ビジネスマナー

マナーのよさと教養を感じさせる、素敵な接客ワード

投稿日:2017年3月31日 更新日:

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接客業に敬語は欠かせません。

敬語とは、相手を大切に思う心を表すものです。

が、ただそれだけではないのです。

敬語は、相手と自分との間に距離を置くためにも遣われます。

距離が近づきすぎると、相手、つまりお客様はテリトリーを侵されたように感じて、不快感を抱くでしょう。

↑それが単に言葉上の接近であっても、不快であることに変わりはないのです。

●何にいたしますか


カフェやバー、レストランなどで、

「ご注文は何にいたしますか」

と言われたことはありませんか。
誰しも、一度や二度は経験しているはずです。
そのとき、どんな印象を持ちましたか。

私は、なんとなく、「この店員、偉そうだな〜」と感じました。

お客様に対しては、

「ご注文は何になさいますか」

と言ってほしいと思います。

●ご足労を願います


店頭にない商品を取り寄せてほしいと店員さんに頼んでおいたら、後日電話で、

「ご注文の品が入りましたので、ご足労を願います」

と言われたことがあります。

こちらはお金を払う立場なのに、なぜそんなことを言われなきゃならないのと、ちょっと悲しくなりました。

だって、「ご足労を願います」って、外注スタッフでも呼びつけているみたいじゃない?
せめて、

「ご足労いただけませんでしょうか」

と言ってほしかった。

「ご来店をお願いします」

と言われたとしても、やや高飛車な印象を受けただろうと思います。

なぜなら、「来いよ」と命令されているような感じがしてしまうからです。

ここはやはり、

「ご注文の品が入りましたので、ご足労ですがご来店を願えますでしょうか」

と言ってもらいたいものです。

接客業はそこまでへりくだらないといけないのか、と思われるかもしれません。
そう、接客業はそこまでへりくだる必要があるんですね、ここ日本では。

加えて言うと、
自分ではへりくだっているつもりでも、実は偉そうに聞こえてしまう言い回しは意外と多いので、謙虚すぎるほど謙虚な姿勢を貫くことが賢明だと言えます。

●ご持参ください


面白そうなセミナーがあったので、電話で参加を申し込みました。

快く受け付けてくれたのはよいのですが、その方は話の最後にこうおっしゃったのです。

「当日は筆記用具をご持参ください」

と。

私は、命令口調にならないソフトな言い方を覚えたての頃だったので、「ご持参ください」の一言がことさら耳につき、違和感を覚えました。

「ご持参ください」は広く一般に遣われている言葉で、日本語として適切な表現だとされています。

↑たしかに、「持参してください」と命令されるよりはマシですね。
でも────

「お持ちください」

と言ってくれたら、もっとよかったと思うのです。

●ご記入してもらってよろしいですか


セミナー当日、会場の受付で、

「アンケートにご記入してもらってよろしいですか」

と言われました。

「ん? なんか変な日本語だな」と感じたものの、どこがどう変なのか、うまく説明できなかったので、そのままにしていました。

あとで考えてみるに、

「してもらってよろしいですか」

という言い方がなんとなく命令口調に感じられて、神経に引っかかったのだと思います。

「よろしいですか」

と訊かれても、誰にとってよろしいという意味で訊いているのか定かでないというのも問題です。

「~してもらっていいですか」

「~してもらってよろしいですか」

というのは、相手に許可を求める表現です。

しかし前述の例の場合は許可を求めているのではなく、依頼をしているのですから、「いいですか」「よろしいですか」という言い方はふさわしくないでしょう。

「記入してください」

「記入してくださいますか」

「記入していただけませんか」

と言うなら問題ないのです。

「記入していただいても構いませんか」

というのでもいい。

ええい、ごちゃごちゃ言わずに、いっそ

「アンケートにご記入願います」

とすればスッキリする、というのが私の結論です。

●おわかりになりましたか

「今の説明で、おわかりになりましたか」

などと、にっこり微笑んで訊く人がたまにいますが、訊かれたほうは、なんだか急に自分がばかになったような気がしてしまうからやめてくれと言いたい、と私は思っています。

「おわかりいただけましたでしょうか」

「ご理解いただけましたでしょうか」

と訊かれるぶんには構わないのです。

↑これなら「お互い対等」という気持ちが伝わってきていい感じです。
「よくわからない点があれば、変に遠慮したりせずに訊いてみよう」と前向きな心持ちになります。

●ご拝聴ありがとうございました


友人に聞いた話ですが、某セミナーで、講師が最後の締めくくりに、

「ご拝聴ありがとうございました」

と謝辞を述べたそうです。
友人は、「ごはいちょう? 何それ」と一瞬固まり、「あ、ご拝聴か」と気づいて、思わず噴き出してしまったとのこと。

金融関連のセミナーだったらよかったようなものの、これがもし「日本語の正しい使い方」や「ビジネスマナー講座」だったりしたら、
「ざけんな、ばかやろー。セミナー代、返せ」
と怒りだす人が続出だったかもしれません。

日本語やマナーの専門家でなくても、不特定多数の人に話を聞いてもらう立場にある講師ならば、ぜひとも適切な言葉を遣っていだきたいものです。

「拝聴」というのは、「謹んで聴く」という意味で、昔は神仏に対してのみ用いる敬語だったそうです。

それが徐々に使用の範囲が広がり、「先生のご高説を拝聴しました」というように、一般の人に対しても用いられるようになったようです。

それをどう勘違いしたのか、自分の話を「ご拝聴」してもらってありがたいなどというのは、間違いに間違いを重ねた最悪の言葉遣いです。

「拝聴」は自分がするものであって、相手にさせるものではありません。

「ご」をつける必要がないのにつけている点も不適切です。

↑これは、本人はへりくだっているつもりでも、実は偉そうに聞こえる表現の最たるものと言って過言ではないでしょう。

講演の締めくくりに謝辞を述べるなら、正しくは、

「ご清聴ありがとうございました」

です。

「静聴」という言葉もありますが、これは「講演や話などを静かに聴くこと」の意。
会場がざわついているときなどに、「ご静聴を願います」というように用いられます。

●お申し出ください

「商品には万全を期しておりますが、不都合な点がありましたらお申し出ください」

と言われたら、あなたはどう感じますか?

私は、「申し出る」という言い方に強い違和感を覚えてしまいます。

しかし、『明鏡国語辞典』の編集委員による本『続弾!問題な日本語』によると

「お申し出ください」は全体で尊敬語として使われており、明らかな間違いとまでは言えません。

とされています。

う〜ん、そう言われても、なんとなく納得がいきません。

ただ、その本に、こうつけ加えられていたのは幸いです。

ただ、「申し出る」そのものには謙譲語の性格が残っているため、客に対しては「お申し付けください」「お知らせください」などの言い方をするほうが望ましいでしょう。

ですよね、やっぱりそうでしょ、と胸のつかえがおりました。

●まとめの一言


自分がお客の立場にあるとき、店員さんの言葉にカチンとくることがあったら、「じゃ、どう言われればカチンとこないのか」と考えてみることをおすすめします。

何を言われてもカチンとこないという人は、神経が太いというよりも、むしろ無神経なのだと思いますけど?

関連記事→ビジネスマナー/「お世話様です」「ご苦労様です」と言ってはいけない相手

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