みなさん、こんにちは。
今日は「悪文のリライト」というものについて、お話ししてみたいと思います。
ここで言う「悪文」とは、きちんと読んだつもりでも理解できない文、難解な文のことです。
ふだん目にするブログやSNS、雑誌、書籍、新聞にも、意味がよくわからない「難解な文」が散見されるでしょう。
むずかしい内容だから理解できないのではなく、言葉の使い方が適切でないために、理解に苦しむ文になっているのです。
そういう「悪文」こそ、筆力向上をはかる良い教材となります。
●文章修業に「うってつけ」なのは、他人の文章をリライトすること
私の仕事は原稿を書くことですが、人の原稿を手直しすることもよくあります。
たとえば、同業のライターが執筆した第一稿に加筆修正を施すよう、編集者から求められるのです。
要するに、未完成原稿をリライトして完成させていくわけですが、
こうした作業がまた、文章修業にうってつけです。
その違いがどこにあるのか、はっきりとわかるようになったのは、他人の書いた文章を修正する機会に恵まれたからです。
●読みやすくわかりやすい文章を書く試み
他人の言葉を整理することによって、自分の考えがまとまり、理路整然と論を展開できるようになります。
そのようにして考えを組み立て、論理的な文章が書けるようになると、話し方も理路整然としてきます。
つまり、説明上手になっていくのです。
物事をわかりやすく説明できる人は、他者とのコミュニケーションが円滑にいきますね。
「頭の良い人」という印象を与えることもできます。
事実、頭が良い状態になっているのだと思います。
↑言葉の力を使って混乱状態から抜け出し、合理的にものを考えられるようになったということです。
文章を読むのと書くのでは、頭の使い方がまったくと言っていいほど異なりますが、「自分だったらこう書く」と考えながら読むことで、
「読む」と「書く」の二つを同時に脳内で行うことができます。
脳に新たな神経回路がつくられ、言葉を自由自在に操れるようになっていくという気がします。
頭をクリアにしたい、自分の思いや考えをスラスラと書けるようになりたいと願うなら、自分以外の誰かが書いた文章(それもできるだけまずい文章)をリライトしてみるに限ります。
というような難物に遭遇したときこそ絶好のチャンスです。
その難解な文章を、一読ですっと理解できる文に書き換えることができたら、筆力は確実に向上しています。
●まとめ
ライティングスキルをアップする秘策は、
他人の文章をリライトすることです。
自分の書いたものをプロに添削してもらっても、その効果は薄いようです。
病は必ずぶり返す、と思って間違いないでしょう。
現に、私が毎度リライトしているある方は、間違いを何度指摘してもいっこうに改まりません。
自分の欠点は気づきにくいのです。
いっぽう、他人の欠点ならば、はっきりとわかります。
だからこそ、人のふり見て我がふり直せ、なのです。
他人のあら探しをしながら、「自分だったらこう書く」という意識を持って読むようにしていくといいですね。
どんな文章も、ただ読んで終わりにしてしまうのはもったいない。
どこかに引っかかるものを覚えたら、「どうすれば引っかからずスッと読める文章になるか、リライトしてみたら?」と促されているのだ、と私はとらえています。