皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか。
コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。
たとえば、「鼻毛を抜かれる」「鼻毛を読まれる」というのもコロケーションです。
男性が女性に心中を見透かされ、出し抜かれることを、「鼻毛を抜かれる」と言うんですね。
そして、男性が女性に、思うようにもてあそばれることを「鼻毛を読まれる」と言うのです。
コロケーションを使う上でのルールがあります
それはただ1つ、「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということです。
本来の意味を知らずに、または誤解して、微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいそう。
人前で恥をかくことのないようにしたいものです。
それには、耳で覚え、目で覚えるしかありません。
このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。
読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばよかったのか〜」と新たな発見が増していくと思います。
コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めましょう。
その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。
●「ハ」で始まるコロケーション
刃が→こぼれる
歯が→浮く(ような)
歯が→立たない
歯に→合う=噛むことができる、物事がその人の気持ちや性格に合う、ということ
歯に→衣(きぬ)を着せない=遠慮せずに率直に言うこと
歯に衣着せぬ、とも言います
歯の→抜けたよう=ところどころ抜けたところがあり、不揃いな様子のこと
歯の→根が合わない
歯を→噛む=残念がること、悔しさをこらえること
歯を→食いしばる
歯を→切(せっ)す=歯ぎしりをするほどの怒りや悔しさをじっとこらえること
灰に→する=焼いてしまうこと、焼失すること
灰に→なる
枚(ばい)を→ふくむ=沈黙を守ること
灰神楽(はいかぐら)が→上がる=火の気がある灰の中に水をこぼしたりして、灰が舞い上がること
灰神楽が立つ、とも言います
肺肝(はいかん)を→出(いだ)す=本心を打ち明けること
肺肝を明かす、肺肝を披(ひら)く、胸襟を開く、とも言います
肺肝を→砕く=非常に苦心すること
心を砕く、とも言います
廃墟と→化す
背景と→する=ある勢力や事柄を後ろ盾とすること
背景に→乏しい=物事の背後に潜む事情があまりないこと、絵や写真などでテーマとなるものの後ろに描かれたものが物足りないこと
背景を→探る
敗色が→濃い
敗色が→漂う
敗色が→濃厚になる
肺腑(はいふ)を→抉(えぐ)る=心の奥底に深く染み渡ること
肺腑を→絞る=心の奥底から絞り出すこと
肺腑を→衝く=深い感銘を与えること
肺腑を→貫く=心に強く染み入ること
敗北を→喫する
果(はか)が→行く=仕事が順調にはかどること
渉が行く、とも書きます
馬鹿な→ことを言う
馬鹿な→話があるか
馬鹿な→まねをする
馬鹿な→目にあう
馬鹿に→する
馬鹿に→ならない=相手を無視できない、あなどれない、ということ
馬鹿に→なる=感覚がなくなること、自分が馬鹿に見えるように振る舞うこと
馬鹿を→言え
馬鹿を言うんじゃない、馬鹿も休み休み言え、というように使います
馬鹿を→見る=不利益を被ったり、損な立場に立たされたり、つまらない目にあうこと
場数(ばかず)を→踏む
場所を踏む、とも言います
秤(はかり)に→掛ける
天秤に掛ける、とも言います
謀(はかりごと)を→巡らす
馬脚を→現す
破局を→迎える
歯切れが→いい・悪い
箔(はく)が→つく
反対語は「箔が落ちる」
縛(ばく)に→就く=罪人として捕らえられること
白紙で→臨む=先入観や一定の考えを持たずに物事に対処すること
白紙に→返す
白紙に戻す、とも言います
白日(はくじつ)の→下(もと)にさらす
拍車を→掛ける
拍車を加える、とも言います
薄謝(はくしゃ)を→呈する=わずかな謝礼を差し上げること
博打(ばくち)に→出る=リスクを覚悟で試みること
博打を→打つ
薄氷(はくひょう)を→踏む=非常な危険を冒すこと
虎の尾を踏む、とも言います
博覧に→供する=広く一般の人々に見せること
歯車が→噛み合わない
化けの皮が→剥がれる
化けの皮を現す、とも言います
馬脚を現す、というのも同じ意味です
覇権(はけん)を→賭ける=優劣を競い、覇者となるために争うこと
