皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?
コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。
たとえば、
心臓に毛が生えている。(ずうずうしい、あつかましい、ということ)
尻の毛まで抜かれる。(だまされたりして、財産などを徹底的に絞りとられること)
その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。
「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということだけです。
本来の意味を知らずに、または誤解して、微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいそう。
人前で恥をかくことのないようにしたいものです。
それには、耳で覚え、目で覚えるしかありません。
このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。
読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばいいのか〜」と新たな発見が増していくと思います。
コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めてください。
●「シ」で始まるコロケーション
刺(し)を→通ずる(取り次ぎの人に名刺を渡し、相手に面会を求めること)
師と→仰ぐ
死に→至る
死に→臨む
死に瀕する、とも言います
死を→選ぶ
死を→決する(死ぬ覚悟で、という意味)
死を→賜る(君主などから、切腹を命じられること)
死を→賭(と)す(命がけで、ということ)
死を→早める
資に→供する(資料・材料として提供すること)
資に→恵まれる(素質があるということ)
資を→投ずる
地が→出る
地で→行く
辞を→低くする(丁寧な言葉遣いで相手に敬意を表すること)
思案に→余る(いくら考えても名案が浮かばないこと)
思案に→落ちる(納得できる、ということ)
思案に→暮れる
思案に→沈む
潮が→差す
潮が満ちてくる、とも言います
潮が→引く
紙価を→高める(書評の評判が高く、よく売れていること)
歯牙にも→掛けない(まったく相手にしない、問題にしないこと)
視界が→開ける
視野が開ける、とも言います
視野に→入る
視界を→遮る
視野を→広げる
地金が→現れる
地金が出る、とも言います
屍(しかばね)に→鞭打つ(死んだ人のことを悪く言うこと)
時間が→かかる
時間を食う、とも言います
時間が→迫る
時間に→縛られる(時間に制限があるため、思いのままに行動できないこと)
時間を→稼ぐ
時を稼ぐ、とも言います
時間を→割(さ)く
時間を→費やす
時間を→潰す
士気が→上がる
士気を→鼓舞する
式を→挙げる
式を→立てる(数字や記号を用いて、計算の仕方をあらわすこと)
指揮を→執る
時機に→投ずる
機に乗ずる、とも言います
時機を→失する
機を失する、時機を逸する、とも言います
児戯(じぎ)に→等しい
児戯に類する、とも言います
時宜(じぎ)に→適う
時宜を得る、とも言います
敷居が→高い(相手に不義理をしているため、その人の家を訪ねにくい、ということ)
敷居を→跨(また)ぐ
事業を→興す
次元が→異なる
次元が違う、とも言います
四股(しこ)を→踏む
力足(ちからあし)を踏む、とも言います
時効が→成立する
時好に→投ずる(その時代の好みや流行にうまく一致して、もてはやされること)
地獄を→見る
私財を→投ずる
私財を→なげうつ
思索に→ふける
指示を→仰ぐ
史実に→基づく
事実に→沿う
事実に→反する
事実を→曲げる
辞書に→当たる
辞書を引く、とも言います
私情に→駆られる
私情を→差し挟む
私情を→捨てる
私心を捨てる、私心を去る、とも言います
紙上を→賑わす
紙面を賑わす、とも言います
事情に→明るい
事情に詳しい、とも言います
自縄自縛(じじょうじばく)に→陥る(自分の言動によって、自分自身の動きがとれなくなること)
指針を→与える
指針を示す、とも言います
指針を→失う
自信が→湧く
自信に→満ちる
自信を→覗かせる
紙数が→尽きる(決められた原稿の量に達すること)
死線を→越える(生死を顧みないこと、また、生死の境を切り抜けること)
死線を→さまよう
視線が→合う
