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言葉のマナー/何にでも「です」をつければ丁寧語になるわけじゃない

投稿日:2017年3月29日 更新日:

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「~だ」よりも「~です」と言ったほうが丁寧な表現になります。

しかし、何にでも「です」をつければいいというものではありません。

たとえば、

「おいしいです」

「おいしかったです」

と言うと、なんとなく幼稚な印象を与えてしまいます。

ではどうすればよいのか。

「おいしくいただいています」

「おいしくいただきました」

とすれば、敬語表現としても適切で、洗練された大人の表現になります。

●楽しいです、うれしいです


「楽しい」「うれしい」といった形容詞に「です」をつけると、「楽しいです」「うれしいです」となります。

過去形ならば、「楽しかったです」「うれしかったです」となります。

↑こういう言い回しを不自然だと感じるのは私だけでしょうか?
どうもしっくりこないのは、日本語としておかしい点があるからではないかと思うのです。

●大きいです、小さいです


国語審議会というところが、昭和27年発表の「これからの敬語」で、次のように示しているそうです。

これまで久しく問題となっていた形容詞の結び方──「大きいです」「小さいです」などは、平明・簡素な言い方として認めてよい。

国語審議会はそう述べているのですが、「大きいです」「小さいです」という表現はどこか据わりが悪くて遣いにくい、と感じている人が少なからずいます。

「です」の前に来てよいのは名詞や代名詞など、活用しない(変化しない)品詞に限られる。

と私は学校で習った覚えがあります。

「それは塩です」というのはOKなのです。

「塩はこれです」というのもOKです。

「です」の前にあるのは「塩」や「これ」で、変化しようのない名詞や代名詞なので、特に問題はないわけです。

●見事です、まったくです、たいしたものです


変化しない品詞といえば、形容詞のほかに、形容動詞があります。

↑たとえば、
「見事だ」に「です」をつけて、「見事です」と言い換えることができます。

副詞も変化しないので、「まったくだ」に「です」をつけて、「まったくです」としておかしくないでしょう。

連体詞も変化しないので、「たいしたものだ」を「たいしたものです」とすることができます。

念のために言っておくと、

「見事だです」

「まったくだです」

「たいしたものだです」

は日本語として明らかにNGです。

●おいしかったです

形容詞は、「白い」「白かった」というように変化するので、「です」の前に持ってくるのは不適切です。

でもこれ↑、誰もがよくやってしまうミステイクなのです。

たとえば人に食事を御馳走になるときは、ただ「おいしい」と言うのではなく、「おいしいです」「おいしかったです」と、「です」をつけて丁寧に表現したくなるでしょう。

↑しかしその表現は、文法的にいって不適切であるばかりか、敬語表現としても不適切で、幼稚な印象を与えます。

これからは、

「おいしくいただいています」

「おいしくいただきました」

と言うようにしてみませんか。

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●思わなかったです


先日、テレビであるタレントがこう言っていました。

「まさかわたしが主役に選ばれるなんて思わなかったです」。

それを言うなら、「思いませんでした」「思ってもみませんでした」でしょう。

「取材の報道陣がとても多かったです」

なんていうのも、変な言い回しです。
この違和感を解消するには、

「報道陣の方が大勢いらっしゃいました」

と言い換えると良いですね。

「報道の方々が大勢、取材に駆けつけてくださいました。ありがたいことだと思っています」

とでも言えば、「言葉遣いがきれいだ」「顔だけじゃなく、頭もいいのね」と視聴者に良い印象を与え、イメージアップになったのに、と他人事ながら残念に思います。

●理由は特にないです


「ないです」という表現は、どうにも据わりが悪くて落ち着きません。

「ないです」ではなく、「ありません」とすれば、ぐっとよくなります。

たとえば、「特に理由はないです」と言う代わりに、「特に理由はありません」と言えばいいのです。
それでじゅうぶんに意図は伝わります。
「特に理由はありませんが、ただこの点が云々」というように、説明を加えるうえでも好都合です。

「ない」を使ったほうが効果的、という場合もあります。

「特に理由はないのですが」

「特に理由はないけれど」

というようにすれば、不自然な語感にならず、「こちらの事情を理解してほしい」という気持ちを強く打ち出すこともできます。

●「舌足らずな表現」を「大人の表現」に

「です」をつけていい言葉、つけてはいけない言葉の区別がつくようにしましょう。
日頃から言葉遣いに気を配り、言語感覚を磨いていくことが大切です。

【例 文】危ないですから塀にのぼらないでください。
【改善例】危険ですから塀にのぼらないでください。

【例 文】まだ気づいていないです。
【改善例】まだ気づいていません。

【例 文】彼の判断は間違っていなかったです。
【改善例】彼の判断は間違いではなかったのです。
【改善例】彼がそう判断したのは間違いではありませんでした。

【例 文】できればそうしたかったです。
【改善例】できればそうしたかったのです。
【改善例】できればそうしたいと思いました。

【例 文】そのようにしたいです。
【改善例】そのようにしたいのです。
【改善例】そのようにしたいものです。
【改善例】そのようにしたいと思います。

【例 文】ありがたかったです。
【改善例】ありがたかったのです。
【改善例】ありがたいことでした。

【例 文】わけがわからないです。
【改善例】わけがわからないのです。
【改善例】わけがわかりません。

【例 文】いろんなです。
【改善例】いろいろです。

【例 文】外が騒がしいです。
【改善例】外が騒がしいようです。

【例 文】みなさん、静かにです。
【改善例】みなさん、お静かに願います。

●まとめの一言


何にでも「です」をつければ丁寧な言葉遣いになるわけではないということ、ご理解いただけましたでしょうか。

「です」をつけてよいのは、活用しない(変化しない)品詞、つまり名詞・代名詞・形容動詞・副詞・連体詞のあとです。

関連記事→ビジネスマナー/目上の方に喜ばれる言葉、嫌われる言い方

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