読書感想文

芥川賞or直木賞受賞の、気になる作家・気になる小説

投稿日:2019年12月18日 更新日:

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私はどちらかというと古い小説を読むことが多く、最近の若い作家のことはほとんど知りません。

たまに芥川賞受賞作を読む程度で、直木賞まではとても手が回りません。

今回ここにご紹介するのも主に、芥川賞受賞作です。

2019年上半期芥川賞『むらさきのスカートの女』今村夏子。

今日はまず、その話からはじめたいと思います。

『むらさきのスカートの女』今村夏子著

芥川賞受賞作は通常、受賞後に、『文藝春秋』に掲載されます。

私の友達の一人は、この作品が受賞する以前に刊行された単行本を持っていて、芥川賞が決定したその日、私に「読んでごらん」とプレゼントしてくれました。

そして私は2時間かからずに読了。

全編を通じて淡々とした筆致で、わかりやすい文章でした。

しかし小説の核心はわかりにくい!難解です!

「狂気と紙一重の滑稽さ。変わりえぬ日常。〈わたし〉が望むものとは?」

と帯にありますが、その答えをまるで思いつきません。

先に読んでいる友達は「これで芥川賞?最後の10頁だけは面白かったけど、あとは全然」と。

私はその最後の10頁でわけがわからなくなりました。

わけがわからないというのは、不気味です。

どうやら最後の10頁が肝のようです。

この作品の〈わたし〉というのが誰なのか。

〈わたし〉は一人なのか複数なのか。

そして、どの場面はどのような〈わたし〉の視点から語られているのか。

──〈わたし〉という存在の謎が残って消化不良です。

芥川賞選評を読めば何かわかるかなと思って、掲載号の文藝春秋を予約し、その到着を待っているところです。

〈わたし〉の正体が気になります。誰なんだよ~!

ちなみに、この作家さんはとても若いんですね。

デビュー作「こちらあみ子」は文芸誌に掲載されているのを読み、わけもなく面白いと感じた記憶がはっきりと残っています。

そこにハマった愛読者は多いみたい。

さて、続いては、最近の若い作家さんのものではこんなの読みました〜という話をさせていただきます。

『みみずくは黄昏に飛びたつ』川上未映子×村上春樹

私、村上春樹の小説はちょっと、というか、かなり苦手です。

エッセイ『走ることについて語るときに僕の語ること』や『職業としての小説家』は面白く拝読しました。

それから、村上春樹さんは物語と深層心理との深いつながりについて、臨床心理学者の河合隼雄さんと対談した本があり、あれも面白かった~

で、この対談集(というよりもインタビュー集)を読んでみようと思いました。

春樹さんが『騎士団長殺し』を書き上げた後に行われた対談だそうです。

対談相手の川上未映子さんについては、私は芥川賞受賞作『乳と卵』を拝読したのみで、あとは「文芸誌によく掲載されてるな~」と、ぼんやり見ていただけ。

しかし、なかなかやり手のようです。

「わたし、賞の獲り方知ってるんです」と某所で豪語していたそうですよ笑。←(意地悪な言い方しちゃってごめんなさい)

この本では、川上未映子さんって誠実だなあと好感をもちました。

対談をなさるにあたり、春樹さんの作品を幅広く、深く読み込んでいたのだと感じました。

春樹さんも、あとがきでそう述べていました。

それに、川上未映子さんは聞き上手だと思います。

だからこそ、読み応えのある対談集になったのですね。

ところで、書名の『みみずくは黄昏に飛びたつ』って、どういう意味でしょう。

みみずくはフクロウと同じ?

フクロウは、知恵の女神(ミネルヴァ)の従者とされているそうです。

ヘーゲルの言葉に、こんなのがあります。

「ミネルバのふくろうは迫り来る黄昏に飛び立つ」

「ミネルバのふくろうはしぐれて飛び立つ」

世の中が乱れたときにはうまい解決策を出す英智を人間は持っているのだ。という意味のようです

『輝く夜』百田尚樹著

百田尚樹氏は『海賊とよばれた男』で本屋大賞を受賞し、「本屋大賞は直木賞なんかよりもはるかに素晴らしい、文学賞の中で最高の賞だ」とおっしゃったそうです。

そんな百田尚樹氏の手による「心温まる奇跡のショートストーリー集」を、私も読んでみました。

お友達がクリスマスにプレゼントしてくれたのです。

書名は『輝く夜』です。

私はどの話で泣くかな~と楽しみにしながら、バスタオルを用意して読み始めました。

第3話にやられました。

二十歳で死んでいくガン患者さんが末期の夢の中で、あと50年を生きる話です。

↑みんながそうできたらどんなに素晴らしいだろう、と切実に思いながら読了しました。

『ジヴェルニーの食卓』原田マハ著

『愚かものたちのタブロー』で、2019年第161回直木賞候補になった作家さんです。

本書 『ジヴェルニーの食卓』 は、マティス、ドガ、セザンヌ、モネ、といった有名画家それぞれの、世に知られざる逸話を掘り起こし、19世紀末のパリの空気を纏ってリアルに語る筆致が見事です。

史実に基づくフィクションって、面白いですね~!

ぐいぐい引き込まれました。

楽しい読書でした!

この本に関連のありそうな情報を検索していったところ、大山崎山荘という私設美術館には、モネの『睡蓮』ほかさまざまな絵画が展示されていることがわかりました。

庭に蓮の池もあるそうです。

追記

原田マハ『楽園のカンヴァス』も面白かった!

キュレーターでもあった原田マハさんの美術小説を、今後も愛読させてもらいマハ。

『パンク侍、斬られて候』町田康著

処女小説「くっすん大黒」で文壇デビュー、2000年に小説「きれぎれ」で第123回芥川賞を受賞しています。

その町田康が現代語訳した今昔物語や宇治拾遺物語がとても面白かったので、本作も期待いっぱいに読み出しました。

時代ものなのに、「だってじゃねえよ、甘えてんじゃねえよ」なんて、ぶっちゃけたセリフが次々に飛び出し、ぶっ飛んだ感じがいいですねえ。

●まとめ

今回は、以下の5冊をご紹介しました。

●『むらさきのスカートの女』今村夏子著

●『みみずくは黄昏に飛びたつ』川上未映子×村上春樹

●『輝く夜』百田尚樹著

●『ジヴェルニーの食卓』原田マハ著

●『パンク侍、斬られて候』町田康著

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