視線を→注ぐ
視線を向ける、とも言います
視線を→そらす
視線を外す、目をそらす、とも言います
下から→出る(相手を持ち上げる態度をとること)
下に→居る(座ること、ひざまずくこと)
下に→見る
下にも→置かない(非常に大切にもてなすこと)
舌が→肥える
舌が→長い(おしゃべりであること)
舌が→回る
舌が→もつれる
舌を→出す(蔭で相手をばかにしたり、あざけったりすること)
舌を→鳴らす(軽蔑や不満の気持ちをあらわすこと、または、おいしいものを食べて満足している気持ちをあらわす言葉)
舌を→振るう(喋りまくること、または、非常に驚き恐れること)
舌を→巻く(予想以上の結果にひどく驚き、感心すること)
耳朶(じだ)に→触れる(ちょっと耳に入る、聞き及ぶこと)
耳朶を→打つ(耳に強く響くこと)
下敷きに→する(何かを真似したり手本にしたりすること)
下敷きに→なる
舌鼓(したつづみ)を→打つ(おいしいものを食べて非常に満足すること)
舌を鳴らす、とも言います
下手(したて)に→付く
下手に→出る
下から出る、とも言います
下手を→取る
下取りに→出す
下火に→なる
示談(じだん)が→成立する
地団駄(じだんだ)を→踏む(ひどく悔しがること)
質(しち)が→流れる
質に→入れる
質に置く、とも言います
質に→取る
死中(しちゅう)に→活を求める(絶望的な状況から抜け出す道を探すこと)
死中に生を求む、とも言います
実(じつ)を→取る
実感が→こもる
実感が→湧く
実権を→握る
十指(じっし)に→余る
十指の→指す所(多くの人が正しいと認めること)
十手の指す所、衆目の一致する所、十目の視る所、とも言います
失笑を→買う
失笑を→禁じ得ない
叱正を→仰ぐ
叱正を請う、とも言います
実績を→上げる
失態を→演じる
実弾を→ばらまく(買収の目的で、金をあちこちに配ること)
尻尾に→付く
尻尾を→出す
化けの皮が剥がれる、ぼろを出す、とも言います
尻尾を→掴む
尻尾を→振る
尻尾を→巻く
科(しな)を→作る(上品ぶったそぶりをして気取ること、または媚を売る様子)
死に花が→咲く(立派な死に方をして、死後に誉れを残すこと)
死に花を咲かせる、とも言います
死に水を→取る
篠(しの)を→束(つか)ねる(激しく雨が降る様子)
篠(しの)を→突く(強く激しい雨が降っていること)
鎬(しのぎ)を→削る(ライバルなどと競い合って激しく争うこと)
芝居を→打つ
自腹(じばら)を→切る(必ずしも自分が払わなくてもよい費用を、自分のお金で支払うこと)
身銭(みぜに)を切る、とも言います
慈悲に→すがる
慈悲を→掛ける
慈悲を→請う
慈悲を→垂れる
慈悲を傾ける、とも言います
痺れが→切れる
痺れを→切らす
渋が→抜ける(洗練されること)
渋を→食う(小言を言われること、または、割に合わない目にあうこと)
渋皮が→剥(む)ける(あか抜けて美しくなること)
私腹を→肥やす
腹を肥やす、とも言います
始末が→悪い(扱いに困ること)
始末に→負えない(処置のしようがないこと)
始末を→つける
使命を→帯びる
使命を→果たす
使命を全うする、とも言います
死命を→制する(他人の運命を握ること)
示しが→つかない
紙面を→割く
雑誌の場合は「誌面」と書きます
耳目(じもく)に→触れる(見たり聞いたりすること)
耳目を→集める(多くの人々の関心の的となること)
耳目を→驚かす
耳目を→属(しょく)す(神経を集中させて、十分に見聞きすること)
耳目を→広める
視野が→広い・狭い
視野に→おさめる
斜(しゃ)に→構える(あらたまった態度をとること、または、皮肉な見方やからかいの気持ちをもって臨むこと)
はすに構える、とも言います
尺(しゃく)を→打つ(物差しで長さを測ること)
尺を取る、とも言います
癪(しゃく)に→障る
癇(かん)に障る、とも言います
杓子(しゃくし)で→腹を切る(できるはずがないことのたとえ。また、形式だけのことをすることのたとえ)
杓子は→耳掻きにならぬ(大きいものが、必ずしも小さいものの代わりになるわけではない、ということ)
釈然と→しない
奢侈(しゃし)に→流れる(度を過ぎた贅沢をすること)
車軸を→下(くだ)す(雨が激しく降る様子のたとえ)
車軸を流す、とも言います
借金を→質に置く(無理に金銭を工面することのたとえ)
借金を→踏み倒す
邪念を→抱く
邪念を→払う
三味線を→弾く(相手に調子を合わせて適当なことを言い、相手をごまかすこと)
