リテラシー向上

文章力の勝利!! 国語が「できる」ようになった子は他の科目も成績が伸びる

投稿日:2017年5月30日 更新日:

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15歳の国際学力調査「読解力」の育成に課題──と題するニュースをお読みになった方は多いでしょう。

以下、2016年12月6日の各紙記事を基に、内容を要約しました。

『世界各国の15歳の子どもの学力を測定した国際学力調査の結果が公表された。

この国際学力調査はPISAと呼ばれ、OECD=経済協力開発機構が世界の子どもたち(15歳)を対象に、科学と数学、それに読解力を測定するため、3年に一度実施している。

今回の調査には、日本の高校1年生、およそ6600人を含む、世界72の国と地域の子どもたちが参加し、先日、その結果が公表された。

それによると、日本の子どもたちの学力は、「科学」は538点で順位は2つ上がって2位、「数学」は532点で順位は2つ上がって5位と、いずれも世界トップレベルだった。

しかし、文章や図表から情報を取り出して文章にまとめる「読解力」は前回より22点低い516点で、順位も4つ下げて8位となった。

科学と数学も、記述式の問題の正答率が低かったことから、「読解力の育成には根拠をもとに論理的に考えて意見を述べられるようにする教育が必要だ」と専門家は指摘している。

文部科学省はいわゆる「ゆとり教育」を見直し、教える内容や授業時間数を増やしたほか、理科の実験を重視するなど、授業の改善を進めてきた。

その効果があって科学や数学の学力は向上したが、読解力を伸ばすことはできなかった、という事実が明らかになったといえる。』

●学校では試行錯誤


生徒たちの読解力向上を目指して、各地の学校でさまざまな試行錯誤が続いているようです。

東京・立川市の立川第七中学校では、全学年で週に3回ほど、生徒に新聞記事や説明文を読ませ、そこから重要な情報を取り出して要約させる取り組みをしているとのことです。

生徒に与えられる時間は約10分間。
まずは文章の中から、

「いつ、どこで、だれが、何を、どのように、なぜ」5W1H

の情報を抜き出します。

その情報をもとに、100文字ほどの文章にまとめていきます。

↑こうした取り組みにより、当初はほとんど文を書けなかった生徒も次第に文章力をつけ、100文字ほどの文章なら難なく書けるようになっていったそうです。

ある女子生徒はこう語っていました。
「作者の主張を探しながら読むことができるようになり、初めて目にする文章でも戸惑うことがなくなりました」と。

文章を分析して要旨をまとめることは読解力の基本です。
読解力が向上すると、理科・社会・数学といった他の教科のテキストを読んで理解する力も高まります。

現に、先述の東京・立川市の立川第七中学校では、数学の応用力を測るB問題の成績が東京都の平均よりも高くなったということです。

●5W1Hを明確に


人間の知的活動は、言語なしでは成り立ちません。

人間は言語によって思考しています。

思考力の根本となっているのが国語力で、国語力を磨くことが、国語という学科の役割です。

もし国語力が著しく低くて、教科書の日本語の文章が読み解けないのなら、どの学科の勉強もお手上げでしょう。

↑教科書を読んでも理解できない、試験問題を読んでも何を問われているかがわからない、ということになっていくわけです。

まずは国語をマスターする。これが大切なのですね。

しかし、同じ日本人であっても、どうしても日本語をうまく操ることができない人というのも少なからずいます。

長々としゃべるばかりで要領を得ず、何を言おうとしているのかさっぱり伝わらない、ということもあるので、困ってしまいます。

学生だけでなく、私たち大人も、リテラシー(読み書き能力)を高めていくことが必要ですね。

「いつ、どこで、だれが」という情報(5W1H)

が明確に伝わらない書き方・話し方をしていると、

「ああ、この人の思考には深い霧がかかっているんだろうなあ」

と思われてしまいます。

5W1Hを明確に伝えられる人は、

「頭がいい。この人になら大事な仕事を任せられそうだ」

と思わせ、信頼を勝ち取ることができます。

私たちも立川第七中学校の生徒さんたちに倣って、週に少なくとも3回は、新聞を読みながら5W1Hの情報を整理し、文の要約をしてみるとよいのではと思います。

社説を読むときは、

「これを執筆した人の主張はどこに書かれているのだろう」

と探しながら読んでみましょう。

そして、「記事の要点をまとめるとこうなる」と頭の中で要約していくとよいのです。


新聞をただ読むだけではもったいない。
記事を要約しながら読むことを習慣づければ、脳によい刺激となります。

↑読解力が高まるのはもちろんのこと、思考力・表現力・説得力・伝達力・交渉力といった、さまざまな能力が高まっていきます。

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●リテラシー(読み書き能力)を基礎から鍛え、底上げする方法


