コロケーション

「根に持つ」と同じ意味だけど、「根葉に持つ」と言えばより強烈かも!?

投稿日:2018年12月8日 更新日:

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?

コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。

たとえば、「根に持つ」というのもコロケーションです。

意味は「いつまでも恨んで忘れない」「心に遺恨をいだく」ことですね。

「根葉に持つ」という言い方もあり、意味は「根に持つ」と同じですが、こちらのほうがちょっと根が深い感じがするかも。

「根葉(ねは)になる」というコロケーションもあります。

意味は「いつまでも心に残る恨みの種になること」です。

「願いが叶う・叶った」
「願いが届く・届いた」

というのもコロケーションです。
どれも意味は同じで、「こうあってほしいと望んでいた通りになる・なった」ということですね。

「願いが通じた」
「祈りが通じた」

と言う人もいますね。
それらはコロケーションというよりもむしろ、スピリチュアルな感覚に基づく表現なのかもしれません。
いずれにせよ、聞いて違和感がなければ問題ない、と私は思っています。

それでも、コロケーションを使う上でのルールがあります
それはただ1つ、「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということだけです。

本来の意味を知らずに、または誤解して、微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいそう。

人前で恥をかくことのないようにしたいものですね。
それには、耳で覚え、目で覚えるしかありません。

このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。
そして、読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばよかったのか〜」と新たな発見が増していくと思います。

コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めましょう。
その場の状況に応じて、適切なコロケーションを使っていけるとよいですね。

●「ネ」で始まるコロケーション

値が→上がる

値が→下がる

値が→付く

値が→張る

値を→戻す

根が→生える

根が→深い

根に→持つ

根も→葉もない

根を→下ろす

根を→張る

音(ね)を→上げる
弱音を吐く、とも言います

寝息を→うかがう

寝息を→立てる

寧日(ねいじつ)が→ない=毎日が忙しく、安らかに過ごせないということ

願いが→叶う
願いが届く、とも言います

願いを→込める

願ったり→叶ったり

願っても→ない

寝返りを→打つ

寝癖が→付く

寝癖が→いい・悪い
寝相(ねぞう)がいい・悪い、とも言います

寝首を→掻(か)く=油断させたり卑怯な計略を用いたりして、相手を陥れること

猫の→手も借りたい

猫の→額

猫の→目=物事が目まぐるしく変わることの形容

猫も→杓子(しゃくし)も=どれもこれも、誰も彼も、ということ

猫を→かぶる=本性を隠して、おとなしく見せかけること

寝覚めが→悪い=自分がした悪い行いなどが思い出されて、後味の悪い思いをすること

螺旋(ねじ)が→緩(ゆる)む=緊張に欠け、だらけること

螺旋(ねじ)を→巻く=ぜんまいを巻くこと、だらたけ人を叱ったりして、しっかりさせること
尻を叩く、発破(はっぱ)を掛ける、とも言います

ねたを→明かす

寝刃(ねたば)を→合わす=ひそかに悪事をたくらむこと

熱が→こもる=熱意や情熱が内面に含まれていること

熱が→冷める
熱が引く、とも言います

熱が→入る=物事に熱中すること

熱に→浮かされる

熱を→上げる

熱を→帯びる

熱を→加える

熱を→吹く=大きなことを言う、気炎を上げる、ということ

熱意に→欠ける
熱意がない、とも言います

熱意を→示す

寝付きが→いい・悪い

熱弁を→振るう

寝床を→敷く
寝床を作る、寝床を述べる、とも言います

根葉(ねは)に→なる=いつまでも心に残る恨みの種になること

根葉に→持つ=いつもまでも恨みに思うこと
根に持つ、とも言います

眠気が→差す
眠気を催す、とも言います

眠気に→襲われる

眠りに→落ちる

眠りに→就く

狙いが→当たる・外れる

狙いを→定める
狙いを付ける、とも言います

念が→入(い)る=細かいところまで十分に注意が行き届いていること
念を入れる、念入り、という言葉もありますね

念が→残る=いつまでもあきらめられないこと

念が→晴れる=思い切ることができる、ということ

念に→駆られる=そのような気持ちを強く抱く、ということ

念には→念を入れる

念を→押す

念願が→叶う
念願を果たす、とも言います

年季が→明ける=勤めの期限が終わること

年季が→入っている=長年そのことに従事しているので熟練している、ということ

年貢を→納める

念頭に→ある・ない

念頭に→浮かぶ=心に思い浮かんでくること

念頭に→置く

年輪を→重ねる=成長や修業などの歴史を積み上げること

●まとめの一言

日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。

根葉(ねは)になる

↑私はこの言い方を今回初めて知りました。
意味するところは、「いつまでも心に残る恨みの種になること」。

ですから、

「根葉(ねは)に持つ」

と言えば、「いつまでも恨みに思う」となります。
「根に持つ」というよりも強烈な感じがします。

言葉の世界は奥が深いので、興味は尽きません。
言葉をたくさん知れば知るほど、話すのも書くのも自由自在になっていきます。
頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。
仕事や人間関係に良い影響があるでしょう!!