朱(しゅ)を→入れる(文章などを加筆・訂正すること、または他人の文章を添削すること)
赤を入れる、朱筆を入れる、朱筆を加える、とも言います
朱を→注ぐ(真っ赤になる、真っ赤にする、ということ)
雌雄(しゆう)を→決する(戦って勝負をつけ、優劣を決めること)
祝儀(しゅうぎ)を→弾む
チップを弾む、とも言います
衆口(しゅうこう)が→一致する
収支が→合う
宗旨(しゅうし)を→返る(これまでの好みや主義・主張を、別のものに変えること)
宗旨を→説く
終止符を→打つ
修正を→加える
修正を行う、修正を施す、とも言います
重責を→担う
重責を→果たす
醜態を→演ずる
醜態をさらす、とも言います
重点が→移る
重点を→置く
執念が→実る
執念を→燃やす
秋波(しゅうは)を→送る(色目を使い、相手に気があるということを知らせること)
重箱の→隅をつつく
重箱の隅を楊枝でほじくる、とも言います
愁眉(しゅうび)を→開く(心配事がなくなってほっとすること)
酒気を→帯びる
祝杯を→上げる
趣向を→凝らす
手段を→選ばない
手中に→収める(自分のものにすること、自分の支配下に置くこと)
手中に握る、とも言います
手中に→落ちる(その人のものになる、その人の思うがままになること)
手中に帰する、とも言います
術中(じゅっちゅう)に→陥る(計略にひっかかること)
術中にはまる、とも言います
出費が→かさむ
出費を→抑える
主導権を→握る
主導権を→渡す
修羅(しゅら)の→巷(ちまた)と化す(戦争が行われる血なまぐさい場所となること)
修羅を→燃やす(嫉妬などの感情を強くすること)
修羅場(しゅらば)と→化す(悲惨な場所となること)
修羅場を→演ずる(激しい喧嘩や闘争をすること)
修羅場を→潜(くぐ)る(悲惨で危険な経験をすること)
春秋(しゅんじゅう)に→富む(年齢が若くて、将来が長くあること)
緖(しょ)に→就く(着手すること、着手した物事が軌道に乗ること)
ちょに就く、とも言います
情が→移る
情が→強(こわ)い(意地っ張りで強情であること)
情に→厚い
情に→棹(さお)差す(感情のおもむくままにしようとすること)
情に→流される
情に→ほだされる
情に→もろい
生涯を→送る
生涯を→閉じる
正気(しょうき)に→返る
正気に戻る、とも言います
将棋(しょうぎ)を→指す
常軌を→逸する
衝撃を→与える
衝撃を→受ける
猖獗(しょうけつ)を→極める(病気などの悪いものの勢いが盛んで、猛威を振るうこと)
条件が→揃う
条件が整う、とも言います
条件を→呑む
条件を→満たす
証拠を→挙げる
証拠を→掴む
証拠を握る、とも言います
小康(しょうこう)を→保つ(病状が少し良くなった状態が続くこと)
照準を→合わせる
照準を定める、とも言います
情状を→酌量(しゃくりょう)する
焦燥に→駆られる
正体を→暴く
正体を見破る、とも言います
正体を→現す
本性を現す、とも言います
正体を→失う(正常なときの、しっかりした意識をなくすこと)
掌中(しょうちゅう)に→収める(自分の思いどおりになるように、勢力範囲に取り込むこと)
焦土と→化す
衝動に→駆られる
相伴(しょうばん)に→あずかる(他の人について行って、一緒にもてなしを受けること)
お相伴にあずかる、というように使います
情理を→尽くす(相手の立場や気持ちを考慮しながら、物事の筋道を立てること)
条理に→適う(物事の筋道に適合すること)
職に→就く
職を→失う
職を→解く
職を→奉ずる(その職に従事すること)
食が→進む
箸が進む、とも言います
食が→細い
食を→絶つ
食指が→動く(食欲が湧くこと、また、あることをしたいという気持ちになること)
触手が→動く(あることに働きかけようとする気持ちが起こること)
触手を→伸ばす(あることをしたり、ある物を得たりするために働きかけること)
初心に→返る
初心を→貫く
処置を→講ずる
白(しら)を→切る
白羽(しらは)の→矢が立つ
白旗(しろはた)を→掲げる
兜を脱ぐ、とも言います
尻が→青い
けつが青い、くちばしが黄色い、とも言います
尻が→暖まる(長い間、同じ場所にいること)
尻が温もる、とも言います
尻が→重い
腰が重い、とも言います
尻が→軽い
腰が軽い、とも言います
尻が→来る(苦情が持ち込まれること、関係者として解決するように求められること)
尻が→こそばゆい(きまりが悪くて落ち着かないこと)
尻が→据わる
腰が据わる、とも言います
尻が→長い
座が長い、とも言います
尻が→割れる(隠している悪事が発覚すること)
