あるとき私は、日本最古の仏教説話集『日本霊異記』というものに興味をひかれました。
それは、あるお坊さんが人々に仏教信心を深めてもらおうと、因果応報や勧善懲悪を説いた話を集めたものらしいのですが、読みようによっては、とてもエロティックで自由奔放だし、とても奇怪な話が多いのだよ〜と聞いたからです。
「霊異記」を「れいいき」と読んでもいいけれど、正式には「りょういき」と読むのだそうです。
作者というか編者は「景戒」という僧侶の方ですが、これは何と読めばよいのでしょう。
「けいかい」? いや、正しくは「きょうかい」と読むのだそうです。
『日本霊異記』は平安時代の書です。
このほかにも奈良時代から江戸時代にかけての日本古典文学は多数ありますが、その書名も作者名・撰者名も難しい字ばかりで、なかなか覚えられません。
ならば一度ちゃんと調べて、メモを残しておこうか。
そう思い立ってやってみたのを、ここで皆さんにシェアしたいと思います。
漢字にルビを付けたので、これでバッチリ読めますね。何かの折に役に立つかもしれません。
日本古典文学と作者(撰者)名
奈良時代
古事記(こじき) 太安万侶(おおのやすまろ)・撰
日本書紀(にほんしょき) 舎人親王(とねりしんのう)ら・撰
万葉集(まんようしゅう) 大伴家持(おおとものやかもち)ら・編
平安時代
日本霊異記(にほんりょういき) 景戒(きょうかい)・編
古今和歌集(こきんわかしゅう) 紀貫之(きのつらゆき)ら・撰
土佐日記(とさにっき) 紀貫之(きのつらゆき)
蜻蛉日記(かげろうにっき) 藤原道綱母(ふじわらのみちづなはは)
枕草子(まくらのそうし) 清少納言(せいしょうなごん)
和泉式部日記(いずみしきぶにっき) 和泉式部(いずみしきぶ)
源氏物語(げんじものがたり) 紫式部(むらさきしきぶ)
和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう) 藤原公任(ふじわらのきんとう)・撰
更級日記(さらしなにっき) 菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)
梁塵秘抄(りょうじんひしょう) 後白河法皇(ごしらかわほうおう)・撰
山家集(さんかしゅう) 西行(さいぎょう)
鎌倉時代
明月記(めいげつき) 藤原定家(ふじわらのていか)
新古今和歌集(しんこきんわかしゅう) 藤原定家(ふじわらのていか)ら・撰
方丈記(ほうじょうき) 鴨長明(かものちょうめい)
金槐和歌集(きんかいわかしゅう) 源実朝(みなもとのさねとも)
愚管抄(ぐかんしょう) 慈円(じえん)
古今著聞集(ここんちょもんしゅう) 橘成季(たちばなのなりすえ)
十六夜日記(いざよいにっき) 阿仏尼(あぶつに)
徒然草(つれづれぐさ) 吉田兼好(よしだけんこう)
室町時代
菟玖波集(つくばしゅう) 二条良基(にじょうよしもと)ら・撰
花伝書(かでんしょ) 世阿弥(ぜあみ)
江戸時代
好色一代男(こうしょくいちだいおとこ) 井原西鶴(いはらさいかく)
日本永代蔵(にほんえいたいぐら) 井原西鶴(いはらさいかく)
世間胸算用(せけんむなざんよう) 井原西鶴(いはらさいかく)
伽婢子(おとぎぼうこ) 浅井了意(あさいりょうい)
貝おほひ(かいおおい) 松尾芭蕉(まつおばしょう)
野ざらし紀行(のざらしきこう) 松尾芭蕉(まつおばしょう)
幻住庵記(げんじゅうあんのき) 松尾芭蕉(まつおばしょう)
笈の小文(おいのこぶみ) 松尾芭蕉(まつおばしょう)
奥の細道(おくのほそみち) 松尾芭蕉(まつおばしょう)
可笑記(かしょうき) 如儡子(じょらいし)
猿蓑(さるみの) 向井去来(むかいきょらい)ら・撰
虚栗(みなしぐり) 榎本其角(えのもときかく)ら・撰
去来抄(きょらいしょう) 向井去来(むかいきょらい)
三冊子(さんぞうし) 服部土芳(はっとりとほう)
源氏物語湖月抄(げんじものがたりこげつしょう) 北村季吟(きたむらきぎん)
曽根崎心中(そねざきしんじゅう) 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
冥途の飛脚(めいどのひきゃく) 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
国姓爺合戦(こくせんやがっせん) 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
心中天網島(しんじゅうてんのあみじま) 近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)
万葉考(まんようこう) 賀茂真淵(かものまぶち)
雨月物語(うげつものがたり) 上田秋成(うえだあきなり)
鶉衣(うずらころも) 横井也有(よこいやゆう)
東海道中膝栗毛(とうかいどうちゅうひざくりげ) 十返舎一九(じゅっぺんしゃいっく)
源氏物語玉の小櫛(げんじものがたりたまのおぐし) 本居宣長(もとおりのりなが)
古事記伝(こじきでん) 本居宣長(もとおりのりなが)
南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん) 滝沢馬琴(たきざわばきん)
浮世風呂(うきよぶろ) 式亭三馬(しきていさんば)
東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん) 鶴屋南北(つるやなんぼく)
おらが春(おらがはる) 小林一茶(こばやしいっさ)
新花摘(しんはなつみ) 与謝蕪村(よさぶそん)
誹風柳多留(はいふうやなぎだる) 柄井川柳(からいせんりゅう)