ビジネス上のメール、企画書、報告書などを書くときは、伝えたいことが確実に伝わる文にする必要がありますね。
それさえできれば仕事がはかどること間違いなし、加えて、高い評価を得られるでしょう。
伝えたいことが確実に伝わる文にする秘訣をご紹介します。
文章というものは大きく分けて次の2種類がある
2 自己表現をするための文章
自己表現を第一の目的とするならば、どんな書き方をしてもよいでしょう。
ときには、文法を無視することがあってもいいと思います。
とにかく自由に、自分の思うままに、やりたい放題にやっちゃっていいのです。
大切なのは、
ということですね。
音楽が聞こえるような書き方、絵が見えるような書き方を目指すのも一興だと思います。
いっぽう、情報伝達を目的とする文章の場合は、読み手が確実に内容を理解できるように書かなければなりません。
つまり、日本語の文法に則した文にすること、そして、論理的な文にすることが求められるのです。
文法に則した文にするための心得については、当ブログにも多数の記事を掲載しています。
今回は、論理的な文章の書き方(ロジカルライティング)に的を絞ってお話ししたいと思います。
論理的な文を書こうとするから、論理的な思考ができる
コミュニケーション力を高めたい。
↑その願いを叶えるには、論理的に思考することを、意識的に行っていく必要がありますね。
論理的に思考すること、論理的な文章を書くこと、このふたつは表裏一体です。
書きながら考えをまとめていく。
というのが最もよい方法だと私は思っています。
具体的にいうと、私が特に気をつけているのは次の3点です。
↑以上の点に留意して、理路整然と論を展開できるようにしたいと考えています。
それにはまず、論理的な文章の書き方(ロジカル・ライティング)をマスターすることがとても有効だと思うのです。
書き方をマスターすれば、思考パターンも話し方も自ずと理路整然としてくるはずです。
思考も文章も論理的に組み立てるには
ロジカル・ライティングをマスターするうえで、ぜひ参考にしたいのが、三段論法、演繹法、帰納法といった「論理的推論」の方法です。
ひとつずつ、見ていきましょう。
三段論法
三段論法では、大前提、小前提、結論という3つの命題を立てて論じていきます。
というように、3段階に分けて思考を組み立てていくわけですね。
結論が真であるためには、前提が真であること、そして論理の法則が貫かれていることが必要です。
↑このように論理が破綻していると、何ら説得力がありません。
演繹法
三段論法のひとつに、「演繹法」というものがあります。
「推論」のための「論理」は、「演繹法」と「帰納法」の2種類に集約される、ともされています。
演繹法とは、大前提とするルール(法則的なもの)から出発し、そのルールや一般論に観察事項を加えて、必然的な結論(主張)を導く思考法です。
そのプロセスは3段階に分けられます。
観察事項を数珠つなぎにして、「○○だから、●●である」という結論を引き出すわけですね。
具体例として──
↑このように、演繹法は一般から特殊(個)に向かいます。
その前提は一般的・普遍的なものなので、「新しい発見」をもたらさないという側面があります。
要するに、考え得るアイデアを絞り込むだけなのです。
ここに帰納法との本質的な違いがあります。
しかし、「法則的なもの」を適用する範囲を意外な対象にまで広げることにより、それまで気づかなかったことにスポットライトが当てられ、ひらめきが生じることがあります。
そのアイデアをもとに、ずばりと結論を言い切る。
そんな大胆な論じ方で勝負するときに有効なのが演繹法です。
帰納法
帰納法とは、個々の事例から出発し、多くの観察事項(事実)から類似点をまとめ上げて結論を引き出すという論法です。
具体例として──
↑というように、個別例から一般化に向かっていくので、データ(事実)は豊富なほどよいですね。
観察事項が適切でなく、また、少ない観察事項からむりやり結論を引き出そうとすると、「納得できない」結果になります。
豊富に例を挙げて一つ一つ丁寧に説明し、「与えられたもの」から「新しいもの」へと踏み出すことが望まれます。
そこに望ましいかたちでの「論理的飛躍」が見られることが期待されます。
弁証法
望ましいかたちでの「論理的飛躍」を遂げるには、弁証法という思考方法が役立ちます。
「AはAである」という同一律を基本に置き、「Aであり、かつAでない要素もある」ということがわかった場合、「矛盾があるからそれは偽だ」とするのではなく、物事の対立・矛盾を通して、その統一により、いっそう高い境地に進むという思考法です。
具体例として──
↑こういうのを、弁証法的解決というんですね。
仮説検証法
仮説検証法は、まず何らかの問題意識をもって関連データを集め、そのデータをもとに問題の原因を追求すること、そしてまた、考え得る解決策を提示することです。
「考え得る解決策」というのは、いってみれば仮説です。
仮説を立て、その仮説をもとに実際に調査を行ったりして検証していきます。
その結果、仮説が正しそうであれば本格的に実行に移し、そうでないときには仮説を修正して再検証する、という手順を繰り返していくわけです。
仮説を立てることにより、その後の行動や目的意識がより明確になります。
それに伴い、余計な労力やコストを削減することが期待できます。
また、仮説の検証を繰り返すことにより、より精度の高い知見を獲得することができます。