ときめき鮮度を保つには、シチュエーションに変化をつけること。
コミュニケーション学の専門家に聞いた話ですが、人と仲良くなりたいなら、一度に長い時間を共にするよりも、短くてもいいからちょこちょこ会うようにすると効果的なのだそうです。
会っている時間の長さよりも、会った回数の多さにより、親しみや信頼が増していくのですね。
恋人同士の場合は、一緒に過ごす夢のような時間はあっという間に過ぎ、離れがたい思いをこらえてサヨナラをし、早くまた会いたいなあと胸を焦がしながら次のデートを待つというように、そのつど感情の起伏を経験します。
山あり谷あり、です。
谷(会えない時間)があるからこそ、山(逢瀬の喜び)はより高くそびえ、光を浴びてキラキラ輝くのだと思います。
そして、ようやく会えた安堵感から親密度が増し、会うたびに深く結びついていくのを実感します。
しかし、10回、20回、30回目くらいまではよい手応えがあっても、それを越えると次第に、喜びも感動も色褪せてくることがあるでしょう。
毎度同じパターンのデートをしていれば、いやでもそうなります。
いつもの居酒屋で落ち合い、夕食を兼ねたツマミをとって酒を飲み、ほろ酔い加減でホテルまたは自宅へ移動して抱き合うというのがパターン化すれば、お互いどうしたって飽きてくるのです。
鮮度を保つには、変化をつけるしかありませんね。
手っ取り早いのは、シチュエーションに変化をつけることです。
たとえば待ち合わせの場所をカフェやレストランにしてみる、これだけでも大きな変化です。
男性にとって、馴染みの店を離れるだけでも面倒なのに、初めて訪れる洒落たカフェやレストランでカッコよく女性をエスコートしなければならないというのは、かなりのプレッシャーかもしれません。
考えただけで逃げ出したくなる、という方もおありでしょう。
ならばせめて、脳内シミュレーションの場数だけでも踏んでおきませんか。
デートの下調べに現地へ赴き、場慣れすることができると一番よいのですが、それにしても、どのように振る舞えば恋人の女性が喜んでくれるか、あらかじめイメージしておかないとならないでしょう。
私も拙い経験ではありますが、知っていることをできるだけたくさんお話ししてまいりますので、どうぞご参考になさってください。
カフェやワインバーでは、カジュアルでフレンドリーなエスコートを。
街中で女性と待ち合わせをするなら、カフェがオススメです。
ゴチャゴチャした駅裏であっても、ドトールやスタバやタリーズしかなくても、「焼き鳥屋で待て」と言われるのに比べたら、はるかに格上げ感があります。
お酒をたしなむ女性、そして洋風料理がお好きな女性には、酒類も供するカフェ、もしくはワインバー、バル、ビストロなどへお連れするときっと喜ばれます。
そういう店なら、お食事を兼ねて、ゆっくりと飲み語らうことができます。
メニューを見ると、オードブルから魚料理・肉料理までいろいろ取り揃えています。
自家製ピクルス、ドライトマト、アンチョビキャベツ、田舎風テリーヌ、真鯛のカルパッチョ、ラムチョップ、マルゲリータ、ペスカトーレ、チーズリゾット……なんじゃそれ?
