文章力アップ

「てにをは」を間違えると意味不明の文になる

投稿日:2018年10月6日 更新日:

私たちはふつう、特に意識することなく、さまざまな種類の助詞を使い分けています。

子供の頃から自然に耳で覚え、目で文字を見て学び、すっかり馴染んでいるのですね。

ですから、助詞の使い方が適切でないと、聞いた瞬間(見た瞬間)に強い違和感を覚えます。

違和感が生じる理由は、意味が通じないからです。

●意味不明の助詞

【例 文】節約のためで、うちへ食事にした。

【改善例】節約のため、うち食事した。

【例 文】手紙から葉書のほうを安い。

【改善例】手紙より葉書のほう安い。

【例 文】あの人にケチだ。

【改善例】あの人ケチだ。

【例 文】椅子へ座ってお茶が飲もう。

【改善例】椅子座ってお茶飲もう。

【例 文】有名の作家の書いた本を読まない。

【改善例】有名作家書いた本読まない。

【例 文】無名な作家でも、いい作品はある。

【改善例】無名作家でも、いい作品はある。

【例 文】現在より過去にとさかのぼっていった。

【改善例】現在から過去へとさかのぼっていった。

【例 文】ケーキやコーヒーと紅茶がやめられない。

【改善例】ケーキコーヒー紅茶がやめられない。

【例 文】あなたと私のように、髪の長いはシャンプーは大変ですね。

【改善例】あなた私のように、髪長いシャンプー大変ですね。

【例 文】窓越しの景色を見て楽しんだ。

【改善例】窓越し景色を見て楽しんだ。

【例 文】彼の笑顔の裏には、怒りを感じられた。

【改善例】彼の笑顔の裏、怒り感じられた。

【例 文】瓶で奥深くまで差し込んでいた指が抜けなくなった。

【改善例】瓶奥深くまで差し込んでいた指が抜けなくなった。

【例 文】課長は書類をひらひら揺らしながら、僕の顔へと叩き付けた。

【改善例】課長は書類をひらひら揺らしながら、僕の顔叩き付けた。

【例 文】そのとき私は怒りよりも悲しみのほうが何倍にも勝っていた。

【改善例】そのとき私は怒りよりも悲しみのほうが何倍勝っていた。

【例 文】ふたりで恐怖のあまり抱き合い、しばらく動かなかった。

【改善例】ふたり恐怖のあまり抱き合い、しばらく動かなかった。

●まとめの一言

助詞は、いってみれば顔の表情をつくりだす筋肉のようなもの。また、身体でいえば関節のようなものです。

文章にも筋肉や関節があります。自由自在に動かせるようになっていきましょう。

関連記事→必要な「てにをは」を省いてはいけない

-文章力アップ

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

関連記事

テープ起こしをすると文章力が高まる!!

私の職業はライターです。 仕事の内容は主に、書籍や雑誌の原稿を書くことですが、書くにあたってはまず、人に会ってお話を伺い、そのときに録音させてもらった取材音源を文字起こしすることから始めます。 ↑こう …

文章力/助詞を完璧に使いこなす女子「伊豆の踊子」

「日本語を正確に使いこなせるかどうかは、助詞をどれだけ使いこなせるかにかかっている」 という説があります。 まさしくそのとおりだと思います。 そこで今回は、助詞を使いこなす方法を探ってみようと思います …

文章力/副詞を使って表現すれば、立体感と奥行きが倍増

明快でわかりやすい文を書けるようになると、周囲の人々があなたの意見に耳を傾け、良い反応を示してくれるようになるでしょう。 文章力をつけることにより、仕事も人間関係もうまくいきだす可能性は高いのです。 …

文章力/説明がうまい人は「修飾語」(形容詞・形容動詞・副詞の3点セット)に強い

ビジネス文書ではもちろんのこと、プライベートな文章においても、 「大事なポイントは、ここ!」 と、はっきりわかるように書くことが求められます。 なぜそこが大事なのかを的確に説明できる文にしていきましょ …

