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文章力/助詞「てにをは」の上手な使い方

投稿日:2017年5月17日 更新日:

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舌ったらずの口調で、間延びしたしゃべり方をする人っていますよね。

「私が言いたいのはぁ〜

このまえ会社でぇ〜

部長にぃ〜

仕事のやり方をぉ〜

けなされてぇ〜」

というように。

↑この場合は「て・に・を・は」、つまり助詞が登場するたびに語尾を伸ばして強調しています。

考えをまとめながら話すとそうなってしまいがちですが、聞く側としては、「なんとかでぇ〜」と語尾を伸ばされるたびに、

「ちゃんと聞いてる? しっかり聞いてよ」

と暗に要求されているような気がしてしまうでしょう。

その変形パターンもよく見られます。

「私が言いたいのはですね、

このまえ会社でですね、

部長にですね、

その、なんというか、

仕事のやり方をですね、

けなされてですね」

というように、

助詞がくるたびに「ですね」をつけて話すことがクセになっている人は少なからずいます。

女性を愛し、大切になさっている男性の皆様にお願いがあります。
皆様とても素敵なのですが、文章の「て・に・を・は」をもう少し丁寧に扱っていただけると、さらに知的で素敵な男性になり、女子大喜び!!だと思うのです。

男性だけでなく女性の皆様も、ご自分を大切にするのと同じように、助詞を大切にしてください。

助詞を適切に使いこなしている人は好い印象を与えます。

話し方にも書くものにも、品格が感じられます。

男性も女性も、できれば、助詞を完璧にマスターしてください。

日本語を正確に使いこなせるかどうかは、「て・に・を・は」をどれだけ正確に使いこなせるかにかかっています。

たった一文字の助詞が、一連の言葉の意味をまるで変えてしまうこともあるからです。

話し方・書き方のルールの中でも、助詞の使用法は大きなウエイトを占めます。

ならばさっそく、助詞のおさらいをしてみませんか。

助詞の使い方をマスターすれば、お互い何を言おうとしているかがよりスムーズに伝わり、より気持ちが通じ合うようになっていくはずです。

●わずか一文字でも、恐るべき決定力を持つ助詞

助詞は、助動詞または接尾語などとともに「てにをは」と呼ばれています。

漢文を読み下す際の補助として漢字の四隅に付けられた「ヲコト点」を左下から右回りに読むと「てにはを」となることに因ります。

といってももちろん、助詞は「て・に・を・は」の4種類だけではありません。

他にどんなものがあるか、見ていきましょう。

●助詞の種類

格助詞

「~が・~の・~を・~に・~へ・~と・~から・~より・~で」

並立助詞

「~の・~に・~と・~や・~やら・~か・~なり・~だの」

終助詞

「~か・~かしら・~な・~の・~とも・~ぞ・~や・~わ」

間投助詞

「~さ・~よ・~だよ・~ですよ」

副助詞

「~ばかり・~まで・~だけ・~ほど・~くらい・~など・~なり・~やら」

係助詞

「~は・~も・~こそ・~でも・~しか・~さえ・~だに」

接続助詞

「~や・が・けれども・ところが・~のに・~から・~ので・~て」

準体助詞

「の」(例:彼に聞くのがいい)
「から」(例:仕事に就いてからが大変だ)

●「は」と「が」の違い

「~は」──相手がすでに知っていると思われる情報を示すときに用います。
「~が」──相手がまだ知らないであろう情報を示すときに用います。
○「その問題は片付きました」

×「その問題が片付きました」

○「新たな問題が発生しました」

×「新たな問題は発生しました」

△「星はきれいだ」

○「星がきれいだ」

↑「は」「が」、いずれを使っても間違いではないでしょう。
しかし前者は、やや違和感があり、唐突な印象を受けます。

○「今夜の星はきれいだ」

○「今夜は星がきれいだ」

↑とするなら、何ら違和感はありません。
誰かと夜空を見上げているときの会話なら、これで問題ないと思います。

●「に」と「へ」の違い

「へ」──「方向」を表します。
「に」──他のどこ(どれ)でもない、特定の対象を表します。

ほとんどの場合、「に」と「へ」を入れ換えても、意味は通じます。
しかし、「に」と「へ」を入れ換えることでニュアンスが変化します。


○「私はフィレンツェへ行く」
○「私はフィレンツェに行く」

↑後者の場合は、ローマでもミラノでもなくフィレンツェなのだというニュアンスがこめられます。

○「原点に立ち戻る」

△「原点へ立ち戻る」

○「会社が社員にボーナスを支給する」

△「会社が社員へボーナスを支給する」

↑上記2例では、「に」を用いるのが一般的でしょう。
「へ」でも良いとする理由の一つは、「立ち戻る」「支給する」という動詞が広い意味での移動とその方向を表している点にあります。