尻に→敷く
尻に→付く(人の後ろに従っていくこと、配下になること、人の真似をすること)
尻に→火が付く(物事が差し迫ってくることの形容)
尻から焼けてくる、とも言います
尻に→帆を掛ける(急いで逃げ出すこと)
尻の→毛まで抜かれる(だまされたりして、財産などを徹底的に絞りとられること)
尻を→上げる
腰を上げる、とも言います
尻を→押す(他人をけしかけて、行動を起こさせること)
尻を→落ち着ける
腰を据える、尻を据える、とも言います
尻を→絡(から)げる(着物の裾をまくり上げて、帯などに挟むこと)
尻を→たたく(やる気を出すように元気づけること)
発破をかける、とも言います
尻を→拭う(他人の失敗などの後始末をすること)
尻を→捲(まく)る(どうにでもなれと、ふてぶてしく居直ること)
尻を→持ち込む(責任者のところへ問題を持って行き、その処理を求めること)
尻を→割る(隠されていた悪事を暴露すること)
尻足(しりあし)を→踏む(ためらうこと)
尻馬(しりうま)に→乗る
地力(じりき)が→つく(努力により、本当の実力がつくこと)
地力に→勝る(もともと備わっている力や能力が優れていること)
尻毛(しりげ)を→抜く(他人の油断につけこんで、突然に事をしでかして驚かすこと)
尻目(しりめ)に→掛ける(軽視や無視の気持ちで見ること)
尻餅(しりもち)を→つく
時流に→乗る
時流に→抗する
時流に逆らう、とも言います
資料に→当たる
死力を→尽くす(死に物狂いで激しい力を出すこと)
白黒を→つける
白黒をはっきりさせる、とも言います
白星を→挙げる(勝利すること)
白星を→拾う(負けてしかるべきところで、運よく勝つこと)
勝ちを拾う、とも言います
信(しん)を→致す(深く信仰すること)
信を→置く(信頼すること)
信を→問う(自分のことを信用しているかどうかを、相手に尋ねること)
真に→迫る
神(しん)に→入(い)る(人間業とは思えないほど、技術などが優れていること)
陣を→敷く(軍勢を配置すること、ある場所を占めること)
陣を取る、とも言います
真意を→探る
真意を→掴む
真意を→はかる
真価が→問われる
真価を→発揮する
真骨頂を発揮する、とも言います
仁義に→もとる(道徳や礼儀に反すること)
仁義を→切る
新紀元を→画する(画期的なことを成し遂げること)
新紀元を開く、とも言います
新居を→構える
進境が→著しい(際だって進歩すること)
神経に→障る
神経を→すり減らす
神経を使う、とも言います
神経を→尖らす
心血を→注ぐ
人後に→落ちない
引けをとらない、とも言います
親交を→結ぶ
人口(じんこう)に→膾炙(かいしゃ)する(世間の人に広く知れ渡っていること)
心魂(しんこん)に→徹する(堅く心に決めること)
心魂を→傾ける
辛酸(しんさん)を→嘗(な)める(つらい目にあい、苦労すること)
人事を→尽くす(人間の力でできることはすべてやること)
人事を尽くして天命を待つ、というように使います
人事不省に→陥る(昏睡状態になること)
寝食を→共にする
寝食を→忘れる
甚助(じんすけ)を→起こす(嫉妬すること)
人選に→当たる
深窓に→育つ(上流階級の娘が、世の中の汚れに染まることなく大事に育てられて大きくなること)
心臓が→強い・弱い
心臓に→毛が生えている(ずうずうしい、あつかましい、ということ)
進退→谷(きわ)まる(前進も後退もできないような窮地に陥ること)
進退窮まる、とも書きます
心胆を→奪う
度肝を抜く、とも言います
心胆を→寒からしめる(心から震えあがらせること)
之繞(しんにゅう)を→掛ける(事をいっそう大袈裟にすること、程度をいっそう甚だしくすること)
輪を掛ける、とも言います
信念を→貫く
信念を→曲げる
人望が→厚い
人望を→集める
身命を→賭(と)する
身命をなげうつ、とも言います
陣門に→降(くだ)る(戦いに敗れて降伏すること、または、議論した結果、相手の意見を認めてそれに服すること)
陣門に下る、とも書きます
信用に→かかわる
信用を→失う
信用を落とす、とも言います
信用を→得る
人倫(じんりん)に→もとる(人間として守り行うべき道に反すること)
●まとめの一言
日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。
あなたにとって、「これ知らなかった。覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?