コロケーション

頭から離れる?離れない? 正しい言い方はどっち!?

投稿日:2018年10月18日 更新日:

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?

それは「連語」のこと。

語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。

たとえば──

「頭から湯気を立てる」

 

「頭から離れない」

↑というのは、昔から使われているコロケーションです。

では──

「頭から湯気が立つ」

 

「頭から離れる」

↑というのはどうでしょう?

なんとなく意味は通じるのですが、語と語の組み合わせとしては不適切です。

次のような例もあります。

「はらわたが煮えたぎるほど怒っている、カッカしている」と言いたいときは、

 

「頭から湯気が立つ」ではなく

「頭から湯気を立てる」と言うんですね。

「頭から離れない」という言い方はあっても、
「頭から離れる」という言い方はあまりしません。

 

「頭から離れた」というのは「もう気にならなくなった、つとめて忘れるようにした」という意味でしょうが、それならば、
「頭から振り払った」とするのが良いでしょう。

↑というように、日本語には実に数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。

それを知らずに、微妙にズレた言い方をしていると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいます。

人前で恥をかくことのないように、コロケーションの適切な使い方を覚えていきましょう。

このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介していきます。

あなたが知らずにいた言い回しが見つかるかもしれません。

読めば読むほど、「そうか、こういうときはこういう言い方をすればよかったのか」と新たな発見があるでしょう。

●「ア」で始まるコロケーション

哀感を→帯びる

哀感を→こめる

哀感を→そそる

哀感を→もよおす

哀歓を→こめる

哀歓を→共にする

愛顧を→いただく

愛顧を→賜る

愛情が→冷える

愛情が→芽生える

愛情を→いだく

愛情を→注ぐ

愛想が→いい

愛想が→ない

愛想が→尽きる

愛着が→湧く

哀調を→帯びる

相槌を→打つ

相手に→する

相手に→なる

アイディアが→浮かぶ

アイディアが→湧く

合いの手を→入れる

青筋を→立てる

煽りを→受ける

煽りを→食う

赤字を→埋める

赤字を→出す

赤恥を→かく

赤恥を→さらす

赤みが→差す

赤みを→帯びる

あきらめが→つく

あきらめが→早い

悪に→染まる

悪を→なす

灰汁が→強い

灰汁が→抜ける

悪意に→満ちた

悪意を→いだく

悪運が→尽きる

悪運が→強い

悪事を→重ねる

悪事を→なす

悪事を→働く

握手を→かわす

握手を→求める

悪臭を→放つ

悪循環に→陥る

悪態を→つく

あくびが→出る

あくびを→噛み殺す

あくびを→さそう

悪風に→染まる

悪名が→高い

悪名が→とどろく

あぐらを→かく

揚げ足を→とる

挙げ句の→果て

あごが→落ちる(非常においしいことのたとえ)

あごが→外れる

あごが→干上がる(生活できなくなること)

あごで→使う

あごを→しゃくる(あごを使って方角などを示すこと)

あごを→出す(ひどく疲れること)

あごを→なでる(物事が思いどおりに進み、得意になること)

あごを→外す

憧れが→強い

憧れの→的

憧れを→いだく

憧れを→持つ

足が→ある(車など、移動手段があること)

足が→すくむ

足が→地に着かない

足が→つく(犯罪者などの足跡がわかること)

足が→出る(予定の支出額を上回ること)

足が→遠のく

足が→早い(食べものが腐りやすいこと)

足が→棒になる

足が→向く

足で→稼ぐ

足に→任せる

足を→洗う

足を→入れる(新たに関係を持つこと)

足を→奪われる

足を→限りに(歩ける限りは、ということ)

足を→重ねて立つ(不安で心が安らかでないこと)

足を→崩す

足を→組む

足を→掬う

足を→取られる(思うように歩けず、転ぶこと)

足を→抜く(これまでのつながりを断つこと)