●「より」と「から」の違い

「より」──比較を示します。

例:「俺よりあいつのほうがいいのか」

「から」──起点を示します。

例:「日本橋から銀座へ向かった」

○「午後1時から会議を始めます」

△「午後1時より会議を始めます」

↑どちらも意味は通じるのですが、「より」は比較、「から」は起点、と決めておくと、読み違いを防ぐことができます。


○「1日から4日は、全商品30%引きです」

×「1日より4日は、全商品30%引きです」

↑1日と比べて4日は全商品さらに3割安になるのか、と誤解されかねません。

この場合は「1日より4日は」ではなく「1日から4日は」とするのが適切でしょう。


○チーズは牛乳からつくる。

×チーズは牛乳よりつくる。

↑「より」と「から」、どちらがより適切なのか判断がつかないときは、「より」を「よりも」に言い替えて、意味が変わらないかどうか、確かめてみると良いのです。

「チーズは牛乳よりもつくる?」これは明らかに変だと気づくでしょう。

●「の」の使い方

「の」──所有を示します。

例:「あなたの財布」「私のお金」

「の」──「こと」「もの」などに準ずる意味を示します。

例:「ワインやシャンパンを飲むのが好き」「高いのがいい」

「の」──断定・質問を表します。

例:「もう一軒、飲みに行ったのだな」


「あなたの財布」「私のお金」というような所有用法以外の「の」は、できるだけ他の言葉に書き換えたほうが読みやすく、わかりやすいでしょう。

△「あなたの下書きした原稿は読みやすかった」

○「あなたが下書きした原稿は読みやすかった」

△「あなたの本を探している」

○「あなたが書いた本を探している」

○「あなたについて書かれた本を探している」

「の」が連続する文は読みにくいだけでなく、間延びして感じられるので、改めたほうが良いでしょう。

×「映画館の向かいのコンビニの入口のアルバイトの募集のお知らせ」

↑「の」の連続を避けるには、下記のように新たに語句を補う必要があります。

○「映画館の向かいにあるコンビニが入口に出しているアルバイト募集のお知らせ」

●「で」の使い方

「で」──動作の行われる場所を表します。

例:「部屋で読書する」

「で」──手段を表します。

例:「パソコンで書く」

「で」──原因を表します。

例:「仕事で忙しい」

上記以外の場合は、他の言葉に置き換える、または加筆して、的確に表現しましょう。たとえば──

×「地震で倒れない家」

○「地震があっても倒れない家」

×「この建物で最も新しい耐震工法が用いられた」

○「この建物には、最新の耐震工法が用いられた」
○「この建物で、本邦初の耐震工法が用いられた」

●「が」の使い方

「が」──主語の一部として使われます。

例:「私が」

「が」──確定の逆説になります。

例:「頑張ったが駄目だった」

文を書く際に、助詞「が」の出番は多いのです。
しかし、「~が~が」と繰り返す文は語感が悪いので、改良が必要です。

×「これが例の本だが、私が好きな人が書いたが、内容がメチャクチャだ」

↑語感が悪いのみならず、内容を理解しづらいので、一種の悪文となっています。

○ 「これが例の本で、私の好きな人が書いたのだけれど、内容はメチャクチャだ」

↑「が」を「の」や「は」に置き換えることが可能です。

「~だが」を「~だけれど」に置き換えることも可能です。

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●「~など」 の使い方

「など」──程度を表します。

例:「食事や着替えなどで案外時間をとられる」「など」──軽視を表します。

例:「あいつなど社長の器じゃない」

具体例を挙げて示すために「~など」を使うときは、二例以上を挙げることが必要でしょう。
↓一例を挙げるのみだと、他にどんなことがあるのか、読者に伝わらないからです。

×「食事などで時間をとられる」

○「食事、着替え、移動などで時間をとられる」

↓物事の性質を表す場合に、「~などのように」と書いても意味がないでしょう。


×「牛乳などのようにカルシウムを多く含む食品を摂ろう」

○「牛乳のようにカルシウムを多く含む食品を摂ろう」
○「牛乳やチーズなどのカルシウムを多く含む食品を摂ろう」

●まとめの一言

「は」「が」「に」「へ」「より」「から」「の」「で」「が」「など」

この10種類が、日常的によく使われる助詞です。

使い方によって文の意味合いが微妙に異なってくるので、場面に応じて適切に使い分けるようにしましょう。

関連記事→文章力/「で」という言葉

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