コロケーション

策を講ずる?策を弄する? 札束を積む?札びらを切る? 両者似ているけど実は違うって知ってた!?

投稿日:2018年11月4日 更新日:

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?

コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。

たとえば、

策を講ずる。(対策を立てること)

策を弄する。(正々堂々とは言えない手段を用いること)

などもコロケーションです。

札束を積む。(大金を出すこと)

札びらを切る。(金を持っていることを見せびらかし、派手に大金を使うこと)

というのもあり、それぞれ意味するところが微妙に異なります。

その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。

コロケーションを使う上でのルールはただ1つ。
「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということだけです。

本来の意味を知らずに、または誤解して、微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいそう。

人前で恥をかくことのないようにしたいものです。

それには、耳で覚え、目で覚えるしかありません。

このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。

あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。

読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばいいのか〜」と新たな発見が増していくと思います。

コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めてください。

●「サ」で始まるコロケーション

差が→詰まる

差が→出る

差が→激しい

差を→つける

座が→白ける

座が→長い
尻が長い、とも言います

座に→堪えない(いたたまれないこと)

座に→連なる

座に→直る(自分の座るべきところに座ること)

座を→奪う

座を→占める(席に着くこと、ある役職や地位に就くこと)

座を→取り持つ(酒席などがなごやかさを保つように、注意を行き届かせること)
座を持つ、とも言います

座を→外す

座を→守る

才に→溺れる(自分の能力や才能を過信して、失敗すること)

才に→走る(自分の能力や才能に頼って、他を無視すること)

才に→恵まれる

采を→採る(人に指図し、指揮すること)
采を振る、とも言います

財を→築く
財を成す、とも言います

再起を→期する

再起を→図る

細工を→施す

裁決を→仰ぐ
裁決を求める、とも言います

裁決を→下す

最期を→遂げる

最期を→看取る

最高潮に→達する

採算が→合う
採算が取れる、とも言います

財産と→なる

財産を→築く

財産を→残す

最善を→尽くす
ベストを尽くす、とも言います

才知に→長ける
才知に富む、とも言います

采柄(さいづか)を→握る(指図すること)
采配を振る、とも言います

才能が→枯れる

才能を→伸ばす

才能を→引き出す

財布の底を→はたく

財布の紐を→締める

財布の紐を→握る

財布の紐を→ゆるめる

債務を→負う
債務を抱える、とも言います

裁量に→任せる
裁量に委ねる、とも言います

杯(さかずき)を→返す(親分子分の関係にあった者が、その縁を切ること。返杯をすること)

杯を→傾ける

杯を→交わす
杯をする、とも言います

杯を→干す

杯を→もらう(親分子分の関係になること。相手から差し出された杯の酒を飲むこと)

逆手(さかて)に→取る(相手の主張や攻撃を、自分に有利なように利用すること)

逆捩じ(さかねじ)を→食わせる(相手の非難や攻撃に対して、反対にやりこめること)

先が→ある・ない

先が→見える

先に→立つ

先を→争う

先を→急ぐ

先を→越される

先を→読む

策を→講ずる(対策を立てること)

策を→授ける

策を→練る(あれこれと、はかりごとを考えること)
策を巡らす、とも言います

策を→弄する(正々堂々とは言えない手段を用いること)

作戦を→練る

探りを→入れる

酒が→入る

酒が→回る

酒に→強い・弱い

酒に→呑まれる

酒を→あおる

酒を→たしなむ

酒を→断つ

酒を→慎む

匙(さじ)を→投げる

察しが→いい・悪い

察しが→つく

札束を→積む(大金を出すこと)

札びらを→切る(金を持っていることを見せびらかし、派手に大金を使うこと)

里心が→つく
ホームシックにかかる、とも言います

悟りを→開く

鯖(さば)を→読む(自分に都合のいいように数をごまかすこと)

さびを→利かす(物事をピリッと引き締まった感じにすること)

様(さま)に→なる(それらしい格好がついていること)

様(ざま)は→ない(みっともない、だらしない、ということ)

様(ざま)を→見ろ

鞘(さや)が→ある(本心とは違うことを言うこと)

鞘を→稼ぐ(売買の仲介をして、差額の一部を自分の利益とすること)
鞘を取る、とも言います

産の→紐を解く(出産をすること)

産を→傾ける(全財産をつぎ込むこと)

産を→成す
財を成す、とも言います

産を→破る(破産すること)
身上をつぶす、とも言います

算(さん)が→立たない

算を→散らす(ばらばらになること)
算を乱す、とも言います

傘下(さんか)に→収める

傘下に→加わる
傘下に入る、とも言います

算段(さんだん)を→つける

惨敗(さんぱい)を→喫する

賛否を→問う

三拍子→揃う

●まとめの一言

日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。

●座に堪えない=いたたまれないこと
●座に直る=自分の座るべきところに座ること
●才に溺れる=自分の能力や才能を過信して、失敗すること
●才に走る=自分の能力や才能に頼って、他を無視すること
●采柄(さいづか)を握る=指図すること
●鞘(さや)がある=本心とは違うことを言うこと
●産の紐を解く=出産をすること
●産を傾ける=全財産をつぎ込むこと
●産を破る=破産すること
●算を散らす=ばらばらになること

↑私はこの10種を初めて知りました。

●「策を講ずる」と「策を弄する」に違いがあったというのも、今回初めて知りました。

策を講ずる=対策を立てること

 

策を弄する=正々堂々とは言えない手段を用いること

●「札束を積む」と「札びらを切る」の違いについても知りました。

札束を積む=大金を出すこと

 

札びらを切る=金を持っていることを見せびらかし、派手に大金を使うこと

あなたにとって、「これ知らなかった。覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?

関連記事→心臓に毛が生えている?尻の毛まで抜かれる? あなたの毛はどっちのタイプ!?

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