漢字の誤読・言い間違い

難読文字/生憎、軋轢、漁火e.t.c.

投稿日:2023年7月25日 更新日:

この漢字、どう読めばいいのかわからない。スルーしちゃえ。……ってことはよくありますね。
いわゆる「難読文字」というものに出会うと、そうなりがちです。


しかし難読とされる語も、読み方がわかってみると、どれも案外身近な言葉だったりします。
言葉の意味は知っているが、漢字でどう書くのか知らなかった、というだけなんですね。

ここに90種類の難読文字を挙げます。
これは読める、知ってた、という語がいくつもあるでしょう。
知らなかったものも、ありますよね。
それを一度に全部覚えようとせず、2つか3つでも、記憶に留めるようにするとよいのではないでしょうか。

●難読文字90語●

生憎
軋轢
漁火
初陣
云々
皆無
陽炎
曲尺
生粋
境内
還俗
独楽
秋刀魚
時化
羞恥
箴言
清澄
唆す
内裏
土筆
恬淡
茄子
祝詞
一入
河豚
反古
名刹
百舌
夭折
流布
欠伸
行燈
無花果
自惚
貶める
傀儡
風花
落葉松
久遠
夏至
嚆矢
流石
仕種
東雲
情誼
斟酌
寂寥
忖度
黄昏
丁稚
常夏
雪崩
背徳
雲雀
風情
賄う
面子
所以
稟議
陋屋
馬酔木
許嫁
所謂
有無
女郎花
神楽
固唾
如月
玄人
解脱
東風
五月雨
時雨
老舗
熾烈
杜撰
殺生
松明
提灯
天井
就中
長閑
般若
日和
朴訥
土産
目途
浴衣
拉致
歪曲

●正解●

生憎 あいにく (期待や目的にそわず、都合の悪いさま)

軋轢 あつれき (人の仲が悪く、争うこと。不和)

漁火 いさりび (魚を誘い寄せるために夜間、漁船で焚く火)

初陣 ういじん (初めて戦いに参加すること)

云々 うんぬん (引用文あるいはそれに類する一続きの言葉を記し、それ以下を省略したり、ぼかしたりするときに、その末尾に添える語)

皆無 かいむ (まったく無いこと)

陽炎 かげろう (局所的に密度の異なる大気が混ざり合うことで光が屈折し、もやもやとしたゆらめきが生じる現象)

曲尺 かねじゃく (金属製の物差し。直角定規を兼ね、木工・建築で用いられる)

生粋 きっすい (混じりけがなく優れていること)

境内 けいだい (境界の内側。しきりの内部。神社や寺院の敷地の内側)

還俗 げんぞく (出家した者がふたたび俗人に戻ること)

独楽 こま (子どもの玩具の一つ。木や鉄などで円形に作り、中心にある軸を指でひねったり、ひもを巻きつけたりして、投げ回して遊ぶもの)

秋刀魚 さんま (ダツ目サンマ科の海水魚。10月頃のものが最も脂がのって美味)

時化 しけ (海が荒れて不漁になること)

羞恥 しゅうち (はずかしく思うこと。はずべきこと)

箴言 しんげん (いましめとなる言葉。人生の教訓の意味を含めた短い句。格言。金言)

清澄 せいちょう (清く澄んでいること)

唆す そそのかす (その気になるように仕向ける。特に、おだてて悪いほうへ誘い入れること)

内裏 だいり (皇居の古称。御所)

土筆 つくし (早春に出るスギナの胞子茎)

恬淡 てんたん (欲がなく、物事に執着しないこと)

茄子 なす (ナス科の一年草。インド原産で、重要な果菜として古くから栽培される)

祝詞 のりと (神前に奏上する詞(ことば)。その内容は、祭りにより、場所により異なる)

一入 ひとしお (ひときわ。いっそう)

河豚 ふぐ (フグ目ハコフグ科の海産魚。皮膚からパフトキシンと呼ばれる毒を分泌するが、肉は無毒で、食用にされる)

反古 ほご (書画などを書き損じて不用となった紙。役にたたなくなったもの。取消し。無効)

名刹 めいさつ (名高い寺)

百舌 もず (モズ科の鳥。長い尾を振りながらキイキイキチキチと鋭い声で高鳴きをする)

夭折 ようせつ (年が若くて死ぬこと)

流布 るふ (広く伝わること。世に広まること、または広めること)

