【新作ペーパーバックと電子書籍を同時発売】
Trance Romanesque
Study and Actual Work of Creative Writing
過日、久しぶりに小説を書こうとしたのですが、「ストーリーを作ってもつまんないな~要はイメージと描き方だよな~」と思っちゃったので、クリエイティブ・ライティングというものを勝手に研究して実作もすることにしたら、ごく短い小説、あるいはやや長い散文詩のようなものが12篇できたので、これを「トランス ロマネスク」と名づけて一冊にまとめました。
しかし無名無冠の作家・ライターが書いた掌篇集など出版社はどこも相手にしてくれそうにないので、Amazonから出します。
よくある単行本と同じサイズの四六判で112頁、税込990円、送料無料。電子書籍版は税込400円です。
ためしに読んでやってもいいよという、変わった趣味の方がいらしたら是非よろしくお願いいたします。
そしてまた、ご意見ご感想をお寄せいただけますならまことに有り難うございます。
【トランス ロマネスク 目次】
●切り刻んだ川
●十歳のペドフィリア
●甘くない男
●悪趣味な関係
●夜明けのファルセット
●法螺吹き女王
●爺さんと世間
●なくしたものは何?
●YHM MAZE 横浜迷路
●もうひとつの横浜迷路
●東の海に沈む夕陽
●ユーフォリア
●<作者による作品解題>
「トランス ロマネスク」とは、「小説のように奇異で空想的で荒唐無稽な話を超越するもの」を指す造語です。
その理想とするところは、ストーリー性に依拠しない刺激と興奮、そして陶酔と感慨を喚起すること。つまり、肝心なのは、どんな話を語るかではなく、どう語るか、なのです。
──このコンセプトそのものを作品名とした本作は、掌篇小説の形をとったやや長い散文詩12篇から成っています。
そこへ通奏低音のように流れるのが、横浜の南東部を流域とする大岡川という川の存在で、この川が思念したり語ったりすることから、大岡川を主人公に据えた掌篇を編んだものとも言えます。
最も重要なのは語り口、つまり文体です。
そこで作者は、各篇ごとにつとめて文章スタイルを変えています。意識して用いた手法は、たとえばマジック リアリズム、グロテスク リアリズム、ハード ボイルドといった文学史上燦然と輝く文体を真似ること。そして、江戸時代中期の戯作文学に見られる皮肉と諷刺と諧謔の「穿ち」、読み換え&書き換え、数字を使う言語遊戯、さらには音楽の分野で用いられる「カットアップ」「リミックス」「転調効果」など、さまざまな技法を採り入れることでした。
こうした試みにより、クリエイティブ・ライティングの探求と実作が同時進行していきました。
その研究報告の書でもある掌篇集「トランス ロマネスク」を、詩や小説を読むこと/書くことに関心を寄せる多くの方々にぜひ読んでいただきたいと願っています。