【2012 January】
●T子──
茅野裕城子(ちの ゆきこ)
1955年生。小説家、日本ペンクラブ女性作家委員会副委員長。東京都出身。青山学院大学フランス文学科卒業。女優業を経た後、トラベルライターとして世界中を巡る。1992年には北京大学に留学し、中国語と中国現代文学を学ぶ。現在は武蔵野大学で文芸創作の授業を担当。1995年、「韓素音の月」で第19回すばる文学賞受賞。1998年、『大陸游民』で第20回野間文芸新人賞候補。
日本人女性と中国人男性の「越境する恋」を多作品で描く。
フィクション的自伝体小説。
多情。
気に入った。

(T子メモ)
「ツァイガルニック効果」「プルースト効果」(これって男女共通なのか?)
何年たっても昔のカレから思われ続ける女性、忘れられない女性……と聞いたら、あなたはどんな女性を想像しますか?
超美女? ツンデレ系? それとも振られた女性?
別れてからも未練を持たれるなんて、ある意味うらやましいかも……。
そんなポイントがあるなら、私もぜひ知っておきたい!? というわけで、今回は元カレから忘れられない女性のポイントを、私、四条さ○かがピックアップしてみたいと思います。
性格の好みは人それぞれ。
そのため、実は、元カレから忘れられないポイントは、性格や容姿よりもその行動、付き合い方にあります。
それが下記の4つです。
忘れられない女性のポイント4つ
1.やり終えなかったことがある
心理学用語に「ツァイガルニック効果」と呼ばれるものがあります。
これは、ドイツの心理学者レヴィンの唱えたもので、人の記憶は完結したものよりも、完結しなかったこと、中途半端なことのほうが残りやすいというものです。
そのため、一緒にディズニーランドに行く約束をしていたのに行かなかった女性、自然消滅した関係などは、「結局ディズニーランドに行けなかったなぁ」、「ちゃんと連絡すればよかった」等行動や気持ちとともに記憶に残りやすく、その後も忘れられない相手になりやすいと考えられます。
2.相手に疑問点が残っている
これは、心理的には上に近いでしょう。
最後まですべてを見せなかったミステリアスな女性、気にかかることが残る女性などが該当します。
「最後に何か言いたそうにしていたけど」、「結局、彼女は本当に自分を好きだったんだろうか」こんな風に、疑問点が残っていて、しかもそれが解消されていないと、人はどうしても気になるもの。
きっちりケリをつけたいという気持ちが残り、その後も思い出しやすくなると考えられます。
3.別れの主導権を相手が握った
これは想像しやすいパターンでしょう。
つまり「まだ好きだったのに、相手から別れを切り出されて別れた」、「うまく誘導されて別れると言ってしまった」など自分の本意ではない別れをした女性です。
この場合、自分の気持ちはまだ終わっていません。
そのため、吹っ切れるまで気持ちを引きずりやすく、しかも「ツァイガルニック効果」もあるため、その後も忘れられない女性になりやすいと考えられます。
4.香り、味などの思い出がある
これは、頭では思い出すつもりはなくても、嗅覚、味覚、触覚など体の感覚がフックになって、思い出してしまう女性です。
イメージとしては、生姜焼きを食べたときにそれが得意料理だった彼女を思い出す、ある香水の香りからそれをつけていた彼女を思い出すといったような感じでしょうか。
特に、香りはそれに関連した記憶や感情を呼び覚ますことがあるとされており、「プルースト効果」と呼ばれています。
ちなみに、これはフランスの文豪プルーストの代表作『失われた時を求めて』内で、主人公がマドレーヌを紅茶に浸した香りがきっかけで幼年時代を思い出すことにちなんでつけられたものです。
実は嗅覚は、感情を司る脳とも呼ばれる大脳辺縁系にダイレクトに伝えられ、情報処理されているものです。
諸説ありますが、そのために香りと感情、関連する記憶が結びつきやすいのではないかと考えられています。
そのため、いい香りをさせていた、おいしい料理(別に思い出すだけならまずくてもいいのですが)を作れるなどの要素がある女性は、別れた後も忘れられない女性、思い出す女性になりやすいと考えられます。
「最後まで約束を残す」、「全部を見せすぎない」、「よく料理を作る」など、意識すればできそうなことも。
忘れられない女性を目指したい、その後復縁したいなどの願望がある人は、ちょっと試してみてはいかがでしょうか。
文=四条さ○か
