ちょっと古い話で恐縮ですが、2005年度「変換ミス コンテスト」のエントリー作品に次のようなものがあります。
●500円で親使わないと
○500円でおやつ買わないと
●ゴキブリ解消
○五期ぶり快勝
●岩魚食ったっていいじゃん
○言わなくったっていいじゃん
●今年十二枚雑巾を発掘したいと思う
○今年中に埋蔵金を発掘したいと思う
●寄生虫で重体だ
○規制中で渋滞だ
●女装はできるだけ早く
○助走はできるだけ速く
●今年から貝が胃に棲み始めました。
○今年から海外に住み始めました。
●大腿骨がつかめると思います。
○だいたいコツがつかめると思います。
●今日はミニ着てくれてありがとう。
○今日は見に来てくれてありがとう。
●内容を理解したい王子には十分に注意
○内容を理解し対応時には十分に注意
●うちの子は時価千円でした。
○うちの子は耳下腺炎でした。
●「同棲しよう!」・・・でも家なかった
○「同棲しよう!」・・・でも言えなかった
●洗濯物と離婚できました。
○洗濯物取り込んできました。
●そんな私も責任感印
○そんな私も責任感じるし
●いややっ中年!!
○いややっちゅうねん!!
●すぐ行くからちょっと舞ってて!
○すぐ行くからちょっと待ってて!
●店頭無視の産婆
○テントウ虫のサンバ
●何言う天然!!
○なに言うてんねん!!
●美は苦
○美白
●もう幸せ事項
○申し合わせ事項
●イブは相手います
○イブは空いています
↑漢字の誤変換、笑えます。お菓子〜!! 笑
●変換ミスを笑っているうちに、同音異義語・同訓異字の勉強もできますね。
私たちが国語の授業で習ったとおり、発音は同じでも意味が異なる語のことを「同音異義語」(どうおんいぎご)といいます。
「同訓異字」(どうくんいじ)は、異なる漢字だけれど同じ訓読みをするもののことです。
「異字同訓」(いじどうくん)とも言います。
たとえば「歌・唄・詩」などですね。
日本語には、同音異義語・同訓異字が数え切れないほどあります。
言葉の意味や場の状況に応じて適切に書き分けをしていきましょう。
これは高度な知的作業です。
脳に良い刺激となるに違いありません。
読者の皆さんがゲーム感覚で楽しみながら、漢字の書き分けレッスンをできるよう、準備をしました。
以下を読んでいただくと、「そうか、こういうときはこの漢字を遣うのだな」とご理解いただけると思います。
まずは、漢字を見てください。
そして今後も、できれば折に触れて眺めて、目で覚えるようにしていただくとよいのではないかと思います。
ア行
●あげる
腕前を上げる
顔を上げる
能率を上げる
効果を上げる
仕事を上げる
地位を上げる
てんぷらを揚げる
旗を揚げる
引き揚げる
荷揚げする
全力を挙げる
条件を挙げる
例を挙げる
得点を挙げる
犯人を挙げる
やり玉に挙げる
式を挙げる
●あたたかい
温かいもてなしを受ける
身体が温かい
暖かい日が続く
●あつい
夏は暑い
火は熱い
靴底が厚い
信仰心が篤い
●あてる
矢を的に当てる
胸に手を当てる
答えを当てる
当てがはずれる
友人宛てに手紙を書く
会議室を面接会場に充てる
ボーナスを生活費に充てる
●あやまる
判断を誤る
頭を下げて謝る
既婚の男女が道を謬る
●いぎ
同音異義語
異議を唱える
意義深い
威儀を正す
●いたむ
心が痛む
故人を悼む
●いためる
膝を傷める
肉を炒める
●いちどう
メンバー一同を見渡す
全員が一堂に会す
●いっかん
首尾一貫
仕事の一環として取り組む
●いどう
席を移動する
部署が異動になる
両者に異同はない
医道を修める
●うかがう
先方のご都合を伺う
顔色を窺う
●うつ
釘を打つ
碁を打つ
庭に水を打つ
鉄砲を撃つ
敵を迎え撃つ
敵を討つ
返り討ちに遭う
鬱病
●うつす
写真を写す
書類を書き写す
映画を映す
鏡に映す
世相を映す
場所を移す
●おいさき
我が子の生い先を楽しみにする
老い先短い命だが日々の暮らしを大切に楽しむ
●おかす
領土を侵す
権利を侵す
危険を冒す
尊厳を冒す
風雨を冒して進む
罪を犯す
●おくる
楽しい日々を送る
プレゼントを贈る
●おこす
事故を起こす
寝た子を起こす
会社を興す
火を熾す
●おさめる
税金を納める
受注した製品を納める
社長の椅子に納まる
争いを収める
カメラに収める
国を治める
痛みが治まる
学問を修める
素行が修まる
●おす
雌と雄
背中を押す
駄目を押す
病気を押して出かける
次期社長に推す
推して知るべし
●おそれ
畏れ多い高貴なお方
恐れていたことが起こる
●おもて
裏表がない
裏芸と表芸
表に出ろ
矢面に立つ
喜びを面に出す
●おりこむ
シーツの端を布団の中に折り込む
新聞折り込み広告
金糸を織り込む
別案も織り込んだ妥協案
●おりる
階段を下りる
許可が下りる
崖から飛び降りる
社長の座から降りる
空港に降り立つ
●おんぷ
音譜を見ながら楽器を演奏する
八分音符
●おんわ
温和な気候
穏和な人柄
●まとめの一言
漢字の書き分けを、ゲーム感覚で楽しんでいきましょう。
このブログに掲載している「同音異義語・同訓異字シリーズ」では多数の例をまとめて紹介していますので、効率よく学ぶ(遊ぶ)ことができると思います。
と、新たな気づきや発見があることでしょう。
繰り返しになりますが、まずは、このブログ記事を見て、漢字を覚えてください。
一度にたくさん覚える必要はありません。
できれば折に触れて、この一連の記事を眺めて目になじませ、自然に覚えてしまうのがよいのではと思います。