前記事は「好印象を与える定番フレーズ」、つまり社交辞令について、でした。
前記事→日常のさまざまな場面で使える! 憶えておきたい社交辞令200フレーズ
社交辞令を頭の中にたくさんストックしておくと、時と場合に応じた的確な一言を口にすることができます。
そこで今回は、社会人・会社人に必須の社交辞令フレーズをご紹介したいと思います。
「こういう場合はこういう言い方をするといいんだな」
と理解を深める一助としていただけますなら幸いです。
●形から入って、心を宿す
ビジネスにおいては、どんな場合も、誰に対しても、常に「マナーをわきまえた表現」をすることが求められます。
その「マナーをわきまえた表現」というのが、型どおりのものであってもいいのです。
「あまりに形式的で、心が感じられない」
という人もありますが、そもそもマナーや礼儀というものは形式によって成り立っています。
ですから、
「まずは形から」でよいのです。
形を憶え、何度も口にすることにより、自分なりの感情や心がこもっていきます。
すると自ずと、「マナーが身についた人の自然な表現」となり、自分にとっても相手の方にとっても、違和感なく受け入れられるものとなっていきます。
では、さっそく、さまざまな「型」を見ていきましょう。
●仕事相手にはじめて会うときは、ぜひこんな挨拶を
はじめまして。私、○○社の○○と申します。
はじめてお目にかかります。どうぞお見知りおきください。
ご挨拶が後れましたが(申し後れましたが)、私、○○社の○○と申します。
本日は、お忙しいなか貴重なお時間をさいていただき恐縮に存じます。まことにありがとうございます。
これを機に、今後ともどうぞお引き立てのほど(ご指導のほど)、お願い申し上げます。
失礼ですが、(名刺のお名前)何とお読みすればよろしいのでしょうか。
(あってはならないことですが、名刺を持参し損ねた場合は↓)
名刺を持ち合わせておらず、大変失礼いたしました。
出直しますが、何時頃ならご都合よろしいでしょうか。
本日は貴重なお時間をありがとうございました。
○○様、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
●顧客や取引先を訪問したときは
いつも大変お世話になっております。
失礼いたします。(「お邪魔します」はNG)
今日はありがとうございました。
また伺います。(「また来ます」はNG)
●仕事相手にご来訪をお願いするときは
お忙しいところを申し訳ないのですが、こちらまでおいで願えますか。
(「お越し願えますか」「お運びいただけますか」「ご足労を願えますか」もOK)
(「来ていただけますか」はNG)
ご都合はいかがでしょうか。(「ご都合はどうですか」はNG)
いかがいたしましょうか。(「どうしますか」「どうなさいますか」はNG)
何時にいたしましょうか。(「何時にしますか」「何時にしましょうか」はNG)
○○をお持ちいただけますか。(「ご持参くださいますか」はNG)
どうぞよろしくお願いいたします。(「よろしくどうぞ」はNG)
●仕事相手を出迎えるときは、ぜひこんな対応を
○○様、いらっしゃいませ。お待ちしておりました。
お忙しいところを、お運びいただきまして。
こちらへどうぞ。ご案内いたします。
(床に段差があるときなど↓)お足元にお気をつけください。
○○が、ただいま参ります。(「○○さんが今、来ます」「いらっしゃいます」はNG)
お掛けになってお待ちください。(「お座りになって」はNG)
お客様がお見えになりました。
お客様をご案内しました。(「お客様をお連れしました」はNG)
お待たせして失礼いたしました。
あいにく、○○はただいま席をはずしております。
お急ぎでしたら、私がご用件を承りますが。
お差し支えなければ、私がご用件を承りますが。
承知いたしました。
かしこまりました。(「わかりました」「了解です」はNG)
○○に申し伝えます。(「○○さんにお伝えします」「言っておきます」はNG)
●電話でやりとりするときは
いつも大変お世話になっております。○○社の○○と申します。○○様にお取り次ぎを願えますか。
○○様、いつも大変お世話になっております。今、お話ししてよろしいでしょうか。
いつも電話ばかりで失礼しております。
電話で大変申し訳ないないのですが。
いただいたお電話で失礼ですが、この件、ちょっとよろしいでしょうか。
(よく聞き取れなかったときなどは↓)お電話がちょっと遠いようで。
と、おっしゃいますと?(「と申されますと?」はNG)
私ではわかりかねますので、担当の者に替わります。
折り返しお電話いたします。(お電話させます)
○○様におことづてをお願いしたいのですが。
●会議・商談・交渉など、大事な場面では、ぜひこんなフレーズを
定刻になりましたので、始めさせていただきます。
お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。
ではさっそく、○○についてご説明申し上げます。
手短に申しますと。
結論から申しますと。
○○をご利用いただけます。(「ご利用できます」はNG)
○○を用意しております。(「用意してございます」はNG)
すでにご存じかと思いますが、ご覧に入れたいものがございます。
もう少し、続けさせていただいてよろしいでしょうか。
以上で説明を終わりますが、何かご質問があれば、どうぞご遠慮なくお願いいたします。
ご理解いただけたでしょうか。
ご納得いただけたでしょうか。
お気に召したでしょうか。
ご意見をお聞かせください。
おおせのとおりです。
まさに、おっしゃるとおりでございます。
おっしゃるところはよくわかりますが。
そのあたりは見解の分かれるところですね。
すみません、少し誤解があるようですが。
私の手元の資料では○○となっておりますが。
改善案として、このような方法はいかがでしょうか。
ご発言中ですが、要約させていただくと。
まことに恐縮ながら、○○にしぼってご意見をいただけますでしょうか。
その議論は、また別の機会に。
他の方のご意見も伺いたいと思います。
ほぼ意見も出つくしたようですね。
ちょっと意見の整理をしておきましょうか。
本題に戻しますと。
時間がございませんので、今日のところは、そういうことにしておきましょうか。
いろいろと素晴らしいご意見をいただき、ありがとうございました。
おかげさまで、中身の濃い打ち合わせができました。
●まとめの一言
社会人・会社人に必須の社交辞令をご紹介してまいりました。
「こういう場面では、この定番フレーズを」というように、使い方がほぼ定められているので、とても簡単ですし、便利ですね。
社交辞令の「形」を憶えて、何度も口にして、そこに自分なりの感情をこめていきましょう。