言葉に関する決まり事(ルール)、つまり文法を意識して書くようにすると、言いたいことがきちんと伝わる文章になります。

ただ、文法というと、どうしても堅苦しいお勉強といった感じがしてしまいますね。

「主語」「述語」「接続詞」「形容詞」など、ふだんあまり使わない言葉が出てくるので疲れてしまうということもあるでしょう。

それでも、一度きちんと向き合ってみれば、さほど難しいものではないと感じられるようになります。

以下に、文法用語の定義と用法をリストアップしました。

日本語の文法にはどのような用語が用いられているかを見るだけでも、リテラシー向上におおいに効果があります。

文法用語など、日常生活で使われることはほとんどありませんが、頭の中で文を組み立てるときには、誰もがそれとなく意識しているはずです。

そこから一歩進めて、できるだけ文法用語に親しむことをおすすめします。

一度頭に入れてしまえば、あとは楽勝です。

●文法用語の定義と用法

●文語

文を書く際の言葉遣い。書き言葉。

●口語

口頭での言葉遣い。話し言葉。

●文語体

平安貴族階級の口語(中古日本語)をもとに形成された書き言葉の様式。原則として歴史的仮名遣いで書かれ、口語体とは異なる語彙や文法を持つ。

●口語体

言文一致運動を経て成立した、現代的な文語(書き言葉)。

●文節

文を構成する一単位。

例:「私は」「文筆家です」「原稿を」「書いています」
↑「 」内の一つひとつが文節です。

●文

句点から句点までの一続きの書き言葉。
(句点とは「。」のこと)

●文章

文が集まり、ひとまとまりの内容を表したもの。

●段落

文章を内容によって分けた、ひとまとまりの部分。

●文脈

文の脈絡。その文が書かれた「状況」「前後関係」「背景」。

●句点

文の終わりに打たれる約物。マル「。」

●読点

文の途中の区切りに打たれる約物。テン「、」

●主語

「何が」「誰が」などを表す語。

●述語

「何だ」「どんなだ」「どうする」などを表す語。

●名詞

物体・物質・人物・場所など、具体的な対象を表す語。

●動詞

動作や状態を表す語。

●形容詞

(主に) 名詞の性質や状態を表す語。

例:「おいしい」「おいしければ」「おいしかろう」

●形容動詞

形容詞と同じく、名詞の性質や状態を表す語。

例:「静かな」「静かだ」「静かなら」「静かである」

形容詞と形容動詞の違い

・形容詞は、「楽しいだ」「楽しいである」のように「~だ」「~である」とすることができない。

・形容動詞は、「妙だ」「静かである」というようにすることができる。

●代名詞

人・事物・場所・方向などを指し示す語。

例:「わたし」「ぼく」「きみ」「あなた」「こいつ」「そいつ」「あいつ」「どいつ」「これ」「それ」「あれ」「どれ」「ここ」「そこ」「あそこ」「どこ」「こちら」「そちら」「あちら」「どちら」

●数詞

数量や順序などを表す語。

例:「一番」「二つ」「三人」「いくつ」

●連体詞

(主に) 名詞を修飾する語。

例:「あの」「我が」「いわゆる」「大きな」「小さな」「おかしな」「たいした」

●副詞

(主に) 動詞、形容詞、形容動詞を修飾する語。

状態を示す 例:「のんびりと」

程度を示す 例:「とても」

推量を示す 例:「おそらく」「きっと」(呼応→「だろう」)

打消を示す 例:「決して」「少しも」(呼応→「ない」)

願望を示す 例:「ぜひ」「どうか」(呼応→「たい」「ほしい」)

疑問を示す 例:「なぜ」「どうして」(呼応→「か」)

打消推量を示す 例:「まさか」「よもや」(呼応→「まい」「ないだろう」)

比況を示す 例:「まるで」「ちょうど」(呼応→「ようだ」)

仮定を示す 例:「もし」「万一」 (呼応→「ても」「ば」「なら」「たら」)

●接続詞

文や文節をつなげる語。

順接 例:「だから」「それで」

逆接 例:「けれども」「しかし」「ところが」

並列 例:「および」「ならびに」(対等の関係にあることを示す)

