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ビジネスパーソン必見!! 熟語・慣用句・格言の誤用or書き間違い

投稿日:2017年5月3日 更新日:

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多くの言葉を用いずに、ただ一言で的確に言い表すことができたらいいなあ、と思いませんか。

できます!!
熟語・慣用句・格言を積極的に遣うようにすればいいのです。

たとえば──

「むだ話などをして仕事を怠ける」ことを「油を売る」と言います。

「疲れ切ってどうにもならない状態」を喩えて、「あごを出す」と表現します。

慣用句を用いれば、くどくど書かなくても、一語で説明がつきます。
簡潔、かつ的確な文になり、読んで心地良いものです。

ただし、「誤用」or「書き間違い」をすると逆効果になるので要注意です。

どのような語に気をつけるべきか、例を挙げていきます。

●出る釘は打たれる?


能力や才能が抜きんでている者は、とかく人に嫉妬され、憎まれることもあります。

差し出たことをする者は、

「あいつ、いい気になりやがって」

「よけいなことをしやがって」

と、人から非難されます。

そんな状況にぴったりなのが、

「出る杭は打たれる」

という言葉です。
「出る杭」であって、「出る釘」ではないので要注意。

●毒を盛って毒を制す?


悪を滅ぼすために別の悪を利用することを、

「毒をもって毒を制す」

といいます。

これは、誰もがわりとよく口にする言葉だと思うのですが、正しく書き表すことができるかどうか、ちょっと心許ないという気もします。

「毒を盛って毒を征す」

なんて書いている人はいませんか。
悪いやつに毒物を飲ませて退治する、早い話が殺しちゃう、という物騒な意味になってしまいますよ〜。

正しくは「毒を以て毒を制す」です。

●目が座る?

「あんた、かなり酔ってるね。目がすわってるよ」

「仕事に就いても、腰がすわらずにすぐ辞めてしまう」

「こうなったら、腹をすえて仕事に取り組むぞ」

「大胆なことをするやつだなあ。さすが、肝がすわってる」

なんていうこと、よくありますね。

そういうときは、「すわる」を「座る(坐る)」と書かずに、
「据わる」と書きます。

「腹が立つ」ことはあっても、「腹が座る」ことはないのですね。

同様に、目・腰・胆も、それ自体がどこかに座るということはありません。

「座る」ではなく「据わる」と書けば、
ある位置にどっしりと落ち着いて安定するという意味になります。

●胸先三寸?


言いたいことがあっても心に秘めたまま、あえて言わずにおくことを

「胸三寸に納める」

といいます。

「胸三寸」を「胸先三寸」と言ったり書いたりする人もいますが、それは「胸三寸」と「舌先三寸」を混同しているために、誤った表現になってしまったのでしょう。

「舌先三寸」

というのは、「舌先三寸で金をだまし取る」というように、口先だけでうまく相手をあしらうことを指します。

「舌先三寸」を「舌三寸」といっても間違いではないのですが、「口三寸」「口先三寸」という言い方はしません。

それにしても、「舌三寸」と「舌先三寸」は同じ意味なのに、どうして「胸三寸」と「胸先三寸」ははっきり区別されているのでしょう。

そもそも、三寸って何?

三寸といえば一寸の3倍のことですね。
かね尺で約9センチ、鯨尺で約11センチになるのだそうです。
要するに、三寸くらいのものといえば、短いとか薄いとか狭いとかいう意味になるらしいのです。

そこから、「胸三寸」という言葉ができたようです。

胸、つまりは心の中なんてものは狭いものだけれど、言いたいことも言わずに封じ込めておくくらいのことはできますよ。

という意味で、「胸三寸に納める」といったのでしょう。

対して、胸先はみぞおちのあたりのことを指し、みぞおちが短いとか薄いとか狭いとかいうような言い方はしません。

だから、「胸三寸」という言葉はあっても、「胸先三寸」という言葉は辞書に載っていない、つまり正式の言い方ではない、ということなるわけです。

●割れ鍋(破れ鍋)に閉じ蓋?

人それぞれ、自分にふさわしい相手(配偶者)がいるもので、世の中うまくしたものだなあ。

と言いたいときに遣える便利な言い回しがあります。

「割れ鍋(破れ鍋)に綴じ蓋」(われなべにとじぶた)

というのです。

「割れ鍋」と書いてもよいし、
「破れ鍋」と書いてもよい、とされています。
いずれの場合も、読み方は「われなべ」です。

これを私は長年、「割れ鍋に閉じ蓋」だと思い込んでいました。
正しくは「綴じ蓋」ですが、
私は「閉じ蓋」と書いてきたのです。
私の間違いでした。

よく考えてみれば、私の書き方「割れ鍋に閉じ蓋」というのは、話が矛盾しています。
↑ひびが入って水漏れするようになった鍋も、蓋をして閉じてしまえば使用に堪える、なんてことにはなりませんものね。

ひびが入った鍋には、ひびを綴じるための修理が必要で、蓋もきちんと繕い直してこそ使い物になります。

↑そうか、だから「閉じ蓋」ではなく「綴じ蓋」と書くのだな。と、今ようやく気づきました。

「割れ鍋(破れ鍋)に綴じ蓋」(われなべにとじぶた)

いい言葉ですね。

「どんなだめ男(だめ女)にも、それに見合った相手がいる」

「似たもの同士が一緒になるとうまくいく」

という意味のほかに、私はちょっと深読みしたりもしています。

「エキセントリックな性格の人、つまり壊れかけた人には、いったん壊れたけれど頑張って立ち直った経験のある強い女(または男)をあてがうといい」

という意味もあるのではないでしょうか。

「割れ鍋(破れ鍋)に綴じ蓋」(われなべにとじぶた)。
実に含蓄のある言葉です。

●まとめの一言


熟語・慣用句・格言は、はるか昔から遣われています。

そのため、ちょっと古くさいと感じがする、ということがあるかもしれません。
年寄りが遣う言葉、と思っている人もいるでしょう。

どうぞ、昔の言葉を毛嫌いしないでくださいね。

より多くの言葉を知り、頭の中にストックしておくと、日常のあらゆる場面で役立ちます。

たとえば、「言うことがころころ変わる人」「方針を変えてばかりいる人」のことを、
「朝令暮改」
と一言で言い表すことができます。

「朝、命令したことと、夕方に命令することがまるで違う」

という意味です。

ここぞという場面で、

「あの人は朝令暮改だから」

と言えば、
「へえ、そんな言い方もあるのか。知らなかった」
「うまい表現だね」
と周囲は感心してくれるでしょう。

熟語・慣用句・格言を自由自在に遣えるようになると、「素敵!! デキる!! 頭いいね!!」と言われちゃうのです。

関連記事→「お世辞」と「社交辞令」はどう違う?

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