【KがT子に預けた日記から、気になる箇所を書き写す】

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2004 Mar.6(sun)
5時起床。
どうにもとりとめはなく。
「T子に(金の無心)を頼もう」が、朝一番に思ったこと。
借りられるかどうかは、わからない。
しかし、メールだけしてみようか。
T子にメールをしてしまった……。
情けないが。
大家と言い争う、女房と言い争う、徒労はしたくない。
T子への金の無心は断られた。
仕方なく、飲む。
胃かいようが、また、痛み出している。
<日常>がまとまらない。
ひたすらに、不払いの言い訳に嫌悪している。
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2004 Apr.22(fri)fine
T子と、○○○の○○に、紅茶を送る。

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2004 Apr.24(wed)fine
○○よりTEL「○○の本、渡す」と……。
明大前スターバックスで『○○○○』貰う。
<タイトル>ほか、アイデアを横領しちまったようだ。
もっとも”オレへの思い”自体がコンテンツなのだが……。
金も借りてる。
未だ返していない。
返す見込みすらなく。
そして約束の<本>すら書いていない。
挙げ句<振った>わけだ。
<女房子供>の場所へ戻ったわけだ……。
しかし<本>としては、面白い。
できはいいんではないだろうか。
T子、○○、○○にメールを入れる。
T子の老婆心に対して。
○○には<マイ・プロフィール>を。
○○には、とりあえず、<本が届いた旨、おめでとう>と。
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2004 Apr.29(thu)fine
○子誕生日。5万円渡す。
栄新楼で食事\16,000 のちカラオケ\5,000。
プレゼントにパンティTバックもつけて\3,500。
やはり、ひたすら疲労するのである。
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2004 May.25(tue)fine
T子「○○さんにTELしたよ。紹介した手前、心配で……。大丈夫だって、続けてくれと……。でも、朱筆は○○さんが入れるって。わたしが、リライトする必要ないんじゃないの!」。
駄目だと言われたら助かったのに……。
チャンスは継続中ということだ。

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2004 May.31(mon)
T子よりTEL、○○氏、他にも頼もうかな、と言っていると……。
うーん、この苦しい作業、またやるのか……。
でも食い扶持だからな……。
とりあえず、最後のバイトに行くことにする。
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(T子記す/↑この時期、Kは宅配便のバイトをしていたらしい)
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T子と、○○に送信する。
○○より「とりあえず、ありがとう」と。
T子より「ご苦労、やればできるじゃないか」のメールあり。
○○からは音信なし。
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2004 Jun.27(sun)
酒浸り。
胃かいようの身体の回復を促しながら、午後「プチブランド」第5章直す。
午後11時、自分なりに、総論として、結語できたと納得できる。
<オチタ>状態となる。
原稿、それぞれにメール送信。
落ち着いて、○○の直し原稿読む。
ほとんど、ネタもそのまま使っている。
朱を入れて、真っ赤に、全面書き直しとなってしまうかと思ったが、そんなことはない。
文章、論旨は、○○氏的にはどうだったのだろう?
5章のヌーブラも、結構、○○ワールドになっている。
編集者○○氏はどうするのだろう。
まあ、これで、とりあえず原稿料とやらは頂きましょうかね。
ホッとする。
自分なりの納得。
これが重要なのだ。
喉元にひっかかった小骨が取れた。
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2004 Jul.131(thu)fine
○○氏より、アイスクリームお中元で届く。
T子より、<占い>本リライトの詳細来る。
18万円。
10日まで脱稿。
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(T子記す/この時期、Kは宅配便のバイトを継続している)
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2004 Jul.5(mon)真夏日
○○○○より初めて返事くる。
『茅ヶ崎色の風に吹かれて』検討してみると……。
さあ今日から、○○○の算命学をやる。
といって、少し、T子の参考書を眺める程度。
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2004 Aug.8(sun)fine
T子の政治学レポート書き出す。
『ジェンキンスと曽我ひとみの数奇な運命と関わった国家』の政治体制。
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2004 Aug.28(sat)cloudy小雨
大型台風16号が日本を伺っている。
T子から久し振りにメール。
元気なようで。
彼女にお礼をしないといけないのだ。
金なく、座して、……座して何を待つのか。
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2004 Sep.2(thu)fine
金がない。振り込まれない。
T子からTEL「ケータイは止まったのか」と。
止まっていた。
「○○書房へ行こう」という話なのだが……。
金の目途がつくまで待て。と返事をし。
後に、メールで、借金を申し込む。
その返事は未だない。
だって、原稿料2ヶ月先にもらって言うんだもの。
T子に断られたらどうしよう。
先月はT子が『占い』分、先に払ってくれて助かったのだが、それから収入はないのだ……。
8月、金のないまま、無為に過ごしてしまった。
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2004 Sep.3(fri)fine
結局、T子が50万円貸してくれることになった。
○子に20万、家賃15万。支払い関係5万、食費すき焼きほかで3万。
飲む。
T子の政治学レポート、ノートを取る。
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2004 Sep.21(tue)fine
水道橋でT子と会う。
○○書房へ行く。
○○編集長女史、○○編集次長と会う。
トントン拍子に決まる、次の仕事。
「○○○○・○○○なるインドネシア人教授の教育実践論」、インドネシア人と聞いて、がぜんやる気になる。
ほとんど面接だった。
決まる時はこういうものだ……。
新宿へ出て、T子と「きくや」で飲む。
T子への返却、30万にしてくれの連絡メール入れる。
やれやれ。

