クリエイティブ・ライティング

トランス ロマネスク

投稿日:2022年5月5日 更新日:

【新作ペーパーバックと電子書籍を同時発売】

Trance Romanesque
Study and Actual Work of Creative Writing

過日、久しぶりに小説を書こうとしたのですが、「ストーリーを作ってもつまんないな~要はイメージと描き方だよな~」と思っちゃったので、クリエイティブ・ライティングというものを勝手に研究して実作もすることにしたら、ごく短い小説、あるいはやや長い散文詩のようなものが12篇できたので、これを「トランス ロマネスク」と名づけて一冊にまとめました。

しかし無名無冠の作家・ライターが書いた掌篇集など出版社はどこも相手にしてくれそうにないので、Amazonから出します。

よくある単行本と同じサイズの四六判で112頁、税込990円、送料無料。電子書籍版は税込400円です。

ためしに読んでやってもいいよという、変わった趣味の方がいらしたら是非よろしくお願いいたします。

そしてまた、ご意見ご感想をお寄せいただけますならまことに有り難うございます。

【トランス ロマネスク 目次】

●切り刻んだ川
●十歳のペドフィリア
●甘くない男
●悪趣味な関係
●夜明けのファルセット
●法螺吹き女王
●爺さんと世間
●なくしたものは何?
●YHM MAZE 横浜迷路
●もうひとつの横浜迷路
●東の海に沈む夕陽
●ユーフォリア
●<作者による作品解題>

「トランス ロマネスク」とは、「小説のように奇異で空想的で荒唐無稽な話を超越するもの」を指す造語です。

その理想とするところは、ストーリー性に依拠しない刺激と興奮、そして陶酔と感慨を喚起すること。つまり、肝心なのは、どんな話を語るかではなく、どう語るか、なのです。


──このコンセプトそのものを作品名とした本作は、掌篇小説の形をとったやや長い散文詩12篇から成っています。

そこへ通奏低音のように流れるのが、横浜の南東部を流域とする大岡川という川の存在で、この川が思念したり語ったりすることから、大岡川を主人公に据えた掌篇を編んだものとも言えます。

最も重要なのは語り口、つまり文体です。

そこで作者は、各篇ごとにつとめて文章スタイルを変えています。意識して用いた手法は、たとえばマジック リアリズム、グロテスク リアリズム、ハード ボイルドといった文学史上燦然と輝く文体を真似ること。そして、江戸時代中期の戯作文学に見られる皮肉と諷刺と諧謔の「穿ち」、読み換え&書き換え、数字を使う言語遊戯、さらには音楽の分野で用いられる「カットアップ」「リミックス」「転調効果」など、さまざまな技法を採り入れることでした。


こうした試みにより、クリエイティブ・ライティングの探求と実作が同時進行していきました。

その研究報告の書でもある掌篇集「トランス ロマネスク」を、詩や小説を読むこと/書くことに関心を寄せる多くの方々にぜひ読んでいただきたいと願っています。

関連記事→超短篇小説「切り刻んだ川」

-クリエイティブ・ライティング

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

終わりなき推敲──目指せ珠玉の一篇①

名作の名書き出し 吾が輩は猫である。名前はまだない。(夏目漱石『吾輩は猫である』) 国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。(川端康成『雪国』) ──というように、強烈な印象を残 …

お気に入りの街を文章で素描(スケッチ)してみよう・横須賀編

あなたのお気に入りの街並みや景色を文章で素描(スケッチ)してみませんか。 文章上達のよいレッスンになります。 描き方に制約はないので、自由にやりましょう。 動画ならば、街のビジュアルに加えて音楽を取り …

超短篇小説「なくしたものは何?」

Study and Actual Work of Creative Writing クリエイティブ ライティングの探求と実作 先日、久しぶりに小説を書こうとしたのですが、「ストーリーを考えてもつまんな …

超短篇小説「夜明けのファルセット」

Study and Actual Work of Creative Writing クリエイティブ ライティングの探求と実作 先日、久しぶりに小説を書こうとしたのですが、「ストーリーを考えてもつまんな …

終わりなき推敲──目指せ珠玉の一篇②

名作の名書き出し きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かもしれないが、私にはわからない。(カミュ『異邦人』) 恥の多い生涯を送って来ました。(太宰治『人間失格』) 生れて、すみません。(太宰治『 …

言葉をたくさん知っていると、話すのも書くのも自由自在。頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!

当サイト「言葉力アップグレード」は言葉の世界を豊かにし、話し方・書き方をレベルアップする技術を紹介しています。どうぞご活用ください。

follow us in feedly