文章構成術

文章構成術/論の組み立て

投稿日:2018年8月6日 更新日:

【一筆箋の書き方】
贈り物をするとき、または仕事上の書類を送る際など、ちょっとしたメッセージを書き添えておくとよいですね。
そんなときに重宝するのが、一筆箋です。

一筆箋の用紙は8センチ×18センチくらいのサイズで、そこに一言書けるようになっています。
封書や葉書では重たく感じられる場合に、活用すると便利です。

田中一郎様

いつも大変お世話になっております。

先日ご用命を賜りました○○○が完成しましたのでお届けいたします。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

山田花子

というように、

「宛名→簡単なあいさつ→本文→結び→署名」

という流れで書くのが一般的です。

↑メール文の場合も同様ですね。

現代人に必要な文章構成術

一筆箋やメールのほか、SNSへの書き込みなど、短文を書く機会は日常的に結構あります。

これが簡単なようでいて、なかなかむずかしいのです。
わずか3〜4行であっても、どのように話を始め、どのように終えるかを決めなければならないからです。

そこで必要となるのが、文章構成術です。

3部構成ならば「序破急」

4部構成ならば「起承転結」

というように、流れを意識しながら書くと、うまくいきますよ。

序破急

導入部

展開や転換が起きる

結末

起承転結

これから述べることの総意を簡潔に伝える

具体例を挙げるなどして、「起」を補足する

話題や視点を変える

「転」で述べたことを踏まえて、結論を述べる

────────────
「序破急」も「起承転結」も、

序論→本論→結論

という基本構造は同じです。

「起・承・結」もOK

「起承転結」の「転」にあたる情報がない場合は、つまり話題の転換をはかる必要がないなら、「起・承・結」でいけばいいのです。

前述の一筆箋にも、「転」はありません。

いつも大変お世話になっております。

先日ご用命を賜りました○○○が完成しましたのでお届けいたします。

ご確認のほど、よろしくお願いいたします。

↑これは典型的な「起承結」の構造ですね。

あえて「転」から書き出すのもOK

作文や読書感想文、エッセイなどをより面白いものにするために、あえて「転」を冒頭に持ってくるという方法もあります。

意外なことから書き出して、「えっ、そんなことってあるの?」と読者の興味をひき、そして、冒頭の「転」につながる「起」や「承」を語っていくわけです。

このような「転・起・承・結」という文型もあること、覚えておくとよいですね。

エッセイなどの情緒型文の場合は、「結」はあってもなくてもよい、という感じです。

倒叙法についても知っておこう

現在から過去へ、時間を逆にさかのぼって叙述することを「倒叙法」といいます。

「倒叙ミステリー」というものもあります。
「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」などがそれですね。

まず事件が起こり、犯人が明かされた上で、警察あるいは探偵役が捜査に乗り出し、事件を解決していきます。

犯人とおぼしき人物の行動を分析し、動機を推理するプロセスがたまらなく面白いので、「やったのは、こいつだ」とわかっていても、つい引き込まれて最後まで読んで(見て)しまいますね。

この「倒叙法」というのも、「転」から始める書き方の一種であろうと思います。

●まとめ

論を展開する流れは自由に作っていくことができます。

基本となるのは「序論→本論→結論」という流れで、「序破急」「起承転結」といったバリエーションがあります。

転から書き出すのもOKですし、結論から先に述べたほうがよい場合もあります。

どんな場合にも決して忘れてはならないことは──

話が行ったり来たりすることなく、流れがスムーズ。
必要な情報が「もれなく・重複なく」盛り込まれている。
矛盾する点がない。

これらに留意して、理路整然とした文を作っていきましょう。

関連記事→文章構成術/雑誌記事の場合

-文章構成術

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