語と語の区切りに空白を置いて記述することを「分かち書き」または「別ち書き」といいます。
漢字を用いずに、平仮名と片仮名だけで文を綴る際によく用いられる手法です。
というような書き方を、みなさんも小学校低学年のときに、国語の教科書で目にしているはずです。
単語ごとに区切って書くと、次のようになります。
文節ごとに区切って書くと、次のようになります。
単語、文節、どちらで区切ってもよいのですが、子ども向けの文ならば、単語ごとに区切ってやると、より読みやすいでしょう。
大人が読む場合は、文節ごとに区切ったほうが読みやすいようです。
このブログ記事では、文節ごとに「分かち書き」をした「おはなし」をご紹介します。
子どもに戻った気分でお読みいただけますなら幸いです。
空想のおはなし『ブランコで そらを とんだよ』
ゆうくんと いもうとの さっちゃんが、ブランコを こいで いました。
さいしょは そっと。
ぶらーん ぶらーん。
つぎは いきおいよく。
ぶん ぶん ぶん。
そうしたら、ブランコは そらへ むかって、びゅーん。
「わあ、そらに とびだしちゃった!」
ゆうくんと さっちゃんの すぐそばに、にゅうどうぐもが むくむくむく。
「あっ、わたあめだ!」
「ちがうよ、ソフトクリーム だよ」
「たべて みようか」
「うん!」
にゅうどうぐもは あまくて やわらかくて、
どんな たべもの よりも おいしい あじが しました。
そらが ピカッと ひかりました。
たいこも なりました。
ドーン(どうん) ドーン(どうん)。
ゴロゴロゴロ(ごろごろごろ)。
「おーい、ゆうくん さっちゃん。はやく こっちにおいで!」
だれかが よんでいます。
とおくのほうから、かみなりさまが さけんだのです。
はいいろの くもから てが のびて、 ふたりを しっかりと つかまえました。
「よく きたね。
きょうは にんげんの こどもには できないことを やらせてあげよう」
と かみなりさまは いいました。
「くもを てで ぎゅっと しぼると、あめが ざあざあ ふるんだよ」
と いうのです。
ゆうくんと さっちゃんは かみなりさまを てつだって、
あめを たくさん ふらせました。
くもは どんどん ちいさくなって いきました。
ゆうくんと さっちゃんは くものうえの あそびに むちゅう でした。
だけど、そろそろ おうちに かえりたくなってきたのです。
かみなりさまは うなずいて、そらに おおきな にじを かけました。
「にじの すべりだいだよ。
くらくなるまえに いそいで おかえり」
すべりだいの うえから、ふたりの おうちが みえます。
おうちのまえで おかあさんが まっているのも みえます。
ふたりは するするするっ、と にじの すべりだいを おりて いきました。
かみなりさま おひさま おつきさま おほしさまが ふたりを みまもって いました。
「ただいま!」
「そらを とんできたよ!」
ふたりは おかあさんに ぎゅっと だきつきました。
(おしまい)