私はそそっかしいので、しょっちゅう聞き違いをしています。
言い間違いをすることもしょっちゅうです。
↑「決死の覚悟で」と言うべきところを、「必死の覚悟で臨みます」などと、長年にわたって言い間違いをしてきたのは私です。
いつ、どこで、なぜ間違えて覚えてしまったのでしょうか。
他人のせいにするのはよくないとわかっていますが、誰かが「必死の覚悟で」と言うのを耳にして、そのまま記憶してしまったような気がします。
あるいは、単なる聞き違いだったとも考えられます。
↑人は「決死の覚悟で」と言っているのに、私が勝手に「必死の覚悟で」と聞き違えた可能性は高いのです。
言葉を生半可に覚えて使っていた私が悪い。
●山本部長の奥様は金井さん?
昔、私が会社勤めをしていたある日のこと、山本部長宛に電話がかかり、相手の方は
とおっしゃいました。
私はてっきり
だと思って部長に取り次ぎました。
が、あとで聞いたら、部長の奥さんだったのです。
というわけだったのね。
●リミットとメリット
知り合いのデザイナーに名刺のデザインを依頼したところ、
と訊かれました。
と答えました。
●横車
道理(物事の正しい筋道)に合わないことを無理に押し通そうとすることを「横車を押す」と言います。
たまに、「横車を入れる」と言う人がいますが、これはたぶん、「横車を押す」と「茶々を入れる」を混同しているのでしょう。
車を縦方向に動かすならまだしも、横に動かすのは無理があります。
↑だから「横車を押す」と言うんですね。
●端と緒
物事に着手すること、着手した物事の見通しがついて軌道に乗りだすことを「緒に就く」(ちょにつく)と言います。
と言い間違える人は、「緒に就く」と「端を発する」を混同していますね。
ついでに「端」と「端緒」をごっちゃ混ぜにして覚えてしまったのでしょう。
ちなみに、「端を発する」とは、それがきっかけになって物事が始まること。
「端緒」(たんちょ)とは、物事の始まり、いとぐち、手かがりのこと。
というように遣います。
●醸す、醸し出す
大臣の失言が「物議を醸す」ということはあっても、「物議を醸し出す」という言い方はしません。
という表現なら間違いではありません。
●濡れ手で泡?
濡れた手で粟に触れると粟粒がたくさんついてくることから、多くの利益を容易く得ることを「濡れ手で粟」と表現します。
でも長くは続かなかったなあ。
バブルって、つまりは泡のことなんだよね。
泡だから、すぐに消えちゃう。
ほら、日本では昔から、濡れ手で泡っていうでしょ?
などと物知り顔に語っていた人がいるのですが、濡れ手に「泡」じゃなくて「粟」ですから、お間違えのないように。
●まとめ
という気がします。
私の例のように、「決死の覚悟」を「必死の覚悟」などと間違って聞き覚えてしまうと、その後はずっと言い間違いを繰り返すことになってしまいます。
といったら大げさでしょうか。
しかしリスクを伴うことは確かなのです。
真似をするなら、日頃きちんとした言葉使いをしている人を真似るようにすれば、比較的安全だと言えるでしょう。
自ら辞書などで確かめ、
と確信をもって言葉を使っていくことがベストですね。