論理的な文章のパターン
「論理的思考」といわれるものには、数種類のパターンがあります。
三段論法、演繹法、帰納法、弁証法、仮説検証法などです。
思考を組み立てるプロセスにおいて、三段論法、演繹法、帰納法、弁証法、仮説検証法といった定型パターンを意識して組み立てていくとよいですね。
そのようにして論理的思考を組み立てるのと同じように、文章も論理的に組み立てましょう。
その際の注意点を挙げてみます。
一例として、「序論・本論・結論」という3部構成で論を展開するならば、次のように内容を盛り込むとうまくいきます。
序論
●問題提起をする。
●その問題をとりあげた動機や目的を述べる。
●動機や目的の背景、または展望などを簡潔に述べる。
本論
●序論で提起した問題について本格的に考察し、論を展開する。
●論拠を示すために、具体例を用いて自分の考えを詳しく説明する。
●資料を駆使して論を補強する。
●自説とは反対の考え方があることを紹介し、それに対する批判を行う。
結論
●論旨をまとめる。
●自分の主張の重要ポイントを延べる。
●この文章を執筆した意図を強調する。
↑この3段階を踏まえて書き進んでいくわけですが、個々の事情に応じて臨機応変にアレンジを加えていくとよいと思います。
たとえば──
●問題提起
●その問題に対する解決策となるものを提示
●その解決策の不十分さを指摘
●それを通じて新しい問題との出会いがあることを示唆
↑これを繰返して論を進行していくという方法もアリなのです。
PASONAの書き方
ビジネスの場では、短い文章で簡潔に、要点を伝えることが求められますね。
特に、セールスレターなどを書く際には、話をうまく絞り込むことが必要です。
また、会議や討論の場で発言する際にも、「私が言いたいことの重要ポイントはここ!!」と明確に伝わるようにしなければなりません。
そうした場合に役立つのが、「PASONA」を意識した書き方・話し方です。
PASONAの5部構成
●P(Problem=問題) 問題点を明確化する
●A(Agitation=扇動) 問題意識を煽り立てる
●SO(Solution=解決策)解決策を示す
●N(Narrow down=絞り込み)対象とする顧客や期間を限定する
●A(Action=行動)行動を呼びかける
↑この5段階テンプレートを活用してみてはいかがでしょう。
8つの視点からアプローチして分析
自分の主張が正しいことを人に理解してもらうには、自説を客観的に、そして多角的に「分析」しながら述べていくことが肝心です。
●理由の分析
●十分条件と必要条件の分析
●原因と結果の関係の分析
●目的と手段の関係の分析
●社会学的、経済学的、政治的観点からの分析
↑これらを意識して論を進めていきましょう。
そして、忘れてならないのは「5W+1Hの分析」です。
●いつ(When)
●どこで(Where)
●誰が(Who)
●何を(What)
●なぜ(Why)
●どのように(How)
という6つの要素が、情報伝達のポイントとなります。
●どのくらい(How much/How many) を加えて、5W+2Hとすることもあります。
5W+1H(2H)に沿って情報を整理すると、相手に伝えるべきことをもれなく、わかりやすく伝達することができます。
もとは新聞記者が記事を書く際の原則としていたものですが、ビジネスの場面でも、報告書やメールを作成するとき、または口頭で状況を説明するときなど、積極的に応用するとよいですね。
●まとめ
ロジカル・ライティングの要諦は、自分の主張とその根拠を示し、論理を成り立たせて明確なメッセージを伝えることです。
「論理を成り立たせる」という点が重要ですね。
論理に欠陥があれば、欠陥メッセージになってしまうからです。
注意点を挙げてみましょう。
●事実と事実でないことを混同しない
●根拠のない断定をしない
●部分だけを見て全体を判断しない
●例外的ケースを一般化しない
●手段が目的化するなど、本末転倒に陥らない
●論理を重んじ、感情を優先しない
以上の点を頭に入れておくと、ロジックエラーを防ぐ一助となります。