会話でも文章でも、「の」を連発されると、相手の言わんとすることが理解しづらいものです。
「の」と「の」の間が短ければ、まだいいのです。↓
↑読みづらいけれど、理解しやすい、という気がします。
しかし、「の」と「の」の間が長くなるにつれ、読みづらさが増します。↓
読みづらいし、何を言おうとしているのか理解するのに時間がかかります。
安易に「の」を使ってはいけないということですね。
では、どのように使えばいいのか、一緒に考えてみましょう。
●余計な「の」を削れば、ピントが合う
駅の前のコンビニの横の掲示板のアルバイトの募集のお知らせを見て来ました。
駅前のコンビニの横にある掲示板でアルバイト募集のお知らせを見て来ました。
●ソフトな響き、だけどわかりづらい
「〜が」を「〜の」と言い替えると、響きが柔らかくなることがあります。
ただし、「の」の使用法として適切でない場合もあります。
君の作成した企画書、とても良く出来ていたよ。
君が作成した企画書、とても良く出来ていたよ。
●何なの、その「の」は?
「こと」や「もの」を表す「の」なのか、あるいは、「〜なの」「〜なのよ」「〜なのです」という意味なのか、判別しにくい場合もあります。
彼に指輪を買ってもらったの、唯一のいい思い出よ。
彼に指輪を買ってもらったのは、唯一のいい思い出よ。
●ソフトな響き、だけど判断に苦しむ
「あなたの財布」「私のお金」というように、所有を示すために「の」を用いているのか?
いや、そういうわけではなさそうだが、本当はどうなんだ?
と判断に苦しむ場合もあります。
○○先生の本を書店で探しました。
○○先生がお書きになった本を書店で探しました。
(または、○○先生について書かれた本を書店で探しました。)
<解説>
・安易に「の」を使うと、思わぬ誤解が生じることがあります。
・「所有を示す」「こと・ものなどを表す」「断定・質問を表す」場合は良いとして、それ以外の「の」は、できるだけ他の言葉に書き換えるようにしましょう。誤解を防ぐためです。
<補足>
・「所有」「こと・もの」「断定・質問」に当てはまらなくても、「の」をそのまま活かしたほうが良い場合もあります。
たとえば──
【例文2】あの人は背が高いからうらやましい。
例文2よりも例文1のほうが、「こなれた」表現といえるでしょう。