足を→延ばす

足を→運ぶ

足を→引っ張る

足を→向ける

足を→休める

味も→素っ気もない

味を→占める

味を→調える

味を→見る

味を→やる(物事を手際よくやってのけること)

足駄(あしだ)を→履く(値段を高めに設定して、差額を儲けにすること)
下駄を履く、とも言います

足止めを→食う

足並みが→乱れる

足並みを→揃える

足元に→つけ込む
足元を見る、とも言います

足元に→火がつく

足元にも→及ばない

足元の→明るいうち

足元を→固める

汗に→なる

汗を→入れる(ひと休みして汗を拭くこと)

汗を→かく

汗を→流す

遊びを→持たせる(余裕を持った構造にすること)

仇を→恩で報いる

仇を→なす(害を加えること)

頭が→上がらない

頭が→痛い

頭が→固い

頭が→切れる

頭が→冴える

頭が→下がる

頭が→低い(謙虚であること)

頭が→古い

頭から→離れない

頭から→湯気を立てる

頭の→てっぺんから足の爪先まで

頭を→上げる

頭を→抑える(相手の言動を制して、屈服させること)

頭を→かかえる

頭を→掻く(失敗したときなど、照れ隠しのしぐさ)

頭を→切り換える

頭を→下げる

頭を→搾る

頭を→使う

頭を→突っ込む
首を突っ込む、とも言います

頭を→悩ます

頭を→働かせる

頭を→撥ねる(他人に支払うべき金銭の一部を勝手に自分のものにすること)
要するに、ピンハネのことですね

頭を→ひねる

頭を→冷やす

頭を→丸める

頭を→もたげる

当たりを→掛ける

当たりを→つける

辺りを→はばかる

辺りを→払う(周囲の人々を圧倒すること)

当てが→ある・ない

当てが→外れる

当てに→する

当てに→できない

後(あと)へ→引けない

後(あと)を→引く

跡(あと)を→追う

跡(あと)を→くらます

跡(あと)を→絶つ

跡(あと)を→継ぐ

跡(あと)を→取る

跡(あと)を→濁す

後味(あとあじ)が→悪い

後釜(あとがま)に→据える

後釜(あとがま)に→座る

アドバルーンを→上げる(周囲の反応を見るために意見を述べること)

後棒(あとぼう)を→担ぐ(首謀者の手助けをすること)

跡目(あとめ)を→争う

跡目(あとめ)を→継ぐ

穴を→あける

穴を→埋める

油が→切れる

油を→売る

油を→差す

油を→絞る

油を→注ぐ

脂が→乗る

脂を→取る(非難して苦しめること)

甘く→見る

網に→掛かる

網を→張る

網の目を→潜る(くぐる)

雨が→上がる

雨が→ぱらつく

雨が→降りしきる

過ちを→犯す

過ちを→繰り返す

粗(あら)が→目立つ

粗(あら)を→探す

荒肝(あらぎも)を→抜く(非常に驚かせ恐れさせること)

露(あらわ)に→なる

有り金を→はたく

有り体(ありてい)→に言えば

アリバイが→ある・ない

アリバイを→崩す

泡(あわ)を→食う

案に→相違する

案に→たがわず

案を→練る

安逸(あんいつ)を→むさぼる

暗雲が→漂う

暗雲が→立ちこめる

暗示に→掛ける

暗礁に→乗り上げる

塩梅(あんぱい)が→悪い

塩梅(あんぱい)を→見る

安否を→気遣う

安否を→尋ねる

暗涙(あんるい)に→咽(むせ)ぶ(人知れず忍び泣くこと)

●まとめの一言

●足を重ねて立つ
●足駄(あしだ)を履く
●味をやる
●汗を入れる
●頭を撥ねる
●アドバルーンを上げる
●荒肝(あらぎも)を抜く
●暗涙(あんるい)に咽(むせ)ぶ

↑私はこの8つを知らなかったので、いい勉強になりました。

あなたが初めて知ったコロケーションはいくつありましたか。

 

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-コロケーション

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