覇権を→握る
歯応えが→ある・ない
鋏(はさみ)を→入れる
橋が→落ちる
橋を→架ける
橋を渡す、とも言います
箸が→進む
食が進む、とも言います
箸を→置く
箸を→付ける
箸を下ろす、とも言います
箸を→取る
恥の→上塗り
恥も→外聞もない
恥を→かく
面目を失う、とも言います
恥を→さらす
恥を→知る
恥を→雪(すす)ぐ
恥をそそぐ、恥をぬぐう、とも言います
恥を濯ぐ、とも書きます
梯子(はしご)を→する
梯子を→外される=仲間の意見や態度が急変し、孤立した難しい立場に立たされること
場所を→取る
場所を→踏む=何度も経験すること
場数を踏む、とも言います
場所柄を→弁(わきま)える
斜(はす)に→構える=正面からぶつかろうとせず、皮肉な見方やからかいの気持ちをもって臨むこと
しゃに構える、とも言います
弾みが→つく
弾みを→食う=思いがけなく、他の余勢を受けること
弾みを食らう、とも言います
罵声を→浴びせる
旗を→揚げる
旗を→掲(かか)げる
旗を→振る
旗を→巻く=物事を中止し、手を引くこと
肌が→合う・合わない
馬が合う、息が合う、気が合う、とも言います
肌で→感じる=体験して実感すること
肌を→入れる=肌脱ぎ(上半身の肌を現すこと)していた衣服を再び身に着けること
肌を→脱ぐ=人のために尽力すること
ひと肌脱ぐ、とも言います
旗色(はたいろ)が→いい・悪い
裸で→つきあう
裸に→なる=財産や所持品をすべて失うこと
鉢が→大きい=頭のまわりのサイズが大きいこと
鉢を→開く=托鉢をすること
蜂の巣に→なる=銃などで撃たれて、穴だらけになること
蜂の巣を→つついたよう=手がつけられないような大騒ぎになること
ばつが→悪い
決まりが悪い、間が悪い、とも言います
ばつを→合わせる
辻褄を合わせる、とも言います
はったりを→掛ける
はったりを利かせる、とも言います
ばっと→しない
ばっと→やる
発破(はっぱ)を→掛ける=強い言葉で励ますこと
尻を叩く、螺旋(ねじ)を巻く、とも言います
初舞台を→踏む
歯止めが→掛かる
歯止めが→利く
バトンを→渡す=後任者に引き継ぐこと
洟(はな)も→ひっかけない=まったく相手にしないこと
花と→散る
花も→恥じらう=ういういしくて美しい女性を形容する言葉
花も→実もある=外見も美しいが内容も充実していること
花より→団子
花を→咲かせる
花を→添える=美しく立派なものの上に、さらに良いことを加えるという意味
花を→持たせる=相手を立てて名誉などを譲ること
鼻が→利く=利益などに関する勘が鋭いこと
鼻が→高い
鼻が→曲がる
鼻で→あしらう=いい加減な態度で応対すること
鼻先であしらう、鼻の先であしらう、とも言います
鼻で→笑う=相手を見下して、ふんと笑うこと
鼻先で笑う、鼻の先で笑う、とも言います
鼻に→掛ける=得意がる、自慢すること
鼻に→付く=飽き飽きして嫌になること
鼻を→明かす=優位に立っていた相手を出し抜いて、あっと言わせること
鼻を→うごめかす=得意そうにする、自慢すること
鼻を→打つ
鼻を突く、とも言います
鼻を→折る
鼻っ柱をへし折る、とも言います
鼻を→鳴らす=鼻にかかったような甘い声を出して甘えること
鼻息(はないき)が→荒い
鼻息(はないき)を→うかがう
顔色をうかがう、鼻息(びそく)をうかがう、とも言います
鼻緒(はなお)が→切れる
鼻緒を→すげる
鼻薬(はんぐすり)を→かがせる=ちょっとした賄賂を贈ること
鼻薬を利かせる、とも言います
鼻毛を→抜く=心中を見透かして出し抜くこと
鼻毛を→伸ばす=女性の色香に迷って甘い態度になること
鼻毛を長くする、とも言います
鼻毛を→読まれる=女性に思うようにもてあそばれること
話が→合う
話が→違う
話が→つく
話が→飛ぶ
話が→弾む
話に花が咲く、とも言います
話が→早い
話が→分かる
話に→ならない
問題にならない、とも言います
話に→乗る
話に→実が入る=話に熱中すること
話に身が入る、とも書きます
話の→腰を折る
話を→合わせる
話を→決める
話を→壊す
話を→遮(さえぎ)る
話を→進める
話を→作る
話を→詰める
話を→まとめる
話を→結ぶ
鼻筋が→通る
鼻っ柱が→強い
鼻っ柱を→へし折る
鼻を折る、とも言います
鼻面(はなづら)を→引き回す=あちこち連れ歩くこと、自分の思いどおりに人を操作すること
鼻の下が→長い=女性にだらしない男性を形容する言葉
鼻の下が→干上がる=生計の道が断たれて、生活に困ること
顎が干上がる、口が干上がる、とも言います
鼻の下を→伸ばす=男性が女性にだらしない態度をとること
鼻持ち→ならない=不快な感じを与えるものを形容する言葉
離れ業(わざ)を→演じる
羽が→生えたよう
羽を→伸ばす
幅が→利く=一目置かれていて勢力があること