ワケのわからない単語が飛び交うことになるかもしれませんが、そこは慌てず騒がず、すべてわかったフリをして、彼女に好きなものを好きなだけ選んでもらうとよいですね。
ワインバー、バル、ビストロなどは、格式張ったレストラン(イタリア語で言うならリストランテ)に比べ、ずいぶんと庶民的なお値段ですから、ふたりでお腹いっぱいになるまで食べて飲んでも、1人あたり5千円くらいと見て大丈夫です。1万円を越えることはまずないでしょう。
どちらかというと、くだけた雰囲気の店が多いので、必要以上にマナーを気にすることはありません。
カジュアルに、つまり普段どおりに振る舞っていいのです。
ナイフ&フォークよりもお箸のほうがよければ、「お箸をお願いします」と堂々とリクエストしていいのです。
それで店員さんにばかにされるなんてことは、あり得ません。
自分を飾ることなく、親しみを感じさせるくつろいだ表情で、彼女の話を興味深そうに聞き、笑い、自分もいろいろ話して聞いてもらうようにするとよいですね。
ただそれだけで、「このひと、場慣れしているわ」と感じさせることができます。
一流ホテルやレストランも上手に使いこなして。
ホテルのロビーやティールームで落ち合い、同じホテル内のフレンチレストランで食事をするというのは素敵なプランだと思います。
目当てのレストランがほかにあるので、いったんホテルを出て、そこまでお散歩がてら歩くというプランもいいと思います。
そして、これは男性のエスコート次第ですが、食事を終えてホテルに戻り、「今夜、お部屋とれますか」とフロントに聞いちゃったりして、そのままチェックインしちゃったりして、というのもアリです。
そうなる可能性を含んでいるから、ホテルで待ち合わせるだけ、お食事をするだけでも、女性はなんとなくドキドキしてしまうのですね。
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さて、しつこいようですが、食事のあとでチェックインとなる可能性がゼロではないのですから、こういうときのエスコートは気合いを入れてかからないとダメですよ。
まず、必要に応じてクロークを利用することを、しっかりおさえておいてください。
一流ホテルやレストランには、携帯品を一時預けることのできるクロークサービスがあります。
冬場のコート、かさばる手荷物、雨の日の傘など、食事をするのに邪魔になるものはすべてクロークに預けて、身軽になりましょう。
クロークの窓口はたいてい、ホテルならレセプションまたはフロントと呼ばれる窓口が兼ねています。(もしくは隣接しています)
レストランならば、入店してすぐに、受付の人が「お荷物をお預かりします」と申し出てくれるでしょう。
そこでコートならコートを脱いで預けるわけですが、このとき、男性はまず女性がコートを脱ぐのを手伝い、男性からクローク係の人に手渡すようにするとよいですね。
帰るときは、男性がクロークからコートを受け取り、女性が袖を通しやすいように、後ろに回って手伝います。
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ホテルやレストランのドアは自動開閉式になっていることが多く、そうでない場合はドアマンが控えているでしょうから、お客として訪れた男性が女性のためにドアを開け閉めする場面はあまりないと思います。
それでも、女性を先に通すことを忘れてはなりませんね。
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甘くロマンチックなムードの中でおいしい食事やお酒を楽しみ、できれば花やアクセサリーなどをプレゼントして、女性をうっとり酔わせて夢心地にさせられると、恋愛進展の可能性が高まります。
だからこそ男性は女性に豪華な食事をふるまい、「僕はこれだけ真剣です。僕と一緒にいてくれたらきっと幸せになれますよ」とアピールをするのですね。
若いカップルだけでなく、ミドル&シニアの恋人同士、そして長年連れ添ったご夫婦の場合も、同じだと思います。
お誕生日や結婚記念日といった特別な日にはドレスアップをして、洗練されたサービスを受けながら、お祝いディナーを共にしたいものです。
そして男性がタイミングよくプレゼントを差し出せば、女性はよりいっそう感激し、幸せを守る努力を惜しまないでしょう。
そのあたりのことを一流店はよく心得ているようで、料理長・ソムリエ・給仕サービスといったスタッフの面々が力を合わせ、お客様の男性のエスコートをより素晴らしいものにしてくれます。
ですから予約の際には、たとえば「彼女の○回目の誕生日なので、それにふさわしい料理とワイン、デザートのバースデーケーキをお願いします、予算は○○円ほどです」と告げて、あとはお店に一任してよいと思います。
そのほかのことはカジュアルな店での振る舞いと同じでよいので、自分を飾ることなく、親しみを感じさせるくつろいだ表情で、彼女の話を興味深そうに聞き、笑い、自分もいろいろ話して聞いてもらうようにするとよいですね。
ちなみにですが、ドレスアップして豪華なディナーを楽しむ日もあれば、ぐっとくだけて、モツ鍋屋さんへ行く日もあっていいと思います。
どちらか片方に偏ってはダメ。
飽きないようにするには、緩急をつけることが大事ですね。
【今回のまとめ】
●デートのシチュエーションに変化をつけよう。
●カジュアルな店ではいつもどおりに振る舞い、場慣れしている感を演出しよう。
●記念日にはできるだけ豪華な食事とプレゼントを用意して、本気度をアピールしよう。
●ホテルや高級レストランで、クロークにコートを預けるのは男性の役割。(それ以外のことは店側に一任してOK)