欠伸 あくび (眠いとき、疲れたときなどに思わず口が大きく開いて息を深く吸い込み、やや短く吐き出す呼吸運動)

行燈 あんどん (昔の照明用具。木、竹、金属製の角形または円形のわくに紙を張り、なかに油皿をおいて火をともす)

無花果 いちじく (クワ科の落葉高木。初夏、卵大の花嚢を生じ、内部に多数の雄花と雌花をつけるが、外からは見えない。熟すと暗紫色になり、甘く、生食のほかジャムなどにする)

自惚 うぬぼれ (実際以上に自分を優れていると思い、得意になっていること)

貶める おとしめる (劣ったものとして軽蔑する。さげすむ。見下す)

傀儡 かいらい (操り人形。他人の手先になって思いのままに使われる者)

風花 かざはな(かざばな) (晴天に、花びらが舞うようにちらつく雪)

落葉松 からまつ (マツ科の落葉針葉高木、高山植物、園芸植物)

久遠 くおん(きゅうえん) (現在からみて遠い過去、または、遠い未来)

夏至 げし (太陽が夏至点を通過する時。毎年6月21日ころ。太陽は最も北=北回帰線上にかたより,北半球では一年中で最も昼が長くなり、南半球では一年中で最も夜が長くなる)

嚆矢 こうし (何かの先がけとなるもののたとえ)

流石 さすが (評判や期待のとおりの事実を確認し、改めて感心するさま。または、あることを一応は認めながら、一方でそれと相反する感情を抱くさま)

仕種 しぐさ (何かをするときのちょっとした動作や身のこなし)

東雲 しののめ (東の空に明るさが、わずかに動く頃。転じて、明け方、夜明け)

情誼 じょうぎ (人とつきあう上での人情や誠意)

斟酌 しんしゃく (先方の事情や心状をよくくみとること。推察すること。ほどよくとりはからうこと。気をつかうこと。手加減すること。控え目にすること。遠慮。ためらい。辞退)

寂寥 せきりょう (ものさびしいこと。ひっそりしていること)

忖度 そんたく (他人の心中やその考えなどを推しはかること)

黄昏 たそがれ (日の暮れかかること。夕闇のせまること。また、比喩的に、盛りが過ぎて衰えること)

丁稚 でっち (江戸時代、商家・職人に年季奉公した年少者)

常夏 とこなつ (いつも夏であること。いつも夏のように暑いこと)

雪崩 なだれ (多量の積雪の急激な落下をいう)

背徳 はいとく (道徳にそむくこと。人倫に反すること。敗徳・悖徳とも書く)

雲雀 ひばり (ヒバリ科の鳥の総称。約75種がほぼ世界中に分布)

風情 ふぜい (風流・風雅の趣や味わい。情趣。情調。また、それを解する心。様子、気配、姿、態度などを指すこともある)

賄う まかなう (費用・人手などを用意する。食事をととのえて出す。事を処理する。切り盛りする。とりはからう。とりしきる)

面子 めんつ (体面、面目。また、ある集まりの参加者のこと)

所以 ゆえん (ある事柄の理由になること。ある事柄に依っていること。また、その、依ってきたるところ。理由。わけ。いわれ)

稟議 りんぎ (上位の人にはかり申しあげること。官庁や会社などで、会議を開くほどではない新事項が生じたとき、主管者が決定案を作成し、関係者間に回して承認を求めること)

陋屋 ろうおく (狭くむさくるしい家。また、自分の家をへりくだっていう語)

馬酔木 あしび(あせび) (ツツジ科の常緑低木。本州・四国・九州の山地の乾燥した所に自生する)

許嫁 いいなずけ (幼少時に家と家とで将来の結婚を約束した間柄、特にその女性のこと。現代では成人後の見合いや恋愛の結果の婚約についてもいうようになり、単に婚約者と同義になっている)

所謂 いわゆる (世間一般にいわれている。また、一般にそうたとえられている)

有無 うむ (あるかないか、また、いるかいないかということ)

女郎花 おみなえし (オミナエシ科の多年草。北海道〜九州の日当りのよい山の草地にはえ、東アジアに分布する)

神楽 かぐら (神をまつるために神前に奏する舞楽。「かみがく」と読む場合には、能楽の舞の一つを指し、「翁(おきな)」でシテの翁が舞う舞)

固唾 かたず (事の成り行きを心配して緊張する時などに口中にたまるつば。「かたずをのむ」の形で用いる)

如月 きさらぎ (陰暦2月の異称。寒さのため、衣を重ねるところから、「衣更着」とも書く)

