皆さんは「コロケーション」という言葉を耳にしたことがおありですか?
それは「連語」のこと。
前の語と後ろの語が結びついて1セットになったものをコロケーションというんですね。
たとえば、「お茶を濁す」。
「お茶を濁す」とは、「その場を適当にごまかすために、いい加減なことを言って逃れること」ですね。
「言葉を濁す」というのは、「はっきりと言わずに、あいまいなままにする」という意味です。
「お茶を濁す」と「言葉を濁す」、この2つは似ているようでも同じではありません。
「お預けを食う」
「奥の手を使う」
というのもコロケーションです。
コロケーションに親しんで言葉の世界を広げ、表現力を高めましょう。
コロケーションを扱うときのルールはただ1つ。
「昔から言い習わしてきたとおりに従う」ということだけです。
これはもう、耳で覚え、目で覚えるしかありません。
このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
これまで知らずにいた言い回しが見つかるでしょう。
読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばよかったのか〜」と発見が増すと思います。
●「オ」で始まるコロケーション
尾を→引く
後(あと)を引く、とも言います
尾を→振る
しっぽを振る、とも言います
お預けを→食う
追い討ちを→かける
追い込みに→はいる
追い込みを→かける
往生際が→悪い
王手を→かける(もう少しで勝利を収める段階になること)
大口を→たたく
大台に→乗る
大台を超える、とも言います
大台を→割る
大立ち回りを→演じる(大げんかをすること)
大鉈(おおなた)を→振るう(思い切った大規模な整理をはかること)
大見得(おおみえ)を→切る
大目玉を→食う
奥の手を→使う
おくびにも→出さない
そぶりにも見せない、とも言います
遅れが→出る
遅れを→とる(相手に抜かれる、相手より遅くなること)
おこぼれに→あずかる
おこぼれをいただく、とも言います
お先棒を→かつぐ(軽々しく、人の手先となって働くこと)
お座敷が→かかる(出席するように誘われること)
お里が→知れる
押しが→利く
押しが→強い
お節介を→焼く
遅きに→失した
怖気(おぞけ)を→震う
お題目を→唱える(口先だけで実質の伴わないことを、さもありがたそうに言うこと)
お題目を並べる、とも言います
お高く→留まる
お茶を→いれる
お茶を汲む、とも言います
お茶に→する(仕事の合間に休憩すること)
お茶を→濁す(いい加減なことを言って、その場を適当にごまかすこと)
男が→廃(すた)る(男としての面目がつぶれること)
男を下げる、とも言います
男が→立つ(男としての面目が保たれること)
男を→上げる(何かを成し遂げて、男としての価値や評価を高めること)
落とし前を→つける
お引き立てを→いただく
お百度を→踏む(頼み事を聞き入れてもらうために、同じ人を何度も訪ねること)
尾鰭(おひれ)が→つく(事実以外のことが加わって、話が大袈裟になること)
お迎えが→来る(死ぬこと、あの世へ行くこと)
お目に→かかる
お目に→かける
お目に→留まる
汚名を→雪(すす)ぐ
汚名をそそぐ、とも言います
汚名を→返上する
汚名を挽回する、とは言いません
お眼鏡に→適う
お目玉を→食う
お目玉を頂戴する、とも言います
思いが→叶う
思いが→募る
思いに→沈む
思いに→ふける
思いを→いだく
思いを→いたす(特にあることを取り上げて考えること)
思いを→凝らす(あることを一生懸命考えること)
思いを→託す
思いを→遂げる
思いを→馳せる
思いを→秘める
思いを→巡らす
思いを→寄せる
思う壺に→嵌(は)まる
重きを→置く(重視すること)
重きを→成す(重要な地位や役職にあること)
面(おもて)も→振らず(脇見もせず一心に、ということ)
面(おもて)を→上げる(下を向いていた顔を上げること)
面(おもて)を→冒す(相手の機嫌を損ねること)
折に→ふれて
折を→見て
折り合いが→いい・悪い
折り合いが→つく(お互いに譲り合って妥協すること)
折り紙を→つける(価値や品質などを保証すること)
折り目→正しい(礼儀や行儀作法がきちんとしていること)
終わりを→告げる
終わりを→全うする(最後まできちんとやり遂げること)
恩に→着る
恩に受ける、とも言います
恩を→仇で返す
恩を→売る
恩を→返す
恩を→施す
恩恵を施す、とも言います
恩恵に→浴する
音頭を→とる
●まとめの一言
「お茶を濁す」とは、「その場を適当にごまかすために、いい加減なことを言って逃れること」ですね。
「言葉を濁す」というのは、「はっきりと言わずに、あいまいなままにする」という意味です。
「お茶を濁す」と「言葉を濁す」、この2つは似ているようでも同じではありません。
こういうのを「似て非なるもの」と言うんですね。
あなたにとって、「これ初めて知った!! 覚えておきたい!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?