【2012 May】
2012.5.18
●T子──受信履歴が残っていたので今、消す。
○○出版企画書に添えるプロフィールを書くために、あなたのデータを検索した。
その履歴が残っていることを今思い出した。
☆☆
あなたは私がシャワーを浴びているすきに銀行通帳を見た、と私は思っている。
これで全部言った。
…………………………
●K君──電話くれ。
…………………………
●T子──番号を消したから、もうわかりません。
私の通帳2冊のカードが入れ替わっていた。
…………………………
●K君──人を泥棒みたいに言うな。
おりゃ、おめぇの通帳なんかみてねぇよ。
馬鹿野郎!
…………………………
2012.5.19
●T子──伺いたい。
PCである動作をしたところ、あなたの「ザ・短歌集」がデスクトップにあらわれた。
このデータは過日あなたが私のPCドキュメントファイルから起動して読んでいたものです。
ドキュメントファイルに何かしましたか?
USBに触れたということもなかったでしょうか?
…………………………
(Kが料金未払いのため、メール届かず)
…………………………
(T子記す)
Kに電話をかけてみたところ、「お客様の都合により~」のアナウンス。
ということは電話を替えたわけではないということで、着信拒否ではない。
私からのメールを受信拒否にしている可能性も薄い。
次のあて先へのメッセージはエラーのため送信できませんでした。
送信先メールアドレスが見つかりませんでした。
メールアドレスをご確認の上、再送信してください。
The user(s) account is disabled.
…………………………
(KのPCに送信)
…………………………
●T子──お伺いします。
只今PCである動作をしたところ、あなたの「ザ・短歌集」がデスクトップにあらわれました。
このデータは過日あなたが私のPCドキュメントファイルから起動して読んでいたものです。
ドキュメントファイルに何かしましたか?
USBに触れたということもなかったでしょうか?
…………………………
(T子記す)
言わずにおこうと思っていたあの一言で、私は完全にKを怒らせた、辱めた、プライドを打ち砕いた。
そしてふたりの関係をぶち壊したわけだ。
しかし後悔はしていない。
言わずにいられなかった。
事実なのだから。
「おまえは黙っていられない。よってミステリーは書けない。ライター仕事の悪影響で、説明しすぎる。だからおまえの書くものはつまらないんだ。文学じゃないんだ」とKに言われたが、その意見に同意できない。
☆☆
それにしても、あーあ、やっぱりだめだったか、と身体の力が抜ける。
最愛の彼と復縁できたことは何よりの喜びだった。
このままずっと縁をつなげていたかった。
でもできなかった。
私があいつを思うほど、思ってもらえなかった。
とても残念。
☆☆
だけど、あんな厄介な男をかかえこんだら大変だ。
仕事にしろ作品にしろ、1作とりかかるたびに大騒ぎするのだから。
真摯に格闘しているのはわかるが、私まで巻き添えにされるのは迷惑だ。
あいつは何事においてもきわめて我が儘。
仕事がなくて困っているくせに、やりたいことしかやらない。
身勝手、気まぐれ、薄情、言いたい放題、私をふりまわす。
朝から酒飲む。
多読はいいが、新聞5紙、テレビでもニュース番組、国会中継、相撲ほかスポーツ、そんなこんなで1日が過ぎるのだと思う。
そんな生活につきあってられるか。
「横須賀の実家に近寄るな」と妹さんが言ったこと、奥さんが「出て行け」と言っていること、その理由も気持ちも今ならわかる。
彼女らが冷酷なわけじゃない。
Kは仕事がなくてつらいのだろう、と察してはいる。
だからといって酒を飲まずにいられない弱気な男、女に甘えることばかり繰り返している情けない男、そんなKを見限り、見捨てるほかないというところまで至ってしまったのだと思う。
☆☆
この先あいつがどうするのか、どうなるのか、心配ではある。
でも黙っているしかない、放っておくしかない、どうなるか知りようもない。
いっそ無関心になれればいいと思う反面、これからもあいつのこと好きでいたいという気持ちもある。
おそらく、心はとらわれ続け、縛られたままだろう。
ま、しょうがないね。
好きな男がいないよりも、いたほうがいい。
平常心で生きていく。
去る者は日々に疎し。
…………………………

【デートノート覚え書き】
2010.10.30 1泊(HOTEL NEW YOKOSUKA)
2010.11.02 1泊(油壺 観潮荘)
2010.11.10 1泊(野毛ラブホテル)
2011.08.26 2泊(伊東・桜木町ブリーズベイホテル)
2011.08.29 1泊(桜木町ブリーズベイホテル)
