言葉エッセイ

活字文化の水準とクォリティを保つために心がけたい2、3のこと

投稿日:2017年5月10日 更新日:

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電子書籍は、出版社の介入がなくても成り立ちます。

殊に、無名の個人が電子書籍を出す場合は、出版社の編集者が介在することはほとんどありません。

電子書籍の著者と読者はダイレクトにつながっています。
本の取次会社や書店など、流通機構を通しません。

だからスピーディで安価です。

紙やインクを使わないので省資源化につながります。

↑皆さん、そう認識していることと思います。

しかし、

出版物の制作過程において編集者が不在だと、どんなデメリットが生じるか

という点を意識している人はほとんどいないでしょう。

私自身も、

編集者なんかいなくても本を出せる。

と喜んでいたくちです。

しかし今は考えを改めました。

どう改めたのか、ちょっと聞いていただけますか。

●編集者不在のデメリットを強く意識する


書き手にとって、編集者ほど熱心な読み手はいません。

編集者が忌憚のない意見を聞かせてくれるおかげで、著者は自分のおおよその力量を推し量ることができます。

そう思うと、いろいろと反省点が見えてきます。

●反省点1
「読者が求める水準に達するものを提供する」という意識が必要

紙の書籍ならば、編集者による篩い分け、つまり質を淘汰する仕組みが有効に作用するので、出版物全体のクォリティが保たれます。

かたや電子書籍の世界では、編集者不在のまま事が進行するので、玉石混淆、カオスに近い状態となっていきます。

作品を電子書籍化することは誰にもできるのですが、己の力量を顧みず、やたらと出版していいというものではないでしょう。

↑それは読者に対して失礼な行為です。

読者が求めているのは、磨き上げられた玉(高水準・高クォリティの商品)です。

玉を探しているのに、石(低水準・低クォリティの商品)しか見つからないとしたら、そんな魅力のないマーケットに足繁く通ってくれるわけがありません。

誰もが手軽に自分の作品をアップロードできるのは素晴らしいことですが、その手軽さが仇となって、電子書籍全体のイメージダウンを招く恐れもあります。

私は、活字文化のイメージダウンやレベルダウンにつながるようなことはしたくないと思っています。

無料配信のブログやメルマガならば許されても、

有料配信するからには、一定の水準に達していることが必要なのです。
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●反省点2
編集者の視点で見て、「没」にすることも必要

電子書籍を出版するならば、著者は編集者の役割を自ら果たさなければなりません。

それは時と場合により、自分の作品を自ら没にすることも辞さない、ということです。

作品に自信を持てないときは、潔く「没」にしたほうがいい。

と私は思っています。

そうでないと、たださえ玉石混淆の電子書籍市場に、またひとつ石を増やすことになってしまうからです。

●反省点3
「推敲」と「修正」をもっと重要視するべき

どうしても出版したいなら、自信を持てるまで、

何度でも書き直すしかありません。

私はイラストや写真に関しては門外漢なので、文章に関することのみ述べさせていただきますが、

書き直して以前よりも悪くなるということはまずない。

と言って間違いないのです。

直しを重ねることで、確実に筆力がレベルアップします。

筆力アップに伴い、読む能力も向上します。

その時々の自分の書く力・読む力において、「これなら大丈夫だ」と自信を持って世に送り出せるものだけを電子書籍にする。

↑私は自分にそう課しています。

●まとめ


活字文化の水準とクォリティを保つために、というといかにも偉そうに聞こえてしまいますが、私もプロのライターとして日頃から心がけていることがあるんですよということについてお話しさせていただきました。

私の場合は、作品がいくら不出来だからといって、自ら没にするのはあまりにも惜しいので、

よし、私自身が納得のいくまで、何度でも書き直してやる。

ということになります。

大幅に書き直す箇所もあるので、当初とはまるで違う原稿になっていくこともあります。

そのようにしてベストを尽くした後は、

これが今の私にとって最高の出来!!

と認め、ブログ記事や電子書籍にするという運びです。

電子書籍化して数年経過したものを今あらためて読み返すと、

うわあ、なんて下手なのだろう。

と恥ずかしくなります。

今ならもっと上手に書ける。

という思いもあります。

それでも、その作品はその時点での私の最高レベルだったのですから、あえて手直しはしないことにしています。

電子書籍という形にして公開した時点で、

作品は作者の手を離れ、一人歩きしていくもの、そうあらねばいけないもの。

と私は考えています。

下手とか未熟とか、読む価値があるとかないとか、そうしたすべてのことは読者の判断に任せるほかないのです。

だからこそ、

作品を独り立ちさせる前にできるだけのことをする。

というのが私のやり方です。

関連記事→クリエイティブな推敲をしよう

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