あなたにとって、「これ覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?

関連記事→知恵を絞る・脳みそを絞る・脳漿(のうしょう)を絞る、だんだん怖くなるけど意味はどれも同じ

-コロケーション

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

「世話を焼く・世話が焼ける」はわかるけど、「世話に砕ける」って何のこと?

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか? コロケーションとは「連語」のこと。語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。 たとえば、 世話を焼く・世話が焼ける世話をする、とも言います …

「流れに棹(さお)差す」って、時流に逆らうこと? それとも時流に乗ること?

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか? コロケーションとは「連語」のこと。語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。 たとえば、「流れに棹(さお)差す」というのもコロケーションで …

役不足、役者不足、力不足

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか? コロケーションとは「連語」のこと。 語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。 たとえば、「役者が揃う」というのもコロケーションです。 「 …

「理屈に合う」=「理に適う」ですが、「理屈に適う」とは言いません

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか? たとえば、「理屈に合う」「理に適う」というのもコロケーションで、これは「物事の正しい筋道に合致している。論理的にいって正しい。正論である」という …

身を持って?身を以て。右へ習え?右へ倣え。

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか? コロケーションとは「連語」のこと。語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。 たとえば、「身を以て」というのもコロケーションです。自ら体を …

2023/06/29

「を抜き」「は抜き」を改善しよう

2023/06/23

「か抜き」言葉を改善しよう

2022/12/01

「お申し付けください」よりも「仰せ付けください」のほうが良いなあ

2022/08/15

男と女の日常茶飯劇

2022/04/01

ライターが習得した速読法

2022/03/30

「十分」と「充分」に違いはある?

2021/12/26

Kindleペーパーバック出版、私もやってみました。

2021/01/19

「XX時からXX時に行きます」という言い方は、変じゃない?

2020/09/07

主語がなくても通じる、日本語の不思議

2020/08/27

チーママ・オーママ/小ママ・大ママ

2020/02/27

表記統一の観点からいうと、「行う」ではなく「行なう」が正しい

2020/02/26

「語尾上げ」しゃべりが癖になっていない?

2020/02/06

TOKYO MXテレビ『5時に夢中!』に出演しました。

2019/11/29

ものの数え方・73選

2019/11/28

馬から落馬・顔を洗顔←重ね言葉はやめよう

2019/11/27

カタカナ語の乱用防止に、この日本語を!!

2019/11/16

「理想」の対義語は□□、「流行」の対義語は□□。

2018/10/18

頭から離れる?離れない? 正しい言い方はどっち!?

2018/09/18

横浜に代々伝わる「ハマ言葉」

2018/09/03

文章構成術/基本フォーマット12種類

2018/03/10

なぞなぞ傑作選・必笑78題

2018/03/09

テープ起こしをすると文章力が高まる!!

2018/03/02

ネガティブなことをポジティブに言い換えるレッスン

2018/02/16

「い抜き言葉」はカジュアルな場面でのみOK

2017/10/03

月の呼称/睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走

2017/06/02

読点の打ち方を完全マスター!! ①

2017/05/20

文章力/接続詞の乱用禁止!! 大事な場面で効果的に使おう

2017/05/16

文章力/説明がうまい人は「修飾語」(形容詞・形容動詞・副詞の3点セット)に強い

2017/05/05

悪文リライトにチャレンジしてみませんか

2017/05/04

文章力を高める10の行動。すべて試してみる価値あり!

2017/04/30

混じる?交じる? 漢字の書き分けは、頭をやわらかくする知的なゲーム

2017/04/23

先入感?異和感?それって漢字変換ミス? 同音異義語・同訓異字の落とし穴

2017/04/22

「れ足す言葉」は、くどい、しつこい

2017/04/21

「さ入れ言葉」は上品か下品か?

2017/04/20

「ら抜き言葉」はOKかNGか?

2017/04/16

アブない隠語も、正しく覚えれば失敗しない

2017/04/04

ビジネスマナー/尊敬語と謙譲語の使い分け

2017/03/24

日本語の乱れ/あざーす・やばくね? 変な言葉や言い間違いが増えていますね?

2024/04/17

「値上がる」という表現は不適切。名詞を動詞のように使うときは、できるだけ助詞を付けてほしい。

2024/04/15

主語と述語のつながりが微妙にねじれているように感じられる文って、気持ち悪いよ

2024/04/12

「見せる」と「見させる」の違い・「見せて」と「見させて」の違い

2024/04/10

「ご覧になって」の「なって」は省略可

2024/04/09

「万一○○の時は、いつでも力になるよ」、この文はどこか変だと思いませんか?

言葉をたくさん知っていると、話すのも書くのも自由自在。頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!

当サイト「言葉力アップグレード」は言葉の世界を豊かにし、話し方・書き方をレベルアップする技術を紹介しています。どうぞご活用ください。

follow us in feedly