有限会社フォークリア代表。心理アナリスト、ビューティライフコンサルタント。美容専門編集者を経て独立。NLP、イメージコンサルティング、美容、セラピーの資格を活かし、“内と外から生活充実サポート”をモットーに、外見と心理両方からの印象戦略、パーソナリティ活用、イメージアップなどをテーマに心理記事、美容記事などを執筆中。現在は 19本の連載と書籍執筆を中心に、セミナー、講演、専門学校講師活動など仕事中心の日々。恋愛は最近アドバイザー役ばかり。相談に乗った人の恋愛成就率が高いことだけが自慢。著作は『LOVE&SEX心理テスト』他

2012.1.20
(KがPCより『日本人なら死ぬまでに、も一度読みたい日本の古典』コンテンツを送信してきた)
【出版企画 構成案】
『日本人なら死ぬまでに、も一度読みたい日本の古典』
1:東のかぎろいの立つみえて返り見すれば月西渡ぬ 柿本人麻呂と万葉仮名
2:色は匂へどちりぬるを いろは歌と五十音歌留多
3:春望月の桜の下で 漂泊の文学と島流し 西行 後醍醐天皇 芭蕉
4:海行かば水漬くか屍 死と宗教 往生要集 近松道行心中 平家物語 方丈記
5:むかしおとこありける 稀代の色男と六歌仙 在原業平 伊勢物語
6:竹取の翁というものあり 倭武尊と竹取物語 説話(御伽噺)と国生み神話
7:色即是空空即是色 仏教接受 歎異抄 立正安国論 正法眼蔵 般若心経
8:接して漏らさず 奔放なるエロス 源氏物語 西鶴 貝原益軒
9:手前生国と発します アウトサイダーの系譜 歌舞伎 ヤクザ啖呵口上 サンカ
10:和を以って貴しとなす 聖徳太子の十七条憲法
11:カシコミカシコミ 祝詞
12:遊びやせんと生まれけむ 梁塵秘抄
13:おんなもすなる日記というものを 日記文学
14:春の弥生のあけぼのに 連歌謡曲今様
15:箱根八里は馬でも越える 労働歌 田植え歌馬子唄網打ち唄大漁歌
16:万世一系天皇論 神皇正統記
17:大日本外史と水戸黄門
18:折たく柴の記 新井白石
19:蘭学事始
20:江戸ポルノグラフィー
…………………………
●T子──新コンテンツ読みました。
なるほどね、やっぱりね、という感じのラインナップ。
意外性があり、パンチがきいていて、いいね。
だけど調べてみたら、いくつか不正確な箇所があるようなので修正したよ。
【日本人なら死ぬまでに、も一度読みたい日本の古典】
一/東の野にかぎろいの立つ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ 柿本人麻呂と万葉仮名
二/色は匂へどちりぬるを いろは歌と五十音歌留多
三/春望月の桜の下で 漂泊の文学と島流し 西行 後醍醐天皇 松尾芭蕉
四/海行かば水漬く屍 死と宗教 往生要集 近松道行心中 平家物語 方丈記
五/むかしおとこありけり 稀代の色男と六歌仙 在原業平 伊勢物語
六/竹取の翁といふものあり 日本武尊と竹取物語 説話(御伽噺)と国生み神話
七/色即是空空即是色 仏教摂受 歎異抄 立正安国論 正法眼蔵 般若心経
八/接して漏らさず 奔放なるエロス 源氏物語 井原西鶴 貝原益軒
九/手前生国と発しまするは アウトサイダーの系譜 歌舞伎 啖呵口上 サンカ語
十/和を以て貴しとなす 聖徳太子の十七条憲法
十一/かしこみかしこみ 祝詞
十二/遊びをせんとや生まれけむ 梁塵秘抄
十三/男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり 日記文学
十四/春の弥生のあけぼのに 雅楽「越天楽今様」
十五/箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川 馬子唄・田植歌・網ひき唄などの労作歌
十六/「万世一系」論 神皇正統記
十七/日本外史と水戸黄門
十八/折たく柴の記 新井白石
十九/蘭学事始 杉田玄白 福澤諭吉
二十/江戸ポルノグラフィー
…………………………
私は、出版企画書、校正通信教育1月分の答案作成、ベーシックイングリッシュ勉強、と懸案事項をさっさと片付けて、心おきなく小説に没頭したい。
明日こそ、トランジット。
☆☆
○○さんに以下、新データとともに送信した。
「昨日送信した企画書とは別に、こういう内容も良いのでは、というのを送ります。こちらのほうは、大メジャーよりもややマイナーに光を当てたチョイスで、ちょっと骨太、皮肉、毒がある感じになるかと思います」
でしょ?