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2004 Oct.19(tue)雨
Dr.○○○○を尋ねる。
○○書房からは、叩き台原稿に関してのリアクションが未だない。
○○○○と中国に関して、大いに盛り上がる。
何とか、この仕事なし遂げなければ……。
絶対にこの仕事、おいしいし、”転機”をもたらすはずだ。
○○○より印税支払確定書届く。
1刷 1400円×0.1×6000部-源泉徴収=75,000円
あれ、稿料は……編集協力費は?
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2005 Jun.4(mon)
(T子記す/前夜8時過ぎ、「亡くなった」の連絡あった、と書いてある)
仮通夜、自宅安置。
T子より30万借りる。
○子20万。
翌日 通夜 衣笠セレモニーホール
翌々日 告別式 坂本火葬場で荼毘
終了後、子供たちと横須賀線で帰る。
追憶をトレースしながら。
疲労。
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6月8日
○子の帰りが遅い。
上司というのが怪しくないか。
まあ、ひとつぐらい艶めいたハナシはあってもよいが。
一方で、そんなコトは絶対にしない人間だとも思う。
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6月13日
○○党県連神奈川の選挙用VTR打合せ(T子より)
お返しに”K一族の研究”

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2006Jun.20(teu)
○○○と新宿で会う。
カラオケ屋から、神楽坂。
板橋の○○のM/Sへ。
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(T子記す/この日のほかにも「○○宅へ」の記述あり)
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6月21日
T子より、『信長キリスト教徒』説、書かぬかという怪しいハナシ、来る。
大体想像はつくのだが、様子を見に行くか。

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2006Jun.28(wed)
T子からメール。
シナリオライターの女たちと話したそうな。
「シナリオライターになったら…」などと…。
それは違う。
ストーリーテラーであることと、時代観察者、表現者であること、哲学すること…そこに「文学」がある。
やはり、書こう。
何を?!
何を書けるのか…。
五大路子がヨコハマであるならば、オレの場合はヨコスカとなるのか。
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8月4日
『パパノブ』(信長クリスチャン説)プロット。
仕方なく書き始め、約4000字、午后4時30分終了。
5時より、王子駅前で打合せ。
30分遅れて、王子。
「はなの舞」から、カラオケで『離別』唄う。
T子と新宿。
ゴールデン街、もう、飲めない。
T子にウイスキーを貰う。
T子は、オレの誕生日を覚えていた。
それには感動。

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8月5日
○子より、ジャケットプレゼントあり。
一夜明け、『パパノブ』我ながらよくできていると思う。
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8月6日
T子のメールに返事を書いて、朝。
(T子記す/Kはほかにもいろいろ書いているが、省略)
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8月11日
明け方、目覚め、○子に挑む。
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9月8日
T子よりメールある。
そうだ、こいつにも借りている。
罰金50万もある。
9月18日
暑い。
不愉快極まりないので、飲むことにする。
○子から2000円、ほおられる。
不愉快。
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9月20日
T子に近況をメール。
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11月9日
T子に、不如意のワビと近況報告。
○○と○○に会う。
永福町に一軒家構え、セカンドカーまで有する○○。
双子の子供に囲まれ……「幸せ」である。
○子の欲していたものは、これだな。
飲み、途中、泣き出す○○。
酔う。
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11月10日
T子のメール、返信確認するが、受信箱消してしまう。
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2006.Nov.24(fri)
T子に、借金の前振りとしてメール打つも、「50才の誕生日を迎えた」旨、返事あり。
「ヨコスカを書け」ともあり。
どうしよう。

