部外者でいいから、誰かにエスコートしてほしい。
私は仕事上、お取引がある会社の創業○周年記念パーティや、誰々さんの○○賞受賞祝賀会など、大々的なお祝いの場に参加させてもらったことが何度となくあります。
会場となるのはたいていホテルのレセプションルームですが、レストランを貸し切って、ということもありました。
プライベートにおいても、冠婚葬祭、同窓会、忘年会、新年会など、多くの人が一堂に会する場に出かける機会はいろいろとあります。
皆様もきっとそうですよね。
そういうとき、「ひとりで行くのはあまり気が進まないなあ」ということがありませんか?
特に、立食形式のパーティにひとりで参加するのは勇気がいりますね。
行った先でどなたか知り合いの方を見つけ、連れだって行動できるといいのですが、「ずっと一緒にいようね」と約束したわけではないので、その方にとってより親しい知り合いが現れると、「じゃ、またね」と、そちらに鞍替えされてしまう、ということがよくあるのです。
置き去りにされたほうは格好がつきません。
周囲のみんなは誰かしら相手がいて楽しそうにおしゃべりしているのに、自分だけひとりぼっち。「誰かいないかなー」と会場をウロウロするのも、いかにも物欲しそうでみっともない。やだなー。
と自分を卑下して、用意されたご馳走に手を出すのも、なんとなくはばかられるような気がしてしまいます。
それは自意識過剰だよ、誰もあんたのことなど見ていないよ、と言われるかもしれません。
でも実際、おおぜいの中にポツンとひとりでいるのは手持ち無沙汰で、なかなかつらいものがありますよ。
のこのこ出かけてきたことが悔やまれます。
そうなるともう、「主催の方々を見つけてさっさとご挨拶をし、さっさと帰ろう」ということになってしまいます。
だけど本当は、せっかくお招きいただいたのですから、この場をもっと楽しみたいのです。
「ああ、こんなとき、ずっとそばについていてくれる素敵なエスコート役がいたらどんなにいいだろう」と痛感させられます。
それは男女問わず、誰しも願うことではなかろうかという気がします。
恋人にパーティのエスコート役を頼まれたら、ぜひ引き受けて。
パーティのお誘いを受け、「ぜひ参加したいけれど、ひとりで行くのはちょっと気がひける」という場合は、恋人に同伴してくれるよう頼み、主催の方にも「友人と一緒に参加させていただきたいのですが、よろしいでしょうか」と、お伺いを立ててみるとよいですね。
それが立食パーティならば、一人くらい人数が増えたってお料理が足りなくなるなんていうことはありませんから、主催者は快くOKしてくれると思います。
着席でお料理をいただくパーティの場合も、二人分の会費を支払うことにすれば、誰に迷惑がかかることもないでしょう。
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恋人に「今度のパーティ、一緒に行ってほしいの」と頼まれたら、「いいよ」と即答してさしあげるとよいですね。
そうすればきっと、「あなたという人がいてくれて本当によかった」と感謝感激されるでしょう。
パーティ会場でのエスコートは、それほどむずかしいものではないと思います。
とにかく離ればなれにならないこと。これさえ守っていれば大丈夫です。
あとは、男性が女性のためにドアを開けるとか、クロークにコート類を預けるときは男性が女性に手を貸すとか、ふだんのデートのときと同じです。
ただちょっと心配なのは、誰一人として顔見知りのいない場に連れ出されるわけですから、「誰この人?」という目で見られて多少は居心地の悪い思いをするかもしれないという点です。
そんなときも堂々として、リラックスした笑顔でいてください。
もしも恋人が紹介の労を執ってくれなかったとしても、それはきっと、そうする必要はないと判断したからです。
恋人のお披露目が目的でパーティに出席するわけではないので、知り合いに紹介することもあればしない場合もある、それでいいのだと、あらかじめ承知しておいてください。
立食パーティに同伴するときは、その前と後のエスコートが肝心。
パーティに出席する目的は、「お招きありがとうございます」と主催者に感謝の気持ちを示すこと、そして知り合いに会ったらしばし歓談すること、ですよね。
お料理やお酒がたくさん用意されているはずなので、それを楽しむことも目的のひとつと言えないこともありませんが、会費の元をとるぞとばかりに飲み食いに夢中になるのは、あまり格好のいいものではありません。
殊に立食パーティの場で、人と話しもせずに食べてばかり飲んでばかりというようでは、「マナーのなっていない人」と見なされます。
といって、空腹のまま無理に笑顔をつくって人と歓談するのは苦痛です。
ですから、パーティ会場に入る前に、ちょっとサンドウィッチをつまんでおくとか、おにぎり、または蕎麦の一杯でも食べて、お腹を満たしておくのがよいと思います。
恋人のエスコート役を引き受けたなら、そのあたりの気遣いもしてあげるようにするとよいですね。
少し早めに家を出て、カフェかどこかに立ち寄ってから会場入りすることを提案してみましょう。
そしてパーティ終了後もまた、軽く食事ができる店へ誘ってみましょう。
人がおおぜい集まるパーティでは、どうしたって気が張りますから、その緊張をといてふたりだけで食事をすることができると、よりいっそうありがたく感じられます。
そういう「くつろいだひととき」「ほのぼのとした気分」を用意してあげることもまた、エスコート役の大事な仕事ですね。
【今回のまとめ】
●恋人が「ひとりでパーティに行くのは気が進まない」と思っているようなら、同伴エスコートを申し出てみよう。
●「一緒に行ってくれる?」と言われたら、即座に快諾しよう。
●会場では、とにかく離ればなれにならないこと。
●恋人のお披露目が目的でパーティに出席するわけではないので、知り合いに紹介してもらえなかったとしても気にしない。
●パーティの前と後に、ふたりだけでくつろいで食事を。