2011.09.16 2泊(三浦海岸・横須賀ドブ板)
2011.09.20 デートのみ(井土ヶ谷~中華街)
2011.09.25 結婚しようか
2011.11.11 2泊(渋谷円山町・宇都宮)
2011.12.03 1泊(ホテルハーバー横須賀)
2011.12.07 1泊(井土ヶ谷アパート)
2012.01.07 2泊(井土ヶ谷アパート)
2012.01.31 2泊(井土ヶ谷アパート)
2012.02.19 2泊(井土ヶ谷アパート)
2012.03.01 2泊(井土ヶ谷アパート)
2012.03.20 3泊(井土ヶ谷アパート)
2012.04.08 1泊(井土ヶ谷アパート)
2012.04.25 2泊(井土ヶ谷アパート)
2012.05.10 8泊(井土ヶ谷アパート)
合計34泊+α

…………………………
2012.5.20
●K君──笑い話
携帯修理終了。
データ残ってる。
人生。
もっとも、お袋には、会わせてもらえず。
荒れた。
人生。
…………………………
●T子──あなたのPCアドレスに受信拒否された。
携帯メールは見てくれましたか。
母上との一件、お気持ちお察しします。
…………………………
(夜、電話あり)
T子が出る前に切れた。かけ直さなかった。
…………………………
(T子深夜夢を見た)
飛び回って暴れる大きな蛾を、まず母が手で捕らえたが逃がしてしまった。
T子は毛布越しに蛾を押さえ込み、思いきって素手で握りつぶした。
…………………………
2012.5.21
(交信なし)
…………………………
(T子早朝夢を見た)
小鼻の脇から脂を搾り出したところ、驚くほど大きくて白い塊になった。
塊はすぐにしぼんで小さくなった。
…………………………
(T子記す)
私、脱力感はあるものの、平常心。
特につらいともさみしいとも感じない。
ほんとに、もうどうでもよくなっちゃったみたい。
だけど8泊9日も一緒にいたせいか、はっと起きた瞬間、Kがデスクのあたりにいないことにびっくりしたりする。
そんなことが2度あった。

…………………………
2012.5.22
●K君──最後のメールは、「あなた留守に通帳みたでしょ」だ。
それには返信した。
☆☆
お袋に会えなかった夕方。
臨海公園。
☆☆
日曜日、朝からパークホテル。
月曜火曜と伏せた。
なかなか。
(T子記す/↑ばかだね、今日が火曜日だよ。母上に会えなかったとメールが来たのは、夕方ではなく、その翌日の昼だよ)
…………………………
●T子──不達メールにこう書きました。
PCである動作をしたところ、あなたの「ザ・短歌集」がデスクトップにあらわれた。
過日あなたが私のPCドキュメントファイルから起動して読んでいたデータである。
ドキュメントファイルに何かしましたか。
USBに触れたということもなかったでしょうか。
…………………………
●K君──短歌、デスクトップにあった。
だから読んでいたじゃないか。
何らの操作もしていない。
…………………………
●T子──そうでしたか。
だけど私、ドキュメントファイルに保存してあるデータをデスクトップに移した覚えがない。
「やれ」とあなたに言われてやったのかしら。
この件は忘れてください。
私も忘れます。
そちらの様子を伝えていただき、ご心痛のことと存じます。
今日は寒いようなので、気をつけてください。
…………………………
●K君──パークホテル
本日閉館。
…………………………
(↑午後7時半過ぎ)
(T子記す)
先のメールは無視した。
Kは終わりにしようと言ったり、また始めたり、昔とまったく同じ手口で私を振り回そうとしている。
私への未練、執着からそうしているのならいいのだが、あるいは仕事欲しさからならまだいいが、私のお金目当てという下心が感じられるので、今度ばかりは許してはいけない。
まずは自分が酒飲むため、次に家族を養うためなのでしょ。
それ、責任感ゆえと言えるのかしら?
☆☆
携帯とPCともにメール受信拒否の件では、弟が「困っているなら相談に乗るよ」と言ってくれた。
私は詳しい事情は打ち明けなかったが、弟いわく、「男なんてそんなもんだよ。焦らずに放っておくといいよ」。
だから私も、「自分の仕事と生活を守るために気をつけている」と弟に伝えた。
「そうだよ、そうしなよ」と弟は言った。
…………………………
2012.5.23
●K君──お願い
今月分だけ、面倒みてください。
言えた義理じゃないけれど。
今月の生活費をいれられない、のかと思うと、情けなくて。
健気な子どもたちに、申し訳なくて。
それを、T子にメールしてるのも、また忸怩たる思いだが。
なんで、またケンカになっちったんだ。
オレのせいだとは思う。
頼む。頼みます。
…………………………
●T子──だから何?