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2006.Nov.28(tue)rain
もう、死んじゃいたいナ。
○○監督とT子に借金願いのメール。
必死の思いで書いたのだが……ホントにシンドい。
相手にも事情のあるところ……いかばかりか。
借金するのも、借金を頼むのも才能などと豪語し、笑っていられる場合ではない。
現実の○子の前には、文士も、芸術家もない。
ただ金を運んで来る人がいればいいのだ。
胃が痛い。
決死的覚悟でメールを為し、100円のパック酒を買う。
そんな人生なしだ……。
52才。
○○監督から即座に応答あり。
50万円を借りることになった。
ヒトイキ……。
情けない……。
(T子記す/↑Kは子供3人を私学に通わせ、大学までやるのだから、分不相応な暮らしだと思う)
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2007 May.27(tue)
ゴミ奉行。可燃ゴミ。
希望は、燃える可燃ゴミならず。
絶望こそは不燃ゴミ他。
人生という粗大ゴミを負いて、命という資源ゴミを何時捨てる。
伴侶という有料ゴミもあり。
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2008 Jun.26(thu)cloudy
立ち呑みは 派遣の憂さを泡盛が 詩人に変える もうひとつ飲む
と、詩人に変身したつもりでも、帰宅後、息子の妹に対しての言説「シネ!」に怒る。
だったら、俺がみんな殺してやろうか!と、また女房ともめる。
仕事が面白くないのだ。
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2009 feb.1(sun)fine
○子含め家族との関係は最悪だ。
全く口をきかない喋らない。
修復も無理みたいだな。
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2009 Aug.17(mon)fine
○子と宵の口、飲み屋を巡る。
ガス抜き、か。
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2009 Dec.7(mon)fine
家に居づらい。
○○が帰ってく。
もういけない。
一緒に居られない。
敵討ちのような飯を喰い、朝1合炊いたものをチャーハンにして、更に大盛りスパゲッティに納豆を混ぜ……る。
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2009 Dec.10(thu)fine
「もう3ヶ月仕事してないヨ」朝から○子に言われる。
わかるんだが、仕事がない。
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2010 Mar.14(sun)fine
オフ。しかし家人どもが休みの日は家に居られない。
ほとんど邪魔者、厄介者扱い。
フリーランスとは日雇いなんだ。
昨年の11月から仕事がない。
つまり失業状態だった。
今日も居づらく、早めに家を出る。
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2010 Mar.27(sat)fine
息子の旅立ちあり。
不定愁訴。
「飯でも喰え」と渡した10,000は置いていった。
永遠の別れかもしれない。
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2010 Jul.24(sat)fine
「お金とったでしょう?」「それって泥棒だよ!」小銭タバコ代180円でドロボー扱い……。
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2010 Aug.3
T子さん、3万円だけ貸してくれとメールを入れるが。
T子からはメール返信なく、当然振り込まれもしない。
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(T子記す/Kは知り合いに○○○○の消息を聞き、○○○○として経堂に住んでいることを知る。そして、NTT電話帳で住所を調べている)
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2010 Sep.23(tue)rain
家人は休み。
雨ゆえ、横になっていると、家人の堪忍袋が破裂した。
仕事もせず、探さず、ゴロゴロしている!もう出て行ってくれ!
メールが来る。
「早く出て行ってくれ。カギはポストに。もう、一緒に暮らせない」。
ゴロゴロし続けるわけにいかず、豪雨の中、梅ヶ丘図書館へ。
「わかった。その方がよいと思う。新潟に旅もし(○○との関係も)納得した。2、3日待ってくれ」と返信。
仕方がなかろう。
別に暮らした方がよい。
互いに、周囲に、精神衛生のために。
では、どーするか。
金、一銭もない。
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2010 Oct.5(tue)fine
枕元で「鍵、置いていってくれないかな」と呟く。
「出て行ってくれ」という意味である。
何処へ?どうやって?!
何処かへ!歩いて!
もう限界か!
ともかく、「出よう!」。
旅支度。
といっても「歩く」わけである。
大きな荷物はムリだ。
もう、戻ってくることはないのだ。
もう、戻ってくることは、できないのだ。
野垂れ死ぬかもしれない。
しかし、それは本望か。
少なくとも、精神的不健康は解消する。
ホームレス!となったのか!
いや、人はこうしてホームレスになっていくのだ。