というのは大事なことだと思います。
しかしそのいっぽうで、たえず人の顔色を窺い──
というようになっては困りますね。
言いたいことがあるときは、遠慮せずにきちんと伝えられるようになりたいと思います。
いい方法があります。
ネガティブなことをポジティブに言い換えればよいのです。
たとえば、「あなたのこの仕事、出来がいまいち」「つまらない」と否定すれば角が立ちますが、「もうひと工夫ほしい」と肯定的に言えば、相手はその一言を応援メッセージとして快く受け取ってくれるでしょう。
まさに「ものは言いよう」ですね。
●自分はどこまでポジティブかを測る目安
自分が自分に対してどれだけポジティブか。
人に対して、あるいは物事に対して、どこまで肯定的な捉え方をしているか。
そういった、いわゆる「肯定度」を測る目安の一つとなるのが、日常の言葉遣いです。
ある人のことを思い浮かべて、
など、ネガティブなことしか思いつかないようなら、肯定度はかなり低いレベルだと思ったほうがよいでしょう。
実際に服装の趣味が悪い人がいても、「悪趣味だ」と否定的に見るのではなく、「個性的」「エキセントリック」と肯定的に捉えることができる人は、ポジティブで寛大な精神の持ち主だといえますね。
周囲の人々もきっと、
と高く評価していることでしょう。
言葉の使い方ひとつで、世界の見え方が変わり、性格まで変わり、したがって周囲の評価も変わっていくものです。
ネガティブな表現は努めて避け、できるだけポジティブな表現を使っていきましょう。
↑相手の長所探しをすることにつながり、コミュニケーションを円滑にするうえでも、とても役立ちます。
ネガティブワードをポジティブワードに変換することにより、意外な発見があるはずです。
発想の転換になり、仕事に役立つこと間違いなしです。
以下に具体例を挙げていきますので、ぜひ参考になさってください。
●ネガをポジに変換するレッスン
●服装や髪型が悪趣味
→「エキセントリック」「独特のセンス」「個性的」「強く印象に残る」
●似合わない
→「マッチしない」「雰囲気が合わない」「ほかにもっと似合うものがありそう」
●流行遅れ
→「ノスタルジックな雰囲気」「時代に流されない」
●派手
→「華やか」「カラフル」「あでやか」「人目を集める」
●太っている
→「ふくよか」「貫禄がある」「大柄」「ヘビー級」
●やせている
→「スリム」「スレンダー」「ライト級」
●狭い
→「コンパクトな」「こぢんまりした」
●ありきたりの
→「定番の」「ポピュラータイプ」
●不便
→「アンコンビニエンス」「使いこなす楽しみがある」
●安物
→「リーズナブル」「お手頃価格」「コスパがよい」
●古い
→「歴史がある」「アンティークな趣」「年代物」
●わけがわからない
→「ディフィカルト」「難解」「芸術的」「抽象的」
●無愛想
→「クール」「タフ」「寡黙」
●頑固
→「ストロング」「意志が固い」「自分の考えを持っている」
●自己主張が強い
→「自分の意見を持っている」「妥協しない」
●強引に仕切りたがる性格
→「リーダーシップがある」「人を動かす力がある」
●態度が横柄
→「物怖じしない」
●偉そうにしている
→「堂々としている」「貫禄がある」「自信に満ちている」
●食べ物の好き嫌いが激しい
→「舌が肥えている」「グルメ」
●独善的
→「自分の考えに自信がありそう」
●うるさ型
→「論客」「活発に意見を述べる」
●文句が多い
→「クリティカル」「自分の意見がある」「細かいところによく気がつく」
●年寄りじみている
→「シニア」「マチュア」「大人の雰囲気がある」「老練」
●あきらめが悪い
→「失敗してもくじけない」「粘り強い」
●無鉄砲
→「失敗を恐れない」「攻めていくタイプ」「アグレッシブ」
●うるさい、騒々しい
→「活気がある」「活発」「元気」
●落ち着きがない
→「アクティブ」「よく動く」「活動的」
●口がうまい
→「説得力がある」「話が上手」
●おしゃべり
→「話し上手」「社交的」
●噂好き
→「情報通」「好奇心が強い」
●八方美人
→「誰とでも仲良くなれる」「社交的」「フレンドリー」
●ずる賢い
→「機転が利く」「頭の回転が速い」「そつがない」
●そそっかしい
→「行動が素早い」「瞬発力で動くタイプ」
●せっかち
