視野の広さ、目配りの良さ、洞察、直感、行動、瞬発、体力、気力、映画という仕事にかける情熱、どれもすごい。
だからよけいに、読後、怖くなった。
いつ何をしでかすかわからない、把握できないことの不安と恐怖。
男たちは何をやろうと(映画で表現しようと)(書こうと)しているのだろう。
それが為されることで何事か良くなるのか。
世界の見え方が変わる? 利権? そのおこぼれとしての「しのぎ」?
ジャーナリストが報道の仕事に傾注するのなら話はわかる。
隠された事実を暴く。
映画や文学は、それ自体の価値を高めていくことに絶対的な使命を負う。
映画人については措くとして、作家が何事か世界に貢献できるとしたら、読み書きの醍醐味を伝えることぐらいじゃないか。
それは生涯かけても為しえないほどの大仕事だろう。
☆☆
話を「顛末記」に戻すと、以下の3点が疑問。
「テロリスト安と目の前で漢籍に親しみ書を能くする重根のギャップが、千葉に本能的に権力の存在を悟らせるからである。安が撃ったのは伊藤ではなく権力である。そして、千葉は権力の欺瞞を感じ取るのである。」
↑安重根のインテリジェンスに、千葉は支配階級と同質の資質を見抜いたということ?
↑安重根は<伊藤博文という個人>を撃ったのではなく、<日帝の権力構造そのものに打撃を与えた>?
↑では、千葉が感知した権力の欺瞞とは、どういうことだろう。
「これがこの作品の主題だ」とあるだけに、重要なポイントでしょう。
ばかが読んでもわかるように書いてほしい。

●K君──お早う(またかよ)
前国会議員→全国会議員
☆☆
人生って、行きがかりの駄賃、みたいなものだと思う。
行きがかり上、しょうがなく政治家になったりおまわりになったりやくざになったり、テロリスストになったり、映画屋になっちまったりする。
人生ってそんなもんさ。
それぞれの、無名であっても、その人の人生に関心を持つ。
ドラマだ。
☆☆
横田めぐみの拉致実行犯、名前度忘れ、彼などに多大な共感を覚える。
どーして映画にしないんだろう?
在日から北のスパイ拉致犯になったからか。
企画は却下された。
☆☆
名前思い出した。
シンガンス。辛ガンス。
極めて真面目な機械いじりの好きなオタクみたいな男なのに。
決して、金キロウではない。
人生って、行きがかり上だよ。
☆☆
安重根と伊藤博文の立ち位置は承知している。
このテーマで他人に対し書くときがくれば、対処する。
☆☆
この作品は初めから、成立しないと思っていた。
ただ作品の背景に遊ぶのは楽しい。
満州鉄道のさまざまを知る。
中国革命の父孫文を応援した日本人は数多い。
そんなひとりを主人公にしたドラマもやった。
名前失念。
すでにボケか。
☆☆
人生途上浪曲師となり、桃中軒雲右衛門と名乗る。
右翼。
孫文を金銭含めて支援したのは、黒龍会、右翼。
☆☆
ところで、シンガンスとジェンキンスって、音も似てない?
この2人の比較年表を作ると、発見があるかもしれない。
シンガンスもジェンキンスも「ジェンカ」を踊ったことがある!
でも不器用だから、目の前のことに一生懸命になる。
☆☆
俺はここではバイトだから、なにも口を出さなくても。
でも、段取りは見えるし読めるし。
☆☆
まとまった戯作ができないので、あるな。
(そしてKは、『小説 三浦恋歌岬』を添付ファイルにて送信してきた。T子はもう読んだのに)
…………………………
●T子──なぜ朝の5時になどメールするのよ。
やめてよ。
だけど『小説 三浦恋歌岬』せっかく送ってくれたから読んだわよ。
ざざっとスクロールして。
前に送ってきたものと同じじゃないの。
私に何を読ませたか、覚えておいてよ。
☆☆
10年前の作ということを差し引いても、どうなんでしょう。
説明するな、場面で描け、と私にきつく言うくせに、自分だってなってない。
登場人物全員パッとしない。
主人公も女性もダサい。
あのダサい女性は短歌・仏文科・製作部のひと?シナリオライター?それとも○○○? あの女、どうして私の男のまわりをウロチョロするのか。中学時代の彼にもちょっかい出された。
ドブ板であなたが私と別れたくなった本当の理由は、私の中学時代の彼がオハラに来ていたからでしょう?
彼と鉢合わせしてしまい、あんたたちふたりがどこかへ話しに行ったあと、あんた戻ってきて私に別れたいと言ったのよ。
あなたストレスに耐えられなかったのでしょう。
中学時代の彼は、「俺のせいじゃないよ」と困ってたわよ。
作中、夏島という男は岬子に下駄を預けて責任転嫁する傾向が強い。
作者の性格の反映か。
☆☆
インコはあなた、少年は息子さん。
作者は自分の姿を少年に仮託しつつ、インコに化けている。
作者は、少年に、こう頼みたいのだ。
置き去りにしないでくれ、一緒にいたいんだ、と。
☆☆
あなた、もっと素直になったほうがいいと思うよ。
そうすれば現実の人間関係が改善される。
執筆にも良い影響がある。
恥ずかしがらずに、カッコつけずに、ズバッと書けるようになる。
…………………………
2011.12.29
●K君──そうかすでに送信したことがあったのか。
ごめん。
三浦で喋ったことが発展したのだ。
☆☆
待合室と安重根の感想が面白かったので読み返した。
未完成だが、こんなことを伝えたかった残したかったというのがわかる。
☆☆
インコが片翼になった時、不憫だった。
その不憫さは確かに自分に重なった。
一方で、書くテーマであることも意識していた。
死、再埋葬。
モチーフになる構想だけは進んでいた。
☆☆
皇太子ご成婚の記憶を辿ったのは、川崎に居て横須賀にいつ来たかを断定するため。
かつて企画書に書いたご成婚の場面は鮮やかだったと思うが、今回はそのようには書けなかった。
映画の企画書と私小説との差か。
☆☆
古本屋で求めた未読の司馬遼太郎『十六の話』は¥105だが、大いに知的刺激を受ける。
本の値段とは、どーなんだろう。
ついで文体も。
司馬の文体・司馬の用語に惹かれる。
一方で野坂のだらだら文体にも。
文章のリズムかな。
そんなことを考えている。
☆☆
朝の5時にメールをするのはやめます。
あなたには我が人生に於いて感謝している。
あなたゆえ生き延びられた。
May You Have Good Year!