幅を→取る=広い場所を独占すること
羽振りが→いい・悪い
羽振りを→利かす=その存在を世間に認めさせ、勢力を振りかざすこと
羽目(はめ)を→外す
波紋が→広がる
波紋を→投ずる
波紋を投げかける、とも言います
波紋を→呼ぶ
早鐘(はやがね)を→打つ=不安や緊張などのために、激しい動悸がすること
腹が→痛む=自分が出費すること
腹が→黒い=心がねじけていて、ひそかに悪だくみをするような性格であること
腹ぎたない、とも言います
腹が→据わる
肝が据わる、度胸が据わる、とも言います
腹が→立つ
腹が→膨れる
反対語は「腹が空く」「腹が減る」
腹が→膨れる=言いたいことが十分に言えずに、不満がたまること
腹に→一物(いちもつ)ある=心の中で何かをたくらんでいること
腹に→据えかねる=怒りをこらえられない、ということ
腹の→足しにする
腹を→合わせる=心を通い合わせること
腹を→痛める=子どもを産むこと
腹を→痛める=自分のお金で支払うこと
自腹を切る、とも言います
腹を→抱える=あまりにおかしくて、大笑いをすること
腹を→固める
腹を決める、腹を括(くく)る、とも言います
腹を→肥やす
私腹を肥やす、とも言います
腹を→探る
腹を→立てる
腹を→読む
腹を→割る
腹鼓(はらつづみ)を→打つ=十分に食べて満足であること
腹の皮が→捩(よじ)れる
腹の皮を縒(よ)る、とも言います
腹の虫が→納まらない=しゃくにさわって、我慢ができないということ
腹の虫が承知しない、とも言います
腹の虫の→居所が悪い=機嫌が悪いということ
腸(はらわた)が→腐る=心が堕落すること
腸(はらわた)が→ちぎれる=我慢できないほど、悲しみや憤りが強いこと
腸(はらわた)が→煮えくりかえる
腹(はらわた)を→切る=大笑いをすること
腹(はらわた)を→断つ=絶えられないほどの悲しみを感じること
針の→筵(むしろ)=少しも気の休まらない席や境遇のたとえ
針を→含む
鍼を→打つ
馬齢を→重ねる=たいしたこともせず、無駄に年をとること
(自分の年齢を謙遜して言う言葉なので、他人に対して使っては失礼になります)
馬齢を加える、とも言います
腫れ物に→触るよう
判で→押したよう
判を→押す
判をつく、とも言います
判を捺す、とも書きます
判を→下(くだ)す
版を→改める=書物原稿の文字や表現などを修正して、もう一度出版すること
版を→重ねる=ある書物が、何度も印刷されて出版されること
範を→垂れる=模範となる、手本を示す、ということ
範を→取る=模範、手本とすること
半可通(はんかつう)を→振り回す=いい加減な知識しか持っていないのに、あれこれ知ったかぶりをすること
反感を→抱く
反感を持つ、とも言います
反感を→買う
半旗(はんき)を→掲(かか)げる=弔意を表すため、国旗などを上部から三分の一ほど下げて掲揚すること
反旗を→翻す=反逆、謀反を起こすこと
反響が→広がる
反響を→巻き起こす
反響を→呼ぶ
判決を→下(くだ)す
犯行に→及ぶ
犯行を→重ねる
万歳を→唱える
万死(ばんし)に→値する=何度死んでも償いきれないほど、罪が重いこと
半畳(はんじょう)を→入れる=非難やからかいの言葉を投げかけること
半畳を打つ、とも言います
反省の→色がない
反省を→促す
晩節を→汚(けが)す=年老いてから身を持ち崩し、節操をなくすこと
晩節を→持す=年老いてからも身を正しく持し、節操を守ること
晩節を→全うする
判然と→しない
万全を→期す
パンチが→利く
ハンディを→負う
ハンディを→付ける
ハンドルを→切る
ハンドルを→取られる
ハンドルを→握る
万難を→排す
蛮勇を→振るう=向こう見ずの勇気を発揮すること
●まとめの一言
日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。
↑私はこの10種の言い方を今回初めて知りました。
そのなかでも、「鼻毛を抜く・抜かれる」「鼻毛を読まれる」、この2種はインパクトがあるので、今後忘れることはないだろうと思います。
男性の皆さんは、女性に鼻毛を抜かれたり読まれたりしないよう、気を引き締めていきましょうね。
私は女性ですから、誰にも気づかれないように上手に、意中の男性の鼻毛を抜いたり読んだりができるように頑張ります。
言葉の世界は奥が深いので、興味は尽きません。
言葉をたくさん知れば知るほど、話すのも書くのも自由自在になっていきます。
頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。
仕事や人間関係に良い影響があるでしょう!!
あなたにとって、「これ覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?