言葉エッセイ

書く仕事人/ライターの日々一喜一憂

投稿日:2020年8月28日 更新日:

【文章力の伸び悩みをブレイクスルー】

「日頃からメールやSNSを活用しているので、文章を書くことには慣れている。でも今ひとつ自信がもてない」

「書くことは苦手ではないし下手でもないと思うけど、レベルアップできる方法があるなら知りたい」

──内心そうお考えの方は多いようです。

「書けば書くほど上達する」というのは嘘ではありませんが、毎日書き続けても、さしたる進歩が見られないという、いわゆる停滞期にはまることって必ずあるんですよね。

でも大丈夫。伸び悩みをブレイクスルーする良い方法があります。

それは、他人が書いた文章を書き直してみること。

なんとなく読みにくい、と感じる文があったら、どこをどう直せばより読みやすくなるかを考えてみてください。

紙とペンを用いずに、頭の中で文を組み立て直すだけで良いので、いつでもどこでもできます。

新聞、雑誌、書籍の中にも、読みづらく理解に苦しむ文は散見されます。

理解できないのは自分がばかだから、なんて思わずに、「こういうわかりづらい文を書く人のほうこそ頭が悪いんだ」と強気の姿勢でリライトに臨んでください。

リライトという作業は、さほどむずかしいものではありません。

自分の欠点には気づかなくても、他人の欠点はやたらと目につきます。そこをいじって、ちょっと手当てをしてやるといいのです。

他人の文をリライトすることを繰り返していると、いつしか驚くほど筆力向上し、一読でスッと伝わる明晰な文が書けるようになっています。

他人のふり見て我がふり直せ、という言葉どおりの好結果を素早く得られるわけです。

【リライト仕事に潜む意外な可能性】

書籍原稿の校正やリライトをさせていただくと、紙面(PCの場合は画面)が真っ赤になります。朱入れ箇所が多いからです。

それを著者さんに見ていただき、ご了承を願うのですが、そのまますんなりOKを頂戴できることもあれば、著者さんがあれこれ加筆修正をなさることもあります。

そうなると、とりまとめ役の編集者さんは大変です。「なんで最初からそう書いてくれなかったのよ~」と言いたくなるでしょうね(言えないけど)。

リライト担当の私としては、ちょっと嬉しい。

リライト文を読んだ著者さんの頭の中で、言いたいことの言語化がより進んだ、と感じるからです。

ライターが著者に会って取材インタビューをしなくても、読者に伝えるべきメッセージを引き出すことはできるのだと、新たな発見をしたようでウキウキ気分になります。

【書評サイト「BOOK WALKER」「honto」に、ほんとにありがとう】

拙著『言いたいことが伝わる上手な文章の書き方』に寄せられた読者レビューをあらためて拝読しています。

甘口もあれば辛口もあり、いずれも真摯に受け止めます。

意外だったのは、アマゾンだけでなく「BOOK WALKER」や「honto」というサイトにも多数のレビューが掲載されていることです。

私ぜんぜん知らずにいました。

今はじめて気づいて感謝感謝。ありがとうございます。

https://bookwalker.jp/ded32726d9-b40c-4717-83e6-bcd9af105811/

https://honto.jp/netstore/pd-book_27557706.html

【Amazon読者レビューに反論したい】

拙著『言いたいことが伝わる上手な文章の書き方』はAmazonレビュー16本を頂戴し、うち13本は星5つという好成績です。

ところが最近、なんと星2つの辛口コメントをいただいちゃいました。

そのレビュアーさんの主張は筆者にもよく理解できます。

要するに、初歩的なことばかり説かずに、もっと高度な文章術を教えられるもんなら教えてみろよ~ということだと思うのです。

高度な文章術については、またの機会にたっぷりさせていただくとして、このレビュアーさんがお書きになった文の一部がとーっても気にかかりました。

【レビュー原文】

(『言いたいことが伝わる上手な文章の書き方』という本が)1500円とは言え、帰り道のローソンでデザートいくつ選べたよ、ってお話でございます。

こういう悪文は放っておけません。

Amazonレビュー欄は著者がレスポンスできる仕組みになっていないため、当ブログで反論を述べさせていただきます。

【リライトしましたよ】

たかが1500円とはえ、これを買わなければ帰り道のローソンでデザートいくつ選べたよ、って話でございます。

「いくつ」と「いくつも」──たった一文字の違いで意味は大きく変化するのです。

文章術の基本を忘れてはいけませんよね。

基本をしっかりとおさえ、自由に使いこなせるようになってこそ、くずす、遊ぶなどの応用をすることができます。

拙著はそのあたりのことを詳しく解説しておりますので、できればどうぞ再読をなさって、今後にお役立ていただきたいと存じます。

追記

「帰り道のローソンでデザートいくつ選べたよ」とするなら、意味するところが読者に伝わります。

どーだ、わかったか!!

関連記事→商業出版のすすめ

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