「ことわざ」というものは日常の会話や文章の中でもよく使われますね。
それは遠い昔から今に伝わる由緒ある事柄で、特に中国の古典に記された逸話から選りすぐって「故事成語」または「故事成句」としたものが語り継がれているようです。
聞いたことはあるけど、意味はよくわからない。ということはありませんでしたか? わざわざ辞書を引くほどではないし……と、そのままにしていませんか?
だとしたら、よい機会ですから、この先を読んでみてください。
これだけは知っておきたい、基本的と思われる「ことわざ」をリストアップします。
ことわざ・故事成句 これだけは知っておきたい・PART2
●怪我の功名(こうみょう)
=何気なくやったことが、偶然に好結果となること。
●光陰矢のごとし
=月日は矢が飛ぶように早く過ぎ去るということ。
●紺屋(こうや)の白袴(しろばかま)
=他人のためにばかり忙しくしていて、自分のことをする暇がないこと。
●ごまめの歯ぎしり
=力のない者がやたらにいきり立つこと。
●転がる石には苔つかず
=何事も腰をおちつけなければ大成できない、ということ。
=絶えず努力を続けている者は停滞することがない、ということ。
●転ばぬ先の杖
=何事にも事前の用心が大切だということ。
●塞翁が馬(さいおうがうま)
=何が幸いか、何が不幸になるか、計り知れないということ。
●先んずれば人を制す
=何でも先手を打つことが大切だということ。
●雑魚(ざこ)の魚(とと)交じり
=大物の中に小物が入り混じると、身分不相応なことになる、という意味。
●さわらぬ神に祟り(たたり)なし
=そもそも関係しなければ害を受けない、ということ。事なかれ主義。
●鹿を追う猟師 山を見ず
=一つのことに熱中して他を顧みる余裕がないこと。同義の言葉に「獣を逐う(おう)者は太山(たいざん)を見ず」がある。
●地獄の沙汰も金次第
=お金の力は万能である、ということ。
●釈迦に説法
=すぐれた者に劣った者が何かを教えようとすること。
●蛇(じゃ)の道は蛇(へび)
=同類には同類のすることが容易にわかる、ということ。
●朱(しゅ)に交われば赤くなる
=人は交わる友によって、善悪いずれにも影響されるということ。
●重箱の隅を楊枝(ようじ)でほじくる
=つまらぬことを細かく詮索したり干渉したりすること。同義の言葉に「重箱の隅を突く」がある。
●小の虫を殺して大の虫を生かす
=大きなことのためには、小さなことを犠牲にするのもやむを得ない、ということ。
●知らぬが仏
=何も知らなければ、苦になることもなく平然としていられる、ということ。
●雀(すずめ)百まで踊り忘れず
=幼いときからの習性は、年をとっても変わらない、ということ。
●水魚(すいぎょ)の交わり
=水と魚のように、切っても切れない親密な間柄をいう。
●捨てる神あれば助ける神あり
=不運ばかりが続くものではない、ということ。同義の言葉に「捨てる神あれば拾う神あり」がある。
●寸鉄人を刺す
=警句や警語で人の急所を突くこと。
●清濁(せいだく)併(あわ)せ呑む
=他人の言行を受け入れる、心の広さがあること。
●栴檀(せんだん)は双葉(ふたば)より芳(かんば)し
=大成する人は、子どものときから並外れてすぐれている、ということ。
●船頭(せんどう)多くして船 山に上(のぼ)る
=指示をする人が多いと統一がとれず、かえってとんでもない方へ物事が進んでいくこと。
●千慮(せんりょ)の一矢(いっし)
=思いがけない失敗のこと。
●袖(そで)振り合うも他生(たしょう・多生とも書く)の縁(えん)
=ちょっとした出来事も、すべて前世からの宿縁による、という意味。
●太山(たいざん・大山とも書く)鳴動(めいどう)して鼠(ねずみ)一匹
=前ぶればかりが大きくて、実際の結果が小さいことをいう。
●他山(たざん)の石
=自分よりも劣っていると思われる人の言行でも、自分の身を修める(自分を高める)ための参考になる、ということ。
●立つ(発つ)鳥 跡を濁さず
=立ち去る者は、あとが見苦しくないように後始末をきちんとするべきである、という意味。
●立て板に水
=スラスラとした弁舌で、淀みがないこと。
●蓼(たで)食う虫も好き好き
=人の好みはさまざまであること。
●血は水よりも濃し
=いざというときに頼りになるのは身内である、ということ。
●忠言(ちゅうげん)耳に逆らう
=忠告は耳に痛い、快くは響かない、ということ。同義の言葉に「良薬は口に苦し」がある。
●提灯(ちょうちん)に釣鐘(つりがね)
=不釣り合いなこと。同義の言葉に「月とすっぽん」がある。
●塵(ちり)も積もれば山となる
=小さな努力もこつこつ積み重ねれば大きな成果が得られる、ということ。
●角(つの)を矯(た)めて牛を殺す
=物事の根本とそうでないもの、重大なこととそうでないものとを見誤ること。
●爪(つめ)に火を灯す
=ろうそくの代わりに爪に火を灯す、つまりはとんでもなくケチであることの形容。
●亭主の好きな赤烏帽子(あかえぼし)
=たとえ異様なものであっても、一家の主人が好むものならば、家族は従うべきであるという意味。
●手が入れば足も入る
=一度気を許せば、ついにすべて侵されてしまう、ということ。