累加 例:「また」「さらに」「そのうえ」(別の物事をつけ加える)

説明 例:「つまり」「すなわち」(前の文脈を言い換える)

選択 例:「または」「もしくは」(複数の中からいずれかを選ぶ)

転換 例:「ところで」「さて」(話題を換える)

●感動詞

感動、呼び掛け、応答を表す語。間投詞、感嘆詞、嘆詞とも言う。

例:「ああ」「おお」「まあ」「やれやれ」「おい」「こら」「さあ」「そら」「うん」「はい」「いいえ」「こんにちは」「こんばんは」「さようなら」「おはよう」(ございます)「よいしょ」「ほいきた」

●助動詞

語に意味を添える語。
「です」「ます」「れる」「られる」「せる」「させる」「たい」「たがる」「そうだ」「ようだ」「た(だ)」「だい」「ぬ(ん)」「らしい」「う」「よう」「まい」

↑以上の18語。(用法については次項で)

●助詞

語と語の関係を示したり、意味を添えたりする語。

(助詞は、助動詞あるいは接尾語などとともに「てにをは」と呼ばれる。)

(↑漢文の読み下しの補助として漢字の四隅に付けられた「ヲコト点」を左下から右回りに読むと「てにはを」となることに因る。)

●修飾語

名詞、動詞、場合によっては形容詞や副詞に付いて、その状態や動作、意味内容などを説明するために用いられる語の総称。

●敬語

話し手(書き手)が、聞き手(読み手)や話題にする人物に対して敬意を表す表現。丁寧語・尊敬語・謙譲語の3種類がある。

●日本語の品詞いろいろ


日本語の単語は、その文法的な機能や形態などによって、さまざまな品詞に分類されます。

名詞・動詞・形容詞・形容動詞・代名詞・数詞・連体詞・副詞・接続詞・感動詞

↑上記は、それ単独で文節を構成できるので、自立語のグループに分類されます。

使い方の例を挙げてみます。
名詞─────女だ。
動詞─────歩いた。
形容詞────美しい。
形容動詞───見事だ。
代名詞────それだ。
数詞─────三番目だ。
連体詞────たいしたものだ。
副詞─────かなりだ。
接続詞────しかし、だ。
感動詞────ああ、さようなら。

自立語のグループに対して、それ単独では文節を構成できない付属語のグループがあります。助動詞・助詞 です。

●助動詞のいろいろ

断定

「~だ」「~です」

丁寧

「~(し)ます」

受身・尊敬・可能・自発

「~れる」「~られる」

使役

「~せる」「~させる」

希望

「~(し)たい」「~たがる」

樣態・伝聞

「~(だ)そうだ」

推定・比況・例示

「~(の)ようだ」

確認・過去・完了・存続

「~(し)た」「~だ」

否定

「~(し)(で)ない」「~ぬ」「~ん」

推定

「~らしい」

勧誘・推量・意志

「~う」「~(し)よう」

否定の推量・否定の意志

「~(す)まい」

●助詞のいろいろ

格助詞

「~が・~の・~を・~に・~へ・~と・~から・~より・~で」

並立助詞

「~の・~に・~と・~や・~やら・~か・~なり・~だの」

終助詞

「~か・~かしら・~な・~の・~とも・~ぞ・~や・~わ」

間投助詞

「~さ・~よ・~だよ・~ですよ」

副助詞

「~ばかり・~まで・~だけ・~ほど・~くらい・~など・~なり・~やら」

係助詞

「~は・~も・~こそ・~でも・~しか・~さえ・~だに」

接続助詞

「~や・が・けれども・ところが・~のに・~から・~ので・~て」

準体助詞

「の」(例:彼に聞くのがいい)・「から」(例:仕事に就いてからが大変だ)

●まとめの一言


より読みやすく、よりわかりやすい文を書くこと(話すこと)を目標に、文法に向き合ってみましょう。

「いつ、どこで、だれが」という情報(5W1H)を頭の中で整理しやすくなり、言いたいことが明確に伝わる書き方・話し方ができるようになっていきます。

学生さんの場合は、国語の成績がアップするのと並行して、他の教科(理科・社会・数学など)の成績アップも期待できます。

私たち大人の場合は、人と上手にコミュニケーションをはかれるようになるので、人間関係や仕事に良い影響があること間違いなしです。

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