リテラシー向上

主語がなくても通じる、日本語の不思議

投稿日:2020年9月7日 更新日:

「誰がそれをしたのか」の「誰が」をはっきり言わなくても、ちゃんと意味が通じてしまうことがあります。

主語を省略しても通じる場合が多いのです。

それが日本語の特徴です。

しかし、通じない場合もあります。

1つの文に主語が2つあり、主語と述語の結びつきがねじれていると、意味が伝わりにくいのです。

何度言えばわかるの

この場合は、(私が)(あなたは) という2つの主語が省略されています。

本来は、

(私が)何度言えば(あなたは)わかるの

ということなんですね。

「私」を主語として貫くなら、

「何度言えばわかってもらえるの」

となるでしょう。

「あなた」を主語として貫くなら、

「何度言われればわかるの」

「何度言わせればわかるの」

となるでしょう。

同じような例を挙げてみます。

「どう謝れば許せるの」

この場合も、(私が)(あなたは) という2つの主語が省略されています。

本来は、

(私が)どう謝れば(あなたは)許せるの

ということなんですね。

「私」を主語として貫くなら、

「どう謝れば許されるの」

「どう謝れば許してもらえるの」

となるでしょう。

「あなた」を主語として貫くなら、

「どう謝られたら許せるの」

「どう謝らせたら許せるの」

となるでしょう。

まとめの一言

上記の内容は、やや厳密すぎるかもしれません。

あまり深く考えずに、日本語として自然な響きならば、それでいいと思います。

ただ、たまには少しこだわって、「この場合の主語は何かな」と追究してみるのも悪くないでしょう。

関連記事→というか、ていうか、といおうか

-リテラシー向上

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

というか、ていうか、といおうか

というか、ていうか 「というか」「ていうか」というのは、くだけた言い方ですね。 きちんと言うなら、「というよりも」となるでしょう。 その変形パターンに、「というよりか」というのもありますね。 「という …

読解力を高める「神戸まとめの達人」

「神戸まとめの達人運動」というものがあることをご存じでしょうか。 「まとめの達人」とは、文章を要約する力をつけるための先駆的な取り組みで、神戸市の全市立小中学校(250校)で推進されているそうです。( …

Yohoo! 知恵袋 質問に回答してみました

「Yohoo! 知恵袋」というサイトは便利ですね。 わからないことがあるとき、このサイトに質問投稿をすると、有志の方々が答えてくれます。 私も時々利用させてもらっていますが、たまには回答する側になって …

教えて! Goo 質問に回答してみました

「教えて! Goo」というサイトは便利ですね。 わからないことがあるとき、このサイトに質問投稿をすると、有志の方々が答えてくれます。 私も時々利用させてもらっていますが、たまには回答する側になってみた …

「理想」の対義語は□□、「流行」の対義語は□□。

赤字の反対は黒字。 安全の反対は危険。 というように、多くの語に反対の意味を持つ語(対義語)があります。 ある言葉とその対義語をふたつセットにして覚えると、倍の速度でボキャブラリーを増やせるので、日常 …

言葉をたくさん知っていると、話すのも書くのも自由自在。頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!

当サイト「言葉力アップグレード」は言葉の世界を豊かにし、話し方・書き方をレベルアップする技術を紹介しています。どうぞご活用ください。

follow us in feedly