☆☆
比奈リライトに関する感想は、もう気がすんだ?
担当編集者のお礼メールを転送したけど、読んだ?
(KがPCより『日本古典文学鑑賞のための基礎知識確認テスト』を送信してきた)
…………………………
●T子──鑑賞のための基礎知識?
古典にふれてはじめて知ることもあるでしょ。
だけど面白いから全部使いましょ。
正解と解説を加えると、これだけでかなりのボリューム。
今からトバすこともない。
それにしても、やけに挑戦的な筆致。
これじゃ読者が気を悪くする。
それとも、私へのあてつけ?
…………………………
●K君──武山
構成は密に煮詰まった。
書くことは決まった。
頭は、3・11撮影所にする。
書いた部分は、
1章『わがヨコスカストーリーの始まり』。
2章『鉄腕アトムとゴジラのはざま~戦後原子力行政事始め』。
3章『武山は御幸浜の浦浪あみて』
4章『オキュパイド・ヨコスカ~キャンプ・マギル』
5章『もうひとつのプロメテウス』
6章『武山断層・冷却水もれ・GNE-J・GW』
エピローグ『ヨコスカの描いた絵・龍馬の夢』
かな。
メール転送読んだ。
…………………………
●T子──It’s Awfully Cold As Ice Tonight.
Don’t Catch A Cold,OK?
グーテ ナハト.
…………………………
●K君──ざまあ、・・・。
…………………………
●T子──ざまあみろ?
どういうこと?
…………………………
●K君──気が抜けるとね。
お大事に。
ざまあ、ない。
でした。
鬼の撹乱。
T子の惑乱。
おいらは酒乱? じゃねぇよ。
…………………………
(T子メモ)
様はない=体裁が悪い。みぐるしい。みっともない。「年がいもなくけんかしたりして―・いね」
鬼の撹乱=《「霍乱」は日射病のこと》ふだんきわめて健康な人が珍しく病気になることのたとえ。
惑乱=冷静な判断ができないほど心が乱れること。また、人の心などをまどわし乱すこと。
…………………………
●T子──やなやつ
古典の企画で私をしのいだと言いたいの?
そういう根性なら、一緒に仕事できないわ!
…………………………
●K君──単。
…………………………
●T子──なんなのよ
>単。
って何よ。
からかわないでください。
…………………………
●K君──
だいたい、あそびだぜ。あれ。
午前中『家庭の義』の間、わが本命を考えつつ。
真面目な話しだけど、先輩に『屁』はだめか?
…………………………
●T子──遊びじゃないよ、仕事だよ。
単って何よ。
ざまあない、鬼の撹乱、家庭の義、全部わからない。
家庭の儀なら、まだわかるけど。
…………………………
●K君──シャイゼ!
(富山弁では、そうなんです、の意)
…………………………
●T子──あんた、私をおちょくってる?
すべて、しゃれになんない。
そういうひと、きらい。
…………………………
●K君──おれはドイツ語履修。
教科書にそんな言葉はなかった。
ああ、シュトルムドランクの人生よ。
いろいろだ。
…………………………
●T子──ボンニュイだ、ばかやろ
…………………………
●K君──まあ、おやすみ。
…………………………
●T子──シュトルム ウント ドランク、のことかしら?
