皆さんは「コロケーション」って何のことかご存じですか?
コロケーションとは「連語」のこと。
語と語を結びつけて作られた、ひと続きの言葉です。
モノにする
たとえば、「モノにする」というのもコロケーションです。
「思いどおりに手に入れる」ということです。
気に入った異性をナンパしていい感じの関係を結ぶ、という意味で使われることが多いようですね。
仕事やその他の活動(学問、研究、創作)において、硬派の意味で使われることもあります。
「この研究を、なんとかモノにしたい」というのは、
「苦労は承知のうえで、なんとしても目的にかなった形にするぞ」と言っているわけですね。
「独学で英語をモノにした」といえば、
「自分のやり方で英語を習得し、役に立つレベルまで達した」と言っているのです。
●物にする=思いどおりに手に入れる、目的にかなった形にする、習得して役に立つレベルにする
●物になる=ひとかどの人物になる、または、狙いや目的にかなったものとなる
●物ともしない=問題にしない、相手にしない
↑この3つを混同しないように気をつけましょう。
ふだんよく聞くコロケーション
このブログでは、日常よく使われるコロケーションを紹介しています。
あなたがこれまで知らずにいた言い回しがきっと見つかりますよ。
読めば読むほど、「そうか、こういうときはこう言えばいいのか」と新たな発見が増していくと思います。
コロケーションを数多く知っていると、言葉の世界が広がり、表現の幅も広がります。
その場の状況に応じて、コロケーションを適切に使っていけるとよいですね。
「モ」で始まるコロケーション
●喪が→明ける=近親者が亡くなって社交的な行動を慎むべき一定の期間が終わること
●喪に→服する=近親者が亡くなって社交的な行動を慎むこと
●モーションを→かける=相手に働きかけること
●目測(もくそく)を→誤る=目分量でざっと見積もったものを量り違えること
●目礼を→交わす=目と目で違いに挨拶をかわすこと
●元が→切れる=原価または元値よりも安い価格になること、または、資金がなくなること
●元の→鞘(さや)に収まる=仲違いして別れた者同士が、元の親密な関係に戻ること
●元も→子もない=すべてを失って、それまでの努力が無駄になること
●元を→取る=採算が合うようにすること
●元手が→かかる=資金を必要とすること
●物が→わかる=物事の道理や人情など、わけがわかっていること
●物とも→しない=問題にしない、相手にしない、ということ
「物ともせず」というように使います
●物に→する=思いどおりに手に入れる、目的にかなった形にする、習得して役に立つレベルにする、という意味
●物に→なる=ひとかどの人物になる、または、狙いや目的にかなったものとなること
●物を→言う=言葉を発すること、または、効果をあらわすこと
「学歴が物を言う」というように使いますね
●物を→言わせる=効果をあげさせる、役に立たせる、ということ
あの人は金に物を言わせて名声を得た、というように使いますね
●物思いに→沈む=あれこれと思い悩むこと
物思いにふける、とも言います
●門に→入(い)る=弟子入りをする、入門する、ということ
●門を→叩く=人の家を訪ねること、または、弟子入りを頼むこと
●門戸(もんこ)を→閉ざす=物事を禁止する、または制限すること
●門戸(もんこ)を→なす=一家または一門または一派をなすこと
●門戸(もんこ)を→張る=一家を構えること、または、住居を壮大にして見栄を張ること
●門戸(もんこ)を→開く=禁止または制限していた物事や人の出入りを自由にすること
●問題に→ならない=明らかに劣っているので比較の対象にならない、取り上げる価値がない、ということ
取るに足りない、とも言います
●問題に→なる=非難されるべきこととして取り上げられること
●まとめの一言
日本語には数多くのコロケーションがあります。
言葉の文化が豊かだということですね。
しかし、正確に覚えるのはなかなか大変です。
本来の意味とは微妙にズレた言い方をすると、「あの人は教養がない。言葉の使い方を知らない」と笑われてしまいます。
人前で恥をかくことのないように、適切なコロケーションを身につけましょう。
コロケーションを扱うときのルールはただ1つ。
昔から言い習わされてきたとおりに従う
これだけです。
当ブログが少しでもお役に立つなら幸いです。
あなたにとって、「これ覚えておこう!!」と思うコロケーションはいくつありましたか?
言葉を知れば知るほど、話すのも書くのも自由自在になっていきます。
頭を整理しながら自分の思いや考えを的確に伝えられるので、いつも気分よく過ごせます。
仕事や人間関係にきっと良い影響があるでしょう!!