玄人 くろうと (技芸などに熟達した人。ある一つの事を職業、専門としている人。芸者・ホステスなど、水商売の女性)

解脱 げだつ (インド思想一般および仏教用語で、現世、迷いの世界、輪廻(りんね)などの苦しみから解き放された理想的な心の境地を指す。「かいだつ」と読む場合には、縄などを解いて脱走すること。また、解き放し許すこと)

東風 こち(ひがしかぜ、ひがしふう) (春から夏にかけて吹く東寄りの風。氷を解き、春を告げる風として、「こち」という読みが古来雅語して取り入れられた)

五月雨 さみだれ (陰暦五月頃に降りつづく長雨。また、その時期。つゆ。梅雨(ばいう)。また、断続的にいつまでもだらだらと続くことのたとえ)

時雨 しぐれ (晩秋から初冬にかけて降る雨で、降ったりやんだりするにわか雨、小雨をいう)

老舗 しにせ(ろうほ) (代々続いて同じ商売をしている格式・信用のある店)

熾烈 しれつ (勢いが盛んではげしいさま)

杜撰 ずさん (誤りが多く、いいかげんなこと。ぞんざいで手ぬかりが多いこと)

殺生 せっしょう (生き物を殺すこと。また、特に人を殺すこと。むごいこと。残酷なこと。また、そのさま)

松明 たいまつ (灯火の一種。タケ、マツなどの割り木を手ごろな太さに束ね、その先端に点火し、手に持って照明としたもの)

提灯 ちょうちん (ろうそく用灯火具。螺旋(らせん)状に巻いた割竹(ひご)を骨とし、これに紙を張り、上に口輪、下に底輪をつけて、折り畳みできるようにした日本独特の灯火具。夜間の携行用のほか、屋外の照明・目印としても用いた。形には球形、円筒形、棗(なつめ)形などいろいろある)

天井 てんじょう (屋根裏をおおい隠し、塵よけ、保温のためなどに板を室内の上部に張ったもの)

就中 なかんずく (その中でも。とりわけ)

長閑 のどか (静かでのんびりとして落ち着いているさま。空は晴れ天候が穏やかで、うららかなさま。急がずに気長に構えるさま。気にかけないで、のんきなさま)

般若 はんにゃ (仏教用語で「智慧」の意。また、能面の一つで、二本の角、大きく裂けた口をもつ鬼女の面であり、女性の憤怒と嫉妬を表す)

日和 ひより (海上の空模様。海面の天候。単に空模様や天候を指すこともある。「には」と読む場合は、穏やかな天候、特に、航海に都合のよい天気を指す)

朴訥 ぼくとつ (飾り気がなく話下手なこと。無骨で飾り気がないこと。また、そのさま。「木訥」「樸訥」とも書く)

土産 みやげ (旅先や外出先で求めて、家に持ち帰る品。他人の家を訪問する時に持参する贈り物。遠隔地の産物などを送られた、あるいは入手した時に、近隣の者に裾分けすること。また、その品物)

目途 もくと (めあて。目的)

浴衣 ゆかた (木綿の浴衣地でつくられた単衣(ひとえ)の長着。家庭での湯上がりのくつろぎ着のほか、夏祭り、縁日、盆踊り、夕涼みなどに夏の衣服として着用される。街着にはならないが、夕方の散歩着としては着用する。浴衣は肌襦袢(はだじゅばん)を用いず素肌に着て、素足下駄ばきとし、草履(ぞうり)は履かない。女子は半幅帯を締め、普通の着物よりやや短めに着る。男子は兵児帯(へこおび)を締める。足袋(たび)は履かない)

拉致 らち(らっち) (無理に連れて行くこと。捕えて連れて行くこと)

歪曲 わいきょく (ゆがみまがること。また、ゆがめまげること。事実などをいつわってゆがめること)

以上、90の難読文字でした。
あなたはいくつ読めたでしょうか。
そして、いくつ新たに覚えられるでしょうか。

●おまけ●

「髪がしら」に「松」の文字、「鬆」は何て読む?
音読み:ショウ、ソウ
訓読み:あらい、ゆるい、す

この一文字に「粗い」「隙間がある」という意味があります。
骨粗鬆症(こつそしょうしょう)、軽鬆(けいしょう/軽くて質が粗く、さらさらしていること)といった熟語にこの字が使われているのを見ると、その意味するところがよくわかりますね。

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