…………………………
●K君──おお、それそれ。
…………………………
●T子──笑いすぎて、おなか苦しい。
…………………………
●K君──どんな薬より、効くだろう。
アホリズム。
…………………………
●T子──アホイズム

2012.1.21
●K君──朝からバーガーキング。
構成案だけが充実していく。
☆☆
トランジット
読んだ。
読みやすくなった。
どぶ板の描写は懐かしい。
ラスト、気持ちもうひとおし?
彼がトランジットさせた?か。
ツーヤング。
悪い奴だな。
彼の気持ちをダニーが代弁、解説する。
臨海公園で。ウェルニー公園。
それを聞いて、ヨコスカ発の電車に乗る。
駅のキオスクの新聞が、ベトナム終結を告げる。
…………………………
●T子──ラストの1行、物足りないよね。
わかってる。
編集長はまだ何も言ってこない。
☆☆
>彼がトランジットさせた?か。
↑まあ、ある意味では。
☆☆
>ツーヤング。
↑知恵遅れ。
☆☆
>悪い奴だな。
↑今も、あまり変わらない。
☆☆
>彼の気持ちをダニーが代弁、解説する。
↑何と言って?
☆☆
>それを聞いて、ヨコスカ発の電車に乗る。
↑それは通俗的だから、嫌です。
ベトナム終わったあとの、ばか男と女のバイバイ。
自業自得の結末。
…………………………
●K君──アンフォゲッタブル(唇マーク)
タイトルもこれか。
☆☆
>>彼の気持ちをダニーが代弁、解説する。
>何と言って?
↑「知恵遅れだから」
↑「男ってさ、(一般論で)」
↑「忘れちまいな」
☆☆
>>それを聞いて、ヨコスカ発の電車に乗る。
>それは通俗的だから、嫌です。
↑ハハハ。
☆☆
>ベトナム終わったあとの、ばかな「男と女」のバイバイ。自業自得の結末。
…………………………
●T子──アンフォゲッタブル、とそのときわかっていたなら、別れなかった。
この黄金の一言は、あなたの小説のテーマ、そしてタイトルでしょ。
私は、トランジットを、恋愛モードにしたくなかった。
…………………………
●K君──どうやったら、収斂するか、「小説」として。
編集長は、「ダニーを」と言ったのだろう。
ダニーに仮託して、自らの人生を語っているのだ。
☆☆
メイビー、アンフォゲッタブル、
>この黄金の一言は、あなたの小説のテーマ、そしてタイトルでしょ。
↑こだわりはない。
この小説が深化するならいい。
☆☆
>私は、トランジットを、恋愛モードにしたくなかった。
↑主人公がみえなくなる。
すなわち、成立しなくなるだろう。
…………………………
●T子──「アンフォゲッタブル」と自分との闘いに勝った思いで言えるようになるのは、「スクランブル」から。
「トランジット」では、まだ負けの感覚が尾をひいている。
だから、主人公のその後をドブ板の様変わりにだぶらせて描く必要があった。
それは集英社すばるでやる。
三田文学でのラストをどう決めるか。
編集長は、男に捨てられたところで終わりにしろ、と言った。
情けないラスト。
でもそこに何か付け加えたい、とは思う。
…………………………
●K君──うん。Yes。
…………………………
●T子──付け加えるのは、「ベトナムが終わったあとの、ばかな「男と女」のバイバイ、お互いに自業自得の結末だった」にするかな。
…………………………
(T子記す)
「恋のかけら」遅すぎた~ではなく、「若すぎた〜」「ばかすぎた〜」ですね、我々の場合は。
…………………………
●T子──いづみさんの映画エッセイを読んでたら、私のことが出てきた。
アメリカングラフィティを東京で観たいづみさんは、観客が笑わないので低能よばわり、「こっちは、アメリカ人の観客が多かったけど、みんなゲラゲラ笑ってたわよ」と、ヨコスカから電話をかけてきた女の子が言っていた、とある。
いづみさんは小学4年の1年間をヨコスカで過ごしたと判明。
「公郷駅(当時)から坂の上」と書いているから、富士見町かな。
ピカデリーで映画を観た。
「ヨコスカ、ヨコハマ、日本中でこの2つだけは片仮名で書いていい街」とも述べている。
…………………………
●K君──まだ『たけやま』打ち込みは始まらない。
文字は、かなりたくさん打った。
企画『本当のヤマトは、ヨコスカ武山にあった』
どうだ?
