コロケーション

「読みが深い」の反対語は「読みが浅い」ではなく「読みが甘い」

投稿日:2019年5月30日 更新日:

皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?

コロケーションとは「連語」のこと。

語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。

たとえば、「読みが深い」「読みが甘い」というのもコロケーションです。

「読みが深い」というのは、先を見通す力が十分にあるということ。

その反対に、「読みが甘い」というのは、分析や見通しが安易で楽観的すぎること。

「読みが深い」の反対だからといって、「読みが浅い」とは言いません。

「浅い」ではなく「甘い」と表現するのだということを知っておくとよいですね。

コロケーションを数多く知っていると、言葉の世界が広がり、表現の幅も広がります。

その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。

コロケーションを口にするなら、もしくは書くなら、「昔から言い習わしてきたとおりに従う」というルールを守りましょう。

本来の言い方とは微妙にズレた言い方をすると、「あの人は言葉の使い方を知らない。教養がない」と笑われてしまいます。

人前で恥をかくことのないようにしなければ!!

このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。

あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかるでしょう。

読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばいいのか」と新たな発見が増していくと思います。

●「ヨ」で始まるコロケーション

●世が→世なら=昔のように栄えている状況であったなら。その人にとって都合のよい時代であったなら。という意味。

●世に→逢う=時流に乗って栄えること

世に入れられる、とも言います

●世に→聞こえる=世間の評判になる、という意味

●世に→出る=世間に知られる、出世する、という意味

●世を→挙げて=世の中の人すべてが、という意味

●世を→送る=暮らしていく、という意味

世を渡る、とも言います

●世を→去る=死ぬこと

●世を→忍ぶ=世間の目を裂けて隠れること

●世を→捨てる=出家すること。または、俗世間を避けて独りで静かに暮らすこと。

●世を→すねる=我を張って、世間に世を向けること

●世を→嘆く=俗世間のあり方を悲しみ憤ること

●夜(よ)も→日も明けない=それがないと、少しの間も過ごせない、ということ

●夜(よ)を→明かす=徹夜する

●夜(よ)を→徹する=一晩中寝ないで、あることをする、という意味

●夜(よ)を→日に継ぐ=昼夜の区別なく、休まずに続けること

●夜(よ)を→更(ふ)かす=夜遅くまで起きていること

●酔いが→醒める

●酔いが→回る

●用が→足りる=それで十分に役に立つ、間に合う、ということ

●用に→立つ=役に立つ、使い途がある、ということ

●用を→足す=用事を済ませる、または、大小便をする、ということ

●用を→なさない=役に立たない、使い途がない、ということ

●容疑が→掛かる=悪事を犯したのではないかという疑いが身に及ぶこと

●容疑が→固まる

●容疑が→晴れる

●様相を→帯びる=そのような有様になること

様相を呈する、とも言います

●要点を→かいつまむ

●要点を→掴む

●要領が→いい・悪い=手際がいい・悪い

●要領を→得ない=物事の肝心な点がわからない、ということ

●欲が→深い=ある物を非常に欲しがったり、あることを非常にやりたいと思ったりする気持ちが強いこと

●欲に→目がくらむ=欲望のために、正常な心を失うこと

●欲も→得もなく=欲得や損得勘定をする余裕もなく、という意味

●欲を→言えば=今でも十分であるが、さらに望むとすれば、という意味

●欲を→かく=必要以上に欲しがったり、したがったりすること

欲を出す、とも言います

●欲を→張る=欲深い行いをすること

●欲の皮が→突っ張る=非常に欲が深いこと

●横に→なる=体を横たえること

●横の物を→縦にもしない=ものぐさで、何もしないことのたとえ

●横を→向く=反対したり無視したりすること

●横紙を→裂く=無理を通す、横暴なことをする、ということ

横紙を破る、とも言います

●横車を→押す=道理に合わないことを、無理に押し通そうとすること

●横手を→合わせる=うまくいったときや、はたと思い当たったときなどに、思わず両手を打ち合わせること

横手を打つ、とも言います

●予算を→組む

予算を立てる、とも言います

●余喘(よぜん)を→保つ=絶えそうな命を、かろうじて長らえていること。また、滅びそうなものが、かろうじて続いていること。

●涎(よだれ)を→垂らす=ひどく羨ましく思ったり、欲しがったりする様子のこと。または、ひどく空腹なときなどに、非常にものが食べたくなること。

涎を流す、涎が出る、とも言います

●予断を→許さない=前もって、こうであると判断することができない

●予防線を→張る=失敗することや非難されること、または攻撃されることを防ぐために、あらかじめ対策を講じること

●読みが→当たる=推測したとおりになること

●読みが→甘い=分析や見通しが安易で楽観的すぎること

●読みが→外れる=推測したとおりにならないこと

●読みが→深い=先を見通す力が十分にあること

●読みを→誤る=局面がどう変化するかという先の見通しを間違えること

●縒(よ)りを→戻す=関係を元の状態にすること

●弱音を→吐く

音を上げる、悲鳴を上げる、弱音を吹く、とも言います

●弱みに→つけこむ=相手の隙や弱点をつかんで、自分のために利用すること

●弱みを→握る

●弱みを→見せる=自分の弱点を、相手にわからせること

●まとめの一言

コロケーションって便利ですね。

その一言があれば、くどくど説明しなくても伝わります。

●横紙を裂く=無理を通す、横暴なことをする、ということ。「横紙を破る」とも言います。

●横手を合わせる=うまくいったときや、はたと思い当たったときなどに、思わず両手を打ち合わせること。「横手を打つ」とも言います。

●余喘(よぜん)を保つ=絶えそうな命を、かろうじて長らえていること。また、滅びそうなものが、かろうじて続いていること。

↑この3つを私は今回初めて知りました。

このようにして言葉を知れば知るほど、話すのも書くのも自由自在になっていきます。

頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。

仕事や人間関係にも、きっと良い影響があるでしょう!!

関連記事→「埒があかない」と「埒もない」の微妙な違い

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