8月も半ばを過ぎると海に高波が立ちはじめ、次第に海水浴もむずかしくなるようです。
夏期休暇(お盆休み)は海辺で過ごそうと計画している人も多いと思いますが、高波、うねりなど、荒れ模様になることもあるのでくれぐれも注意してくださいね。
元気いっぱいの子供やティーンエイジャーは、海で泳ぐことが大好きでしょう。
20代や30代の人も、たまには、というか年に一度の夏休みは絶対に海で、って思うことがあるでしょう。
でも年齢を重ねるにつれ、あまり泳がなくなっていくんじゃないかなという気もします。
私自身、ある年齢を過ぎてからは、プールへ行くことはあっても、海で泳ごうという気になりません。
あれは体力いりますからね。
少し沖へ出ると、波が襲いかかってきてザッブーンです。
そこがまた面白くていいのですが、あまりにダイナミックな波をかぶったりすると、あぶないあぶない。
波の力に引っ張られ、もみくちゃに揉まれ、洗濯機にでも放り込まれたようになっちゃいます。
ザッブーン、ぐるぐるぐる。
かろうじて助かっても、全身どっと疲れ果てています。
それに、環境汚染物質が溶け込んでいることを思うと、積極的に海水に浸かろうという気になりません。
と思っていた私が見つけたのは、海気浴&砂浴です。
海気浴とは、海辺の空気を吸い、太陽を浴びること。
砂浴とは、砂に全身を包まれること。
いずれもビーチで行なうもので、海には浸かりません。
時期としては、真夏の喧噪が嘘のように静まった、晩夏から初秋が良いでしょう。
暑すぎても涼しすぎてもいけません。
しかし、季節を問わず、紫外線対策と水分補給はしっかりとして。
水分補給の飲み物もお忘れなく。
準備が整ったら、潮風に吹かれながら、全身で砂とたわむれます。
そうすると心身ともにすごーくリフレッシュできちゃうんですね。
それは単に気分的な問題ではなく、実際に心と体を健康にする効果が確かめられているようです。
どんないいことがあるのか、私が知り得たことをお話ししてみようと思います。
●新陳代謝を高め、体内の炭酸ガスを排出する
海気浴の効果効能。
それは一言でいって、
新陳代謝を高め、体内の炭酸ガス(二酸化炭素の気体)を外に追い出すことです。
二酸化炭素は自然環境の中に溶け込んでいるごくありふれた物質で、その有毒性が問題となることはまずありません。
ただし、空気中の二酸化炭素濃度が高くなると、人間は危険な状態に置かれます。
濃度が3〜4%を超えると頭痛・めまい・吐き気などを催し、7%を超えると炭酸ガスナルコーシスの作用により数分で意識を失うそうです。
その反対に、ストレスや疲労により呼吸(換気)が速くなり過ぎたりすると、血中の二酸化炭素濃度が異常に低くなることがあり、これを過呼吸、あるいは過換気症候群(過呼吸症候群)というそうです。
命に関わる大問題ではないようですが、「過呼吸症候群の状態になる背景に何らかの疾患が隠れていることがあるので注意を要する」と、ものの本に書いてありました。
体内の炭酸ガス(二酸化炭素の気体)濃度は、低すぎても高すぎてもいけない、ということですね。
●海気浴で心も体も元気に
さて、むずかしい話はこれくらいにして、より具体的にいきましょう。
海岸へ行って潮風を吸うと、それだけで気分がよくなります。
その理由は、呼吸が深くなり、全身に酸素が行き渡るからです。
すると、新陳代謝が高まります。
新陳代謝というのは、体に必要な物質を積極的に体内に取り入れ、用済みとなった古い物質を体外に出す生理現象のことです。
この作用により、体に入った都会の汚れた空気や炭酸ガスなどが外に追い出されるわけです。
(相変わらず、むずかしい話でごめんなさい)
(さらに続きます)
海岸で打ち砕ける波も、私たちの体に良い効果を及ぼします。
波が砕け、水滴が割れるとき、たくさんのマイナス空気イオンが放散されるのです。
マイナス空気イオンは、私たちの気管の中にある5-ヒドロトリプトアミンという物質の酸化過程を早め、気分を和らげる効果があるほか、喘息の発作を鎮める効果もあるそうです。
そういえば昔は、喘息や結核などの病に冒された人が海辺の家に滞在して療養するという小説がよくありました。
元気がなかった病人も、海辺で過ごすことにより、次第に活力を取り戻し、顔色もよくなり、食欲増加や睡眠が深まっていくことなどが医学的に確かめられているそうです。
海気浴をすると元気になれる、食欲も増し、質の良い睡眠ができるようになるということですね。
リラクゼーション効果は抜群です。
●海辺をウォーキングすればダブルの健康効果
海の近くにお住まいの方は、毎日でも海辺へお散歩に行かれると良いですね。
できるだけ砂浜を歩くことをおすすめしたいと思います。
砂浜は足をとられやすいのですが、そのぶん、普段のウォーキングでは使わない筋肉を使うことができます。
また、アスファルトの硬い地面を歩くときのように膝やかかとに負担がかからないという利点もあります。
●太陽光を浴びて健康に
体内時計のリズムをコントロールしているのは、脳内の「松果体」という部位で、ここからメラトニンというホルモン物質が分泌され、夜になると眠くなり、朝になると目が覚めるという仕組みになっているのだそうです。
太陽光はその松果体に働きかけてメラトニンの生成を促し、生活リズムを整える一助となります。
太陽光はまた、私たちの体内でビタミンDが合成されるのを促進し、このビタミンDの働きにより、
日焼けしたくないからといって、太陽光を避けてばかりいてはいけないんですね。