文章力/「〜が」「〜ですが」の「が」について

「誰々が、何々だが、何々が、何々したが」というように「が」を繰り返し使うと、会話であれ文章であれ、相手はきっと、聞きづらい(読みづらい)と感じるでしょう。 「が」は助詞のひとつです。 適切な使い方をマ …

2023/06/29

「を抜き」「は抜き」を改善しよう

2023/06/23

「か抜き」言葉を改善しよう

2022/12/01

「お申し付けください」よりも「仰せ付けください」のほうが良いなあ

2022/08/15

男と女の日常茶飯劇

2022/04/01

ライターが習得した速読法

2022/03/30

「十分」と「充分」に違いはある?

2021/12/26

Kindleペーパーバック出版、私もやってみました。

2021/01/19

「XX時からXX時に行きます」という言い方は、変じゃない?

2020/09/07

主語がなくても通じる、日本語の不思議

2020/08/27

チーママ・オーママ/小ママ・大ママ

2020/02/27

表記統一の観点からいうと、「行う」ではなく「行なう」が正しい

2020/02/26

「語尾上げ」しゃべりが癖になっていない?

2020/02/06

TOKYO MXテレビ『5時に夢中!』に出演しました。

2019/11/29

ものの数え方・73選

2019/11/28

馬から落馬・顔を洗顔←重ね言葉はやめよう

2019/11/27

カタカナ語の乱用防止に、この日本語を!!

2019/11/16

「理想」の対義語は□□、「流行」の対義語は□□。

2018/10/18

頭から離れる?離れない? 正しい言い方はどっち!?

2018/09/18

横浜に代々伝わる「ハマ言葉」

2018/09/03

文章構成術/基本フォーマット12種類

2018/03/10

なぞなぞ傑作選・必笑78題

2018/03/09

テープ起こしをすると文章力が高まる!!

2018/03/02

ネガティブなことをポジティブに言い換えるレッスン

2018/02/16

「い抜き言葉」はカジュアルな場面でのみOK

2017/10/03

月の呼称/睦月・如月・弥生・卯月・皐月・水無月・文月・葉月・長月・神無月・霜月・師走

2017/06/02

読点の打ち方を完全マスター!! ①

2017/05/20

文章力/接続詞の乱用禁止!! 大事な場面で効果的に使おう

2017/05/16

文章力/説明がうまい人は「修飾語」(形容詞・形容動詞・副詞の3点セット)に強い

2017/05/05

悪文リライトにチャレンジしてみませんか

2017/05/04

文章力を高める10の行動。すべて試してみる価値あり!

2017/04/30

混じる?交じる? 漢字の書き分けは、頭をやわらかくする知的なゲーム

2017/04/23

先入感?異和感?それって漢字変換ミス? 同音異義語・同訓異字の落とし穴

2017/04/22

「れ足す言葉」は、くどい、しつこい

2017/04/21

「さ入れ言葉」は上品か下品か?

2017/04/20

「ら抜き言葉」はOKかNGか?

2017/04/16

アブない隠語も、正しく覚えれば失敗しない

2017/04/04

ビジネスマナー/尊敬語と謙譲語の使い分け

2017/03/24

日本語の乱れ/あざーす・やばくね? 変な言葉や言い間違いが増えていますね?

2024/04/17

「値上がる」という表現は不適切。名詞を動詞のように使うときは、できるだけ助詞を付けてほしい。

2024/04/15

主語と述語のつながりが微妙にねじれているように感じられる文って、気持ち悪いよ

2024/04/12

「見せる」と「見させる」の違い・「見せて」と「見させて」の違い

2024/04/10

「ご覧になって」の「なって」は省略可

2024/04/09

「万一○○の時は、いつでも力になるよ」、この文はどこか変だと思いませんか?

言葉をたくさん知っていると、話すのも書くのも自由自在。頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!

当サイト「言葉力アップグレード」は言葉の世界を豊かにし、話し方・書き方をレベルアップする技術を紹介しています。どうぞご活用ください。

follow us in feedly