暮らし歳時記

秋は衣替えと洗濯、魚の干物づくりに絶好

投稿日:2017年9月12日 更新日:

年間を通じて最も雨量が多いのは何月?

答えは、なんと9月です。

続いて雨が多いのは10月、なのだそうです。

「梅雨時よりも9月〜10月のほうが、よく雨が降る」

と言われても、信じない人もいるかもしれません。

しかし、「東日本太平洋側では、梅雨の時期よりも秋雨の時期のほうが降水量は多い傾向にある」と気象庁広報誌に記載されていますので、事実そのとおりなのでしょう。

ただし、九州の福岡に焦点をあてると、月降水量が最も多いのは7月です。
これはやはり、日本列島のうちでも南方へいくほど梅雨時の降水量が多いということですね。

●「秋渇き」という言葉を知っていますか

私が住んでいるのは東日本太平洋側なので、9月〜10月には、雨がしとしと降り続くことがよくあります。
いわゆる「秋の長雨」というやつですね。

とはいえ、秋はどちらかというと快適で過ごしやすいシーズンだと思います。

雨の日が続いてジトジトすることもありますが、そのいっぽうで、からっと晴れ上がって爽快な気分にさせてくれる日も多いのです。
均してみると、秋は湿度が低めで過ごしやすい、といえそうです。

夏の蒸し暑い日は、空気1立方メートルあたりに水蒸気が平均20グラムほど含まれているそうです。
これに対して、10月は約10グラムですから、約半分です。

湿気が少ないおかげで、秋は身体の調子がよくなっていくのですね。
夏に食欲が進まなかった人も、体調が整う秋にはよく食べられるようになるでしょう。

それをうまく言い表したのが、「秋渇き」という言葉です。

「秋渇き」の「渇」という字には、「渇望する」「強く求める」という意味があります。

秋になると身体が食べ物を強く欲するので、いろいろなものがよりおいしく感じられる

ということです。

●「秋乾き」という言葉もあります

「秋渇き」という語から派生した、「秋乾き」という言葉もあります。

秋は空気中の湿度が低いので、洗濯物がよく乾く

という意味ですね。

ただし、雨の日は湿度が高まるため、洗濯物を干すには向きません。
天気予報をチェックして、秋晴れの日をねらって干すようにしましょう。

ここでちょっと、話は脱線します。

「洗濯物が乾きやすい天気を見計らって、干すようにしましょう」

という文があったとします。
これ読んで、あなたはどう感じましたか。
何か変だなと思いませんでしたか?

「干しましょうっていうけれど、何を干すのだろう」

と私は疑問に思いました。

むろん、洗濯物を干すのだろうと、察しはつくのです。
でももしかすると、アジの開きを干して一夜干しを作ろうという意味かもしれないなあ、なんて考えたりもしてしまうのです。

「洗濯物が乾きやすい天気を見計らって、洗濯物を干すようにしましょう」

とすれば、誤読することはまずありません。

けれど、1つの文に「洗濯物」という語が2度も出てくると、しつこい感じがしてしまいます。

ですからここは、「が」と「は」の使い分けに留意して、次のようにすると良いのではと思うのです。

「洗濯物は、乾きやすい天気を見計らって干すようにしましょう」

↑「洗濯物が」の「が」を「は」に換えるだけで、誤読を防ぐことができます。

●夏の土用よりも、秋の土用のほうがよく乾く

アジの一夜干しの話が出たついでに、干物の話をもう少し続けてみましょう。

アジ、さんま、たちうお、まいわし、さば、いずれも秋から冬は脂がのって、おいしくなります。
生の刺身をいただくときの食感は何とも言えず旨いものです。

生の対極である「干物」の旨さも、また捨てがたいものです。

魚から余分な水分を抜くことにより、旨味成分が濃縮され、味わいが増すのですね。

秋の土用、つまり10月後半~11月初めは、魚の干物を作るのにうってつけの時期だとされています。
新鮮な魚を入手し、自分で干物を作ってみましょうか。
家庭でも意外と簡単に調理できるようですよ。

