文章力アップ

悪文リライトにチャレンジしてみませんか

投稿日:2017年5月5日 更新日:

みなさん、こんにちは。

今日は「悪文のリライト」というものについて、お話ししてみたいと思います。

ここで言う「悪文」とは、きちんと読んだつもりでも理解できない文、難解な文のことです。

ふだん目にするブログやSNS、雑誌、書籍、新聞にも、意味がよくわからない「難解な文」が散見されるでしょう。

むずかしい内容だから理解できないのではなく、言葉の使い方が適切でないために、理解に苦しむ文になっているのです。

そういう「悪文」こそ、筆力向上をはかる良い教材となります。

●文章修業に「うってつけ」なのは、他人の文章をリライトすること

私の仕事は原稿を書くことですが、人の原稿を手直しすることもよくあります。

たとえば、同業のライターが執筆した第一稿に加筆修正を施すよう、編集者から求められるのです。

要するに、未完成原稿をリライトして完成させていくわけですが、
こうした作業がまた、文章修業にうってつけです。

読みやすい文章と読みにくい文章わかりやすい文章とわかりにくい文章

その違いがどこにあるのか、はっきりとわかるようになったのは、他人の書いた文章を修正する機会に恵まれたからです。

●読みやすくわかりやすい文章を書く試み

他人の言葉を整理することによって、自分の考えがまとまり、理路整然と論を展開できるようになります。

そのようにして考えを組み立て、論理的な文章が書けるようになると、話し方も理路整然としてきます。

つまり、説明上手になっていくのです。

物事をわかりやすく説明できる人は、他者とのコミュニケーションが円滑にいきますね。

「頭の良い人」という印象を与えることもできます。

事実、頭が良い状態になっているのだと思います。

↑言葉の力を使って混乱状態から抜け出し、合理的にものを考えられるようになったということです。

文章を読むのと書くのでは、頭の使い方がまったくと言っていいほど異なりますが、「自分だったらこう書く」と考えながら読むことで、
「読む」と「書く」の二つを同時に脳内で行うことができます。

脳に新たな神経回路がつくられ、言葉を自由自在に操れるようになっていくという気がします。

頭をクリアにしたい、自分の思いや考えをスラスラと書けるようになりたいと願うなら、自分以外の誰かが書いた文章(それもできるだけまずい文章)をリライトしてみるに限ります。

「これを書いた人、何を言おうとしているのか、さっぱりわかんないよ」

というような難物に遭遇したときこそ絶好のチャンスです。

その難解な文章を、一読ですっと理解できる文に書き換えることができたら、筆力は確実に向上しています。

●まとめ

ライティングスキルをアップする秘策は、
他人の文章をリライトすることです。

自分の書いたものをプロに添削してもらっても、その効果は薄いようです。

病は必ずぶり返す、と思って間違いないでしょう。

現に、私が毎度リライトしているある方は、間違いを何度指摘してもいっこうに改まりません。

自分の欠点は気づきにくいのです。

いっぽう、他人の欠点ならば、はっきりとわかります。

だからこそ、人のふり見て我がふり直せ、なのです。

他人のあら探しをしながら、「自分だったらこう書く」という意識を持って読むようにしていくといいですね。

どんな文章も、ただ読んで終わりにしてしまうのはもったいない。

どこかに引っかかるものを覚えたら、「どうすれば引っかからずスッと読める文章になるか、リライトしてみたら?」と促されているのだ、と私はとらえています。

関連記事→文章を書いた後は必ず「推敲」を

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