読書感想文

年とったからこそ、じんとくる本

投稿日:2019年12月19日 更新日:

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図書館のリサイクルコーナーにあった本を、母のために持ち帰りました。

『シルバー川柳』という本で、今年88歳の母が読むのにちょうどよいと思ったのです。

狙いは的中し、母はクスクス笑いながらページを繰っていました。

「おかんもシルバー川柳つくってみなよ」

と勧めたら、あっという間に4句できました。

●長生きはしたくないね と飲むビタミン

●探しもの 探し疲れた 手の中に

●またやった と嘆く さみしい ひとりごと

●老後にと 貯えかぞえる 今老後

↑母の日常そのままです。

それをただ思いつくまま書いただけなので、母に推敲ということを教えましたよ~!

よりよい文にするために何度も考え、手を加えることを、私も一緒になってやってみたのです。

母の作はまだまだ精進が必要ですが、今後の励みになればと思い、ここに記しました。

続々とひねってくれますように。

そして、老いのつらさ、悲しさ、さみしさなど、いろいろあっても、すべて笑い飛ばしてほしいと願っています。

『シルバー川柳』

『シルバー川柳』という本はシリーズ化されて、関連書を含めると、2019年現在10冊以上出ています。

社団法人全国有料老人ホーム協会が主催した「シルバー川柳」投稿コンテストの入選作が本になったのですね。

そして、その第1巻は発売後、たちまち27万部突破のベストセラーとなったそうです。(2013年時点)

27万部とは、すごいですね、

これだけ売れたのもよくわかります。

だって、本当にいい作がたくさんあるからです。

シルバーの皆さんとてもお上手で、ユーモアの年輪を感じさせます。

皮肉と諧謔が身上の川柳ですから、「おもしろうて やがてかなしき」ですね。

それこそ「もののあはれ」です。素晴らしいことだと思います!

『シルバー川柳1・2』の中から、母と私が特に笑った句を9つ、紹介させてください。

●振り返り 犬が気遣う 散歩道

●飲み代が 酒から薬に かわる年

●できました 老人会の 青年部

●老の恋 惚れる惚けるも 同じ文字

●妖精と呼ばれた妻が 妖怪に

●注目を 一身に受け 餅食べる

●杖持つと 真似したくなる 座頭市

●オレオレの 詐欺もお手上げ 遠い耳

●厚化粧 笑う亭主は薄毛症

『神坐す山の物語』浅田次郎著

狐憑き、天狗、神隠し、先祖霊など、作家の浅田次郎氏が幼い頃から何度となく耳にした怖いお話。──それは氏の一族に代々伝承される「体験談」で、そうした「実話」を基に、脚色はほんの少し色づけ程度におさえた怪異物語集、それがこの『神坐す山の物語』です。

浅田氏の母方の曾祖父は、験力の強い神官だったんですね。

浅田氏自身も、ちょっとだけ「見える」そうです。

そして、氏語るところの「八百万の神が遍満せる御嶽山」の頂に、江戸時代から続く広大な宿坊があり、それがこの物語の舞台なのだそうです。

その宿坊は今も「山香荘」という名で営まれているとのこと。

いつか行ってみたいような、みたくないような、微妙な感じですが、この本は間違いなく、読んでよかった!です。

たしかな文章で、漢字の使い方もニクいほど的確です。

浅田次郎は「読ませる」作家だと思います。

尊敬しちゃう!

神のお力添えもあるのかしらん?

巻末に、「ロングインタビュー『物語の生まれる場所』」が掲載されています。

インタビューの聞き手を務めた編集者さんも、そうとう力はいってますね。

この一連の話の舞台背景をさらに詳しく、ご自身の言葉で説明なさっています。

「作家 浅田次郎が小説で描く御嶽山の世界観に浸る会」なんていう素敵なツアーも、その編集者さんが企画なさったようですよ。

それにしても、「見える」方って、けっこういらっしゃるんですね。

私の知り合いにも何人かいます。

知り合いの知り合いにまで広げると、さらにその数が増えます。

神社やお寺さんでは、本当に不思議なことが起こるみたいです。

ある方は、見た後には必ず、「かしこみ、かしこみ」と祝詞を唱えるそうです。

「かしこみ」は「畏み畏み」と書くのですね。

畏れ多いものを敬う言葉です。

文藝春秋社の創業者であり、芥川賞・直木賞の設立者でもあった菊池寛氏も、よく「かしこみ、かしこみ」と口にしていらしたようです。

私も文芸の神様に敬意を表し、原稿を書く前に「かしこみ、かしこみ」と唱えるようにしようかな。

●まとめ

今回は、以下の2冊をご紹介しました。

●『シルバー川柳』1・2

●『神坐す山の物語』浅田次郎著

関連記事→読んで泣きそうになった本

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