☆☆
PCでDVD観られるだろう。
『Aサインデイズ』観てごらん。
…………………………
●T子──
>『本当のヤマト』
↑が何を指すのか、意味不明。
☆☆
PC、実家においてあるMacでなら、DVDもCDも再生可。
…………………………
●K君──
>>『本当のヤマト』
↑ヤマトという国が縄文のなかにあった。
大和朝廷は、ヤマトタケルを創造し、東征したことにするしかなかった。
ヤマトタケルは、東国ヤマトの長タケルのことだ。
そういう、知的ロマンのあそびだが。
タケルの歌解釈など、なるほどもあり。
鎌倉云々とつながる。
…………………………
●T子──ヤマトについては、いずれ、どこかで書けるんじゃない?
阿部薫が語った映画ベスト3は「黒いオルフェ」「灰とダイヤモンド」「ブーベの恋人」だって。
意外だ。
…………………………
2012.1.22
●K君──武山
ともかく打ちはじめた。
8千字。
いちばんおもしろくない、原子力研究。
コピペだめ、引用だめ、自分の言葉にならない。
反省。
…………………………
●T子──まずはコピペ引用、そこにリライトかければ、また、論理展開の順序を入れ替えれば、けっこう自分の文章になっていくと思う。
(KはPCより、『武山仲秋』『竹取物語とヤマトタケル』『社説「古事記のおもしろさ」』を送信してきた)
…………………………
●K君──『古事記』を読む乞食は酒が好き。
これはただのお遊びだ。
例えばな、内容はともかく、こんなこともできっかな。
その参考になるかならないかわからないが、『武山』の気分転換で考えたこと。「ヤマト」もこの気分転換からだけど。
☆☆
やっぱり6時間がPCワードと友達でいる限界だな。
救いは、自分で「駄目なところ、成立してないところ」がわかっているところか。
それでも、文字は埋めたい。
という気持ちが先走る。
資料含めて先に埋めちまうと、文字は埋まれども、反省反省である。
…………………………
●T子──『トランジット・ホンチ・ドブ板』
タイトルは、これにした。
一番はじめの原稿に手を加えて、できるだけ幼さを払拭。
彼とのことを書いた部分を組み込んだ。
サイパンとセーラーのひと悶着を加筆するならどこにするか、も決めた。
あとは、これを書けば良い。
改行は少ない。
現在120枚。
小説すばるの規定200枚に届きそうにない。
スクランブルのときはなぜ書けたのか、不思議。
『すばる』なら100枚からOKなので、やはりそちらにしようかと思案中。
…………………………
2012.1.23
●K君──今日は静かだね。
…………………………
●T子──半日推敲を重ね、疲れて寝てしまった。
書けた?
今夜は雪。
早く帰ったほうがいいよ。
…………………………
●K君──いつかも、まったくおなじメールをもらった、気がする。
雪はなかったか。
戦後史の、なかに、はまりこんでしまった。
…………………………
●T子──タイトル変更↓
『トランジット狂躁』
(三田版ラスト数行↓)
その後は、ぷっつりと連絡が途絶えた。ベトナムが終わったあとの静けさのなかで、もうひとつ終わりがやってきたのだった。自身の心さえつかみきれない、未熟で、曖昧な、十八歳と十九歳のバイバイに、未完ゆえの心残りがあった。時を戻すことは叶わない。先へ進むしかなかった。
…………………………
●K君──へえ。
なんだが、わるいことして、責めを、受けている、気がしないでもない。
忍従。
…………………………
●T子──ラスト、気に入らない?
