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ビジネスマナー/「お世話様です」「ご苦労様です」と言ってはいけない相手

投稿日:2017年4月1日 更新日:

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上司に媚びを売りたい。

おべっかを使いたい。

ゴマをすりたい。

と思っても、安易に口にしてはいけない言葉があります。

どんな言葉かといえば、日頃よく遣われているあのフレーズだったのです。

●お世話様です


ビジネスの場で、「お世話になっています」というのは、毎日交わして当たり前の挨拶のようなものです。

電話でもメールでも、最初の一言は「お世話になっています」が決まり文句になっています。

丁寧な人になると、

「いつも大変お世話になっております」

と言っています。

「お世話様です」

と「様」をつけて言う人もいますが、これは本来、親しい人にしか遣えない言葉だと、私は最近になって知りました。

親しく行き来しているご近所さんや親戚の人に「お世話様です」と言うのは、失礼に当たらないとされています。

なぜなら、「世話をかけるのも、お互い様」と双方が承知している、という前提があるからです。

それほど親しくない人や年長者に「お世話様です」と言うと、
「なにを偉そうに」と不快な思いをさせてしまうことがあるようなので気をつけましょう。

●ご苦労様です


「お世話様です」と同様に、「ご苦労様です」も、遣える場面と遣えない場面とがあります。

たとえば、部長が課長に「ご苦労様です」と言っても不遜にはあたらないとされています。

いっぽう、平社員が社長に向かって「ご苦労様です」なんて言ったら大変です。

「おまえ、何様のつもりだ」と社長に怒鳴られるかもしれません。

社長に限らず、目上の方にものを言うときは、あくまでへりくだった表現を貫くのが無難ですね。

上司や先輩が外出先から戻り、外は暑くて(あるいは寒くて)つらかっただろうなと思っても、「ご苦労様です」なんて言ってはいけないのです。

言うなら、

「お疲れ様でございます」

この一言です。

●課長の頑張りのおかげです


仕事が順調に進展しているのは課長のおかげだから、部下として一言お礼を言いたいと思っても、

「課長の頑張りのおかげです」

などと言おうものなら、課長は部下に見下されているような感じがして、とたんに不機嫌になるかもしれません。

同様に、

「課長の努力のおかげです」も禁句です。

同じ言うなら、

「課長のご尽力のおかげです」

●お言葉ですが……


本来は「お言葉を返すようですが」と言うべきところを、一部省略し、

「お言葉ですが」

とすることがよくあります。

「お言葉を返すようですが」という定型句の省略形

だということを意識して遣っている人は案外少ないのではないでしょうか。

「お言葉を返すようですが」と前置きすることにより、相手の抵抗を和らげ、自分の意見を聞いてもらいやすくすることができます。

であるにもかかわらず、「お言葉ですが……」と言ったあと、

「部長の言っていることはめちゃくちゃですよ」

などと、いきなり喧嘩腰になる人もいるのは、いったいどうしたことでしょう。

↑それではまったく逆効果です。

↑「お言葉ですが」という語は、相手の言い分を真っ向から否定するための助走だったかのように思われてしまいます。

そうでなくても、「お言葉ですが」と言えば、反論したがっていることが暗に伝わってしまうのです。

「目上のご意見に従うべきではあるけれど、自分の考えはそれとはちょっと違う。実はこれこれしかじかで」

というように、よほど謙虚な態度で臨まないと、「お言葉ですが」の一言が活きません。

「お言葉ですが」と言ったきり、あとはただ口をつぐんでいるというのもだめです。

↑言われたほうは、そのあとに続くはずの言葉がなかなか出てこないので、肩すかしを喰らいます。

↑焦らされてイライラがつのり、もう聞く耳を持たないでしょう。

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●了解で~す


待ち合わせの日時や場所を指定され、

「そちらのご都合はいかがです? これでよろしいでしょうか」

と訊かれて、特に不都合がなければ、

「了解です」

「了解しました」

というように返事をするでしょう。

親しい間柄なら、「了解で~す」なんて言うこともありますね。

それで相手が気分を害するということは滅多にないと思うのですが、実はこれ、

かなり偉そうな言い方なので、目上の方に遣ってはいけないのだそうです。

この場合、「了解した」というのは、「あなたの都合を理解しましたよ」ということで、それにつけ加えて、「あなたの都合に合わせてさしあげますよ」というような、恩着せがましいニュアンスが言外ににじみ出てしまうのです。

別にそんなふうに感じないよという人もいますが、感じる人は感じています。

「お目にかかることを楽しみにしています」という謙虚な気持ちや親しみが伝わる言い方をしたいのなら、

「承りました」

「かしこまりました」

というのが適切な表現です。

使用人でもないのに「かしこまりました」なんてへいこらしてられるか、などと言わず、

「これは謙譲語といって、日本語独特の美学のあらわれなのだ」

と肯定的に解釈しましょう。

こちらが一歩へりくだることで、相対的に相手を立てることになり、気分よく話をしてもらえる環境が整います。
謙譲語は、円滑なコミュニケーションをはかるために編み出された必殺テクなのです。

●と申しますと?


「ですからね、私は赤いのはイヤだけど黒いのならいいんですよ」というように、こちらの事情を説明しているとき、相手から、

「と、申しますと?」

なんて真顔で質されることがあるでしょう。

「と、申しますと?」って、言われても……。

こういう場合は、

「と、おっしゃいますと?」

と言うのが礼儀ってもんじゃない?

●~さんが申されたように


役職者が集まる会議の席で、

「先ほど部長が申されたように」

と課長が言うのはおかしい、と思いませんか。

だって、課長は部長の部下でしょ。

それなのにそんな言い方をしたら、「おまえ、いつから部長より偉くなったんだ?」と叱られてしまいますよ。

「申す」は「言う」の謙譲語で、自分はあくまでもへりくだり、相手に上位を譲るという意思を示すために遣われます。
自分が「申す」「申した」「申しました」というのは、適切な表現です。
「申す」に「される」をつければ尊敬語になるというわけではありません。

そのあたりを勘違いしている人は多いようなので、ぜひ気をつけましょう。

社会生活を営む上で、状況に応じて適切に敬語を遣うことは必須の課題だと私は思っています。

たとえば会議の場で、

「先ほど部長が言っていたように」

などと子供っぽい言い方をしていると、「こいつ、何もわかっちゃいないな」と見なされます。

「先ほど部長が申されたように」

というのも、適切な敬語ではないので、いただけません。

「言う」の尊敬語は「おっしゃる」です。

「先ほど部長がおっしゃったように」

とすれば、場にふさわしい言葉遣いとなります。

●まとめの一言


目上の方に対しては、「ご苦労様です」と言わずに「お疲れ様でございます」と言うようにしましょう。

しかし、「課長のご尽力のおかげです」というのはちょっと抵抗があるかもしれません。
「ご尽力」という言葉なんか使ったことがないという人は多数いらっしゃることと思いますが、良い機会なので、ここで覚えておくとと、何かのときにきっと役立ちますよ〜。

関連記事→ビジネスマナー/尊敬語と謙譲語の使い分け

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