著者校も済んでいますよ。
先ほど、○○本が届きました。
編集長がどのように原稿整理をしたのか、データ引き合わせのうえ確認をしました。
26日から書店に並びます。
○○先生は、衆議院、社会保障と税の一体改革特別委員会に、○○として出席中。
…………………………
2012.5.24
●T子──BKへ行ってごらんなさい。
「月20万4ヵ月」と約束した分の、残り14万を送金しました。
…………………………
2012.5.25
●K君──サンクス。
…………………………
●K君──○○本
読んだ。
…………………………
(T子は上記2通とも返信しなかった)
…………………………
2012.5.26
(交信なし)
…………………………
(T子記す)
Kと外で食事をして酒3合目になると、Kの顔の表情が険しく卑しくなる。
それを見るのがいやだった。
☆☆
去年の8月末から9ヶ月間、ほぼ毎日連絡とりあっていた。
Kも私を好きなのだと信じ、心が満たされていた。
☆☆
Kは昔に比べれば素直に愛情表現ができるようになったが、まだ十分ではない。
愛情表現をするのが苦手な理由は、私への気持ちを自ら認めようとしないせいだと思う。
でも、だったらなぜ、認めたくないのか、それがわからない。
☆☆
私を怒らせるようなことを言ったり、迷惑かけたり、利用したり、もう終わりにしようと言ったりするのも、どこまで甘えが許されるか、はかっているのだろう。
そんな方法で、自分がどれだけ愛されているか確かめたいのだろう。
愛すること、愛されることを怖がっている、のかもしれない。
☆☆
親兄弟姉妹とはまた異なる次元で、子供という肉親は、自分の一部のように感じられるものなのだろう。
その気持ちは想像がつく。
そしてその子供たちにとってかけがえのないお母さんである人に対し、父親が特殊な感情を抱くのは当然のことなのだろう。
お父さんお母さんとして、あのふたりは同じもの、つまり3人の子供たちを愛している。
それゆえに生じる情は、私にもわかる気がする。
Kが家族への愛、その大切さに目覚めたというなら、それもいいんじゃない?と思える。
妻子持ちの男であっても、一生つきあうことはできるかもしれない。
だが、家族を養うためのお金をせびられてばかりいたら続かない。
…………………………
2012.5.27
(交信なし)
…………………………
2012.5.28
●T子──性懲りもなく、メール
○○本、書店で平積みになっていないので、がっかりしたでしょ。
だけどセブンイレブンのシャルドネは不思議なワインで、おもしろくないことがあっても多幸感をもたらす。
☆☆
トランジット改稿を完了。
☆☆
あなたが家族の大切さと愛着に目覚めたなら、それもいいんじゃない、と思える。
妻子持ちでも友達でいられる。
だけど、どんな友も、家族養うお金をせびられたら嫌がるよ。
☆☆
あなたが仕事上の転機を迎えていることは確たる事実。
波に逆らわず、ビッグウェイブをとらえられますように。
…………………………
●K君──(街角の花を撮った写メールを送信してきた)
…………………………
(夜、Kから電話あり)
T子は出なかった。話すことは何もないと思ったので。
…………………………
2012.5.29
(T子記す)
トランジット推敲の後、シャワーを浴び、またしてもシャルドネとミュゼットに酔う。
「ちょっとしたプレゼントを贈ることが恋に効く特効薬かも」と星占いにあったので、ゼロの書道作品「温」ほか漢文の書をKに送信したが、メッセージはつけなかった。
…………………………
●K君──(新緑の樹木と公園を写した写真を返送してきた)
…………………………
2012.5.30
(交信なし)
…………………………
2012.5.31
(T子記す)
ライトノベル『夢を見させて』後半の執筆に着手。
夕方になるとワインに手が伸び、ついKにメールしてしまう。
…………………………
(友達のUちゃんにメール送信)
Uちゃんは○○さんと結婚してよかったね。
○○さんは亡くなってしまったけれど、死後も夫を好きでいるなんて、すごいことだと思う。
そんなに愛し愛されて、どんな気分?
私には想像もつかない。
…………………………
(Kを含め友達10人に送信)
もしよかったら、YouTubeで「アコる・デ・ノンノン」というのを見てみて。
私、ああいうのをやりたかったのよ。
(K以外の友達はみんな返信をくれた)