あなたつい最近まで、「彼はひどい男だ、悪いやつだな」と言っていたじゃない。
「お互いに自業自得の結末だった」と書けば納得するのか?
そのとおりなんだけど。
…………………………
●K君──個人的感慨と「小説」とは、混同しない。
ラスト、いいと思うよ。
ケレンミは、キライじゃないけど。
…………………………
●T子──(三田文学版のトランジット ラスト 変遷)
その後は、ぷっつりと連絡が途絶えた。ベトナムが終わったあとの、ばかな「男と女」のバイバイ、お互いに自業自得の結末だった。
↓
その後は、ぷっつりと連絡が途絶えた。ベトナムが終わったあとの、もうひとつの終わりがやってきたのだった。自分の心さえつかみきれない、未熟で、曖昧な、十八歳と十九歳のバイバイ。ふたりが互いの身に招きあったものは、自業自得の決裂と、不完全燃焼ゆえの心残りだった。しかし時を戻すことは叶わない。先へ進むしかないのだった。
↓
その後は、ぷっつりと連絡が途絶えた。ベトナムが終わったあとの静けさのなかで、もうひとつ終わりがやってきたのだった。自身の心さえつかみきれない、未熟で、曖昧な、十八歳と十九歳のバイバイに、未完ゆえの心残りがあった。時を戻すことは叶わない。先へ進むしかなかった。(『三田文学』版)
↓
その後は、ぷっつりと連絡が途絶えた。ベトナムが終わったあとの静けさのなかで、もうひとつ終わりがやってきたのだった。自身の心さえつかみきれない、未熟で、曖昧な、十八歳と十九歳のバイバイは、互いに自業自得の結末である。そうとわかっていても、未完成ゆえの心残りがあった。しかし時を戻すことは叶わない。先へ進むしかない。
(中略)気の向くまま放言し、日頃の憂さを晴らして笑いあう。その相手が誰であっても、もうかまわない。探すのだ、言葉を。言葉をやりとりできる誰かを。(『すばる』版)
…………………………
●K君──(雪の積もる下高井戸商店街?のフォトをメール送信してきた)
…………………………
●T子──講○社生活文化局は、小説以外は何でも取り扱う。
原稿を他部署に回すことはしない。
と担当の○○氏が言っていた。
出版するための改稿ディレクション及び方向づけが上手な人です。
私はトランジットをあと数日で終え、武山の校正リライトをしたい。
あなたは、書きやすい章から着手しては如何でしょう。
…………………………
●K君──ありがとう。
是非、お願いしたい。
校正以前もある。
とにかく、この2章目、原子力の歴史、から早く抜け出したい。
といって、手を抜いたりはしょったりもできない。
肝である。
つまらないんだけど。
よろしくたのまぁ。
励まし何よりうれしく。
雪。
おやすみ。
へんふ。
…………………………
2012.1.24
●K君──雪解風
ゆきげかぜ。
夕方からバーガーキング。
…………………………
●T子──「サイパンvs.セーラー」の場面は前半、というか3分の1書けた。
明日また続ける。
今日はもう、やめて、読書。
最近なんだか、疲れやすい。
多分タバコのせい。
あなたは、よく平気だなあ。
四十八馬鹿といい、その大統領は落語家、ってことになってるんだって!
…………………………
2012.1.25
●T子──春浮気、夏が陽気で、秋ふさぎ、冬は陰気で、暮れにまごつき。
↑ある落とし噺の枕
☆☆
いづみさんとのこと。
「昔、私が29のときに恋愛した折、『年をとっても恋をするの?』とトモコがフシギがっていた」と、いづみさんは書いている。
そのとき実際のトモコは21だったので、不思議がっても変ではない。
「あづさは、ヨコハマの友達(28)のとこへ一週間預けることになりました。きのうから行ってる。きょう、電話したら(彼女の話によると)非常に元気みたい。彼女はずっと同棲してて、夏休みで学生の弟が滞在している。子供は、人がたくさんいるからうれしいようです。」