「読む・書く・話す・聞く」の日々雑感⑦
●オーディオブックに望むこと
私もこれからはオーディオブックを積極的に活用したいと思っています。
家事をしながらとか、「ながら読書」ができるといいなあと。
それでさっそくAmazonの「聞く読書」を試してみたのですが、あまり好きになれない声と朗読だったので残念です~!
海外ドラマ吹替版には超絶上手な声優さんがいっぱいいるので、ついそちらと比べちゃうのよね。
そういった声優さんたちや、プロのアナウンサーの方々に、ぜひオーディオブックの朗読をしてもらいたいと願っています。
読み聞かせの素人ではあっても、著者自身による朗読はいいと思います。
筒井康隆氏が自作短篇小説を読んでくれたとき(講談社主催の講演会で)は、すごーく感動しました。
●ダサいオジさんも、たまにはいいこと言う。
「君は音楽を聴くとき、何に一番耳を傾けている? メロディ、リズム、歌詞? 僕は音そのものを聴いてるよ」と、ある男性(私の女友達の彼氏)が言っていました。
「けっ、キザなことぬかしやがって。ダサいおやじのくせに」と私は一瞬ムカつきましたが、よく考えてみると私自身、文章を読むときは論旨やストーリー展開などはわりとどうでもよくて、文体そのものを重視していますし、そこにちりばめられた言葉の持つイメージ喚起力を味わうことを大事にしているように思います。
ですから、「あのおっさん、なかなかいいこと言っていたんだな」と妙に感心してしまいました。
●嫁をもらう? 嫁にもらう?
「嫁をもらう」と聞いて(または読んで)、あなたはどう解釈しますか?
「よその嫁さんを略奪してくるのか?」と勘違いすることは、まずないでしょう。
正しくは「嫁にもらう」ですが、「嫁をもらう」でじゅうぶん意味は通じますね。
このように、理屈に合わないことを言っても通ってしまうのが日本語の面白いところです。
●お湯を沸かす? 水を湧かす?
「お湯を沸かす」というのも実は変な話で、正しくは「水を沸かす」でしょう。
それでも「お湯を沸かす」と言って通じるということが、大学で勉強した国語学のテキストに記されています。
「このように広く普及した言い方をあえて変える必要はない」というのが、そのテキストの趣旨だったと記憶していますし、私自身もそのように考えています。
ただ、「これって考えてみるとちょっと変な言い方だなあ」と、たまに面白がったり笑ったりするのもいいことかなと思うのです。