【魚の干物の調理法】

●魚を水洗いして汚れを取り去ります。

●魚の表面についた水分を拭き取ります。

●魚に包丁を入れ、「開き」にします。

(片方に中骨を付けた、二枚おろしが良いでしょう)

(一夜干しの場合は、中骨を取って三枚おろしにすると良いようです)

(魚屋さんにお願いして「開き」にしてもらうのも良いと思います)

●濃度10〜15%の塩水を作ります。

(塩1に対し、水10〜15の量ですから、なめてみるとけっこうしょっぱい味がします)

●作った塩水に、魚を20~30分浸けこみます。

(白身魚には薄めの塩水、青魚には濃いめの塩水を)

(大ぶりで脂が多そうな魚は濃いめの塩水に浸け、60分程度漬けこむと良いでしょう)

●魚を塩水から取り出し、平らなザルなどに載せて、風通しの良い場所に置きます。

(ザルに並べるとき、魚の皮の側を下にし、身の側を表にすると良いようです)

●基本的に、夕方に干して朝に取り込みます。

(風がない日はよく乾かない場合もありますが、朝の直射日光にしばらく当てると、ほぼ完全に乾きます)

●魚の表面がすっかり乾燥したら出来上がりです。

●強火の遠火で焼くことにより、魚の余分な脂が抜け落ち、よりおいしくなります。

●七輪に焼き網を載せ、その上で魚を焼くと、最高においしく仕上がります。

●魚脂に炎が当たって発火し、魚を焦がしてしまうこともあるので、「うちわ」などであおいで、素早く炎を消すようにしましょう。

●キッチンのガス台で焼く場合は、弱火か中火でじっくり焼き上げると良いようです。

●焼き網やグリルは前もって十分に加熱し、温度を上げておくと、焦げ付きを防止することができます。

●小田原のカマスは絶品、との噂

アジ、さんま、たちうお、まいわし、さばの干物もいいけれど、カマスという魚を開き干しにして焼いたものは、秋の味覚として殊に人気が高いようです。

カマスは暖流圏の魚で、北の海にはいません。
太平洋岸ならば相模湾から西、日本海側は富山県以西と、その生息圏は限られています。
古くから、「小田原のカマス」が有名ですね。

カマスを生のまま塩焼きにすると、やや水っぽい感じがしますが、干物にするとぐんと味が良くなります。
同じ干物でもアジの開きなどよりも格上とされ、熱海や箱根あたりの温泉宿で朝餉にカマスの干物が出たら、その宿は一流と見なされたそうです。

干したカマスを焼いて身だけをむしり、ワカメの表面を軽く火であぶったものをもみほぐし、その両方を炊きたての熱いご飯に混ぜこんで握り飯にするという調理法もあります。
「つまみの御料」といって、古来京都御所の行事食の一つとされている、由緒ある食べ物だそうです。

栗ご飯、茸ご飯、銀杏ご飯など、さまざまな種類の炊き込みご飯をひととおり味わった後は、ぜひ一度、干しカマスとワカメを使った「つまみの御料」を携えて紅葉狩りに出かけてみましょうか。

●まとめの一言

秋の長雨といいますが、私が思うに、多くの人にとって「秋はすっきり爽やか」「一年で一番充実した季節」というのが生活実感なのではないでしょうか。

秋は食べ物がおいしい。
深まりゆく秋の街並みは枯れ葉が舞ってロマンチック。
美術展や音楽鑑賞会など文化的なイベントが盛んに行われて楽しみが増える。

──と、秋はいいことだらけです。

そのせいでしょうか、雨の日が続いても、そんなことはすぐに忘れてしまうんですね。

食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋。

秋の味覚を満喫し、適度に運動をして、いつも以上にたくさんの本を読もうと私は思っています。
皆様もどうぞよい秋をご堪能ください。

関連記事→10月31日ハロウィーンには、幸せを呼ぶ魔法の呪文を唱えたい

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