体内時計が順調に働くようにするため、そしてカルシウムの吸収を良くして骨を丈夫にするために、適度に日に当たるようにしたいと思います。
●日焼けを防ぐにはベータカロチン、ビタミンCとE
太陽光を避けてばかりいてはいけない。
とはいえ、日焼けをすれば必ずといっていいほど、肌を傷めます。
肌が赤くなったり火照ったりするのは、時間が経てばやがて鎮まりますが、シミやシワの元となるのは本当に困ります。
ですから、海辺で過ごすときなどは、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンEを多く含む食品を摂るようにするといいそうです。
ベータカロチンを摂るなら、ニンジンやカボチャ、トマトなどがおすすめです。
ビタミンCは、ブロッコリー、ピーマン、イチゴ、柿などにたっぷり含まれています。
ビタミンEを多く含む食品は、レバー、イワシ、ウナギ、胚芽米などです。
●日焼けを促進する食品に注意
食べ過ぎると強い日焼けを起こしやすい食品もあるので要注意です。
セロリ
イチジク
レモン
などは、ビタミン豊富で肌によさそうですが、「ソラーレン」という成分を多量に含み、これが日焼けを促進してしまうそうです。
海へ行くときは、これらを食べ過ぎないように気をつけたいと思います。
●「砂浴」という新しい遊び方
友人たちと海水浴に行くと、よくやるのが砂遊びです。
子供みたいに砂でお団子を作ったり、お城を作ったりします。
一緒に行った友達を砂の中に埋めちゃったこともあります。
いえ、殺して埋めたわけではありませんよ。
友達を砂浜に横たわらせ、顔以外は全部、砂で厚く覆ってやったのです。
男子なのに胸のあたりをおっぱい型に盛り上げちゃったりして、あ〜面白かった。
そんな他愛ない遊びも、じつは奥深い健康効果があるようです。
砂、あなどれません。
砂は私たちの皮膚から体内毒素を引っ張り出す性質があるとされ、古来中国では病気を治すために砂風呂をさかんに活用していたというのです。
どんな症状に効くかというと、リウマチ、神経痛、腰痛、肩凝り、生理不順など婦人系疾患、皮膚病、宿便、痔など、現代病とも慢性疾患ともいえる症状を緩和する効果が確かにあるとのことです。
そうした不快な症状の緩和を目的として砂に埋まる場合は、砂遊びというよりもむしろ、砂浴療法ですね。
方法は、砂の中に全身を入れておく。これだけでOK。
●湘南の海で砂浴を体験
砂浴は一人ではできません。
必ず、協力者が必要です。
なぜかというと──
(お尻の部分が低くなるように、膝は少し曲げた状態になるように、上半身は少し起き上がるように、頭の後ろに枕をあてがうように砂を盛り上げると良いでしょう)
(厚さ10センチほど)
(帽子やサングラスも必要です)
(自力でストローをくわえられないときは協力者に手伝ってもらいます)
ね? 協力してくれる人が必要だというわけ、お解りいただけますよね。
日除け対策と水分補給を怠ると、また、体調がすぐれないときに砂浴を行うと、熱中症を発症するおそれがあるので、十分に気をつけてください。
万一具合が悪くなったときのためにも、そばについていてくれる人が必要です。
私の場合は、ある夏の終わり(8月下旬)に、湘南の海で砂浴をしました。
上記のとおりに手順を踏み、砂に埋もれて30分が経過。
海水浴に来た人々が、通りすがりに珍しそうに見ていきます。
ちょっと恥ずかしい。
でも一人じゃないから大丈夫。
砂浴の協力者は、周囲の目をさえぎるガード役にもなってくれます。
話し相手にもなってくれるので、退屈しません。
ところで、私の体は汗ぐっしょりよ〜。
特にこれといって体の不調をかかえていないのだから、もうやめちゃおうかな〜。
というわけで、根性のない私は、30分でやめちゃいました。
トイレに行きたくなったので、というのも理由の一つです。
さて、その効果のほどはというと、やはり何といってもスキッと爽快感がありました。
●砂浴療法の専門家、山村慎一郎先生
山村慎一郎先生という方がいらっしゃいます。
「望診」といって、顔や体に出てくるサインを読み解き、陰陽五行を使って健康状態を知るという東洋医学の専門家です。
この「望診」という方法をもとに、生活習慣病やアレルギー体質などでお悩みの方が食生活を見直し、より健康になれる食べ方・飲み方ができるよう、食事相談に応じていらっしゃいます。
山村先生は砂浴療法の専門家でもあり、以前私も先生からそのお話を伺い、ぜひ一度体験してみたいと思いました。
私は先生のお話を聞いて自分流にやってしまったわけですが、専門家の指導のもとで行うと、かなりの効果があるようです。
何度も経験している方のお話によると、少なくとも2時間は砂に埋まっていると強い効果を体感できるそうです。
その体験談は、聞けば聞くほど、すさまじいものがあります。
体験者いわく──
・砂の中に2時間くらい入っていると、ものすごく臭いガスを発散します。
・腰のまわりだけが濡れて、卵の腐ったようなニオイがしました。砂が毒素を吸い取る力って、こんなにすごいんですね。
ね?すごいと思いません?
山村慎一郎先生の砂浴療法ご案内ページはこちら→
山村慎一郎先生のホームページはこちら→
私もいつか先生に砂浴療法を施してもらいたいと思っています。
もっと年をとって体のあちこちにガタがきたら、砂に埋まって元気回復しようっと〜!!
●まとめ
おせちがないなら砂浴をすればいいじゃない!!
と、ワケのわからないことを言っているのは、たぶん暑さのせいです。
皆様、今回も最後までお読みいただきまことにありがとうございます。
暑さに負けず、元気に夏を楽しみましょう。