書き方・話し方のマナー

「か抜き」言葉を改善しよう

投稿日:2023年6月23日 更新日:

自分では全くそんなつもりはないのに、つい「か抜き」の文を書いてしまい、「それって質問してるの?違うの?」というように、読み手を混乱させていることがあるかもしれません。

どういう書き方をすると「か抜き」になるのか。

改めるにはどうすればよいのか。

ちょっと考えてみましょう。

「か抜き」の例、改善例

ご参考までに、よくありがちな「か抜き文」と改善例を示します。

話し言葉ならば、「か抜き」で構わないと思います。

柔らかな響きになりますし、語尾を少し上げることにより、疑問形なのだと伝えることができるからです。

ただし、書き言葉の場合は、そういった細かいニュアンスが伝わりません。

ひょっとしてタイプミスかな、と疑ってしまうこともあります。

よって、書き手のほうは、わざわざ「?」を付けて、疑問形なのだと示す必要があるのです。

必要がないなら「?」を付けないほうがいい

「?」という記号は本来、外国語に用いられるものです。

それが日本語の文に多用されると、どこか無理をしているような不自然な印象になります。

では、どうすればよいのでしょう。

「?」を付けなくても意味が伝わるよう、

「か抜き言葉」を改善するには、

抜け落ちた「か」を加えればいい。

ただそれだけのことです。

ね、簡単でしょう。

↑というように、「?」がなくても意味が伝わるならば、「?」を付けなくてよいのです。

「?」を付けたほうがいい場合もありますね

↑こんなふうに、疑問符を付けることで文がよりいっそういきいきとし、会話を楽しんでいる雰囲気に近づく。そう感じられるときにこそ「?」を使いたい、と私は思います。

それ以外のときは、日本語の文にやたらと「?」を付けず、それで十分に意味が伝わるようにしたいものです。

そのためにはやはり、必要な箇所にはきちんと「か」を書き入れることが求められるでしょう。

話し言葉の「か抜き」はOK。しかし、書き言葉の「か抜き」は基本的にNG、と私は考えています。

参考資料としてWikipediaより引用

疑問符は元来の日本語の書法には存在しない記号である。

疑問を表す終助詞「か」で終わる文は、わざわざ疑問符を付けなくても疑問文だと判る。

一方で「だめなの」、「もう帰る」のように、文字言語ではイントネーションが判らず、平叙文にも疑問文にも解釈され得る文の場合には、疑問符を付ける事で、疑問文であると明確にする効果は出る。

現代における日本語の正書法では、疑問符・感嘆符(!)の使用も認められている。

また、公用文においても「?」を用いないと意味が通じないような場合があるため、解説・広報等の文書、また、発言をそのまま記載する記録などにおいては、必要に応じて疑問符を使用して差し支えない。

これらは基本的に文章の終止を表すため、その後ろに句点を用いない。

ただし次の文の開始と連続しないよう、基本的に疑問符及び感嘆符の直後に全角スペースを挿入する。

これはJIS X 4051に基づくW3Cの「日本語組版の処理要件」2020年8月11日版のルールとも一致する。

ただし終わり括弧が続く場合等や、文章の途中の場合は、全角スペースは挿入しない。


だろうか? 何のために! 私は、
「何時ですか?」
誰に見せるか?を考える


作家の中には自身の作品の会話文に決して疑問符を使わない者もいる(笠井潔、石田衣良など)。

逆に、明らかに疑問文でない文でも、なんらかのニュアンスを持たせて「ちゃんと対策考えろよ?」のように疑問符が用いられるケースも見られる。

JIS X 4051では、日本語中の疑問符は全角幅にする。

また直後に、始め括弧類(“(”、“「”など)が有る場合は、後ろに半角幅の間隔を設け、直後に中点類(“・”、“:”など)が有る場合は、後ろに四分幅の空白を設け、それ以外の文字が直後に有る場合は間隔を設けないとの規定も存在する。

なお、行頭禁則文字であり、改行時に行頭に疑問符が来てはならないと定められている。

関連記事→「を抜き」「は抜き」を改善しよう

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