というのは本当のことです。
私が見聞きした実例を挙げてみます。
笑われた当人はさぞ恥ずかしかったでしょうが、そんなのは知ったこっちゃないのです。
よくぞ笑いのネタを提供してくれた、と感謝しています。
●笑える読み間違い
●奇しくも(くしくも)
偶然にも、不思議なことに、奇跡的にも、といった場合、「奇しくも」という言葉が用いられます。
というように遣います。
人智を越えた大きな力を感じさせるという意味で遣うのですから、変な読み方はしないようにしたいものです。
正しい読みは「くしくも」であって、間違っても「きしくも」などと読んではいけないのです。
●他人事(ひとごと)
「たにんごと」と言う人も多いけれど、正しくは「ひとごと」。
●免れる(まぬかれる)
「まぬがれる」と言う人も多いけれど、正しくは「まぬかれる」。
●水を得た魚のよう(みずをえたうおのよう)
この場合の魚は、「うお」と読み、「さかな」とは読みません。
●あり得る(ありえる・ありうる)
「ありえる」ではなく、「ありうる」と読むのが正しい、という人がいるいっぽうで、「ありえる」と読んでよいとしている辞書もあります。
『明鏡国語辞典』の編集委員によると、
「ありえる」は現代の口語形、「ありうる」は文語形が残って使われているもので、どちらを使っても間違いではない。
現在は、「ありうる」と「ありえる」の二つの語形が共存している状態。
とのことです。
なお、インターネット上で見られる表現では、「ありえる」よりも「ありうる」のほうがやや多いそうです。
↑口語形よりも文語形のほうが優勢だなんて「ありえな~い」という感じですが、学者さんが調べた結果そう言っているので、事実そのとおりなのでしょう。
●身重(みおも)
「身重」(みおも)というのは、妊娠していることを指します。
肥満体の人やダイエットに失敗した人のことを意味するわけではありません。
●乳離れ(ちばなれ)
マザコン男子のことを、
などと揶揄することがありますね。
「ちばなれ」であって、「ちちばなれ」ではないので要注意。
●十把一絡げ(じっぱひとからげ)
「じゅっぱひとからげ」ではなく、「じっぱひとからげ」と読むんですね。
「十把一絡げ」のことを、
と間違って覚えてしまった人がいます。
↑同じ間違えるにしても、「じゅっぱひとからげ」というなら、意味に変わりはないのですが、「いっぱひとからげ」では、いくら考えても意味不明。
その人は、何度訂正してやっても、直す気がないらしいので困っています。
●無理強い(むりじい)
人に無理強いするのはよくないとわかっているのですが、「むりじい」を「むりつよい」なんて誤読されると、私はお尻のあたりがムズムズして黙っていられないのです。
●強面(こわもて)
いかつい顔、人を脅かすようなこわい顔つきをした人のことを「強面」と言うことがあります。
読みは「こわもて」です。
「きょうめん」なんて言ったりすると、感じが出ません。
●間髪を容れず(かんはつをいれず)
「間髪を容れず」とは、
という意味です。
「間 髪を容れず」(かん はつをいれず)」と、「間」と「髪」を区切り、少し間をおいて言うのが正式です。
だが一般的には、「かんはつをいれず」と、ひと続きに読まれることが多いようです。
「かんぱつ」と読むのは間違い。
●二物(にぶつ)
という格言をご存じですか。
美貌も才能も良縁もと願っても、天は一人の人間にそれほど多くの長所を与えるものではないから欲張るな、という意味です。
二物を「にぶつ」と読むのですが、「にもの」なんて言われると、「天は煮物を与えず?」と聞こえてしまいます。
●好々爺(こうこうや)
「好々爺」と書いて「こうこうや」と読みます。
意味は、「善意にあふれた老人、気のいいじいさん」。
じいさんだからといって、「こうこうじい」だの「こうこうじじい」だのと言ったりすると、気のいいおじいさんも気を悪くするかもしれません。
●犬と太
「犬」と「太」はよく似た文字です。
幼い頃は、よく区別がつかずにいました。
今はもう見間違えることはないのですが、友人宅で飼い犬の小屋を見て驚きました。
犬小屋の入口に表札が掲げられ、「犬太」と書かれていたのです。
「けんた」と読むのか。
●若干名(じゃっかんめい)
と貼り紙がしてありました。
と友人は驚いていました
いや、それは「じゃっかんめい」と読むのです。
若干名というのは数名のこと。
教えてあげればよかったかな。
●月極(つきぎめ)
車を停める場所を探していたら、「月極駐車場」と看板があり、
と、運転していた彼氏が言いました。
あのね、月極の意味はわかっているようだけど、読み方間違ってるよ、それは「つきぎめ」と読むの。
なんだか急に別れたくなりました。
●陸でなし(ろくでなし)
「ろくでなし」というのは、何の役にも立たない人のことを指します。
漢字にすると、
「陸でなし」
の二通りの書き方があるのですね。
これは中国由来の言葉で、元来「陸でなし」と書かれていたそうです。
その後、「碌」という当て字がなされたとのこと。
「陸」の字には、気分が平らかなこと、安らかなこと、という意味があります。
気分にムラがあり、ちょっとしたことで怒るような人を「ろくでなし」と言ったのかもしれません。
「陸でなし」を「りくでなし」と読みそうになりますが、語源を知ればもう間違えることはないでしょう。
●天晴れ(あっぱれ)
「あっぱれ」と読むのですが、私の友人はこれを麻雀用語の「てんぱる」の命令形「てんぱれ」だと勘違いしているようです。
●五月晴れ(さつきばれ・ごがつばれ)
梅雨時に見られる晴れ間のことを「さつきばれ」と言います。
「ごがつばれ」と読む場合もあり、これは五月半ば頃の晴天を指すそうです。
それを知らずに私は、「ごがつばれ」と言う人を笑っていました。お恥ずかしい。
●まとめの一言
漢字の読み間違い例は、ほかにもまだまだあります。
ビジネスシーンにおける読み間違い例もありますよ。
引き続き、関連記事をご笑覧くださいませね。