私はじっくりと考えをまとめてから書くのではなく、考えながら書き、書きながら考えています。
今この場でも、考えることと書くことを同時進行しています。
手指を使って文字盤キーボードを叩いていると、次第に頭の働きも良くなるのか、思考が活発になるような気がします。
すると、言葉が出てきます。
言葉は文になり、文を連ねていくうちに、伝えたいことの要点が見えてきます。
私には、↑こういう書き方が合っているようです。
読んでくれた方が「おもしろい」と感じるかどうかは、また別の話です。
私の文章が好みに合わないという方もいるでしょう。
それは仕方のないことです。
万人に好まれる文章を書くことはできません。
自分に書けるものを書いていくしかない、と思います。
少なくとも、読んで不快になる文章、疲れる文章でなければ良いのではないでしょうか。
そのために欠かせないのが「推敲」です。
文章を書いた後は必ず、一文一文を細かくチェックして、修正をします。
●誤字脱字が目立つ文章、要点を得ない文章
誤字脱字が目立つ文章、要点を得ない文章は、読むだけで疲れます。
読むに堪えないこともあります。
たとえば──
↑読者の皆さんも、文意を理解するのにさぞ骨が折れたことと思います。
と怒り出す読者もいるかもしれません。
洗練を説くのに、文章自体が洗練されていなければ説得力に欠けます。
有益なことを語っていても、読者の心に響きません。
相手が目の前で身振り手振りを交えて語っているなら、何を言おうとしているのか、自ずと見当がつきます。
しかし、話すのとまったく同じ調子で書かれた文章を読まされると、ひたすら難儀でストレスになるだけです。
●推敲のコツを覚えよう
↑まずは、誤字を修正することが必要です。
鑑札→観察
「好きこそものの上手なれ」という故事ことわざの使い方はピントがずれています。
↑それを言うなら、「百聞は一見にしかず」でしょう。
↑言わんとしていることはなんとなく伝わるけれど、明快さに欠けます。
↑としたほうが、意図は伝わりやすいと思います。
↑この表現には違和感があります。
「目を引く女性」ではなく、「目を引かれる女性」とするほうが自然です。
それはあえて見つけるまでもなく、目についてしまうものなのです。
ですからここは、次のようにしたほうがよいでしょう。↓
重複する語を削除することも必要です。
↑この言い回しが間違っているわけではないのですが、
↑としたほうがすっきりします。
↑同じ意味の言葉を繰り返すと、幼稚な印象になり、うるさく感じられます。
思わず目を引かれる素敵な女性がいたなら、その服装や振る舞いをそれとなく観察する。
↑というように、言葉の整理をするとともに、読者の理解を促す言葉を補うと、ぐっと良くなります。
ここでもう一度、悪い例を見てみましょう。
この場合、主語とすべき語句は、
ではなく、
です。
述語とすべきは、次の2点です。
ここまで整理がついたなら、あとは簡単です。
↑とすれば、伝えたいメッセージが明確に伝わります。
最後に「百聞は一見にしかず、です」と締めくくれば、読者の心にじんと響くとまではいかなくとも、くっきりとした印象を残すことができます。
●まとめ
出版社を通じて出す本なら、誤字脱字や言い回しのおかしなところを修正するよう、編集者(または校正者)が指摘してくれます。
個人がダイレクトにブログや電子書籍を出す場合は、書いた本人が間違いに気づき、修正をしなければなりません。
しかし、自分の冒した間違いは気づきにくいのです。
よって、何度も見直しをするしかありません。
そのくらいで丁度いいと思います。
↑いかにも効率が悪く、時間のロスでしかないように感じることもあるのですが、その努力は決して無駄になりません。
何度も見直し、手を加えていくことで、文章レベルは確実に上がります。
粗削りの文章であっても、時間をかけて丁寧に手直しすれば、洗練された文章に近づいていきます。