→「テキパキしている」「スピードが速い」
●一貫性がない
→「ファジー」「状況に合わせて行動するタイプ」「臨機応変」
●飽きっぽい
→「多趣味だ」「開拓精神が旺盛」
●しつこい
→「粘り強い」「一点集中型」
●理屈っぽい
→「論理的」「ロジカル」
●遠慮がない
→「物怖じしない」「フレンドリー」「距離を縮めるのがうまい」
●時間にルーズな人
→「なにかと多忙な人」「時間にゆるやかな人」
●信念がない
→「柔軟性がある」「人の意見をよく聞く人」「フレキシブル」
●すぐに意見を変える
→「人の意見を尊重する」「協調性がある」「変化に対応できる」
●行き当たりばったり
→「臨機応変」「即興が得意」「対応力がある」
●うまく立ち回る人
→「周囲がよく見えている人」「協調性に富む」
●経験不足
→「これから伸びる可能性がある」「斬新な発想が期待できる」
●仕事が遅い
→「仕事が丁寧だ」「マイペース」
●応用がきかない
→「基本に忠実だ」「ひたすら誠実にいこうとするタイプ」
●不器用
→「地道に頑張るタイプ」「素朴」「純朴」
●要領が悪い
→「マイペース」「正直すぎる」「素朴」「純朴」
●即戦力はない
→「今はまだだが将来が楽しみ」「将来性がある」「期待できる」「これからいろいろ学んでいく人」
●能力的に劣る
→「今はまだ十分ではないが、可能性を秘めている」
●出世が遅い
→「スロースターター」「大器晩成」
●芽が出ない
→「遅咲き」「大器晩成型」
●平凡
→「手堅い」「一般受けする」「みんなに好まれるタイプ」
●人に気を遣いすぎる
→「心配りが細やか」
●神経質
→「几帳面」「デリケート」「センシティブ」
●消極的
→「手堅い」「着実」「控えめ」
●おとなしい
→「寡黙」「静か」「控え目」
●無口
→「あまりおしゃべりをしない」「もの静か」
●のんびりしている
→「ゆったりしている」「余裕がある」
●性格的に弱い
→「繊細」「ナイーブ」「やさしい」
●優柔不断・どっちつかず
→「ファジー」「思慮深い」「いろいろ考えられる人」
●無趣味で面白みがない
→「仕事一筋」「生活の基本を大切にしている人」
●新しいことに挑戦しない
→「堅実だ」「よく考えてから行動するタイプ」
●気が小さい
→「謙虚だ」「控えめだ」「慎重だ」
●小心者
→「慎重」「浮わついたところのない人」
●行動力がない
→「まずはじっくり考えるタイプ」
●細かいことを気にする
→「デリケート」「几帳面」「丁寧」「観察眼がある」
●地味
→「素朴」「ナイーブ」
●視野が狭い
→「ひとつのことに集中して掘り下げるタイプ」
●性格が暗い
→「落ち着いている」「浮わついたところがない」
●頼りない
→「やさしい」「温厚」「ジェントル」
●世間知らず
→「ピュア」「子供の心を残している」「穢れていない」「すれていない」
●友達がいない
→「インディペンデント」「自立している」「一人でやっていける人」「孤独に強い人」
●気が利かない
→「ラフな性格」「細かいことは気にしない」「物事に動じない」
●マザコン
→「母親思いの人」「愛情が強い人」
●オタク
→「通」「マニアック」「ひとつのことに精通している人」
●褒め言葉はカジュアルに
人をけなさないまでも、辛口批評してばかりして、褒めることをしない、というのはダメですね。
たった一つの褒め言葉や励ましの言葉から、話が広がり、楽しい会話が弾むようになっていきます。
【カジュアルな褒め言葉の例】
「おしゃれですね」
「センスがいいですね」
「笑顔がとても素敵」
「聞き上手ですね」
「教え方が上手ですね」
「歌がお上手ですね」
「やさしい人ですね」
「努力家ですね」
「行動力がありますね」
【カジュアルな励まし言葉の例】
「あなたならきっとできると信じています」
「応援しています」
「期待しています」
「力になれることがあれば何でも言ってください」
●まとめの一言
人を褒めたり励ましたりするのを「お世辞をつかう」ことと同じように考えている人もいるかもしれませんが、決してそうではないのです。
褒める、励ますとは、相手に共感すること、相手への理解を示すことなのです。
心からの共感と理解を惜しみなく示すことができるよう、たくさんの褒め言葉と励まし言葉をストックしておきましょう。