…………………………
(T子記す)
○○○の名を出されても、Kは否定しなかった。
小説に書くほど大きな存在、深い仲だったのか。
…………………………
●T子──あなたがリライトする原稿はまだ入らない。
会社はもう休みに突入した模様。
おそらくは担当編集者が自宅から、準備でき次第、送ってくるだろうと思う。
締切を延ばしてもらいましょう。
…………………………
●K君──バーガーキングで『武山』を打っている。
…………………………
●T子──息子さんが帰省しているのに、家にいないの?
私が今日送ったPCメールは見た?
…………………………
●K君──多分見ていない。
悪しからず。
岬子は○○○? のメールが最後。
他人がいると、勉強ができないのは、高校生の頃から。
…………………………
●T子──○○○の名を出されて否定しなかった。小説に書くほど大きな存在、深い仲だったのか、と送信しました。
…………………………
●K君──彼女と口をきいたのは、1回だけだ。
すでに自衛隊と離婚し、武山の実家に戻ってきていた。
俺は土方。
土方をしている俺に「何かをしようとしてるんだ!私はピアニストになりたい!」それだけ。
そうか何かしなきゃいけないか。
そしたら「MOVE YOKOSUKA」を見つけ、書かせてくれ、と竹○さんちにおしかけた。
…………………………
●T子──あら、嫉妬しちゃって、ごめんなさいね。
…………………………
●K君──小顔が可愛かったね。
どこかでおばあさんピアノ先生をやってんだろうな。
…………………………
●T子──暇なら井土ヶ谷に来る?
蕎麦屋で飲むとか。
断ってもいいよ。
…………………………
●K君──いつ?
…………………………
●T子──今日バイトじゃないなら、と思っただけ。
…………………………
●K君──ありがとう。
貴重なオフ。
明日から5日の朝まで。
年末年始ゆうパック闘争。
…………………………
●K君──OK.No problem.
年明けにゆっくりと。
どうぞ、ランドマークから日の出を。
私は、世田谷千歳郵便局の2階から2年続きで。
それが相応しい。
…………………………
●T子──正月はホテルにPCを持参するので、リライトに関する相談や疑問があれば、どうぞご遠慮なく。
その時期あなたがリライトするなら、の話だけどね。
…………………………
●K君──あり、がっとさん!
もう少し打ったら立ち飲み屋モードにはいろっと。
…………………………
●K君──立呑屋。
肴は司馬遼。
☆☆
5時半から今までで3千字。
計6千。
川崎から武山に引っ越したところまで、記憶の最初を書く。
いつか校正リライトしてくれ。
…………………………
●T子──司馬遼太郎と平岡正明は絶対あなたに向いてる。
同業者として学ぶ点が多いはず。
と私は昔から言ってたじゃないの。
…………………………
●K君──司馬の文体が気持ちいい。
…………………………
●T子──読者の頭の中に手を突っ込んで、何か大きなものを拵えてしまう。
あのおふた方は、そういう書き手。
…………………………
2011.12.30
●K君──僕たちの海
どーして、○○○のことを言いだすのか、わからなかった。
そんなこと書いたのか。
読み返してみた。わかった。
2時間かかった。
泣けた、泣けた。
10年ぶり。
客観的に、よく書けている。
テーマが多すぎるきらいはあるが、錯綜、多方面から立体的に投影する方法なのだ、と抗弁してもよい。
当時はどこか恥ずかしかった。
今はない。
映画愛とふるさと愛。
いつか手を入れてくれ。
…………………………
●T子──アクションファンタジーのリライト、やっと終わった。
正味4日かかった。
あなたも恋愛ものリライトに5日はかかる、と覚悟しておいて。
かなり素晴らしい文章ですので。
私のリライト初仕事が、その著者さんの第1作でした。
☆☆
『間違えやすい漢字使い分け辞典』、届きましたか?
…………………………
●K君──届いてるよ。
看護助手のメモと同時に。
☆☆
朝からバーガーキング。
岬子読み返した後、武山。
何時までやろうかな。
☆☆
第2部を構想する。
夏島自殺。
日活を絡める。
来年日活100周年。
ラスト岬子の呟き「アンフォゲッタブル」で終わる。
題名を変えよう。
おおぎょうで気恥ずかしい。
☆☆
『武山』20枚。
プロローグ終わり。
☆☆
『薫』も書く。
『岬子第2部』『沈香』も。
専念できるようになるため、『武山』と格闘。
アトミックパワーだ。
自分に言いきかせている。
言霊。
返信不要。
…………………………
●T子──返信不要でも、聞くべし。
主人公自殺は絶対にだめ。
暗くなる。
それに何より、言霊が働く。
作家の人生は、書いたものとシンクロする。
…………………………
2011.12.31
(T子記す)
交信なし。それでも心は落ち着いている。